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25、あの時、この場所で〜桐生side
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女… 久美は気付いたらあの路地に倒れていたと。
『元居たところは、この世界では無いと思うんです…』
「?!」
「何だって?」
『ここに来る前にどこで何をしていたのかもハッキリ思い出せないんです…でも、こことは違う世界に居たことはわかります。で、気がついたらさっきの男の人達に囲まれてて…それで…』
「…」
『だから…帰るところがないんです…ここがどこだかもわからないし…』
「え?」
「オイオイ、なんだそりゃ」
『だから…信じて貰えないって…』
「そんな話なんか聞いたことねーよ」
『嘘じゃありません!アタシもどうすればいいのか…わからなくて…』
嘘を言ってるようには見えない
しかし、そんな事あるのか?
突然現れたってことか?
「とにかく、行く所ないんだろ?」
『は、はい…』
「本部に連れてくか」
「おい、桐生、もしどっかの組の回し者だったらどうすんだよ」
「こんなに怯える回し者なんかいるのか?」
「んまあ、そうだけどよ」
久美を見つめて
「来るか?」
『いいんですか…』
「このままほっつき歩いてたらまたお前違うやつに襲われるぞ。ここはそういう町だ」
『…!』
久美の目から大粒の涙がホロリと落ちる
涙の膜が張った潤んだ瞳で、助けを乞うようなその表情に、心臓の辺りがギュッと掴まれた気がした
迎えの車を呼んで、とりあえず本部に連れて帰った
『ここって…』
「東城会本部だ」
『と、東城会…』
「久美ちゃんは知らないだろうけど、極道の本部だよ」
『あ、ああ』
久美は、全く知らないような感じでもなかったが、混乱してるみたいな顔をする
突然現れた女が東城会を知ってるとも思えないが…
「とにかく、今は休め。まだ辛いだろ?」
『は、はい…すいません』
「今、部屋を用意させる」
本部には小さめの応接室がいくつかある。
とりあえずそこへ連れて行く
「ここだ。好きに使え」
『あ、ありがとうございます』
「何か欲しいものがあれば、外の奴に言うといい」
『はい…』
「じゃあな、明日また顔見に来るからゆっくり休め」
『はい…あ、あの…』
「ん?なんだ?」
『ご、極道さんなんですか?』
「あ?あ、ああ…そうだな」
首を掻きながら答える
そんな改まって聞かれたことなんてないから
なんだか答えるのも変な感じだな
『こんなに優しいんですね』
「なに?」
『いえ…あの…イメージで…もっと怖いのかと思ってました』
「いや、危ねぇ奴の方が多いぞ、気をつけろよ」
っていうのも、なんか変だな
『あ、はい…』
「じゃあな」
『ありがとうございます!』
「…ッッ!」
時々見せる表情にいちいちドキッとする
口数は少ないが、まあまだショックを受けてるみたいだからしかたねーか
とにかく後は明日からだな
その日は俺も一応本部に泊まることにした
『元居たところは、この世界では無いと思うんです…』
「?!」
「何だって?」
『ここに来る前にどこで何をしていたのかもハッキリ思い出せないんです…でも、こことは違う世界に居たことはわかります。で、気がついたらさっきの男の人達に囲まれてて…それで…』
「…」
『だから…帰るところがないんです…ここがどこだかもわからないし…』
「え?」
「オイオイ、なんだそりゃ」
『だから…信じて貰えないって…』
「そんな話なんか聞いたことねーよ」
『嘘じゃありません!アタシもどうすればいいのか…わからなくて…』
嘘を言ってるようには見えない
しかし、そんな事あるのか?
突然現れたってことか?
「とにかく、行く所ないんだろ?」
『は、はい…』
「本部に連れてくか」
「おい、桐生、もしどっかの組の回し者だったらどうすんだよ」
「こんなに怯える回し者なんかいるのか?」
「んまあ、そうだけどよ」
久美を見つめて
「来るか?」
『いいんですか…』
「このままほっつき歩いてたらまたお前違うやつに襲われるぞ。ここはそういう町だ」
『…!』
久美の目から大粒の涙がホロリと落ちる
涙の膜が張った潤んだ瞳で、助けを乞うようなその表情に、心臓の辺りがギュッと掴まれた気がした
迎えの車を呼んで、とりあえず本部に連れて帰った
『ここって…』
「東城会本部だ」
『と、東城会…』
「久美ちゃんは知らないだろうけど、極道の本部だよ」
『あ、ああ』
久美は、全く知らないような感じでもなかったが、混乱してるみたいな顔をする
突然現れた女が東城会を知ってるとも思えないが…
「とにかく、今は休め。まだ辛いだろ?」
『は、はい…すいません』
「今、部屋を用意させる」
本部には小さめの応接室がいくつかある。
とりあえずそこへ連れて行く
「ここだ。好きに使え」
『あ、ありがとうございます』
「何か欲しいものがあれば、外の奴に言うといい」
『はい…』
「じゃあな、明日また顔見に来るからゆっくり休め」
『はい…あ、あの…』
「ん?なんだ?」
『ご、極道さんなんですか?』
「あ?あ、ああ…そうだな」
首を掻きながら答える
そんな改まって聞かれたことなんてないから
なんだか答えるのも変な感じだな
『こんなに優しいんですね』
「なに?」
『いえ…あの…イメージで…もっと怖いのかと思ってました』
「いや、危ねぇ奴の方が多いぞ、気をつけろよ」
っていうのも、なんか変だな
『あ、はい…』
「じゃあな」
『ありがとうございます!』
「…ッッ!」
時々見せる表情にいちいちドキッとする
口数は少ないが、まあまだショックを受けてるみたいだからしかたねーか
とにかく後は明日からだな
その日は俺も一応本部に泊まることにした