day by day
◆ティータイム
「そろそろ休憩にしませんか?」
八つ時。
この時間になるといつも堀がお茶を持ってやってくる。潜書後の処理や政府への報告書に悩殺される司書にとって数少ない安らぎの時間だ。
「いい天気ですし、中庭でお茶にしませんか?」
たまには外に出るのもいいかもしれない。小さなテーブルを抱えて中庭の東屋に向かう。爽やかな風が頬を撫でる。今日は清々しい天気だ。
「今日はいい茶葉が手に入ったんです」
テーブルにティーポットとカップを用意しながら嬉しそうに堀は言う。
「永井さんからいただいたのでお茶請けにどうぞ」と出された洋菓子は一口サイズのトリュフチョコで、口に入れるとほろりと溶けていく。甘さの中に少し苦味を感じる永井先生らしい大人な味だった。
「はい、どうぞ」
続いて出された紅茶に、司書は感嘆の声を上げた。
「わぁ……綺麗……!」
透き通った紅茶の中にスミレの花が浮かんでいる。一口飲んでみると、紅茶の香りと共にほのかに花の香りが鼻に抜けた。
「スミレの砂糖漬けです。室生さんに教えてもらって作ってみたんですよ」
美味しいでしょう?とにこにこと堀は笑う。
「ええ、とっても!目でも楽しめて味も香りも楽しめるなんて素敵!」
紅茶とお菓子を楽しみながら他愛もない話をする。
束の間の休息。
二人で過ごす穏やかな時間。
ささやかな幸せ。
ああ、このまま時が止まってしまえばいいのに。
「そろそろ休憩にしませんか?」
八つ時。
この時間になるといつも堀がお茶を持ってやってくる。潜書後の処理や政府への報告書に悩殺される司書にとって数少ない安らぎの時間だ。
「いい天気ですし、中庭でお茶にしませんか?」
たまには外に出るのもいいかもしれない。小さなテーブルを抱えて中庭の東屋に向かう。爽やかな風が頬を撫でる。今日は清々しい天気だ。
「今日はいい茶葉が手に入ったんです」
テーブルにティーポットとカップを用意しながら嬉しそうに堀は言う。
「永井さんからいただいたのでお茶請けにどうぞ」と出された洋菓子は一口サイズのトリュフチョコで、口に入れるとほろりと溶けていく。甘さの中に少し苦味を感じる永井先生らしい大人な味だった。
「はい、どうぞ」
続いて出された紅茶に、司書は感嘆の声を上げた。
「わぁ……綺麗……!」
透き通った紅茶の中にスミレの花が浮かんでいる。一口飲んでみると、紅茶の香りと共にほのかに花の香りが鼻に抜けた。
「スミレの砂糖漬けです。室生さんに教えてもらって作ってみたんですよ」
美味しいでしょう?とにこにこと堀は笑う。
「ええ、とっても!目でも楽しめて味も香りも楽しめるなんて素敵!」
紅茶とお菓子を楽しみながら他愛もない話をする。
束の間の休息。
二人で過ごす穏やかな時間。
ささやかな幸せ。
ああ、このまま時が止まってしまえばいいのに。