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7ー包み込まれる※
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仕事を無事に辞め
残っていた有休を消化してる
不思議と辞めたら身体は楽になってきた
その間にも仕事を探しながら
真島さんは、色んなところに連れて行ってくれた
その度に、「娘ちゃんにお土産買うて行こうや」と言って大量にお菓子やらを買ってくれる
今更知ったんだけど、真島さんは組長さんだった…
ヤクザの組織図が全くわからない
時間がいつも自由だから、ある時聞いてみた
『ヤクザさんって、結構時間は自由なんですか?』
「あん?まあ、俺は組長やからどうにでもなるっちゃなるわ」
『え!?組長!?』
「せやで?」
『そ、そんな偉い人だったの?』
「偉いかどうかわからんけど…組ん中では偉いんかのぅ」
『そ、そうなんだ…なんか、恐れ多いですね』
「今更かいっ」
「んな事気にせんでエエよ」
だから、忙しい時は忙しいらしいけど
比較的自由らしい
「久美ちゃん、だんだん笑顔増えて来たのぅ」
『え?』
「表情柔らかくなってきとる、今までこんなやったで」
指で目尻を釣り上げて見せる
『そ、そうですか…』
「今の方が可愛ええで?」
『…』
「照れんなや」
この日はいつになく…いや、いつもより
私の事を褒める真島さん
お酒もいい感じに回ってきた
心が少し解放された事と、甘い言葉を言われていたからか…
凄く甘えたくなってしまってた
「そろそろ帰るか」
『ん…』
「ん?」
時計を見ると7時
大人の夜はこれからなのにね
でも、娘が待ってるし…
『待って』
私は娘にメールする
(ちょっと遅くなるけど、カレーあるから先に温めて食べといて、ごめんね)
『もう少し…』
「大丈夫なんか?」
『はい』
「…」
『?』
BARのカウンターの端に座ってた私達
真島さんが、私の腰に手を回す
ゾクッと何かが駆け巡る
耳元に口を近付けて
「そろそろ抱きたいんやけど…ええか?」
『…ッ!』
私は…やっぱり少し、自分がやってたことの罪悪感があるから、真剣にいつも向き合ってくれる真島さんにこんな身体を見せたくない…という気持ちがあった
『あ、あの…』
「久美ちゃん、俺の事少しは好きになったか?」
『好き…です…』
「なら、エエやろ?」
『でも…』
「気にしとんのか?」
『私なんて…』
「せやから、俺が全部綺麗にしたる」
『え…』
「俺なら久美ちゃんのこと、全部綺麗に出来るで?」
「いうても、こんなに久美ちゃんの事好きやからな」
「愛の無い奴らとはちゃうで?」
確かに…
ここまで数ヶ月
初めてのキスはついこの間
それ以上の事はして来なかった真島さん
「結構我慢したんやで?この俺が有り得んくらいヒヒッ」
「もちろん、その間他所の女にも手ぇ出しとらんで?」
『はい…』
「んなら、エエか?」
コクッと頷く
ほぼ強引にだけど…
「なら、行くで」
と、手を取り
カウンターの上に札を置くと
「ごっそさん!」
と言って店を出た
タクシーを拾ってどこかへ向かう
車から降りて手を引かれて歩く
少し酔っていた私は、足早に歩く真島さんに
必死で着いてく
あぁ、酔いが回っちゃう
そんなに急がなくても…
いつもは歩幅を合わせてゆっくり歩いてくれる真島さんがこんなに焦ってる
なんか、ホントに凄い我慢してくれてたんだなって思って少し真島さんが可愛く見えた
そんなに求められてることも…なんか嬉しくて…
真島さんが、立ち止まったそこは所謂そう言うホテルではなく
普通のホテルだった…普通と言うか高級なホテルっぽい
『え?』
「他の男との違い見せたるわ」
と言って、その建物に入っていく
フロントで何やら偉そうな人と話してる
鍵を受け取って
エレベーターが上昇していく間
隅に追い詰められ、唇を貪られた
こんなに激しく口付けられた事がなくて
息が吸えず、更に酔いが回る
キスだけでヘロヘロになって辿り着いた部屋は
夜景がとても綺麗だった