トボトボとミレニアムタワーまで歩いていたら

「久美！？」

その声は…マジか〜ここで会うのはヤバイって！

「久美？どうしたんだ？その格好」
『あ…ああ、ちょっと野暮用で…』
「久美…見違えたぞ！いや、いつも可愛いけど…今日の久美…はキレイだ」

やめてー！
そのいい声で言うのやめてってば！

『あ、ありがとうございます…では…』
「お、おい！そんな格好で歩いてたら危ないぞ！送ってく！」
『あー、大丈夫ですよ、すぐそこですから』
「いやでも…」
桐生ちゃんが言いかけたとき、車道の車から桐生ちゃんを、呼ぶ声
「チッ！くそ！こんな時に」
『アタシは大丈夫ですから。お仕事の途中ですよね？』
「あ、ああ…その気をつけるんだぞ！」
『はい！ありがとうございます』
「クッ！俺がついていてやりてぇのに！クソっ！」

桐生ちゃん…なんて素直なの？
ちょっと微笑んでしまったわ

って事で、桐生ちゃんは走って車へ。
アタシはミレニアムタワーへと歩き出した

一難去ってまた一難ってか？
ガラの悪い奴等が前を歩いてきた
あーもう！この定番の流れやめてってば！
今日は厄日かなにか？

「おっ！美人さんみーーっけ！」

知らん顔して行こう
とにかく目を合わさないように

「ねぇー、おねーさん！」
「おっ！ホントだ！すげータイプぅー」
「ねぇ、俺らと遊ぼーよー」

知らん顔で通り過ぎようとしたら腕を掴まれた

もう！なんだよ！面倒くさいな！

「あれ？お姉さん…もしかして…」
『…？』
「嶋野の狂犬の女？」

『は？』
「そ～だよ！」
「え？何でこんなところ一人で歩いてんの？」

『…』
「ちょ、これうちの組長に連絡しよ」
『は？』
「うちの組長さ、嶋野の狂犬にめっちゃ怨みあるって言ってたからさ〜」

ニヤニヤしながらソイツは携帯を出して話し始める。その間もずっと二人に腕を掴まれて逃げられない

『ちょっと！離して！』

「はいっ！はいっ！わかりました！じゃあ連れていきます！はい！」

嘘でしょ？
拉致られる！
兄さん大阪よ？どうすんのさこれ！