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31−すり減った心
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バァーンと事務所の扉が乱暴に開く
大吾や
「真島さん!分かりました!」
「どこやッ!」
「仙台です」
「クソッ!すぐ行くぞ!」
「兄さん、新幹線だ、その方が多分早い!」
「兄弟、俺と大吾で後から車で行く」
「兄さん、行こう!」
新幹線の中で逸る気持ちを抑えながら
久美の無事だけを祈る
命があればええ
生きててくれればええ
どんな事になってようとも、俺は久美を取り戻す
「兄さん…久美…きっと待ってるよな」
「当たり前や」
その後は二人とも何も言葉を発さなかった
桐生ちゃんも、久美のことを心配して東京に残ってくれとった
仙台についてタクシーを拾う
大吾に聞いた住所を告げそこまでどのくらいか聞く
「20分くらいですかね」
「んじゃ、頼むわ」
「はい」
手が震えてくる
恐怖じゃない、俺の手が
アイツを殴りとうてしゃーなくなっとる
「桐生ちゃん、やり過ぎんように止めてや」
「ああ、わかった…」
何の変哲もないマンションがそこにはあった
久美が攫われたあの日から三,四週間ほど経ってる
教えられた部屋番号の前に立つ
インターホンを鳴らす
「はい、どちら様ですか?」
あの男か?
「すいません、水道局の者ですけど管理人の方から連絡がありまして、ちょっと宜しいですか?」
「え?ああ、ちょっと待ってください」
カチャっと鍵を開けたのを確認して
ドアノブをグイッと思いっきり引く
筋モンちゃうからこういうとこは隙がありすぎやな…
「うわっ!な、なんなんですか!」
「久美は何処や!」
「な、なんで…」
俺はドカドカとそのまま部屋の中に入る
桐生ちゃんが、男をとっ捕まえて後ろ手に拘束する
「久美っ!」
ここか?
奥の部屋の扉を開く
そこに
俺の愛する久美はいた…
下着姿のままベッドの柵に手を縛り付けられ
座っていた
ゆっくりと俺の方を見るその目は
あの綺麗な目ではなく虚ろだった
『ま、まじ…ま…さ』
直ぐに久美を抱きしめる
細くなった腕には…
青紫のアザと注射痕
ま、まさか…
「お前…久美に何しおったぁッ!!」
桐生ちゃんに掴まれたままで、ソイツは不敵に笑う
「フフ…もう少しで完全に壊せたのに…」
「このボケがァァァァ!!!」
顔面をぶっ飛ばしたソイツは壁に強く打ち付けられて直ぐに意識を失った
それでも収まらない俺は、胸ぐらを掴んで
殴り付ける
「兄さん、もういい!早く久美を連れて帰ろう」