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14ー求めてたもの※
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海沿いを走り続ける車
窓の外の海を夢中で見てる
時々、車を停めて二人で海を眺める
熱海で有名な神社にも寄ってみた
作法とか凄くサラっとやってのける真島さん
極道は、そういうの厳しいんやで?って言ってた
大きな楠を二人でグルっと回って、「よっしゃ二人で長生きや!」なんて言って笑って
ホントずっと一緒にいたい…最後の時まで
私の拙い記憶を辿って
確か、緑の芝生が広がる中に一本の道
その景色が凄く好きだった
「どや?記憶とマッチしたか?」
『はい、こんな感じでした!』
「久美が子供の頃来とったのかぁ〜」
『子供って言っても高校生くらいにはなってましたよ』
「その頃、俺は何しとったかなぁ」
『27、8歳くらいですか?』
「あ〜そんくらいやなぁ」
少し遠い目をして黙ってしまう
何かあった時なのかな…
聞きたいような、聞きたくないような…
『私、あの頃は何の不安もなく毎日楽しんで生きてました』
「高校生やもんな」
『兄が免許を取って、みんなでドライブ行ったりして』
『その幸せを当然のように過ごしてました』
流れる景色が、あの頃とリンクする
「仲良い家族やな、今はどうしてるん?兄ちゃん」
『兄は結婚してちょっと離れてしまったので…でも、結婚するまではよく面倒見てくれてました。母は、病気で亡くなったので』
「そうなんか…兄ちゃん頼りになるんやな」
『私が中学から高校までくらいはダメ人間過ぎてて心配だったんですよ、兄はしっかり者なので、フフッ』
『…』
あの頃、楽しくて幸せだったけど
過去に戻りたいとは思わない
私はいつでも、早く未来に行きたかった
もしかしたら今よりは、辛いこの時よりは幸せになってるかもしれないって…そう思って
「その頃…結婚しとったわ…」
『え?』
「って言っても一年位で別れてしもうたけどな…」
『そ、そうなんですね、結構若い時だったんですね』
「せやな、まだあんな若造でなーんもわかっとらんかったんやな…人の人生背負うっちゅうことが」
『でも、それは私もそうかも…なーんにも考えず結婚しちゃって』
「お互いに、過去の事を教訓にせなな!」
『そうですね』
「俺な、その時にわかったんや…思ったことはちゃーんと伝えなアカンなって」
「言葉で言わな伝わらんから…だから久美にはぜーんぶ伝えるからな?」
『はい』
「久美もちゃんと言えや」
『え?』
「愛してる〜とかや」
『やだ、恥ずかしいもん』
「言わな伝わらんで?」
「久美、愛しとるで」
『…』
「ほれ、愛しとる」
『あ、愛してます…』
「ヒヒッ、大好きや〜」
『フフッ、私も大好き!』
「ちょっと降りよか」
『はい』
駐車場に停めて外に出ると、広ーい空と
目の前に富士山
『わぁ!富士山!大きい〜!』
「ホンマや、凄い景色やな」
『どこだか忘れちゃいましたけど、こういう看板の前で麦わら帽子被って写ってる写真がありましたフフッ』
「ヒヒッ高校生の久美も可愛かったやろな」
『顔パンパンでしたよ』
「可愛ええやん、健康的で」
「今度見せてや写真」
『やです!あんなパンパン』
「幸せな証拠や」
二人でボーッと広い空とそびえ立つ富士山を見ていた
青い空に、秋めいた雲が散らばってる
こんなふうに空を眺めるなんて久しぶり
『気持ちいい…』
「ホンマやな」
「こんなゆっくりしたの久しぶりや」
『神室町じゃゆっくりは出来そうもないですね』
「ヒヒッ、西田がいつも見張っとるからな」
『西田さん、ご苦労さまです』
「なんや〜西田側か?」
『どっちでしょう?』
ガシッと後ろから羽交い締めにされて
「俺側と言えや!このぉ〜」
『ちょっと!やめっ!』
「言わんと離さん!」
『ま、真島さん側ですっ!』
「ホンマやな?」
『当たり前です』
と言うと、チュッと頬にキスをされる
「強い味方やな」
『フフッ、もう、くすぐったい!』
『誰が何を言おうと、みんなが違うって言っても、私は真島さんの味方でいます』
「俺もや、久美が誰に責められようと俺だけはずっと味方や」
マッタリと景色を堪能して、車に戻る
そこから城ヶ崎海岸へ向かった
そう言えば、宿は何処なんだろ
『真島さん、今夜の宿ってどこなんですか?』
「あ〜どこ行くか細かく決めとらんかったから、途中で西田に電話して近場抑えるように言ってきたわ」
『そんな事出来るんですか?』
「出来るやろ」
何を根拠に?
連休中だから、混んでるだろうと思うけど…
『なるべく早めにどの辺にするか決めた方がいいですね』
「せやな〜、なんや温泉あるとこあったな」
『伊豆稲取ですかね』
「そこや、ちょお待ってな」
真島さんは、途中のコンビニに車を入れて
スマホを取り出し電話をかける
「ああ、俺や、伊豆稲取の部屋に露天風呂ついとる部屋取っとけや」
『は?』
「いっちゃんエエ部屋やぞ!」
『え?』
「おう、待っとるわ」
部屋に露天風呂!?
あ、でも真島さん刺青…だからお部屋に温泉は必須だよね
直ぐに電話が鳴る
「おお、わかった」
「取れたで」
『す、凄い…』
『どんな手を…』
「一番高い部屋なんぞそうそう埋まらんやろ」
『あ、そういうことですか…でも、そんないい部屋勿体なくないですか?』
「なんでや、せっかくなんやから」
『いや、貧乏性なので…』
「俺と居る時はお姫様や」
ちょ、恥ずかしい…
『なんか、私…幸せ太りしちゃったらどうしよう』
「大丈夫や、夜に仰山運動させたるからヒヒッ、それにな、もうちと肉つけた方がええで」
『ッッ!』