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24ー君がいるから
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お腹は満たされ怒りも治まってきた
カフェに行く道すがら、チンピラみたいな半グレみたいな数人がたむろしてる
東城会が解散した後、神室町はこういう半グレが多くなってきてる
適当にグループを作ってなんのルールもなく、勝手に暴れ回る
店で暴れられた時なんかは、警備会社の出番という感じらしい
だから、お店と契約したりする
ヤクザのケツ持ちみたいなものかな
昔なら、東城会でお仕置きしてたみたいだけどね…
ま、あんまり変わらない気もするけど…
私はもう若い娘ではないから、絡まれることも無くすんなりカフェに着いた
コーヒーを頼んで一服する
喫煙席も大分席が少なくなってきた
そのうち全席禁煙になるんだろうな
コーヒー美味い!と思いながら頬杖を着いて窓の外を見てたら、見慣れたジャケット
相変わらず目立つな〜フフッ
ヤクザ辞めてもあの格好は続けてるんだよね
まさか私がここに居るとは思ってないから
素通りしていく
ずっと見てたら、チンピラ風の男が後をつけるように後ろを歩いてるのがわかった
なんとなく、ホントになんとなくなんだけど
嫌な予感がして、直ぐに会計をして外に出る
真島さんは、全く気付かず歩いてる
足が長くて歩幅が大きいから、後ろを着けてる男もその男を着けてる私も小走りだ
『どこに向かってるんだろう』
この先の場所を思い浮かべてみれば、警備会社の事務所だ
ヒルズ完成前の仮の事務所
『フフッ謝りに来たのかな〜』
細い路地に入る、両側には小さな店が並んだ通り
私は、前の男を抜かして
真島さんを脅かしてやろうと走り出した
抜かす時、チラッとその男を見た
キラリと光るものを胸に抱えてた
刃物だ
その男は、私には目もくれず
走り出そうとした
まさか!?真島さんを?
咄嗟に、ほぼ反射的にその男のジャンパーを掴んだ
「うお!な、なんだお前」
『何しようとしてんのよ』
「うるせぇ離せ!」
人通りの少ない路地で殺ろうとしたんだろうか
真島さんは、めちゃくちゃ速い
そこらじゅうの店からの音で、私たちの声は聞こえてない
「離せ!この野郎!」
『やッ!』
振り上げられた刃物が下ろされると
胸の当たりがジワっと濡れてくる感覚と
鋭い痛み
足に力が入らなくて、その場に崩れる
『うッ…ぁ…ッ』
男は、私を見下ろすと
「ひ、一人も二人も同じだ…」
と呟いて
また、真島さんの後を走って追いかけようとしていた
立ち上がる事が出来ない…
真島さんが…危ない
最後の気力を振り絞って叫んだ
『真島さんッ!』
必死で叫んだ
その後にヒューっと喉から空気が漏れていく
声が届いたのか、何かを感じ取ったのか
足は止めずに振り向く真島さんが、スローモーションのように見えた
男が振り上げた刃物を簡単に避けた真島さんは
その腕を掴んで捻りあげる
刃物が手から落ちると、それに付いた血と…
私を見る
何か叫びながら、その男の顔面を思い切りぶっ飛ばした
その辺の店から人が飛び出してくる
私の周りに集まってくる人が、「救急車!」
とか「警察!」と叫んでる
その声がどんどん遠くなっていく
『ま…まじ…ま…さん』
人垣の足の間から、走ってくる真島さんが見えた
手を伸ばすけど、その手は触れられることなく
私は意識を失った