mha短編
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「ピピ」という電子音が耳に届き、重い首を持ち上げると残り時間が30分を切ったところだった。どうやら半分だということを教えてくれたらしいが、大きなお世話だ。まだ半分も残ってるのかよ。
さくらはもうほとんど限界だった。息はあがり、額から汗が噴き出て、足もプルプル震えている。「はんぶん…」と小さく呟いた声は微かに震えていた。
「花咲、濡れすぎ。俺の太ももまでビシャビシャだわ」
声につられて後ろを少し振り向けば、爆豪がさくらのスカートをペラリと捲りあげていた。確かに、ほとんど露出している爆豪のそれを伝って太ももまで濡れて光っていた。
「ハァッハッ……うる、さい」
「……お前それであと30分は無理だろ、場所変われ」
「んんっ、は、やあ……うご、かないで」
体勢を変える為に爆豪が身体を起こそうとした時、ナカにある存在感のあるソレが動き、私のナカの敏感な部分を擦り上げてしまった。
「ひあっ、あ、まっ、ソコッ」
「あ?」
その瞬間、信じられないほど強い快感が全身を走り思わず足の力が抜けてしまった。そうなれば自らの体重でどんどんと奥へ奥へずぶずぶと爆豪の硬いのが侵入してきて、余計に力が抜けてしまう。
「あ、だめ、やあっ、やっ!!おく、きちゃ♡ゃあぁあ♡」
爆豪の腕が背後から腰に巻きつき、力が抜けてずり落ちるのを支えてくれた頃には、随分奥まで熱いのが挿入り込んでしまっていた。
「ナニ楽しそうにしてんだよ」
「は、はふ…うぅ…、やぁ、う……ぜんぶ、はいっちゃった……むりぃ、ぬ、いてぇ」
「まだ全部じゃねェわ。もっと奥……ここまで入っとったの覚えてねェんか」
グッとお腹の上から押されて、一瞬気を遣りそうになった。イっちゃだめだって言ってるのに、抜かないどころか更に刺激してくるだなんて、信じられない。
「アッ♡〜〜〜や、やめてっ、むり、むりぃ」
「あー……クッソ締まる」
「ひっ、アッッッ♡や、やば、まっ、て……いま、ぜったい、うごいちゃだめ、まじでやばい」
こっちが必死でイかないように頑張っているというのに、爆豪は後ろから抱きしめた手でスルスルとあっちこっち撫でたり首筋にキスしてきたりと随分と楽しそうだ。
背中には爆豪の熱い体温がぴったりとくっ付いている。私の体温も上がっているし、すごく暑くてお互いじわりと汗ばんでいる。
グイッと顎を掴まれて無理矢理後方へと顔を向けられた。首が痛いと文句を言おうとしたら、同じく首を伸ばしているだろう爆豪の鼻先と私の鼻先がくっ付いた。爆豪のルビーよりも赤い潤んだ瞳が、私を射抜いた。
「キスしていいか」
「っ、だ、だめ…」
「締まったわ。……お前ホント、下の口は素直だよなァ」
「お、やじ、かよっ」
「事実だろォが。エロい事言われたらぎゅーぎゅー締まるし奥突いたらすぐイくだろ」
「ちょっと……まじ、だ、まっててよ」
「ほらまただ……。花咲、虐められるの好きなんだろ?んな態度取っててマゾとかよォ……まじで、ヤベェわ」
「まぞ、ちゃう…」
「ふーん」
あっそ、と呟き一度リップ音を鳴らして口付けた爆豪は、腰に巻きつけた手に力を込めると、腰を下からゆらゆらと動かし出した。緩やかな刺激だが、脳が揺れるような衝撃が走る。
「ひゃあっ♡〜〜〜、ぁ、ま、まって!な、に、してんの!?」
「イかねェよう、きばれや」
「やぁっ、んっ、むり、むりぃ♡ぜったい、むりだって!あっ、だめ、止まって!!」
「あぁ、だろうなァ」
爆豪が腰を突き上げるたびにグチャグチャと、いやらしい音が耳を犯す。絶対ダメって言っているのに、爆豪は止めるどころかどんどん腰の動きを強く激しくしてくる。爆豪の大きすぎるソレがズコズコと出入りし、根元まで挿入り込んだ時には私のナカの奥深くの気持ちいい場所を掠めて甘く刺激する。
30分以上彼の太く硬いものを中途半端に咥え込んでいたソコは、待ち望んでいた刺激を受けて直ぐにでも登り詰めてしまいそうだった。だけど、そう言うわけにはいかない。絶対我慢しないと。イッちゃダメなのに、それなのに、爆豪は全然止めてくれない。気持ちいいのが止まらない。それどころかどんどん膨れ上がってくる。
「や、ばか、あぁっ!や、むり、むりぃらってば、あぁっ♡」
「おー、我慢しろよ」
「らめ、うごいちゃ、らめ…も、お…むり♡」
「早ぇナァ。そんなに俺のちんこ気持ちイイんかよ」
「んん、ちがうぅ♡ぁっ、むり、だめ、だめぇ♡おねが、とまって……ッむり、むりぃ♡」
「駄ァ目だ、イくな」
イくなと言いながらドチュドチュと腰を動かし続ける爆豪。後ろから抱きしめられているせいで身動きが取れないし、耳元のすぐそばに彼の口があって熱い吐息と低い声がダイレクトに脳に響く。
大きなソレが先っちょ付近までズロロロと引き抜かれ、そしてまた根元までグリグリと押し込まれ、登り詰めそうなところを寸でのところで堪えた。
「ーーーひぅうッッッ♡〜〜〜あ、も、やだ、やだぁ♡♡」
「おー……よく我慢できたなァ」
「やらっ、ばくごっ、ばくごおっ♡おねが、ばくごおッ♡♡♡」
もう限界で、ボロボロと涙が零れ落ちてきた。お願い爆豪、と縋るような声で泣きつけば「わかったよ」と頭をポンと撫でられた。やっとやめてくれるんだ、と息を吐いた瞬間だった。
「おら、よ!」
「ひ、あっーーーーーッッッ♡♡♡ッッッ??♡♡♡ァ、うぁぁあ……ッッッ♡♡♡」
ズン、と一際奥まで突っ込まれたソレは、子宮の入り口の敏感なところをピンポイントで刺激した。バチバチと頭の中に電流が走り、ビクビクと手足は小さく痙攣を起こした。頭の中が真っ白に光る。あぁ、イッちゃった。
ピコン、と言う電子音と共に、タイマーが再び60:00に戻りカウントダウンする。どう言う仕組みかは分からないが、私が絶頂を迎えたことを察知して、宣言通りタイマーがリセットされてしまった様だ。
「おい、息しろ馬鹿、死んじまうぞ」
トン、と腕を叩きながらそう言われて、ようやく自分が息を止めていた事に気が付いた。ハァハァと荒い息を整えている間、爆豪の手がずっと私の腕を摩っていた。その手つきが妙に優しくて癪に触る。
「ハハッ、イッちまったなァ花咲。せっかく頑張ってたのになァ」
「ッ、は、ふう……ば、かじゃ、ないの……」
「あー?なぁにがだ?」
「なに、かんがえて、んの……いったら、で、でれない、じゃん」
こっちが罵っているというのに、爆豪は機嫌の良さそうな声色だ。それどころかあちこちにキスを落として、首の後ろをヂゥと吸い上げた。いや、今のは絶対痕付いたよね。やっとこないだのが消えたと思ったのに、何してんのよマジで。思い切り文句を言ってやりたいが私の口は「ちょっと…」と弱々しく呟く事しかできなかった。
「俺ァ、テメェとなら何時間ヤッたって構わねェんだよ」
「は、な、なに言って……」
「せっかく合意の上でヤれてんだから、今日は意識飛ぶほどイかせてやらァ」
そう言いさくらの身体を押し倒した爆豪は彼女の唇を奪うと、再び腰を大きく律動させて彼女の甘い声を引き出した。
「ば、くご、ちょ、まって……も、むり、やすませて……」
何度か対位を変えてその度に高みに上った。
私がイッた後、呼吸が落ち着くまでのほんの少しの間爆豪が止まる時以外はずっと休まずで、肉体的に限界が近かった。
それでも止まってくれという懇願は「無理」と一蹴されてしまい、力の抜けた身体を持ち上げられて今度は四つん這いの姿勢にさせられる。
あぁ、今度は後ろからされるのか、なんて考えてしまい、それだけでゾクゾクと胸がざわついた。
「期待してんじゃねェわ」
「ち、が…」
「違くねェ。ケツ揺れとんだわ」
「ん、は……ぅあッ♡」
意地悪な台詞を吐きながら、私の濡れそぼったワレメに沿ってすりすりと先端を擦り付ける爆豪。また、奥まで気持ちいいのが来ると背筋を震わせていたが、すぐに挿入されるかと思っていたソレは、なかなか入ってこない。ワレメを往復しグチャグチャと大袈裟に卑猥な音を立てて、緩やかな快感を押し付けるだけだ。時折亀頭部分だけが押し込められてナカに入り込んでも、すぐに抜き取られてしまい、奥がズクズクと疼いてたまらない。
爆豪の言う通り、腰が揺れているのが自分でも分かった。それほどまでにナカが熱くて欲しくて堪らない。早く、爆豪のを入れて欲しい。イキたい。早くいれて奥の方いじめてほしい。
そのもどかしさに耐えられなくなった私は、後ろを振り返りながら彼の名前を呼んだ。
「………ッう、んん……は、ばくご……」
「なに」
「なにって…………その…………」
「……欲しいんか?」
「ぅ、…………うん。」
恥ずかしくてとても口には出せない望みを提示され、羞恥心で顔を真っ赤にしながらコクリと小さく頷けば、爆豪は楽しそうに笑いながら私の服を捲りあげて腰の辺りにキスをしてヂュッと数回吸い上げた。また痕が付いただろうけど気にしてられない。そんな事よりも、早く欲しい。
爆豪は痕のついたであろう箇所をそっと撫でると、ようやく濡れそぼった私のソコに硬く立ち上がった棒を押し進めた。
「仕方ねぇから入れてやるよ」
「ぁぅ〜ッッッ♡」
ヌブブブ、と押し進められたそれはあっという間にナカをいっぱいにして、奥の気持ちいい場所へ到達した。バックで入れると、入っているだけでいい場所を刺激されてすごく気持ちがいい。
だから、ヌッチョヌッチョという音を立てながら抜き差しされると、当然全部気持ちいい。本当にあっという間にテッペンが見えてくる。ピストンする度に愛液が飛び散り、脚もシーツもビシャビシャだ。ガクガクと身体が震えだす。
「なァ花咲、イク時はイクって言え。もっと気持ちよくなれっから」
「そ、なぁあぁっ、の♡あぁっ♡いえなっ♡」
「言わねェとまた止めちまうぞ。オラ、言えや」
「や、だぁ、〜〜〜ッ、ちゃう……イッちゃうぅ♡♡あぁアッ♡♡らめ、あーーーいくぅ♡♡♡」
もう頭が真っ白になって、爆豪のエッチな指示通りにイクと宣言して高みに昇った。全身を痙攣させて登り詰めた波はとても強く心地よかった。自分でイクと宣言してしまうと、本当にこれから気持ちよくなるんだイカされるんだと認識させられて、堪らない気持ちになって、爆豪の言う通り本当に気持ち良かった。
はふはふと息を整えながら、まだ次があるだろうかどんな風に気持ちよくしてもらえるんだろうかと考えてしまっている。もうダメかもしれない。エッチなことしか考えられない。
まだ息が整っていないうちに、爆豪が私の腕を後ろからグイッと引っ張り上体を起こされた。挿入されたままのソレの当たる場所がお腹側の方に変わる。気持ちいい。もはやどこを刺激されても気持ちいいのかもしれないけど、でもコレすっごく気持ちいい。
「あぁっ♡♡」
上体を起こしたせいで突き出すようになった胸を、爆豪の手が包み込み揉みしだいた。ずっと触れられていなかったのに、乳首はツンツンと硬いままだった。それを服越しにコリコリと摘まれれば、甘い声は止まらなくなる。いつの間にか腰もズコズコ動き出していて、もう堪らない。
「あぁっ♡ば、くご♡♡ばくごおっ♡♡」
「ハァッハッ、くそ、邪魔だ」
服越しに胸を触っていた爆豪が、舌打ちして服の中に手を入れてきた。途中、ビリっという音がしたかもしれないが、2人ともお構いなしだった。
服の中に入り込んだ爆豪の手は真っ先に尖った乳首を摘んだ。指の腹で優しく摩ったり、ピンピンと弾いたりされて甘い声が漏れたが、指でギュッと摘んで強く引っ張られた瞬間、私はあられも無い悲鳴をあげてしまった。
「マゾが。ド変態だな、まじで」
「ちが、ちがうぅっ♡♡ああっ、やあっ、また♡♡」
意地悪な事を言われながら、乳首を強く摘まれて引っ張られたままズンズンと奥を突かれれば、チカチカと頭の中が弾けだす。きもちいい、きもちいい、きもちいい♡♡
「も、むりい、あぁっ♡いく、またいっちゃう♡あぁあーッッッ♡♡♡ッッッ♡♡♡」
絶頂を迎えた瞬間に、プシャ、と勢いよく水分が吹き出して2人の下半身とシーツをべちゃべちゃに濡らした。
「あーあ、潮吹いてんじゃねぇか。グシャグシャだわ」
「ぁぅ、ごめ……っごめ、なしゃっ」
「あー……クッソ、たまんねェな」
身体を支えていた彼の手が離れれば、もはや自分では身体を支えられない。ズルズルとうつ伏せのままへたり込み顔がシーツに埋まった。
「あぁっ♡♡ばくごっ♡♡」
「フーッ……激しくすっからな。死ぬんじゃねェぞ」
宣言通り、爆豪の腰がズンズンと強く動きだす。激しくって、今までだって十分激しくて沢山イッたのに、一体どうなるのとゾクゾクしてくる。
うつ伏せでお尻だけを突き出した状態で後ろから突かれると、堪らない場所に当たる。身体を震わせると、爆豪は容赦なくソコを徹底的に打ち付けてくる。逃げ場がない。ベッドと爆豪に挟まれて身動きが取れずただ情けない声を出す事しかできない。
シーツを握りしめて必死に耐えようとしても、何度も何度も繰り返される律動にあっという間に上り詰める。
「あっ、らめ、らめえっ♡やあっ♡あっ、あ、あぁあーーーッ♡♡♡いくぅッッッ♡♡♡」
逃げることも快感をやり過ごすことも出来ないさくらはシーツの上で身体を痙攣させる事しかできなかった。どうしようもできずに登り詰めた彼女のソコを、爆豪は更に容赦なくドチュドチュと強すぎるピストンで刺激する。
「えあっ??♡♡ま、まって♡♡まだ、いってる♡♡あぁあーーー♡♡♡やら、やらぁ♡♡」
イッたあとは止まって呼吸を整えさせてくれていたのに、止まる事なく腰を動かし続ける爆豪に困惑しながらもさくらの身体は素直に快感を受け入れてしまう。高みに昇って降りてこないままに、更なる高みに登らされて頭の中だけではなく視界まで白くなってくる。
タイマーが何度もリセットされ、ピコン、ピコンと電子音が繰り返される。「イキまくってんなぁ、オイ」と煽られても、とうとうなんの返答も出来ずただただ甘い声を上げて絶頂感に身を震わせるしかできない。
ソレを繰り返すうち、視界がグリンと反転しとうとう意識がプツリと切れた。
それからしばらく夢見心地を彷徨っていた私は、頬をペシペシと叩かれる刺激で微睡の中から浮上した。
「んん、」
「終わったわ」
そう言われて、一気に意識が覚醒した。そうだ、訳の分からない空間で訳の分からない指令を出されて爆豪とシていたのだった。え?待って私イッてる記憶しかない上に寝てたんだけど、意識飛ばしてたってこと?え、やば
周囲をキョロキョロと見渡すと、真っ白で何もなかった壁面にドアが設置されていた。よかったこれで出られるんだとホッと息を吐き胸を撫で下ろした。
「よか、た。じゃあ、出よっか」
そう言いベッドから重い体を起こしたさくらだったが、肩を強く押さえつけられて再び背中を付けた。のっしりと覆いかぶさられて影ができる。
「ちょっと、なにす……ッ」
ポタリと、頬に何か水滴が落ちてきて声が途切れた。なんで水が?と見上げれば、私に覆いかぶさっている爆豪の汗だとすぐに分かった。だって、すごい汗だ。
自分に覆いかぶさる爆豪の様子に私は思わずヒュッと息をのんだ。すごいのは汗だけじゃない。フーッフーッとまるで獣のように荒い息をしていて、ギラギラした真っ赤な瞳はこれでもかというくらいに瞳孔が開いていた。
あ、これはなんか、やばい感じだ。
「す、すごいよ、汗。あはは、しんどかった…よね?ごめんて。ば、爆豪?ちょっと、一旦落ち着…んぅッ!!……ふ、ぁ」
どうにか落ち着かせようとかけた声は、爆豪の唇に口付けられて途切れてしまった。まるで捕食するかのようにガリッと歯を立てられて、痛みと血の味が口内に拡がる。文句を言おうにも、分厚い舌が絡み付いてきて言葉にならない。
その間に力の入らない脚を思いっきり拡げられて、熱い肉棒が挿入された。ドチュン、と勢いよく最奥まで挿入されたそれは、狙ったかの様に私の1番気持ちいい場所を強く刺激した。たったの1突きで、絶頂へと押しらやれてしまった。
「ひア゛ッッッ♡♡♡〜〜〜ッッッ♡♡♡」
突然の強すぎる刺激にビクビクと身体が痙攣する。だというのに、爆豪は私がイッたことになんて全然構わず、ドチュドチュと卑猥な音を立てながらものすごい勢いで私の気持ちいいところを突きまくる。まだ絶頂の高みから降りていない所へ、次から次へと刺激を与えられて更に上り詰める。
「あぁっ♡♡待っ、まら、イッてう♡♡あっ、ムリッ!あぁあっ♡♡」
「フーッフーッ、ッるせぇ……黙っとけ」
爆豪は、変わらずギラギラとした瞳で見下ろしている。まるで獣のような様相に、私も興奮を高めていく。獣の様な様相で、獣のようなセックスをして、何度も何度もイキ続けた。
「やぁっ、イクの♡♡とまんなッ♡♡ああっ、ッッッ、イ、クッ♡♡♡ア゛ッッッ♡♡♡」
プシャと潮を吐き出し、またも意識が飛びそうになるが、さらに突き上げられる刺激で無理矢理意識が覚醒させられる。
「〜〜〜ッッッ、も、むりッ♡♡♡しんじゃうッッッ♡♡♡アーーーッッッしぬっ、ア゛、イグッッッ♡♡♡」
「ハァーッハーッ、も、少し…だから」
苦しそうな声にふと爆豪の顔を見ると、眉間に皺を寄せてギラギラの赤い瞳を歪ませ、顔を赤くしてすごく苦しそうだった。その顔に堪らなく胸が締め付けられて、思わず腕を彼の首に伸ばした。
「ばくご、チュウ、して」
「は」
何度やめてと言っても止まらなかった爆豪の腰が、ビタリと止まった。ずっと、出来ているのかも分からなかった呼吸を久しぶりに出来たような気がする。
爆豪の目も、獣のような様相がほんの少し収まりようやく視線があった。もう一度同じように言えば、グッと眉間の皺が深くなる。
「さくら……」
頬に手を当てて熱い眼差しと共に、名前を囁かれると心臓がギュッと掴まれたように痛む。爆豪に下の名前で呼ばれるのは多分初めてで、むず痒いような、嬉しいような、だけどなんだか自分の名前が特別なものの様に感じた。「ばくごう」と返せば、唇が重なり舌が絡み合う。
濡れた舌同士を狂った様に絡み合わせながら、ピストンが再開された。どれだけ喘ぎ声をあげても爆豪の口の中に消えて熱い舌に絡め取られてしまう。
ぐちゃぐちゃに絡み合うのが気持ちよくて、またイッた。舌が絡んで唾液が垂れるのも気持ちいいし、爆豪ので奥をぐちゃぐちゃに突かれるのも気持ちいい。全部が気持ちよくて堪らなくて、自分の上で揺れ動く太い腰に、脚をギュッと絡み付けた。途端に、身体だけではなく心にまで多幸感が溢れる。やばい、なにこれ、なんかすごい幸せかも♡
「んあぁっ♡♡ば、くごおッ♡♡」
「ハッ、さくら……かわい」
「ふぁっ、ぁあっ♡♡ばくご、きもち♡♡きもちいよぉ、ばくごお♡♡♡」
「ッソ、もう、出る、から……。さくらも……最後に、もっかい、イケ」
「うん♡♡♡も、いく♡♡♡いくぅ♡♡♡あぁーッ♡♡♡」
「ッグ……ッッッ、ハッ……〜〜〜ッッッ!!!」
腕と脚を爆豪の身体に絡み付けるようにしがみ付き、幸福感に胸を高鳴らせながらの絶頂は、頭が真っ白になるくらい気持ちよかった。それと同時に爆豪もイッたようで、ゴム越しにでも脈打ち熱いモノが出ているのが分かった。
ハァッハァッ、と2人の荒々しい息遣いだけが静かな室内に響いていた。さくらの上に覆い被さっていた爆豪が、力を抜き思い切り彼女にのしかかってきた。
「う゛ッッッ!!お゛も゛ッッッ!!!」
「ハァッ、ハッ、ア゛ーーー…………ヤッベェ」
「〜〜〜ちょッッッ!!じぬ゛ッッッ!!」
そのあまりの重みに息が止まる。流石の筋肉ゴリラである。めちゃくちゃ重い。
背中に回していた手をバンバンと叩き必死に訴えるとのそのそと身体を起こした爆豪は、未だ肩で息をしたままだった。汗だくだし、めっちゃ疲れた表情をしていて、珍しいなと目を開いた。
爆豪は大抵の仕事は涼しい顔でこなしているし、息が上がってる姿なんて見せない。個性柄汗はいつもかいているけど、こんなに疲れ切っているのを見るのは、学生時代でも見た事ない……いや、3年の時の地獄の林間合宿以来かもしれない。
学生時代からタフネスと讃えられていた爆豪の滅多と見ない姿。自分とのセックスでと思うと気恥ずかしいし、結局定められた1時間はまるっと落ちてしまっていたと思うとなんだか後ろめたい。いや、私が落ちたのは爆豪のせいなんだけどさぁ。けどこんなに見るからにグッタリされるとやっぱりむず痒くなる。
「お、おつかれ?」
「……おー」
何と声をかけたものかと考えながらも、結局おつかれというよく分からない事を言ってしまった。爆豪もこちらを見て微妙な反応を返した。
それからゴムを外した爆豪は「クソ出たわ」と言いながら手早くソレを処理して、またバタリと倒れ込んだ。今度はさくらのすぐ隣に倒れた爆豪は、ギュウッと太い腕の中に私を抱き込んだ。
「んぐ」
「……さくら……」
名前を呼びながらチュッとリップ音を立ててキスする爆豪は、さながら恋人同士の情事後のような甘い雰囲気を醸し出していた。気恥ずかしいからやめて欲しいと思うのに、その手を振り払うことが出来ない。それどころか、胸が強く締め付けられて痛いくらいで、爆豪の汗まみれのコスチュームをギュッと、握って受け入れる事しかできなかった。
しばらく恋人同士のような甘い後戯にむず痒い思いをしていると、ボスンと布団の上に何かが落ちてくる音が聞こえた。音のした方に目線をやれば、先ほどまではなかった筈の白い箱があった。これは、さっきオモチャが入ってたやつと同じ様なものだろうか?箱の色は違うけれど……。
爆豪が警戒しながらもソレを開ければ、箱の中にはタオルや飲み物、ウェットティッシュなどが入っていた。
「チッ、クソが……アフターケアしとんじゃねェわ」
「気遣いの方向性間違ってるよね、まじでクソ」
2人でブツブツと文句を言いながらもそれらを取り出した。どこもかしこもぐちゃぐちゃな上に喉はカラカラで死にそうだったので、正直めちゃめちゃ助かった。と言っても私は身体を動かせる状態では無かったので、爆豪が全部してくれたのだけど。
爆豪はペットボトルの飲み物を開けて一口自分で飲み毒味をした後、わざわざ口移しで何度も何度も飲ませてきた。熱い舌が絡み合う隙間から入り込む冷たい水は、脳が蕩けそうだった。
何度も繰り返されてトロリと蕩けているだろう表情を見た爆豪は、頬を撫でキスを落としながら見たこともないくらい優しい表情で私に笑いかけた。
「ンナ可愛い面すんなよ…さくら」
「ッッッな、な、なに言ってんの!?」
爆豪の言葉に目を白黒させた。可愛いって言った!?爆豪が、私を!?この男が冗談でだって言わなさそうな言葉に驚いていると、頬に触れていた手が耳へと移動し、ふにふにと耳たぶを弄ってくる。ゾク、と背筋が震えて顔に熱が集まってくる。それを見た爆豪が、意地悪な笑みを浮かべた。
「……もっかいスルか?」
「〜〜〜し、しないわよ!!」
顔を真っ赤にして言う私の髪を、楽しそうに笑いながら爆豪の大きな手がグシャグシャとかき混ぜた。
「残念だが次にお預けだな。ゴムねぇし」
「……次とか無いけど」
「まだ俺と付き合う気ねェの?」
「な、ないよ……」
「頑固だなテメェも。おら、身体拭くぞ」
そう言って、色々とグシャグシャな身体をタオルとウェットティッシュで私の身体を綺麗にしていく爆豪。全然身体に力が入らないのでされるがままになっていると、爆豪が「悪かったな」と呟いたので、私は目を丸くした。
「最後、理性ぶっ飛んでた。無理させた」
「………………ッフハハッ!爆豪って謝れるんだ!」
「人を何だと思ってんだ!俺に出来ねェことなんざねんだよ!!」
爆豪がしおらしく謝るのが可笑しくて笑い飛ばせば、彼もまた普段の様な悪態をついてきた。
いや面白すぎる。お茶子や三奈に教えてこの面白さを共有したいが、そうなるとここまでの経緯を説明しなきゃいけないから出来ないし…うーん、もどかしい!
「いやでも、まじで死ぬかと思ったわー。オールフォーワン戦以来に市の淵見たわー」
「そもそもテメェがすぐイク上に、1時間も気持ちよさそうにオネンネしとるからだわ!!地獄だったぞあの1時間!!」
「ソレはごめんて!でも結局それも爆豪のせいじゃんか!!」
爆豪と笑いながら言い合いを続ける。しかし、そもそも元を辿れば爆豪というよりもこの状況を作り出したであろう敵のせいだなと気付き、敵に対する怒りが込み上げてくる。なにがイタズラだよ。イタズラにしちゃ度が過ぎてるわ。
「つーか、マジでこの敵なんなわけ!?こんな事して何考えてんの」
「敵の考えなんて分かるかよ。愉快犯か何も考えてねェか……それかシコってんじゃねぇ?」
「マジクソすぎ!!キッッッモ!!爆豪は私としたかったんだろうからラッキーだったかもしれないけどさぁ。まっっっじで最悪」
「あぁ!?俺だって不本意だわ!!お前オトしてから抱く予定だったのによォ!!」
シコってるという爆豪の言葉を聞き、全身にブワッと鳥肌が立ち嫌悪感を露わにする。確かに個性の持ち主であれば今までのを全部見られていてもおかしくは無いと、青ざめていく。
そして八つ当たりの様に爆豪にあんたはいいけどと言えば、まさかの返答が返ってきて、青い顔を赤くした。
「な!?お、オチないわよ!……ていうか、不本意って言う割にはノリノリだったじゃん」
「当たり前だろォが!!どんだけヤりたかったと思ってんだ!!」
「いや、矛盾しすぎてない?」
「……女には分かんねェわ……」
フンと鼻を鳴らしながらプイッとそっぽを向いてしまった爆豪。アレか。ほら、あの、男子の下半身は別の生き物みたいな、そういうアレかな?知らんけど。
言っているうちに爆豪の方もイライラが募ってきた様で、いつもの凶悪な顔で笑っている。ヨッ、流石敵ッポイ見た目ランキング上位常連ヒーロー!ソレでいて正規ランキングも上位キープしてるから腹立つんだけどね。
「くッそ敵がァ…ぜってぇとっ捕まえて俺がブッ殺してやらァ」
「は!?だめ!!」
「ァア゛?」
「トドメはあたしが刺すから」
「…………は?」
ニコリ、と笑いながら言えば爆豪がピタリと動きを止めてコチラをシゲシゲと見つめてくる。やだなぁ、そんな変な顔してないよね?ちょっと瞳孔開いてる気はするけど、ちゃんと笑えてるでしょ?
「だめ。絶対あたしがヤるからね。爆豪がトドメ刺したら、連絡先消して2度と会わない。ある事ない事記者に喋るからね。絶ッッッ対に許さない」
「トドメって……つーかお前戦闘向きじゃねェだろ」
「ふふふ、何言ってんの。個性の使い方次第でどうとでもヤれるから」
「さくらお前、ヒーローがしていい顔じゃねェぞソレ」
「爆豪にだけは言われたくないわ」
どうやら相当ヤバい顔をしていたらしい。再度言うが、爆豪にだけは言われたくない。
そんな話をするうちに2人とも身なりを整え終えた。と言っても、私は何故か服が破れてしまっていたので、何故かベッド下にあったサラのシーツを巻き付けた。そして爆豪に抱き上げられてようやくこのキミの悪い白い部屋を後にした。
「そこ!ソイツ!!」
「ッッッ死ねェェエ!!!」
BOOM!!BOOM!!
大きな爆発音が閑静なオフィス街に響く。
白い部屋を出た私たちは、見覚えのない路地裏に出た。そこから私の開発中の探知技で見つけた不審者を少し離れた路地裏で発見し、即拘束、私の個性で意識を失わせてやって漸くほんの少し溜飲が降りた。もっと痛めつけて恐怖を植え付けさせてやりたかったが、残念ながら集まってきた通行人の目もありソレは叶わなかった。
腹の立つことに、ダイナマイトのファンだと言ったその男は、爆豪を見るなりハイテンションに長々とダイナマイトへの愛を語りだして大変キモかった。
「ダイナマイト!格好良い!!チェリッシュに片想いしてるって毎日報道されてて、僕の個性ならキミの望みを叶えてあげられるかなって思ったんだ。ふふふ、ずっと抱き合って……良かった仲良くなれて!!あぁ、ダイナマイト、いつだって格好良いけど、今日は最高に格好良かったよ。本当に、最高だった…。ねぇ、チェリッシュ、キミも良かったでしょ。ふふふ、凄く気持ちよさそうにしてたよねぇ。キミがあんなにエッチなことが好きだなんて、知らなかったなぁ。僕、キミのことも好きになっちゃったよ」
なんて言われれば、そりゃあ頭に血も昇る。思わず窒息死させてしまいそうになったところを爆豪に声をかけられて個性を止めた時には、男は既に意識を失っていた。
フーッと息を吐いた頃には、野次馬が集まってきていた。爆豪が舌打ちして、私の身体に巻き付けたシーツを頭まで被せた。何?と見上げれば、黙っとけよと言われる。
「わ、ダイナマイトじゃん。まじカッケ〜」
「あれ抱いてんの一般人?いいなぁ」
「いや、ちょっと待って、あの敵拘束してたのあの人だよ……桜の個性で……」
「ねぇ、さっきチラッと見えたけど、髪もピンクっぽかったよ」
「えっ、それって……え?まじ?やっば、ついに付き合ったの?」
ザワザワと周囲の人々がザワつき出し、リポーターらしき人の声まで近付いてきて、冷や汗が出だす。
「ダイナマイト!お疲れ様です!」
「ッス」
「今日も見事でしたね!それで、そちらの方は……チェリッシュですよね?桜の個性使われてましたし」
「あー…………まぁ、そっすね。ちょっとさっきの戦闘でコイツ怪我してるんで、もういいスか」
そう言いながら、その場を離れようと歩き出した爆豪を、記者は更に追いかけてきた。なかなかガッツのある記者だ。こういうタイプは芸能に多いが、芸能記者だろうか。
「え、待って下さい!!あの、お2人はお付き合いを始められたんでしょうか!!」
「そぉッスね」
「は!?」
記者だけではなく周囲の人々にもその声は聞こえた様で、周囲のざわつきも大きくなった。黙ってろと言われたが、そんな事を言われたら黙っておけない。
「おめでとうございます」
「違います!!始めてません!!」
「あ?」
「あれ、違うんですか?」
「付き合ってないし、今後付き合う予定もありませんから!!」
「あーもー、黙ってろッつったろォが馬鹿。いいだろ、時間の問題だわ」
「無いから!!マジやめてよね!!」
「あーもー、メンドクセ」
「ざ、残念です。応援してますダイナマイト。あの、最後にツーショットいいですか、チェリッシュも少しだけ顔出してもらって」
そう言う記者の声に、爆豪はチラリとシーツを捲りさくらの顔を見た。しかし、ニヤリと微笑むと、すぐにソレを元に戻してしまった。
「ヒデェ面してっから、駄目だな。他のやつには見せてやんねェ」
ギュッとシーツ越しに頭を抱かれると、キャーッと大きな悲鳴が耳を劈いた。あの中に爆豪のガチファンがいない事を祈るしか無い。また殺害予告される。
それからすぐに警察や管轄のヒーローに引き継ぎをして、爆豪に連れられるままようやく自宅に帰ったのだった。長い長い1日が、ようやく幕を下ろした。
【スクープ!!初めての共同作業‼︎】
かねてからダイナマイトが恋心を寄せるチェリッシュ。その2人が共闘し敵を華麗に捕獲!その際ダイナマイトがチェリッシュをお姫様抱っこし、彼女が敵を捕獲するのをサポートしたようだ。2人はこの敵に襲撃を受けチェリッシュは怪我を負った様だが、どの様な被害を受けたのかは明かされていない。
また拘束後のインタビューでは、まだ交際には至っていないことが明かされた。しかし、怪我をした彼女を見つめるダイナマイトの顔は今までに見たこともない様な愛情あふれる穏やかな表情で、その場にいる人々を驚かせたのだ。一人のダイナマイトファンとして、彼の恋が実るよう祈るばかりである。
さくらはもうほとんど限界だった。息はあがり、額から汗が噴き出て、足もプルプル震えている。「はんぶん…」と小さく呟いた声は微かに震えていた。
「花咲、濡れすぎ。俺の太ももまでビシャビシャだわ」
声につられて後ろを少し振り向けば、爆豪がさくらのスカートをペラリと捲りあげていた。確かに、ほとんど露出している爆豪のそれを伝って太ももまで濡れて光っていた。
「ハァッハッ……うる、さい」
「……お前それであと30分は無理だろ、場所変われ」
「んんっ、は、やあ……うご、かないで」
体勢を変える為に爆豪が身体を起こそうとした時、ナカにある存在感のあるソレが動き、私のナカの敏感な部分を擦り上げてしまった。
「ひあっ、あ、まっ、ソコッ」
「あ?」
その瞬間、信じられないほど強い快感が全身を走り思わず足の力が抜けてしまった。そうなれば自らの体重でどんどんと奥へ奥へずぶずぶと爆豪の硬いのが侵入してきて、余計に力が抜けてしまう。
「あ、だめ、やあっ、やっ!!おく、きちゃ♡ゃあぁあ♡」
爆豪の腕が背後から腰に巻きつき、力が抜けてずり落ちるのを支えてくれた頃には、随分奥まで熱いのが挿入り込んでしまっていた。
「ナニ楽しそうにしてんだよ」
「は、はふ…うぅ…、やぁ、う……ぜんぶ、はいっちゃった……むりぃ、ぬ、いてぇ」
「まだ全部じゃねェわ。もっと奥……ここまで入っとったの覚えてねェんか」
グッとお腹の上から押されて、一瞬気を遣りそうになった。イっちゃだめだって言ってるのに、抜かないどころか更に刺激してくるだなんて、信じられない。
「アッ♡〜〜〜や、やめてっ、むり、むりぃ」
「あー……クッソ締まる」
「ひっ、アッッッ♡や、やば、まっ、て……いま、ぜったい、うごいちゃだめ、まじでやばい」
こっちが必死でイかないように頑張っているというのに、爆豪は後ろから抱きしめた手でスルスルとあっちこっち撫でたり首筋にキスしてきたりと随分と楽しそうだ。
背中には爆豪の熱い体温がぴったりとくっ付いている。私の体温も上がっているし、すごく暑くてお互いじわりと汗ばんでいる。
グイッと顎を掴まれて無理矢理後方へと顔を向けられた。首が痛いと文句を言おうとしたら、同じく首を伸ばしているだろう爆豪の鼻先と私の鼻先がくっ付いた。爆豪のルビーよりも赤い潤んだ瞳が、私を射抜いた。
「キスしていいか」
「っ、だ、だめ…」
「締まったわ。……お前ホント、下の口は素直だよなァ」
「お、やじ、かよっ」
「事実だろォが。エロい事言われたらぎゅーぎゅー締まるし奥突いたらすぐイくだろ」
「ちょっと……まじ、だ、まっててよ」
「ほらまただ……。花咲、虐められるの好きなんだろ?んな態度取っててマゾとかよォ……まじで、ヤベェわ」
「まぞ、ちゃう…」
「ふーん」
あっそ、と呟き一度リップ音を鳴らして口付けた爆豪は、腰に巻きつけた手に力を込めると、腰を下からゆらゆらと動かし出した。緩やかな刺激だが、脳が揺れるような衝撃が走る。
「ひゃあっ♡〜〜〜、ぁ、ま、まって!な、に、してんの!?」
「イかねェよう、きばれや」
「やぁっ、んっ、むり、むりぃ♡ぜったい、むりだって!あっ、だめ、止まって!!」
「あぁ、だろうなァ」
爆豪が腰を突き上げるたびにグチャグチャと、いやらしい音が耳を犯す。絶対ダメって言っているのに、爆豪は止めるどころかどんどん腰の動きを強く激しくしてくる。爆豪の大きすぎるソレがズコズコと出入りし、根元まで挿入り込んだ時には私のナカの奥深くの気持ちいい場所を掠めて甘く刺激する。
30分以上彼の太く硬いものを中途半端に咥え込んでいたソコは、待ち望んでいた刺激を受けて直ぐにでも登り詰めてしまいそうだった。だけど、そう言うわけにはいかない。絶対我慢しないと。イッちゃダメなのに、それなのに、爆豪は全然止めてくれない。気持ちいいのが止まらない。それどころかどんどん膨れ上がってくる。
「や、ばか、あぁっ!や、むり、むりぃらってば、あぁっ♡」
「おー、我慢しろよ」
「らめ、うごいちゃ、らめ…も、お…むり♡」
「早ぇナァ。そんなに俺のちんこ気持ちイイんかよ」
「んん、ちがうぅ♡ぁっ、むり、だめ、だめぇ♡おねが、とまって……ッむり、むりぃ♡」
「駄ァ目だ、イくな」
イくなと言いながらドチュドチュと腰を動かし続ける爆豪。後ろから抱きしめられているせいで身動きが取れないし、耳元のすぐそばに彼の口があって熱い吐息と低い声がダイレクトに脳に響く。
大きなソレが先っちょ付近までズロロロと引き抜かれ、そしてまた根元までグリグリと押し込まれ、登り詰めそうなところを寸でのところで堪えた。
「ーーーひぅうッッッ♡〜〜〜あ、も、やだ、やだぁ♡♡」
「おー……よく我慢できたなァ」
「やらっ、ばくごっ、ばくごおっ♡おねが、ばくごおッ♡♡♡」
もう限界で、ボロボロと涙が零れ落ちてきた。お願い爆豪、と縋るような声で泣きつけば「わかったよ」と頭をポンと撫でられた。やっとやめてくれるんだ、と息を吐いた瞬間だった。
「おら、よ!」
「ひ、あっーーーーーッッッ♡♡♡ッッッ??♡♡♡ァ、うぁぁあ……ッッッ♡♡♡」
ズン、と一際奥まで突っ込まれたソレは、子宮の入り口の敏感なところをピンポイントで刺激した。バチバチと頭の中に電流が走り、ビクビクと手足は小さく痙攣を起こした。頭の中が真っ白に光る。あぁ、イッちゃった。
ピコン、と言う電子音と共に、タイマーが再び60:00に戻りカウントダウンする。どう言う仕組みかは分からないが、私が絶頂を迎えたことを察知して、宣言通りタイマーがリセットされてしまった様だ。
「おい、息しろ馬鹿、死んじまうぞ」
トン、と腕を叩きながらそう言われて、ようやく自分が息を止めていた事に気が付いた。ハァハァと荒い息を整えている間、爆豪の手がずっと私の腕を摩っていた。その手つきが妙に優しくて癪に触る。
「ハハッ、イッちまったなァ花咲。せっかく頑張ってたのになァ」
「ッ、は、ふう……ば、かじゃ、ないの……」
「あー?なぁにがだ?」
「なに、かんがえて、んの……いったら、で、でれない、じゃん」
こっちが罵っているというのに、爆豪は機嫌の良さそうな声色だ。それどころかあちこちにキスを落として、首の後ろをヂゥと吸い上げた。いや、今のは絶対痕付いたよね。やっとこないだのが消えたと思ったのに、何してんのよマジで。思い切り文句を言ってやりたいが私の口は「ちょっと…」と弱々しく呟く事しかできなかった。
「俺ァ、テメェとなら何時間ヤッたって構わねェんだよ」
「は、な、なに言って……」
「せっかく合意の上でヤれてんだから、今日は意識飛ぶほどイかせてやらァ」
そう言いさくらの身体を押し倒した爆豪は彼女の唇を奪うと、再び腰を大きく律動させて彼女の甘い声を引き出した。
「ば、くご、ちょ、まって……も、むり、やすませて……」
何度か対位を変えてその度に高みに上った。
私がイッた後、呼吸が落ち着くまでのほんの少しの間爆豪が止まる時以外はずっと休まずで、肉体的に限界が近かった。
それでも止まってくれという懇願は「無理」と一蹴されてしまい、力の抜けた身体を持ち上げられて今度は四つん這いの姿勢にさせられる。
あぁ、今度は後ろからされるのか、なんて考えてしまい、それだけでゾクゾクと胸がざわついた。
「期待してんじゃねェわ」
「ち、が…」
「違くねェ。ケツ揺れとんだわ」
「ん、は……ぅあッ♡」
意地悪な台詞を吐きながら、私の濡れそぼったワレメに沿ってすりすりと先端を擦り付ける爆豪。また、奥まで気持ちいいのが来ると背筋を震わせていたが、すぐに挿入されるかと思っていたソレは、なかなか入ってこない。ワレメを往復しグチャグチャと大袈裟に卑猥な音を立てて、緩やかな快感を押し付けるだけだ。時折亀頭部分だけが押し込められてナカに入り込んでも、すぐに抜き取られてしまい、奥がズクズクと疼いてたまらない。
爆豪の言う通り、腰が揺れているのが自分でも分かった。それほどまでにナカが熱くて欲しくて堪らない。早く、爆豪のを入れて欲しい。イキたい。早くいれて奥の方いじめてほしい。
そのもどかしさに耐えられなくなった私は、後ろを振り返りながら彼の名前を呼んだ。
「………ッう、んん……は、ばくご……」
「なに」
「なにって…………その…………」
「……欲しいんか?」
「ぅ、…………うん。」
恥ずかしくてとても口には出せない望みを提示され、羞恥心で顔を真っ赤にしながらコクリと小さく頷けば、爆豪は楽しそうに笑いながら私の服を捲りあげて腰の辺りにキスをしてヂュッと数回吸い上げた。また痕が付いただろうけど気にしてられない。そんな事よりも、早く欲しい。
爆豪は痕のついたであろう箇所をそっと撫でると、ようやく濡れそぼった私のソコに硬く立ち上がった棒を押し進めた。
「仕方ねぇから入れてやるよ」
「ぁぅ〜ッッッ♡」
ヌブブブ、と押し進められたそれはあっという間にナカをいっぱいにして、奥の気持ちいい場所へ到達した。バックで入れると、入っているだけでいい場所を刺激されてすごく気持ちがいい。
だから、ヌッチョヌッチョという音を立てながら抜き差しされると、当然全部気持ちいい。本当にあっという間にテッペンが見えてくる。ピストンする度に愛液が飛び散り、脚もシーツもビシャビシャだ。ガクガクと身体が震えだす。
「なァ花咲、イク時はイクって言え。もっと気持ちよくなれっから」
「そ、なぁあぁっ、の♡あぁっ♡いえなっ♡」
「言わねェとまた止めちまうぞ。オラ、言えや」
「や、だぁ、〜〜〜ッ、ちゃう……イッちゃうぅ♡♡あぁアッ♡♡らめ、あーーーいくぅ♡♡♡」
もう頭が真っ白になって、爆豪のエッチな指示通りにイクと宣言して高みに昇った。全身を痙攣させて登り詰めた波はとても強く心地よかった。自分でイクと宣言してしまうと、本当にこれから気持ちよくなるんだイカされるんだと認識させられて、堪らない気持ちになって、爆豪の言う通り本当に気持ち良かった。
はふはふと息を整えながら、まだ次があるだろうかどんな風に気持ちよくしてもらえるんだろうかと考えてしまっている。もうダメかもしれない。エッチなことしか考えられない。
まだ息が整っていないうちに、爆豪が私の腕を後ろからグイッと引っ張り上体を起こされた。挿入されたままのソレの当たる場所がお腹側の方に変わる。気持ちいい。もはやどこを刺激されても気持ちいいのかもしれないけど、でもコレすっごく気持ちいい。
「あぁっ♡♡」
上体を起こしたせいで突き出すようになった胸を、爆豪の手が包み込み揉みしだいた。ずっと触れられていなかったのに、乳首はツンツンと硬いままだった。それを服越しにコリコリと摘まれれば、甘い声は止まらなくなる。いつの間にか腰もズコズコ動き出していて、もう堪らない。
「あぁっ♡ば、くご♡♡ばくごおっ♡♡」
「ハァッハッ、くそ、邪魔だ」
服越しに胸を触っていた爆豪が、舌打ちして服の中に手を入れてきた。途中、ビリっという音がしたかもしれないが、2人ともお構いなしだった。
服の中に入り込んだ爆豪の手は真っ先に尖った乳首を摘んだ。指の腹で優しく摩ったり、ピンピンと弾いたりされて甘い声が漏れたが、指でギュッと摘んで強く引っ張られた瞬間、私はあられも無い悲鳴をあげてしまった。
「マゾが。ド変態だな、まじで」
「ちが、ちがうぅっ♡♡ああっ、やあっ、また♡♡」
意地悪な事を言われながら、乳首を強く摘まれて引っ張られたままズンズンと奥を突かれれば、チカチカと頭の中が弾けだす。きもちいい、きもちいい、きもちいい♡♡
「も、むりい、あぁっ♡いく、またいっちゃう♡あぁあーッッッ♡♡♡ッッッ♡♡♡」
絶頂を迎えた瞬間に、プシャ、と勢いよく水分が吹き出して2人の下半身とシーツをべちゃべちゃに濡らした。
「あーあ、潮吹いてんじゃねぇか。グシャグシャだわ」
「ぁぅ、ごめ……っごめ、なしゃっ」
「あー……クッソ、たまんねェな」
身体を支えていた彼の手が離れれば、もはや自分では身体を支えられない。ズルズルとうつ伏せのままへたり込み顔がシーツに埋まった。
「あぁっ♡♡ばくごっ♡♡」
「フーッ……激しくすっからな。死ぬんじゃねェぞ」
宣言通り、爆豪の腰がズンズンと強く動きだす。激しくって、今までだって十分激しくて沢山イッたのに、一体どうなるのとゾクゾクしてくる。
うつ伏せでお尻だけを突き出した状態で後ろから突かれると、堪らない場所に当たる。身体を震わせると、爆豪は容赦なくソコを徹底的に打ち付けてくる。逃げ場がない。ベッドと爆豪に挟まれて身動きが取れずただ情けない声を出す事しかできない。
シーツを握りしめて必死に耐えようとしても、何度も何度も繰り返される律動にあっという間に上り詰める。
「あっ、らめ、らめえっ♡やあっ♡あっ、あ、あぁあーーーッ♡♡♡いくぅッッッ♡♡♡」
逃げることも快感をやり過ごすことも出来ないさくらはシーツの上で身体を痙攣させる事しかできなかった。どうしようもできずに登り詰めた彼女のソコを、爆豪は更に容赦なくドチュドチュと強すぎるピストンで刺激する。
「えあっ??♡♡ま、まって♡♡まだ、いってる♡♡あぁあーーー♡♡♡やら、やらぁ♡♡」
イッたあとは止まって呼吸を整えさせてくれていたのに、止まる事なく腰を動かし続ける爆豪に困惑しながらもさくらの身体は素直に快感を受け入れてしまう。高みに昇って降りてこないままに、更なる高みに登らされて頭の中だけではなく視界まで白くなってくる。
タイマーが何度もリセットされ、ピコン、ピコンと電子音が繰り返される。「イキまくってんなぁ、オイ」と煽られても、とうとうなんの返答も出来ずただただ甘い声を上げて絶頂感に身を震わせるしかできない。
ソレを繰り返すうち、視界がグリンと反転しとうとう意識がプツリと切れた。
それからしばらく夢見心地を彷徨っていた私は、頬をペシペシと叩かれる刺激で微睡の中から浮上した。
「んん、」
「終わったわ」
そう言われて、一気に意識が覚醒した。そうだ、訳の分からない空間で訳の分からない指令を出されて爆豪とシていたのだった。え?待って私イッてる記憶しかない上に寝てたんだけど、意識飛ばしてたってこと?え、やば
周囲をキョロキョロと見渡すと、真っ白で何もなかった壁面にドアが設置されていた。よかったこれで出られるんだとホッと息を吐き胸を撫で下ろした。
「よか、た。じゃあ、出よっか」
そう言いベッドから重い体を起こしたさくらだったが、肩を強く押さえつけられて再び背中を付けた。のっしりと覆いかぶさられて影ができる。
「ちょっと、なにす……ッ」
ポタリと、頬に何か水滴が落ちてきて声が途切れた。なんで水が?と見上げれば、私に覆いかぶさっている爆豪の汗だとすぐに分かった。だって、すごい汗だ。
自分に覆いかぶさる爆豪の様子に私は思わずヒュッと息をのんだ。すごいのは汗だけじゃない。フーッフーッとまるで獣のように荒い息をしていて、ギラギラした真っ赤な瞳はこれでもかというくらいに瞳孔が開いていた。
あ、これはなんか、やばい感じだ。
「す、すごいよ、汗。あはは、しんどかった…よね?ごめんて。ば、爆豪?ちょっと、一旦落ち着…んぅッ!!……ふ、ぁ」
どうにか落ち着かせようとかけた声は、爆豪の唇に口付けられて途切れてしまった。まるで捕食するかのようにガリッと歯を立てられて、痛みと血の味が口内に拡がる。文句を言おうにも、分厚い舌が絡み付いてきて言葉にならない。
その間に力の入らない脚を思いっきり拡げられて、熱い肉棒が挿入された。ドチュン、と勢いよく最奥まで挿入されたそれは、狙ったかの様に私の1番気持ちいい場所を強く刺激した。たったの1突きで、絶頂へと押しらやれてしまった。
「ひア゛ッッッ♡♡♡〜〜〜ッッッ♡♡♡」
突然の強すぎる刺激にビクビクと身体が痙攣する。だというのに、爆豪は私がイッたことになんて全然構わず、ドチュドチュと卑猥な音を立てながらものすごい勢いで私の気持ちいいところを突きまくる。まだ絶頂の高みから降りていない所へ、次から次へと刺激を与えられて更に上り詰める。
「あぁっ♡♡待っ、まら、イッてう♡♡あっ、ムリッ!あぁあっ♡♡」
「フーッフーッ、ッるせぇ……黙っとけ」
爆豪は、変わらずギラギラとした瞳で見下ろしている。まるで獣のような様相に、私も興奮を高めていく。獣の様な様相で、獣のようなセックスをして、何度も何度もイキ続けた。
「やぁっ、イクの♡♡とまんなッ♡♡ああっ、ッッッ、イ、クッ♡♡♡ア゛ッッッ♡♡♡」
プシャと潮を吐き出し、またも意識が飛びそうになるが、さらに突き上げられる刺激で無理矢理意識が覚醒させられる。
「〜〜〜ッッッ、も、むりッ♡♡♡しんじゃうッッッ♡♡♡アーーーッッッしぬっ、ア゛、イグッッッ♡♡♡」
「ハァーッハーッ、も、少し…だから」
苦しそうな声にふと爆豪の顔を見ると、眉間に皺を寄せてギラギラの赤い瞳を歪ませ、顔を赤くしてすごく苦しそうだった。その顔に堪らなく胸が締め付けられて、思わず腕を彼の首に伸ばした。
「ばくご、チュウ、して」
「は」
何度やめてと言っても止まらなかった爆豪の腰が、ビタリと止まった。ずっと、出来ているのかも分からなかった呼吸を久しぶりに出来たような気がする。
爆豪の目も、獣のような様相がほんの少し収まりようやく視線があった。もう一度同じように言えば、グッと眉間の皺が深くなる。
「さくら……」
頬に手を当てて熱い眼差しと共に、名前を囁かれると心臓がギュッと掴まれたように痛む。爆豪に下の名前で呼ばれるのは多分初めてで、むず痒いような、嬉しいような、だけどなんだか自分の名前が特別なものの様に感じた。「ばくごう」と返せば、唇が重なり舌が絡み合う。
濡れた舌同士を狂った様に絡み合わせながら、ピストンが再開された。どれだけ喘ぎ声をあげても爆豪の口の中に消えて熱い舌に絡め取られてしまう。
ぐちゃぐちゃに絡み合うのが気持ちよくて、またイッた。舌が絡んで唾液が垂れるのも気持ちいいし、爆豪ので奥をぐちゃぐちゃに突かれるのも気持ちいい。全部が気持ちよくて堪らなくて、自分の上で揺れ動く太い腰に、脚をギュッと絡み付けた。途端に、身体だけではなく心にまで多幸感が溢れる。やばい、なにこれ、なんかすごい幸せかも♡
「んあぁっ♡♡ば、くごおッ♡♡」
「ハッ、さくら……かわい」
「ふぁっ、ぁあっ♡♡ばくご、きもち♡♡きもちいよぉ、ばくごお♡♡♡」
「ッソ、もう、出る、から……。さくらも……最後に、もっかい、イケ」
「うん♡♡♡も、いく♡♡♡いくぅ♡♡♡あぁーッ♡♡♡」
「ッグ……ッッッ、ハッ……〜〜〜ッッッ!!!」
腕と脚を爆豪の身体に絡み付けるようにしがみ付き、幸福感に胸を高鳴らせながらの絶頂は、頭が真っ白になるくらい気持ちよかった。それと同時に爆豪もイッたようで、ゴム越しにでも脈打ち熱いモノが出ているのが分かった。
ハァッハァッ、と2人の荒々しい息遣いだけが静かな室内に響いていた。さくらの上に覆い被さっていた爆豪が、力を抜き思い切り彼女にのしかかってきた。
「う゛ッッッ!!お゛も゛ッッッ!!!」
「ハァッ、ハッ、ア゛ーーー…………ヤッベェ」
「〜〜〜ちょッッッ!!じぬ゛ッッッ!!」
そのあまりの重みに息が止まる。流石の筋肉ゴリラである。めちゃくちゃ重い。
背中に回していた手をバンバンと叩き必死に訴えるとのそのそと身体を起こした爆豪は、未だ肩で息をしたままだった。汗だくだし、めっちゃ疲れた表情をしていて、珍しいなと目を開いた。
爆豪は大抵の仕事は涼しい顔でこなしているし、息が上がってる姿なんて見せない。個性柄汗はいつもかいているけど、こんなに疲れ切っているのを見るのは、学生時代でも見た事ない……いや、3年の時の地獄の林間合宿以来かもしれない。
学生時代からタフネスと讃えられていた爆豪の滅多と見ない姿。自分とのセックスでと思うと気恥ずかしいし、結局定められた1時間はまるっと落ちてしまっていたと思うとなんだか後ろめたい。いや、私が落ちたのは爆豪のせいなんだけどさぁ。けどこんなに見るからにグッタリされるとやっぱりむず痒くなる。
「お、おつかれ?」
「……おー」
何と声をかけたものかと考えながらも、結局おつかれというよく分からない事を言ってしまった。爆豪もこちらを見て微妙な反応を返した。
それからゴムを外した爆豪は「クソ出たわ」と言いながら手早くソレを処理して、またバタリと倒れ込んだ。今度はさくらのすぐ隣に倒れた爆豪は、ギュウッと太い腕の中に私を抱き込んだ。
「んぐ」
「……さくら……」
名前を呼びながらチュッとリップ音を立ててキスする爆豪は、さながら恋人同士の情事後のような甘い雰囲気を醸し出していた。気恥ずかしいからやめて欲しいと思うのに、その手を振り払うことが出来ない。それどころか、胸が強く締め付けられて痛いくらいで、爆豪の汗まみれのコスチュームをギュッと、握って受け入れる事しかできなかった。
しばらく恋人同士のような甘い後戯にむず痒い思いをしていると、ボスンと布団の上に何かが落ちてくる音が聞こえた。音のした方に目線をやれば、先ほどまではなかった筈の白い箱があった。これは、さっきオモチャが入ってたやつと同じ様なものだろうか?箱の色は違うけれど……。
爆豪が警戒しながらもソレを開ければ、箱の中にはタオルや飲み物、ウェットティッシュなどが入っていた。
「チッ、クソが……アフターケアしとんじゃねェわ」
「気遣いの方向性間違ってるよね、まじでクソ」
2人でブツブツと文句を言いながらもそれらを取り出した。どこもかしこもぐちゃぐちゃな上に喉はカラカラで死にそうだったので、正直めちゃめちゃ助かった。と言っても私は身体を動かせる状態では無かったので、爆豪が全部してくれたのだけど。
爆豪はペットボトルの飲み物を開けて一口自分で飲み毒味をした後、わざわざ口移しで何度も何度も飲ませてきた。熱い舌が絡み合う隙間から入り込む冷たい水は、脳が蕩けそうだった。
何度も繰り返されてトロリと蕩けているだろう表情を見た爆豪は、頬を撫でキスを落としながら見たこともないくらい優しい表情で私に笑いかけた。
「ンナ可愛い面すんなよ…さくら」
「ッッッな、な、なに言ってんの!?」
爆豪の言葉に目を白黒させた。可愛いって言った!?爆豪が、私を!?この男が冗談でだって言わなさそうな言葉に驚いていると、頬に触れていた手が耳へと移動し、ふにふにと耳たぶを弄ってくる。ゾク、と背筋が震えて顔に熱が集まってくる。それを見た爆豪が、意地悪な笑みを浮かべた。
「……もっかいスルか?」
「〜〜〜し、しないわよ!!」
顔を真っ赤にして言う私の髪を、楽しそうに笑いながら爆豪の大きな手がグシャグシャとかき混ぜた。
「残念だが次にお預けだな。ゴムねぇし」
「……次とか無いけど」
「まだ俺と付き合う気ねェの?」
「な、ないよ……」
「頑固だなテメェも。おら、身体拭くぞ」
そう言って、色々とグシャグシャな身体をタオルとウェットティッシュで私の身体を綺麗にしていく爆豪。全然身体に力が入らないのでされるがままになっていると、爆豪が「悪かったな」と呟いたので、私は目を丸くした。
「最後、理性ぶっ飛んでた。無理させた」
「………………ッフハハッ!爆豪って謝れるんだ!」
「人を何だと思ってんだ!俺に出来ねェことなんざねんだよ!!」
爆豪がしおらしく謝るのが可笑しくて笑い飛ばせば、彼もまた普段の様な悪態をついてきた。
いや面白すぎる。お茶子や三奈に教えてこの面白さを共有したいが、そうなるとここまでの経緯を説明しなきゃいけないから出来ないし…うーん、もどかしい!
「いやでも、まじで死ぬかと思ったわー。オールフォーワン戦以来に市の淵見たわー」
「そもそもテメェがすぐイク上に、1時間も気持ちよさそうにオネンネしとるからだわ!!地獄だったぞあの1時間!!」
「ソレはごめんて!でも結局それも爆豪のせいじゃんか!!」
爆豪と笑いながら言い合いを続ける。しかし、そもそも元を辿れば爆豪というよりもこの状況を作り出したであろう敵のせいだなと気付き、敵に対する怒りが込み上げてくる。なにがイタズラだよ。イタズラにしちゃ度が過ぎてるわ。
「つーか、マジでこの敵なんなわけ!?こんな事して何考えてんの」
「敵の考えなんて分かるかよ。愉快犯か何も考えてねェか……それかシコってんじゃねぇ?」
「マジクソすぎ!!キッッッモ!!爆豪は私としたかったんだろうからラッキーだったかもしれないけどさぁ。まっっっじで最悪」
「あぁ!?俺だって不本意だわ!!お前オトしてから抱く予定だったのによォ!!」
シコってるという爆豪の言葉を聞き、全身にブワッと鳥肌が立ち嫌悪感を露わにする。確かに個性の持ち主であれば今までのを全部見られていてもおかしくは無いと、青ざめていく。
そして八つ当たりの様に爆豪にあんたはいいけどと言えば、まさかの返答が返ってきて、青い顔を赤くした。
「な!?お、オチないわよ!……ていうか、不本意って言う割にはノリノリだったじゃん」
「当たり前だろォが!!どんだけヤりたかったと思ってんだ!!」
「いや、矛盾しすぎてない?」
「……女には分かんねェわ……」
フンと鼻を鳴らしながらプイッとそっぽを向いてしまった爆豪。アレか。ほら、あの、男子の下半身は別の生き物みたいな、そういうアレかな?知らんけど。
言っているうちに爆豪の方もイライラが募ってきた様で、いつもの凶悪な顔で笑っている。ヨッ、流石敵ッポイ見た目ランキング上位常連ヒーロー!ソレでいて正規ランキングも上位キープしてるから腹立つんだけどね。
「くッそ敵がァ…ぜってぇとっ捕まえて俺がブッ殺してやらァ」
「は!?だめ!!」
「ァア゛?」
「トドメはあたしが刺すから」
「…………は?」
ニコリ、と笑いながら言えば爆豪がピタリと動きを止めてコチラをシゲシゲと見つめてくる。やだなぁ、そんな変な顔してないよね?ちょっと瞳孔開いてる気はするけど、ちゃんと笑えてるでしょ?
「だめ。絶対あたしがヤるからね。爆豪がトドメ刺したら、連絡先消して2度と会わない。ある事ない事記者に喋るからね。絶ッッッ対に許さない」
「トドメって……つーかお前戦闘向きじゃねェだろ」
「ふふふ、何言ってんの。個性の使い方次第でどうとでもヤれるから」
「さくらお前、ヒーローがしていい顔じゃねェぞソレ」
「爆豪にだけは言われたくないわ」
どうやら相当ヤバい顔をしていたらしい。再度言うが、爆豪にだけは言われたくない。
そんな話をするうちに2人とも身なりを整え終えた。と言っても、私は何故か服が破れてしまっていたので、何故かベッド下にあったサラのシーツを巻き付けた。そして爆豪に抱き上げられてようやくこのキミの悪い白い部屋を後にした。
「そこ!ソイツ!!」
「ッッッ死ねェェエ!!!」
BOOM!!BOOM!!
大きな爆発音が閑静なオフィス街に響く。
白い部屋を出た私たちは、見覚えのない路地裏に出た。そこから私の開発中の探知技で見つけた不審者を少し離れた路地裏で発見し、即拘束、私の個性で意識を失わせてやって漸くほんの少し溜飲が降りた。もっと痛めつけて恐怖を植え付けさせてやりたかったが、残念ながら集まってきた通行人の目もありソレは叶わなかった。
腹の立つことに、ダイナマイトのファンだと言ったその男は、爆豪を見るなりハイテンションに長々とダイナマイトへの愛を語りだして大変キモかった。
「ダイナマイト!格好良い!!チェリッシュに片想いしてるって毎日報道されてて、僕の個性ならキミの望みを叶えてあげられるかなって思ったんだ。ふふふ、ずっと抱き合って……良かった仲良くなれて!!あぁ、ダイナマイト、いつだって格好良いけど、今日は最高に格好良かったよ。本当に、最高だった…。ねぇ、チェリッシュ、キミも良かったでしょ。ふふふ、凄く気持ちよさそうにしてたよねぇ。キミがあんなにエッチなことが好きだなんて、知らなかったなぁ。僕、キミのことも好きになっちゃったよ」
なんて言われれば、そりゃあ頭に血も昇る。思わず窒息死させてしまいそうになったところを爆豪に声をかけられて個性を止めた時には、男は既に意識を失っていた。
フーッと息を吐いた頃には、野次馬が集まってきていた。爆豪が舌打ちして、私の身体に巻き付けたシーツを頭まで被せた。何?と見上げれば、黙っとけよと言われる。
「わ、ダイナマイトじゃん。まじカッケ〜」
「あれ抱いてんの一般人?いいなぁ」
「いや、ちょっと待って、あの敵拘束してたのあの人だよ……桜の個性で……」
「ねぇ、さっきチラッと見えたけど、髪もピンクっぽかったよ」
「えっ、それって……え?まじ?やっば、ついに付き合ったの?」
ザワザワと周囲の人々がザワつき出し、リポーターらしき人の声まで近付いてきて、冷や汗が出だす。
「ダイナマイト!お疲れ様です!」
「ッス」
「今日も見事でしたね!それで、そちらの方は……チェリッシュですよね?桜の個性使われてましたし」
「あー…………まぁ、そっすね。ちょっとさっきの戦闘でコイツ怪我してるんで、もういいスか」
そう言いながら、その場を離れようと歩き出した爆豪を、記者は更に追いかけてきた。なかなかガッツのある記者だ。こういうタイプは芸能に多いが、芸能記者だろうか。
「え、待って下さい!!あの、お2人はお付き合いを始められたんでしょうか!!」
「そぉッスね」
「は!?」
記者だけではなく周囲の人々にもその声は聞こえた様で、周囲のざわつきも大きくなった。黙ってろと言われたが、そんな事を言われたら黙っておけない。
「おめでとうございます」
「違います!!始めてません!!」
「あ?」
「あれ、違うんですか?」
「付き合ってないし、今後付き合う予定もありませんから!!」
「あーもー、黙ってろッつったろォが馬鹿。いいだろ、時間の問題だわ」
「無いから!!マジやめてよね!!」
「あーもー、メンドクセ」
「ざ、残念です。応援してますダイナマイト。あの、最後にツーショットいいですか、チェリッシュも少しだけ顔出してもらって」
そう言う記者の声に、爆豪はチラリとシーツを捲りさくらの顔を見た。しかし、ニヤリと微笑むと、すぐにソレを元に戻してしまった。
「ヒデェ面してっから、駄目だな。他のやつには見せてやんねェ」
ギュッとシーツ越しに頭を抱かれると、キャーッと大きな悲鳴が耳を劈いた。あの中に爆豪のガチファンがいない事を祈るしか無い。また殺害予告される。
それからすぐに警察や管轄のヒーローに引き継ぎをして、爆豪に連れられるままようやく自宅に帰ったのだった。長い長い1日が、ようやく幕を下ろした。
【スクープ!!初めての共同作業‼︎】
かねてからダイナマイトが恋心を寄せるチェリッシュ。その2人が共闘し敵を華麗に捕獲!その際ダイナマイトがチェリッシュをお姫様抱っこし、彼女が敵を捕獲するのをサポートしたようだ。2人はこの敵に襲撃を受けチェリッシュは怪我を負った様だが、どの様な被害を受けたのかは明かされていない。
また拘束後のインタビューでは、まだ交際には至っていないことが明かされた。しかし、怪我をした彼女を見つめるダイナマイトの顔は今までに見たこともない様な愛情あふれる穏やかな表情で、その場にいる人々を驚かせたのだ。一人のダイナマイトファンとして、彼の恋が実るよう祈るばかりである。