day by day
◆夢に堕ちる
気づけばベッドの上で仰向けになっていた。薄暗い部屋。明かりはキャビネットに置かれたライトだけ。一輪挿しに生けられた薔薇がぼんやりと影をつくっている。上から夢野がこちらを覗き込んでいた。ああ、そうだった。夕食後の歓談で何故だか彼と意気投合して、そのまま彼の部屋に来たのだった。その後どうしたかは覚えていないが、この状況からいってそういうことなのだろう。夢野の眼が妖しく光る。
逃げようと思えば逃げられた。でも。
「貴女を分解してさしあげたいのです。その、身も、心も」
さぁ、全てを曝け出してしまいなさい。
甘く誘うような囁きに、体中が痺れる。熱く、蕩けるようなその視線に射抜かれて、もやは動くことなどできるはずもなかった。指を絡め、吐息がかかるくらいに互いの顔が近づく。
「夢野、先、生…」
ああ、囚われた。
そうして、妖しくも甘美な男の夢に堕ちてゆくのだ。
気づけばベッドの上で仰向けになっていた。薄暗い部屋。明かりはキャビネットに置かれたライトだけ。一輪挿しに生けられた薔薇がぼんやりと影をつくっている。上から夢野がこちらを覗き込んでいた。ああ、そうだった。夕食後の歓談で何故だか彼と意気投合して、そのまま彼の部屋に来たのだった。その後どうしたかは覚えていないが、この状況からいってそういうことなのだろう。夢野の眼が妖しく光る。
逃げようと思えば逃げられた。でも。
「貴女を分解してさしあげたいのです。その、身も、心も」
さぁ、全てを曝け出してしまいなさい。
甘く誘うような囁きに、体中が痺れる。熱く、蕩けるようなその視線に射抜かれて、もやは動くことなどできるはずもなかった。指を絡め、吐息がかかるくらいに互いの顔が近づく。
「夢野、先、生…」
ああ、囚われた。
そうして、妖しくも甘美な男の夢に堕ちてゆくのだ。