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6ー頼れない女
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背中を押されて、私は今の職場を辞めるべく
次の仕事を探し始めた
仕事を減らしたおかげで面接に行く時間は取れた
ただ、何の資格も特技も無い私は
なかなか仕事が決まらなかった
そりゃそうかこれが現実…世間は厳しいな
なんか、余計に自分のダメさ加減が思い知らされたようでブルーになってた
そうこうしてるうちに
私の身体に異変が起き始める
仕事に行くと、酷い頭痛と目眩に襲われる
毎日こうなると、かなり心が折れてきた
真島さんも、心配してくれてる
休みの日に連れ出してくれた
組の方が運転する車で結構走ってるけど、何処に行くのかなと思ったら、着いたところは静かな湖だった
車から降りて、引き寄せられるように湖の畔に向かう
静かで、自然の音しか聞こえない
風が木々を揺らす音
すーっと息を吸うと
肺の中に少し冷たくて綺麗な空気が入ってく
座り込んで、ずーっとうっすら波打つ湖面を見つめてた
涙が滲む
その波が永遠に続く終わりのない自分の駄目な人生みたいで
私、何やってんだろ
絶対に一人で生きてやる!って決めてたのにな
仕事なら誰にも負けないって頑張ってやってたのにな
結局、一人でなんて出来てなくて…誰かに縋って…
真島さんに助けて貰ってばっかりで、ホントに情けない
どうして?なんで一人でやれないの?
この位やってる人沢山いるんだよ?
甘ったれ!ダラしない!
心の中で誰かに叱咤される
隣に真島さんが座って
頭をポンポンとされる
「どうせまた溜め込んどるんやろ」
『…』
『人生って、こんなに辛いもんなんですかね…まあ、私がやってきた事を考えれば当然だけど』
「んな事ないやろ、楽しいことも仰山あるで?」
『あるのかなぁ…早くそこまでたどり着きたい…どれだけやれば行けるんだろ…何処にあるんだろ…』
「…」
『疲れたぁ…』
真島さんが、私の肩を抱く
グッとその手に力が入ると
「もうエエよ、頑張らんで」
『…』
「直ぐ辞めえ、仕事」
『フフッ、そんな…』
「お前らくらいどうにでもなるわ」
『え?』
「次の仕事見つかるまででもエエ、世話になるのが嫌ならな」
「やから、もうそんななるまで頑張るなや」
『甘えすぎじゃない?』
「俺がエエ言うとるんや」
「心配なんや、好きな女がそんななっとんのに放っとけるかいな」
『真島さん…』
「今までもずーっと言おうと思うとったんやけどな、久美ちゃん絶対男の世話にならんって思うとるやろ?どうせ言っても聞かんやろなと…やから様子見とったけど、アカン、俺が心配でおかしくなりそうや」
『だって…私がやらなきゃいけないことだもん』
「手伝うっちゅうことや」
「何も気ぃ使う必要あらへん」
「俺が久美ちゃんの人生手伝いたいんや…早くそこに辿り着けるように」
真島さんの手が、肩から腰に滑り降りていく
グイッと引き寄せられる
「久美…任せろや…俺に」
顔を上げると、唇が重なった
触れるだけの初めてのキスは、タバコの香りと
唇の温もりがジーンと心にも浸透していくような気がした