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8、決闘
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先日のセレナでの出来事は、兄さんはあまり感づいて無いらしい…うん
一番怖いのは桐生ちゃんの暴走
下手に小細工出来ない素直人間の桐生ちゃんが、正面から兄さんに決闘を挑んできたらどうしよう…ってこと
断っても断ってもどうにもならんときって
どーすりゃいいの?
贅沢な悩みだな〜これ
でもとにかく。
アタシは兄さん一筋なんだ!
兄さんの過保護は相変わらずなんだけど、ここの所東城会の中でのゴタゴタがあったらしく真島建設の方にも顔を出してないみたい
アタシにはあんまり極道の中に入って欲しくないみたいで詳しい話は聞いたことがない
ピロン♪
ん?
♪♪♪〜
着信だ
『はい…もしもし』
「あ!久美ちゃん?」
『はい。秋山さん?なんでアタシの番号…』
「今それどころじゃないんだよ!桐生さんと真島さんが…」
『え?!』
「いや、俺も人から聞いたんだけど詳しいことはわからないんだ」
『え?え?何が起きてるんですか?』
「桐生さんが、突然真島さんに決闘を申し込んだとか…理由はよくわからないけど…でもきっと久美ちゃんの事だよね?」
『え…えっと…でもちゃんとお断りしましたよ?』
「あー、もう自分の気持ち抑えられなくなっちゃったのかな桐生さん…素直だからなぁ」
『でも、でも…喧嘩なんかしたら真島さん負けちゃったら…どうなるんですか!』
「いやぁー、まさか負けたからって久美ちゃんを差し出すなんてことはないと思うよ…流石にね」
……ふぅ…
ホントかな。なんかわけわからないとこで男気とか出しちゃう人達だもん
変なことにならなきゃいいけど…これもいつもの喧嘩で終わってくれるといいけど…
それに、アレはゲームだったからいつも桐生ちゃんが勝ってた(当たり前)けど、本当は兄さんの方が強いかもしれないじゃん!
秋山さんからの電話を切って
いても立っても居られず外へ行こうとした
「あ、姐さん?どこへ?」
『あの…今真島さん何処にいるかわかりますか?』
「あ、ああ…」
『連れてってください!』
「いやぁ…あの…親父に絶対教えるなって言われてるんです…すいません」
『そんな…』
アタシのことなのに、何もできることがないの?
兄さんのために出来ることもないなんて…
涙がポロポロこぼれ落ちてきた
「あ!!姐さん!あの…あの」
『す、すいません!なんでもないです!』
と言って部屋の中に戻った
待ってるだけしか出来ないなんて
こんなの我慢できない
大きな怪我でもしてたらどうしよう…
二人の間に大きな亀裂が入ってしまったらどうしよう…
アタシがこの世界に来たせいで…
何も出来ない自分に苛つきながら、部屋の中をウロウロして、何度も兄さんに電話もしたけど出ない!
どうしよう…
バァーーーーーン!
勢い良く扉が開く
「はぁ…はぁ… 久美」
兄さんが…え?…怪我してる?…
『真島さんっ!』
『だ、大丈夫ですか!?』
「大丈夫や!ワシが負けるわけないやろ…」
「もちろん普段の喧嘩もやが、久美がかかってる勝負や!負けるわけあらへん!」
『ま、真島さん…』
『桐生さんは?』
「諦めた…とは言えないやろな…あの顔は」
えぇーーー!
諦めて!そこは!
「てか、久美…」
『は、はい…』こ、こわい…
「あん時、セレナで桐生ちゃんにキスされたってホンマか?」
兄さんが真顔ででズズっと近付いてきた
『あ、あの…逃げられなくて』
「いや、それは桐生ちゃんが言っとった。自分が無理やりしたってのぅ」
『ごめんなさい…もっと必死になれば逃げられたかも…』
「酔うてたしな久美。桐生ちゃんの力に勝てるわけないわ。やっぱり何処にでも俺がついて行かなアカンな…」
ニコッと微笑んだ兄さん
ああ…良かった…怒ってない?
『はい…離れません…』
「よしよし!それで良しや!」
と言って頭をワシャワシャっと撫でてくれた
「この話は終いや!な?」
『は、はい…』
ギューっと抱きしめられて
また兄さんの温かさと大きさを知った