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あんだざの章

川沿いに咲く満開の桜の並木道。
風に乗ってはらはらと舞い散る光景は幻想的だ。
ちらりと隣を見れば、はらりと花びらが水面に落ちるのをぼんやりと眺めている。
「……なぁ、このままどこかに消えていなくなっちまおうか、一緒に」
あいつは驚いた顔をして、その目から花びらのような涙が一粒落ちた。

「なんっで!あんたがそんなこと言っちゃうんだよ!?」
思わず涙が溢れる。そうじゃないんだ、あんたは俺を引き揚げてくれる存在で、だから、あんたからそんなことを言わないで。

いつも一緒に心中してくれと言うくせに、俺から言うのは拒絶するのか。
本当に面倒くさい奴。
ああ、だからこそ愛おしい。
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