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9、立ち込める黒い雲
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その手が下に降りていく
『やっ!』
「動かないでってば」
「ホントは嬉しいでしょ?だって、いつも喜んでたよね?」
『なわけな――』バリーーーンッッ!!!
な、なに!?
突然聞こえた声に、助かったと思った
「おい、オッサン!人の女になにしてんのや?」
「な、なんだ!」
真島さんは、割れた窓から手を突っ込んで
ソイツの胸ぐらを掴む
その勢いでナイフが私から離れた
直ぐにドアを開けて外に飛び出る
思った以上に怖かったのか、腰が立たなくて
そこにペタッと座り込んだ
「あんなぁ〜教えてやるわ…お前女もろくに満足させられんとよく男やってられるわ」
「な、なんだと?」
「喜んでたわけないやろ?キモイだけやで?」
「クソっ!ヤクザ風情が!」
「それより最低なことしとるんやで?お前」
「エエか?…最後の忠告や、これ以上コイツに近付くなら死ぬよりヤバい目に遭うで?あんま、極道ナメるなや…」
「ヒッ…」
「分かったらサッサと帰れや、あ、そや…暫くは色々と気ぃ付けや?ヒヒッ」
そう言われると、慌てて運転席にに移動して車を発進させ
猛スピードで逃げていった
アスファルトに転げた私に真島さんが駆け寄る
「大丈夫か?」
『あ、あ…は、い』
今頃になってガタガタ震えがきた
「大丈夫や、もう、な?」
『ぅ…』
真島さんは、私を抱えながら
駆けつけてくれただろう車に乗せる
抱きしめて背中を摩ってくれた
「怪我しとらんか?」
コクコクと頷く
「怖かったやろ?スマンな見たら怒りが抑えられんで久美が居るのに窓叩き割ってしもうたわ」
『すいま…せん…電話なんてして…』
「何言うとるん?俺は嬉しかったで?俺のこと頼ってくれたんやろ?」
『…』
「震えとるやんか」
『だ、大丈夫…』
「なんで来たん?アイツ」
『探偵…に』
「はぁ〜ん、そういう事か」
「もう二度と姿現さんようにするから安心せぇ」
一体どうするって言うのか…
この時、ヤクザの真島さんを見た気がした
『で、でも…あんな奴の…せいで、真島さんが…』
「ヒヒッ、そんなヘマせん」
「それに、殺すわけやない」
私は、顔を上げて真島さんを見た
言ってることは恐ろしいのに、その顔は優しさに満ちていた
真島さんは、大きな手で私の頬を撫でると
自分の胸に頭を押し付けた
真島さんの鼓動と息遣いが聞こえる
だんだん気持ちが落ち着いてきた
この胸の中に…ずっと居たい
私の心も、どんどん真島さんに染まっていった