mha短編
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今日もヒーロー活動と事務所内作業を終えコスチュームを脱ぎ、さあ自宅へ帰ろうと事務所の裏口ドアを開いた瞬間、パチン、と急に視界が変化し、見覚えのあるヒーローコスが眼前に広がった。
黒地にオレンジのクロスラインが特徴的なそれを見上げていけば、やはり予想通り蜂蜜色の髪と真っ赤な瞳を持つ人相の悪い顔がこちらを見ていた。学生時代よりも腹が立つほどスクスク伸びた背丈を見上げると、首が痛くなるほどだ。
「げぇ」
「ア?」
思わず眉を顰めて声をあげてしまったのも仕方がないと思う。だってこの数週間、この男、爆豪勝己には幾度となく悩ませ困らせ惑わせられてきたのだから。
数週間前のあの夜。ただの飲み友達だった私たちは、その日も今までと同じように何の色気もない会話を交わしながら飲んでいたのに…思わぬ…そう、事故のようなもので、一線を越えてしまったのだ。しかも嫌なトラブルもあり、写真を撮られてしまったから最悪だった。
あれから毎日記者たちに追い掛け回されるは、同級生たちからはひっきりなしに電話やメッセージが送られてくるは、パトロール中に市民やファンに問い質されるはで大変なのだ。
その上腹が立つのが、この男。なんとこいつ、口説いてきやがる。あれから毎日のように電話をかけてきて、暇さえあれば会いにきて付き合えだなんだと言ってくるのだ。一度ヤったからって、アホなのか、猿かよ。確かに猿のようにヤったけれども。
おまけに付きまとわれている時に記者に見つかり「今口説いてんだから邪魔すんなヤ」と言ったものだからもう最悪。連日連夜週刊誌やワイドショーで面白おかしく囃し立てられありもしない過去が捏造され続けている。数週間たっても薄まるどころか更に過熱し続けていて、先日はダイナマイトガチ恋ファンと思われる人物から殺害予告ラブレターまで貰ってしまった。
今日も短時間のパトロールの中で、「いつ付き合うの」「ダイナマイトが可哀そうじゃーん。笑」「調子乗んなよブス」エトセトラえとせとら…おかげで上司や先輩にまで同情されてパトロールを減らされて最近デスクワークばかりだ。私はデスクワークは苦手だっていうのに…
そんなわけで、その顔を見た瞬間に回れ右して距離を取ろうとしたが、腐ってもトップクラスのヒーロー。それは叶わずガシッと手を掴まれて引き寄せられた。
「え?なにここ?」
しかしその手に掴まれたことよりも、回れ右した瞬間視界に入る見覚えのない真っ白な空間に目を見開いた。しかし私が驚きの声をあげても、目の前の男はそんなことはお構いなしで私の顔に自分のそれを近づけ睨みつけてきた。
「花咲テメェ、ちょこまかと逃げ回ってんじゃねェよ。俺が失恋男扱いでパパラッチされまくってんじゃねェか」
「事実だし、お互いさまでショ。それ言うなら、爆豪のファンめっちゃ怖いのまじ何とかしてよね。…あ、そういやワイドショーで爆豪が高校時代からあたしに片思いしてたことになってたけどマジ?笑えるんだけど」
「ねェわ、暦数週間だしすぐ落とすわ。なぁ、俺と付き合えよ」
「ハイハイ。そんなことよりさぁ!なんなのここ?」
「話逸らしてんじゃ…………ア?んだここ」
「嘘でしょダイナマイト、危機管理どうした」
真っ白な壁と床、天井の八畳ほどの室内には、窓もドアも無い。ただただ異様なまでに真っ白な室内の真ん中にドンと大きなベッドが置かれている、誰がどう見ても異質な空間に私と爆豪だけがいる。
どう見ても一目で異質な空間だというのに、爆豪はまるで今気付きましたとでもいうような反応をみせた。まじかよ、コイツ、私のことしか目に入ってなさすぎる。トップランカーのくせに、引く。
「あたし事務所出たとこだったのに…なにここ?」
「…………チッ電波届いてねェな」
「は!?」
目元のマスクをずらしオデコまでグッと持ち上げ、スマホを見ながらそう言う爆豪の言葉を聞き、自分のそれを取り出してみると、確かに電波が届いておらず圏外の表記が見えた。一体これは何なんだ何か凶悪な事件にでも巻き込まれてしまったのだろうかと背筋が冷えてくる。その時だった。
「テッテレー」とコミカルな効果音と共に真っ白な壁に文字が浮かび上がった。
⭐︎「イクの我慢」しないと出られない部屋⭐︎
セックスしてね!挿入から1時間イクのを我慢すれば鍵は開くよ!イッちゃうとタイマーがリセットされちゃうから気をつけてね!
「は?」
「ア゛?」
映し出されたこの緊迫した状況からは信じられない文字。それを理解しきれず、一度目を擦り再度よく見るが、やはり書かれている文字は変わらない。文字の下には60:00というデジタル時計のようなものも浮かび上がっている。
「……なにこれ、シュミ悪すぎ」
「あー…………ヤる?」
「ヤるわけないでしょ!!さっさと壁壊してよ!!」
「つっても、個性出ねぇぞ」
「はぁあ!?」
爆豪が何も出ていない掌を上向きに掲げながら言った言葉を聞き、私も個性を出そうとするが、確かに出ない。恩師イレイザーヘッドに個性を消されている時もそうだが、普段当然のように出している個性を出すことができないというのはなかなか奇妙な感覚だ。
イライラと感情に任せて壁を思い切り蹴ってみても、やはりびくともしない。「マジなんなのここ!!」と壁をガンガン蹴りながら金切り声をあげる私に、爆豪が呆れたようにため息をついた。
「一個だけあんだろ、出る方法」
「っなに!?」
爆豪の言葉にそちらを振り向けば「ん」と言いながら顎で白い壁面を指した。そこには先ほど見た趣味の悪い文字が相変わらず並んでいる。
コイツ、マジで言ってんのか。ていうかやけに冷静だなと思ったらそんなこと考えてたわけ?アホなんか。頭ちんこになってんのか。
「はぁ?いやいや、あんなんマジなわけないじゃん!!写真撮られて週刊誌に売られるだけだわ」
「……俺ァこの敵、こないだ事務所で聞いたことあんだ。急にどうやっても出れねェ変な空間に隔離されて、個性出せねェ外とも連絡取れねェで、出された指令を完了する以外に出る方法はねェらしい。
指令内容は下らないし、人体に危害加えるような危険な事もねェってことで敵というより悪戯じゃねェかって話だったが…犯人の目星も付いてねェんだと」
「ちょっと!そういう大事なことは早く言いなさいよっ!!」
「言っとったらじゃあすぐヤろってなるんか」
「ならないわよ!!」
「だからだわ」
「う〜もお〜!!!」
桜色の柔らかな髪の毛をグシャグシャとかき混ぜながらその場に蹲りうんうん唸りだしたさくらを、爆豪は楽しそうに見下ろしていた。
さぁどうやって口説き落としてセックスに持ち込もうかと思案していると、彼女は突然パシン!と自分の頬を思い切り叩いて立ち上がった。
「ヤってやろうじゃないの!女は度胸よ!!」
「お、マジか」
「私はヒーローチェリッシュ!!こんな訳のわからない場所で、こんな可愛くない筋肉ゴリラと餓死なんてしないわ!!私を待っている人たちのために!!」
「いい心がけじゃねェか」
「ただしっ!!!」
ニヤニヤと上機嫌な表情を見せる爆豪の鼻先にビシッと指を突き付ける。ニヤけてんじゃねぇわ、この筋肉ゴリラ。
「入れるだけだから爆豪は動かないでよね!分かってる!?1時間もあるんだからね!?絶ッッッ対動かないでよ!?」
「キチィよなァ、花咲すぐイクしなァ」
爆豪の言葉に顔を真っ赤にして「うるさいわね!」と怒りの声を上げたのと同時に、ベッドの上にボスンという音を立ててショッキングピンクのボックスが落ちてきた。
「何?」と言いそれに近付き触れようとすると、爆豪に腕を掴まれ止められた。
「アホかテメェ、離れとけや」
と言いながらシッシと手を振る爆豪の斜め後ろに離れたところで、ソレを開けるのを見守る。結局何も仕掛けはなく普通に開いたのだけど、爆豪は中を見てビタリと身体を止めた。不思議に思い爆豪の隣に行き覗き込んだ私は中身を見て顔を歪ませた。
「うわぁ……ほんっとシュミ悪い」
ショッキングピンクの一見可愛らしい箱の中には、全く可愛くない……所謂大人のオモチャが所狭しと詰め込まれていた。小さなピンクローターから、男性器を摸したグロテスクなバイブ、全く用途が分からない謎なものまで。
私が青い顔でその箱を眺めていると、爆豪が籠手とグローブを外して、ソレの中に手を突っ込んでゴソゴソと物色しだしたので彼女は軽蔑の眼差しで彼を見た。
「……ちょっと、そんなの使わないわよ」
「わーってるよ、その目やめろヤ。ゴム探せ、ゴム」
「あぁ」
なるほど、先日の婦人科おんぶ受診が相当堪えたらしい爆豪は真剣にゴムを探している。その姿に、今から本当に爆豪とするのだと再認識させられ気が重くなる。しかし、ゴムは大事だ。一緒に箱の中を探すが見当たらない。
ローター、手錠、バイブ、鞭、ローション、下着、目隠し、バイブ、媚薬、何だかよくわからないゴツゴツしたもの…見たくもない物ばかりで嫌になり箱をバサっとひっくり返してやったら、箱の底に一つだけ目的のものがあり安堵のため息をついた。
「よかった、あった」
「チッ…んで1個なんだよ」
「いや……イッちゃだめだからでしょ?ねぇ、ちゃんと分かってる!?」
「わーってるわ!!」
この現状を全く理解していないかのような言葉に突っ込めば、子供のようにそっぽを向いた爆豪。私はジトーっと睨みながら、爆豪に向けて今度は手のひらを差し出した。
「じゃあ、ソレ出して」
「あ?」
「ポケットに入れてるでしょ」
「……チッ」
舌打ちしてポケットの中から取り出したのは、先程の箱の中に入っていたオモチャのうちの1つだった。受け取ったソレと、他のものも箱に仕舞い込むとベッドの下の奥の方に隠してやった。
コイツマジで何考えてんだ。爆豪の言動に不安ばかりが募る。ぶっちゃけなんかもうシたくなくなってきたけれど、そうなれば共倒れだ。とにかく速攻で終わらせるしかない。
そして箱に入れずに残したゴムとローションだけを手に持ち爆豪の方を向く。
「どうせヤるならサッサとヤって終わらせよ。ほら、ローション」
「ほらじゃねぇわ、なんだよ」
「ローション付けて突っ込めばいいじゃん」
「何言っとんだ」
「わっ」
私の言葉に眉間の皺を深くし睨みつけてくる爆豪は、私の腰を掴んで軽々と持ち上げるとベッドに腰掛けさせた。そして腰を折り曲げて顔を近付けるとソッと唇を重ねた。
「んっ」
重ねるだけのキスをする爆豪の胸元をグッと押し退けると、視線で強く非難されたが、思ったよりもあっさりと唇が離れた。
「は、ちょっと…キスしなくていいっ、触んなくていいから、ローション着けて入れてよ」
「ハァ?お前、ホント馬鹿だな」
「な、んぅっ……っふ、」
そう言うと少し開いた爆豪の唇が、私のそれに再び重なった。ハムハムと啄む様に何度か唇を食むと、熱く濡れた舌先が唇に触れた。思わず力が入りグッと唇を紡ぐと、赤い瞳が私を射%ゾク、と腰の奥が震えだした。それから「口開けろ」と低い声で囁かれると、思わず唇の力が抜けてしまった。
その微かな変化を見逃すことなく、ヌルリと分厚い舌が入り込んだ。我が物顔で入り込んだソレは、私の口内を余すところなく刺激し舌を絡ませ隅々まで蹂躙した。ヂュッと音を立てて私の舌を吸い上げた後に唇が離れると、名残惜しむように2人の唇の間を銀糸が繋いだ。
その頃には全身から力が抜けて、顔が真っ赤になっているであろうことが自分でも分かった。
バグってる。豊富というわけではないが、それなりに経験はある。けれど、こんな風にキスだけで力が抜けて身体が熱くなるなんて、少し触れられただけで身体が自然とビクビク震えるだなんて、そんなのフィクションでしかあり得ないと思っていたのに。あの日もそうだったけれど、どうして爆豪とだとこんな風になってしまうんだろう。
息を切らして真っ赤になった私の顔を覗き込み「イイ面だ」と満足そうに頬を撫でた爆豪。数年来の付き合いでは感じたことのない、その眼差しが、甘い声が、どうしようもなくあの日を思い出させる。あの日、どうしようもなく深く強烈な快楽の渦に沈み込んだことを、身体が思い出し芯が疼きだす。
その目で見るのはやめて欲しいのに、爆豪は惜しげもなくその熱い眼差しをこちらへ向け続ける。
「アレから俺がどんだけ花咲のこと抱きたかったと思ってんだ?んな雑な抱き方しねェわ」
「な、ば、馬鹿じゃないの…っ!?」
私の赤い顔を更に赤くするには十分すぎる台詞を吐き、再び唇を重ねた爆豪は、私のトップスの中に手を差し入れてあっという間にブラのホックを外してそれを抜き取った。あまりに器用で慣れた手付きだった。うざい。しかし、服は脱がさずに着たままなのは、どこかで誰かに見られているかもしれないということを考慮してだろうか。
「ちょ、ちょっと…ホントに分かってる?こ、こ、こないだみたくめちゃくちゃしたら、許さないからね」
「テメェこそ、分かってんならイクなよ?」
「だ、から触っちゃだめって…ひゃっ!」
ブラを取られ無防備になった胸を爆豪の大きな手が包み、思わず普段は出さない声を上げてしまいバッと口を覆う。しかし当然爆豪の耳にもソレは届いていて、ニヤリと口を歪めさせた爆豪が私の顔を覗き込んでくる。
悔し紛れに睨みつけてやれば、尖った乳首を服越しにギュッと摘まれてビリビリとソコに快感の電気が走る。手で押さえていても、声が漏れ出てきて抑えられない。爆豪にこんな声、聞かれたくないのに。なのに、爆豪の手は私の胸から快感を与える動きを止めてくれない。
「〜〜〜ッッッ、ぁ、んんっ、ふ」
「オイ、声抑えてんじゃねェよ。聞かせろ」
「ッッ、やだっ、絶対ださないっ」
ふるふると首を横に振る私を見下ろしフンと鼻を鳴らした爆豪は、「まァいいわ」と言いながら右手をスルスルと下ろしていき私のスカートから伸びる太腿を撫でた。ビクッと身体が震える。
これから彼がどこに触れようとしているのかが分かり、縋るようにその目を見れば、爆豪がニヤリと笑った。
「精々抑えてみろヤ」
そう言い、その分厚い掌で太腿から脚の付け根を撫で回す。ゆるゆるとした動きに、身体が期待に震え出す。
「どこ触られたいか言ってみろ」
「まじくそ。どこもッ、さわ、んなくて、いいってば」
「ハッ、期待した面してる癖に」
ペロと唇を舐めながら私のスカートの中、身体の中心部のソコをググッと指で押さえつけられる。ギュッと口を噤んでいたので声は出なかったが、奥の方で小さくヌチ、という音が響いた。爆豪の指が動くたびに響くその音に、爆豪が笑ったような吐息が聞こえて、カァっと身体が熱くなる。
「チッ、邪魔だ」
ストッキングを引っ張り「破っていいか」と問う馬鹿の肩にグーパンをかませば、つまらなさそうに腰元からストッキングとショーツをずり下ろした。
発言の割には優しい手つきでつま先まで脱がせると、こちらを熱い瞳で見上げながら足の甲にチュッと口付けを落とした。
「ッッッな、に、してんの」
男の行動に私は目を白黒させて驚く。天上天下唯我独尊俺様神様勝己様を地で行く男、爆豪勝己が、女の足にキスするなんて。
驚く私の問いには答えず彼女から目を離さないまま今度は踝にリップ音を立てキスをする爆豪。パトロール後にシャワーを浴びたとはいえ、足に口付けられるのは抵抗がある。「ちょっと」と慌てて声を上げるが、舌を這わせ時折ヂュッと音を立てて吸い付きながら、赤い瞳がどんどんとスカートに近付いてくる。近付いてくるほど恥ずかしいはずなのに、ゾクゾクと身体の奥から熱が込み上げてくる。もう嫌だ。どうして……
膝上15センチ、個人的に脚が一番綺麗に見える丈のスカートがずり上げられ、脚の付け根を一際強く吸い付かれる。ショーツも下ろされた剥き出しのソコを、爆豪が至近距離で見つめている。
ジリジリと焼ける様な熱い視線を受けて熱くなったソコをグパ、と爆豪の指が拡げる。
「は、スゲ」
熱のこもった声でそう告げると、爆豪は顔をソコから離して私の顔に近付けてきた。それから彼女の濡れた唇をベロリと舐める様にキスし、「指挿入れるぞ」と告げた。
爆豪の普段敵を散々爆破している物騒な指が、躊躇なく私の中に挿入りこむ。
「〜〜〜ッッッ」
「ローションとか要らねェッつの。奥までグッチョグチョ」
「っ、ゃ、ぅぅっ、んっ」
「ハァ……エッロ……」
「ちょ、待っ、〜〜〜あッ!ひ、う」
私の指よりも太さも長さもひと回り以上大きな爆豪の指が入ると、それだけで存在感がある。だからソレで膣内を撫で回されれば、グヂュグヂュとエッチな音が響くし、声だって抑えられなくなる。
触れられてもいないのに柔らかくなってしまっているヤラシイソコに早々に指の本数が増える。圧迫感が増え、気持ち良すぎて涙が滲むくらいなのに、爆豪はナカを虐める手を止めてくれない。あっちこっち擦ってどんどん気持ちいいのが止まらなくなる。絶対イッちゃだめなのに、どんどん気持ち良くなる。ぶっちゃけ何度かイキかけているのを気合いでなんとか持ち堪えている。
「あぁっ、だめっ、ばくごおっ、ま、まって、いっかいとまって!」
「おー」
気のない返事を返す爆豪は、決して手を止めない。でももうホントに無理。太腿がプルプル震え出してテッペンがすぐソコまできている。ギュウッと爆豪のコスチュームを握り、少し距離を離すと、ようやくほんの少しだけ指の動きが弱まった。
「っ、ばくご、も、いいっ」
「あぁ?」
「いれて。もお、はいる、から」
「ばぁか、んな租チンじゃねェわ。拡げねぇとキツいのお前だぞ」
「あぁっ!!」
そう笑いながら更に指を増やし3本の指が私の中に埋め込まれた。唯でさえ太い彼の指が3本も入れば、本物が入っているかの様な圧迫感だ。ソレがゆっくりと抜き差ししながらイイ場所をコツコツと刺激すれば、グチャグチャとはしたない大きな水音が響き脚の痙攣が激しくなる。
「ぁ、まって!だ、だめっ!!ッあぁっ♡」
「ココ、いいだろ?なァ、イケや」
「だから、イッちゃ、アッ、だめ、なんだってぇ♡」
爆豪は先日の行為の中で私が一際感じていた箇所を当然の様に記憶していたようだ。それまで敢えて触れていなかったソコを3本の指で的確に責め立てれば、身体の奥底から来ちゃいけない感覚が込み上げて止まらなくなる。指の動きに合わせて愛液がパシャパシャと飛び散りシーツを濡らしていく。
「あ、だめだめっ♡や、やだっ、やだあっ♡♡」
「まだチンコ挿入れてねんだから、いくらでもイきゃあいんだよ」
「ヒッ♡♡〜〜〜ッッッ♡♡あぁあッッッ♡♡♡」
限界寸前の所に弱いところを的確に責められれば、あまりにもあっけなく絶頂へと押しやられた。あんなに必死に耐えていたのに、いや、耐えていたからこそなのか、息が詰まるほどの強い感覚だった。
爆豪が指を抜き取る刺激にすら甘い声を上げてしまい、自分が嫌になる。悔しいので爆豪をギッと睨みつけてやったが、余裕そうにニヤリと笑われて負けた気分は覆されない。
「っ、さ、いあく」
「俺ァ最高の気分だ」
「うっざ」
鬱陶しそうにそう言ってやれば爆豪はその腹の立つしたり顔のまま「もっかいイかしてやらァ」と言い、再び私の濡れ切った割れ目に指を這わせた。ヌチ、という音が聞こえてギュッと目を瞑った。何度かソコを擦り濡れた音を立てた後、敏感な突起の方へと指が進み息を呑んだ。
「ッッッ無理!!!」
今度は敏感な突起を刺激しようとしていた爆豪の身体を、思い切り体重をかけて押し倒してやった。敢えて抵抗しなかったのだろうか、いとも簡単に爆豪の身体は背中をベッドにつけた。
「あ?……んだよコラ」
「も、もぉいいでしょ!入れるから!!う、動かないで!!」
「チッ」
挿入前ならイってもいいというはちゃめちゃ理論なら、挿入しちゃえばコイツも好き勝手動かないはずだ。また主導権を握られてめちゃくちゃされる前に挿入してしまおうと、手早く爆豪のヒーローコスチュームのベルトに手を掛けた。ガチャガチャと外していけば、当然ソコに目が行き、コスチュームを押し上げて主張していることに気が付いた。
「なによ、爆豪だって勃ってるじゃん」
そう揶揄い返してやり、コスチュームと下着を思い切りずり下ろしてやった。その瞬間凄い勢いで飛び出してきたモノに、思わず声を失った。
「は」
なにこれ。デカすぎない?
ブルンと勢いよく出てきたソレは、もう既にガチガチに勃起していて、本人の腹に付くほどに反り返り血管が浮いている。グロテスクさすら感じるソレは、何もついていないはずなのに先端がヌラヌラと濡れていた。
前回はされるがままでまともに見ていなかったそれは、勿論入った感覚で大きいとは思っていたがこうして見るとマジでデカい。いや、これ、は、はいるの???
思わず固まってしまった私を、爆豪がニヤニヤとして見ているのに気付いた。クソっ悔しい。別に怖気付いたわけじゃないし。挿入れてやるし。
爆豪の腰の上に跨り、硬くて熱いソレを支えながら自分の割れ目に宛てがう。触れるだけでヌチュ、と音が立つほどに自分が濡れている事が恥ずかしいが、言ってられない。早く挿入れて、早く終わりにしたい。先っちょがめり、と入り込もうとしたその時、爆豪の手がペチンと私のお尻を叩いた。
「ひゃうっ!」
「オイ痴女、待てや」
その弱い痛みにすら快感が走る。一体何なのかと驚き爆豪の燃えるように真っ赤な目と視線が絡まると、ドキンと心臓が早鐘を打つ。
「まだゴム付けてねェだろ。どけ」
「え?ぁ………うん」
そう言い、ゴムの袋を唇に挟みビッと勢いよく破った。その時も、片手で器用にゴムをつけている時も、燃えるように真っ赤な瞳と視線が絡み合っていて息が止まりそう。あぁ、だめ。ダメだ、この目で見つめられると、私はダメになる。
ゴムがしっかり着いたのを確認した私は、グルリと体勢を変えて再び爆豪の上に跨った。赤い視線から逃れるために、爆豪に背を向ける。
「あ?おい、なんでそっち向いとんだ」
「1時間も爆豪の顔見ながらとか無理だもん」
「……後ろからだと花咲感じすぎてすぐイクだろ」
「ハァ!?そんなことないし!!」
「まぁ、前でもすぐイクから変わんねェか」
「イ、イかないってば!!」
「…………わーったよ、好きにしろヤ」
意外にもあっさりと受け入れた爆豪を不思議に思いながらも、一安心する。もういい、とりあえず入れよう。入れない事には終わらないどころかいつまで経っても始まらないのよ。
さっきと変わらず無駄にデカいそれに手を添えて入り口に宛てがい、何度か擦り付けて一度深呼吸してから腰を下ろした。
「んん…」
丸みを帯びた爆豪の先っちょが、グプ、と入り込みお互いが息を止めたその瞬間、「ピコン」という電子音が鳴り、2人して身体を跳ね上げた。いったい何事かと周囲を見渡せば、壁面の時計がカウントダウンを始めていた。そういやそういう空間なんだった。こんな少しでも挿入と見做されることにホッと胸を撫で下ろす。あ、そうだ。
「ねぇねぇ、いいこと考えた!ずっとこのままでいたらいいじゃん!コレだったら1時間余裕だよ!ね?」
「アホかよ、コレじゃすぐ萎えて抜けちまうわ。ただでさえ萎えそうな対位でヤッてやってんだ、奥まで入れろや」
「えぇー。うーん……じゃあ、もちょっと、こん、くらい……なら、ッん……ッ」
グルリと後ろを振り返りながら笑顔で言った私の言葉は、爆豪に一蹴されてしまった。
萎えそうと言う割には全然萎えていないが、確かに抜けてしまったら元も子もないと、少し腰を下ろした。
ほんの少し押し込むだけで、メリメリと膣内が無理矢理拡げられるような感覚がして息が詰まる。硬いし、太すぎて、物凄い圧迫感だ。押し拡げられるそこにはほんの少しの痛みと、それ以上に快感がビリビリと走る。入っているのは入り口の方だけなのに、ジンジンと、奥の方が今か今かと刺激を待ち侘びて疼きだした。
「は、ふう……」
「痛く、ねェか」
「………ッ、よ、よゆう、だし」
「ならもっと入れろや」
「無理」
もう少し入れられるかなって思ってたけど、多分コレが限界。見てみると半分も入っていないが、これ以上は身体の力が抜けて自分じゃ体勢を保ってられない。だからって爆豪が上になったら絶対なにかと仕掛けてくるに違いないから対位は変えられないし。だからこれ以上は絶対無理だ。パシャリと言えば、爆豪は大きな舌打ちをした。
「あー…………くそ、ぶっ込みてェ」
「もうまじだまって」
「っ、」
ソレから、2人とも会話もせずにジッと動かず耐えている。もう、半分くらい経っただろうかと思いタイマーを見れば48:23と指していて絶望した。無理だ。どうしよう。無理だ。まだ10分そこそこしか経ってない、あと48分もあるなんて、絶対に無理だ。
やっぱり爆豪のせいだ。さっき散々虐められて登り詰めてしまったせいで、指では届かなかった奥の方がジンジンと疼いてぐちゃぐちゃに突いて欲しくて堪らない。ずっとこのままだなんて、耐えられない。どうしよう。
残り時間を見て絶望しかけると同時にプルプルと震え出した私に、爆豪が手を伸ばした。
「おい花咲、キツイんならお前が寝とけ」
「ひゃあっ♡」
「は?」
その手が触れた瞬間、ビクリと身体が跳ねて甘い声が出てしまった。きっと単純に体勢がキツくないかと心配したのであろう爆豪は、私の反応に驚いた様な声を出した。間抜けな声だし、きっと驚いた表情をしているのだろうが、後ろ向きなので見える事はない。少し見たかった気もするが、私はきっと爆豪以上に情け無い顔をしているだろうから、後ろを向いていて本当に助かった。
「は、ぅっ……きゅ、きゅうに、触んないでよっ」
「…………お前、エロすぎ」
「え、えろいとか、言うなし」
「何言ってんだ。俺ら今セックスしてんだぞ」
爆豪の明け透けな言葉にカアッと顔が熱くなる。確かに、めちゃくちゃな状況だが、キスして胸とアソコを触られてイッて、挿入までしてしまえば、これは立派なセックスだった。
「お前から言い出したんだぜ?」と言われれば確かにそうなんだけど、こんなつもりじゃ無かった。もっとあっさり終わるはずだったのに。
だけどこれは確かにセックスだし、私からと言われればそれもそうだしで、羞恥心が募っていく。爆豪とこんなこと、2度としないと思っていたのに。恥ずかしいし、気持ちいいし、何してんだろって感じだし、もう駄目だ、頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。
「ッ、オイ、締めてんじゃねェよ」
「し、しらないっもう喋んないで」
「こんなエロいくせに、よく何もない顔で色気なく飲めてたもんだな」
「ば、爆豪のせいじゃん!」
「あ?」
「だって、こんなん、なったことないのに。あたしだって、わけわかんないもん」
「は」
頭の中がぐちゃぐちゃのまま泣き言を言えば、グン、とナカにある爆豪のソレが質量を増してゾクゾクと背筋が震える。
「ッッッや、やだ、ちょっ」
「テンメェ、煽ってんじゃねぇぞ」
「あお…?え、なに?」
「ヂィッ……ッソが……覚えとけよ」
「なにいってるかわかんない」
「もういいわ。テメェ次煽りやがったらイかせ殺したるからな」
唸るような低い声の後に、ギリギリと歯ぎしりのような音が聞こえてきた。必死すぎて引くけど、こちらもこちらで必死なので、もう無視してやることにした。
残り時間はあと40分を切っていた。私は一度深呼吸をして心を無にして、ただ時間が経つのを待った。
黒地にオレンジのクロスラインが特徴的なそれを見上げていけば、やはり予想通り蜂蜜色の髪と真っ赤な瞳を持つ人相の悪い顔がこちらを見ていた。学生時代よりも腹が立つほどスクスク伸びた背丈を見上げると、首が痛くなるほどだ。
「げぇ」
「ア?」
思わず眉を顰めて声をあげてしまったのも仕方がないと思う。だってこの数週間、この男、爆豪勝己には幾度となく悩ませ困らせ惑わせられてきたのだから。
数週間前のあの夜。ただの飲み友達だった私たちは、その日も今までと同じように何の色気もない会話を交わしながら飲んでいたのに…思わぬ…そう、事故のようなもので、一線を越えてしまったのだ。しかも嫌なトラブルもあり、写真を撮られてしまったから最悪だった。
あれから毎日記者たちに追い掛け回されるは、同級生たちからはひっきりなしに電話やメッセージが送られてくるは、パトロール中に市民やファンに問い質されるはで大変なのだ。
その上腹が立つのが、この男。なんとこいつ、口説いてきやがる。あれから毎日のように電話をかけてきて、暇さえあれば会いにきて付き合えだなんだと言ってくるのだ。一度ヤったからって、アホなのか、猿かよ。確かに猿のようにヤったけれども。
おまけに付きまとわれている時に記者に見つかり「今口説いてんだから邪魔すんなヤ」と言ったものだからもう最悪。連日連夜週刊誌やワイドショーで面白おかしく囃し立てられありもしない過去が捏造され続けている。数週間たっても薄まるどころか更に過熱し続けていて、先日はダイナマイトガチ恋ファンと思われる人物から殺害予告ラブレターまで貰ってしまった。
今日も短時間のパトロールの中で、「いつ付き合うの」「ダイナマイトが可哀そうじゃーん。笑」「調子乗んなよブス」エトセトラえとせとら…おかげで上司や先輩にまで同情されてパトロールを減らされて最近デスクワークばかりだ。私はデスクワークは苦手だっていうのに…
そんなわけで、その顔を見た瞬間に回れ右して距離を取ろうとしたが、腐ってもトップクラスのヒーロー。それは叶わずガシッと手を掴まれて引き寄せられた。
「え?なにここ?」
しかしその手に掴まれたことよりも、回れ右した瞬間視界に入る見覚えのない真っ白な空間に目を見開いた。しかし私が驚きの声をあげても、目の前の男はそんなことはお構いなしで私の顔に自分のそれを近づけ睨みつけてきた。
「花咲テメェ、ちょこまかと逃げ回ってんじゃねェよ。俺が失恋男扱いでパパラッチされまくってんじゃねェか」
「事実だし、お互いさまでショ。それ言うなら、爆豪のファンめっちゃ怖いのまじ何とかしてよね。…あ、そういやワイドショーで爆豪が高校時代からあたしに片思いしてたことになってたけどマジ?笑えるんだけど」
「ねェわ、暦数週間だしすぐ落とすわ。なぁ、俺と付き合えよ」
「ハイハイ。そんなことよりさぁ!なんなのここ?」
「話逸らしてんじゃ…………ア?んだここ」
「嘘でしょダイナマイト、危機管理どうした」
真っ白な壁と床、天井の八畳ほどの室内には、窓もドアも無い。ただただ異様なまでに真っ白な室内の真ん中にドンと大きなベッドが置かれている、誰がどう見ても異質な空間に私と爆豪だけがいる。
どう見ても一目で異質な空間だというのに、爆豪はまるで今気付きましたとでもいうような反応をみせた。まじかよ、コイツ、私のことしか目に入ってなさすぎる。トップランカーのくせに、引く。
「あたし事務所出たとこだったのに…なにここ?」
「…………チッ電波届いてねェな」
「は!?」
目元のマスクをずらしオデコまでグッと持ち上げ、スマホを見ながらそう言う爆豪の言葉を聞き、自分のそれを取り出してみると、確かに電波が届いておらず圏外の表記が見えた。一体これは何なんだ何か凶悪な事件にでも巻き込まれてしまったのだろうかと背筋が冷えてくる。その時だった。
「テッテレー」とコミカルな効果音と共に真っ白な壁に文字が浮かび上がった。
⭐︎「イクの我慢」しないと出られない部屋⭐︎
セックスしてね!挿入から1時間イクのを我慢すれば鍵は開くよ!イッちゃうとタイマーがリセットされちゃうから気をつけてね!
「は?」
「ア゛?」
映し出されたこの緊迫した状況からは信じられない文字。それを理解しきれず、一度目を擦り再度よく見るが、やはり書かれている文字は変わらない。文字の下には60:00というデジタル時計のようなものも浮かび上がっている。
「……なにこれ、シュミ悪すぎ」
「あー…………ヤる?」
「ヤるわけないでしょ!!さっさと壁壊してよ!!」
「つっても、個性出ねぇぞ」
「はぁあ!?」
爆豪が何も出ていない掌を上向きに掲げながら言った言葉を聞き、私も個性を出そうとするが、確かに出ない。恩師イレイザーヘッドに個性を消されている時もそうだが、普段当然のように出している個性を出すことができないというのはなかなか奇妙な感覚だ。
イライラと感情に任せて壁を思い切り蹴ってみても、やはりびくともしない。「マジなんなのここ!!」と壁をガンガン蹴りながら金切り声をあげる私に、爆豪が呆れたようにため息をついた。
「一個だけあんだろ、出る方法」
「っなに!?」
爆豪の言葉にそちらを振り向けば「ん」と言いながら顎で白い壁面を指した。そこには先ほど見た趣味の悪い文字が相変わらず並んでいる。
コイツ、マジで言ってんのか。ていうかやけに冷静だなと思ったらそんなこと考えてたわけ?アホなんか。頭ちんこになってんのか。
「はぁ?いやいや、あんなんマジなわけないじゃん!!写真撮られて週刊誌に売られるだけだわ」
「……俺ァこの敵、こないだ事務所で聞いたことあんだ。急にどうやっても出れねェ変な空間に隔離されて、個性出せねェ外とも連絡取れねェで、出された指令を完了する以外に出る方法はねェらしい。
指令内容は下らないし、人体に危害加えるような危険な事もねェってことで敵というより悪戯じゃねェかって話だったが…犯人の目星も付いてねェんだと」
「ちょっと!そういう大事なことは早く言いなさいよっ!!」
「言っとったらじゃあすぐヤろってなるんか」
「ならないわよ!!」
「だからだわ」
「う〜もお〜!!!」
桜色の柔らかな髪の毛をグシャグシャとかき混ぜながらその場に蹲りうんうん唸りだしたさくらを、爆豪は楽しそうに見下ろしていた。
さぁどうやって口説き落としてセックスに持ち込もうかと思案していると、彼女は突然パシン!と自分の頬を思い切り叩いて立ち上がった。
「ヤってやろうじゃないの!女は度胸よ!!」
「お、マジか」
「私はヒーローチェリッシュ!!こんな訳のわからない場所で、こんな可愛くない筋肉ゴリラと餓死なんてしないわ!!私を待っている人たちのために!!」
「いい心がけじゃねェか」
「ただしっ!!!」
ニヤニヤと上機嫌な表情を見せる爆豪の鼻先にビシッと指を突き付ける。ニヤけてんじゃねぇわ、この筋肉ゴリラ。
「入れるだけだから爆豪は動かないでよね!分かってる!?1時間もあるんだからね!?絶ッッッ対動かないでよ!?」
「キチィよなァ、花咲すぐイクしなァ」
爆豪の言葉に顔を真っ赤にして「うるさいわね!」と怒りの声を上げたのと同時に、ベッドの上にボスンという音を立ててショッキングピンクのボックスが落ちてきた。
「何?」と言いそれに近付き触れようとすると、爆豪に腕を掴まれ止められた。
「アホかテメェ、離れとけや」
と言いながらシッシと手を振る爆豪の斜め後ろに離れたところで、ソレを開けるのを見守る。結局何も仕掛けはなく普通に開いたのだけど、爆豪は中を見てビタリと身体を止めた。不思議に思い爆豪の隣に行き覗き込んだ私は中身を見て顔を歪ませた。
「うわぁ……ほんっとシュミ悪い」
ショッキングピンクの一見可愛らしい箱の中には、全く可愛くない……所謂大人のオモチャが所狭しと詰め込まれていた。小さなピンクローターから、男性器を摸したグロテスクなバイブ、全く用途が分からない謎なものまで。
私が青い顔でその箱を眺めていると、爆豪が籠手とグローブを外して、ソレの中に手を突っ込んでゴソゴソと物色しだしたので彼女は軽蔑の眼差しで彼を見た。
「……ちょっと、そんなの使わないわよ」
「わーってるよ、その目やめろヤ。ゴム探せ、ゴム」
「あぁ」
なるほど、先日の婦人科おんぶ受診が相当堪えたらしい爆豪は真剣にゴムを探している。その姿に、今から本当に爆豪とするのだと再認識させられ気が重くなる。しかし、ゴムは大事だ。一緒に箱の中を探すが見当たらない。
ローター、手錠、バイブ、鞭、ローション、下着、目隠し、バイブ、媚薬、何だかよくわからないゴツゴツしたもの…見たくもない物ばかりで嫌になり箱をバサっとひっくり返してやったら、箱の底に一つだけ目的のものがあり安堵のため息をついた。
「よかった、あった」
「チッ…んで1個なんだよ」
「いや……イッちゃだめだからでしょ?ねぇ、ちゃんと分かってる!?」
「わーってるわ!!」
この現状を全く理解していないかのような言葉に突っ込めば、子供のようにそっぽを向いた爆豪。私はジトーっと睨みながら、爆豪に向けて今度は手のひらを差し出した。
「じゃあ、ソレ出して」
「あ?」
「ポケットに入れてるでしょ」
「……チッ」
舌打ちしてポケットの中から取り出したのは、先程の箱の中に入っていたオモチャのうちの1つだった。受け取ったソレと、他のものも箱に仕舞い込むとベッドの下の奥の方に隠してやった。
コイツマジで何考えてんだ。爆豪の言動に不安ばかりが募る。ぶっちゃけなんかもうシたくなくなってきたけれど、そうなれば共倒れだ。とにかく速攻で終わらせるしかない。
そして箱に入れずに残したゴムとローションだけを手に持ち爆豪の方を向く。
「どうせヤるならサッサとヤって終わらせよ。ほら、ローション」
「ほらじゃねぇわ、なんだよ」
「ローション付けて突っ込めばいいじゃん」
「何言っとんだ」
「わっ」
私の言葉に眉間の皺を深くし睨みつけてくる爆豪は、私の腰を掴んで軽々と持ち上げるとベッドに腰掛けさせた。そして腰を折り曲げて顔を近付けるとソッと唇を重ねた。
「んっ」
重ねるだけのキスをする爆豪の胸元をグッと押し退けると、視線で強く非難されたが、思ったよりもあっさりと唇が離れた。
「は、ちょっと…キスしなくていいっ、触んなくていいから、ローション着けて入れてよ」
「ハァ?お前、ホント馬鹿だな」
「な、んぅっ……っふ、」
そう言うと少し開いた爆豪の唇が、私のそれに再び重なった。ハムハムと啄む様に何度か唇を食むと、熱く濡れた舌先が唇に触れた。思わず力が入りグッと唇を紡ぐと、赤い瞳が私を射%ゾク、と腰の奥が震えだした。それから「口開けろ」と低い声で囁かれると、思わず唇の力が抜けてしまった。
その微かな変化を見逃すことなく、ヌルリと分厚い舌が入り込んだ。我が物顔で入り込んだソレは、私の口内を余すところなく刺激し舌を絡ませ隅々まで蹂躙した。ヂュッと音を立てて私の舌を吸い上げた後に唇が離れると、名残惜しむように2人の唇の間を銀糸が繋いだ。
その頃には全身から力が抜けて、顔が真っ赤になっているであろうことが自分でも分かった。
バグってる。豊富というわけではないが、それなりに経験はある。けれど、こんな風にキスだけで力が抜けて身体が熱くなるなんて、少し触れられただけで身体が自然とビクビク震えるだなんて、そんなのフィクションでしかあり得ないと思っていたのに。あの日もそうだったけれど、どうして爆豪とだとこんな風になってしまうんだろう。
息を切らして真っ赤になった私の顔を覗き込み「イイ面だ」と満足そうに頬を撫でた爆豪。数年来の付き合いでは感じたことのない、その眼差しが、甘い声が、どうしようもなくあの日を思い出させる。あの日、どうしようもなく深く強烈な快楽の渦に沈み込んだことを、身体が思い出し芯が疼きだす。
その目で見るのはやめて欲しいのに、爆豪は惜しげもなくその熱い眼差しをこちらへ向け続ける。
「アレから俺がどんだけ花咲のこと抱きたかったと思ってんだ?んな雑な抱き方しねェわ」
「な、ば、馬鹿じゃないの…っ!?」
私の赤い顔を更に赤くするには十分すぎる台詞を吐き、再び唇を重ねた爆豪は、私のトップスの中に手を差し入れてあっという間にブラのホックを外してそれを抜き取った。あまりに器用で慣れた手付きだった。うざい。しかし、服は脱がさずに着たままなのは、どこかで誰かに見られているかもしれないということを考慮してだろうか。
「ちょ、ちょっと…ホントに分かってる?こ、こ、こないだみたくめちゃくちゃしたら、許さないからね」
「テメェこそ、分かってんならイクなよ?」
「だ、から触っちゃだめって…ひゃっ!」
ブラを取られ無防備になった胸を爆豪の大きな手が包み、思わず普段は出さない声を上げてしまいバッと口を覆う。しかし当然爆豪の耳にもソレは届いていて、ニヤリと口を歪めさせた爆豪が私の顔を覗き込んでくる。
悔し紛れに睨みつけてやれば、尖った乳首を服越しにギュッと摘まれてビリビリとソコに快感の電気が走る。手で押さえていても、声が漏れ出てきて抑えられない。爆豪にこんな声、聞かれたくないのに。なのに、爆豪の手は私の胸から快感を与える動きを止めてくれない。
「〜〜〜ッッッ、ぁ、んんっ、ふ」
「オイ、声抑えてんじゃねェよ。聞かせろ」
「ッッ、やだっ、絶対ださないっ」
ふるふると首を横に振る私を見下ろしフンと鼻を鳴らした爆豪は、「まァいいわ」と言いながら右手をスルスルと下ろしていき私のスカートから伸びる太腿を撫でた。ビクッと身体が震える。
これから彼がどこに触れようとしているのかが分かり、縋るようにその目を見れば、爆豪がニヤリと笑った。
「精々抑えてみろヤ」
そう言い、その分厚い掌で太腿から脚の付け根を撫で回す。ゆるゆるとした動きに、身体が期待に震え出す。
「どこ触られたいか言ってみろ」
「まじくそ。どこもッ、さわ、んなくて、いいってば」
「ハッ、期待した面してる癖に」
ペロと唇を舐めながら私のスカートの中、身体の中心部のソコをググッと指で押さえつけられる。ギュッと口を噤んでいたので声は出なかったが、奥の方で小さくヌチ、という音が響いた。爆豪の指が動くたびに響くその音に、爆豪が笑ったような吐息が聞こえて、カァっと身体が熱くなる。
「チッ、邪魔だ」
ストッキングを引っ張り「破っていいか」と問う馬鹿の肩にグーパンをかませば、つまらなさそうに腰元からストッキングとショーツをずり下ろした。
発言の割には優しい手つきでつま先まで脱がせると、こちらを熱い瞳で見上げながら足の甲にチュッと口付けを落とした。
「ッッッな、に、してんの」
男の行動に私は目を白黒させて驚く。天上天下唯我独尊俺様神様勝己様を地で行く男、爆豪勝己が、女の足にキスするなんて。
驚く私の問いには答えず彼女から目を離さないまま今度は踝にリップ音を立てキスをする爆豪。パトロール後にシャワーを浴びたとはいえ、足に口付けられるのは抵抗がある。「ちょっと」と慌てて声を上げるが、舌を這わせ時折ヂュッと音を立てて吸い付きながら、赤い瞳がどんどんとスカートに近付いてくる。近付いてくるほど恥ずかしいはずなのに、ゾクゾクと身体の奥から熱が込み上げてくる。もう嫌だ。どうして……
膝上15センチ、個人的に脚が一番綺麗に見える丈のスカートがずり上げられ、脚の付け根を一際強く吸い付かれる。ショーツも下ろされた剥き出しのソコを、爆豪が至近距離で見つめている。
ジリジリと焼ける様な熱い視線を受けて熱くなったソコをグパ、と爆豪の指が拡げる。
「は、スゲ」
熱のこもった声でそう告げると、爆豪は顔をソコから離して私の顔に近付けてきた。それから彼女の濡れた唇をベロリと舐める様にキスし、「指挿入れるぞ」と告げた。
爆豪の普段敵を散々爆破している物騒な指が、躊躇なく私の中に挿入りこむ。
「〜〜〜ッッッ」
「ローションとか要らねェッつの。奥までグッチョグチョ」
「っ、ゃ、ぅぅっ、んっ」
「ハァ……エッロ……」
「ちょ、待っ、〜〜〜あッ!ひ、う」
私の指よりも太さも長さもひと回り以上大きな爆豪の指が入ると、それだけで存在感がある。だからソレで膣内を撫で回されれば、グヂュグヂュとエッチな音が響くし、声だって抑えられなくなる。
触れられてもいないのに柔らかくなってしまっているヤラシイソコに早々に指の本数が増える。圧迫感が増え、気持ち良すぎて涙が滲むくらいなのに、爆豪はナカを虐める手を止めてくれない。あっちこっち擦ってどんどん気持ちいいのが止まらなくなる。絶対イッちゃだめなのに、どんどん気持ち良くなる。ぶっちゃけ何度かイキかけているのを気合いでなんとか持ち堪えている。
「あぁっ、だめっ、ばくごおっ、ま、まって、いっかいとまって!」
「おー」
気のない返事を返す爆豪は、決して手を止めない。でももうホントに無理。太腿がプルプル震え出してテッペンがすぐソコまできている。ギュウッと爆豪のコスチュームを握り、少し距離を離すと、ようやくほんの少しだけ指の動きが弱まった。
「っ、ばくご、も、いいっ」
「あぁ?」
「いれて。もお、はいる、から」
「ばぁか、んな租チンじゃねェわ。拡げねぇとキツいのお前だぞ」
「あぁっ!!」
そう笑いながら更に指を増やし3本の指が私の中に埋め込まれた。唯でさえ太い彼の指が3本も入れば、本物が入っているかの様な圧迫感だ。ソレがゆっくりと抜き差ししながらイイ場所をコツコツと刺激すれば、グチャグチャとはしたない大きな水音が響き脚の痙攣が激しくなる。
「ぁ、まって!だ、だめっ!!ッあぁっ♡」
「ココ、いいだろ?なァ、イケや」
「だから、イッちゃ、アッ、だめ、なんだってぇ♡」
爆豪は先日の行為の中で私が一際感じていた箇所を当然の様に記憶していたようだ。それまで敢えて触れていなかったソコを3本の指で的確に責め立てれば、身体の奥底から来ちゃいけない感覚が込み上げて止まらなくなる。指の動きに合わせて愛液がパシャパシャと飛び散りシーツを濡らしていく。
「あ、だめだめっ♡や、やだっ、やだあっ♡♡」
「まだチンコ挿入れてねんだから、いくらでもイきゃあいんだよ」
「ヒッ♡♡〜〜〜ッッッ♡♡あぁあッッッ♡♡♡」
限界寸前の所に弱いところを的確に責められれば、あまりにもあっけなく絶頂へと押しやられた。あんなに必死に耐えていたのに、いや、耐えていたからこそなのか、息が詰まるほどの強い感覚だった。
爆豪が指を抜き取る刺激にすら甘い声を上げてしまい、自分が嫌になる。悔しいので爆豪をギッと睨みつけてやったが、余裕そうにニヤリと笑われて負けた気分は覆されない。
「っ、さ、いあく」
「俺ァ最高の気分だ」
「うっざ」
鬱陶しそうにそう言ってやれば爆豪はその腹の立つしたり顔のまま「もっかいイかしてやらァ」と言い、再び私の濡れ切った割れ目に指を這わせた。ヌチ、という音が聞こえてギュッと目を瞑った。何度かソコを擦り濡れた音を立てた後、敏感な突起の方へと指が進み息を呑んだ。
「ッッッ無理!!!」
今度は敏感な突起を刺激しようとしていた爆豪の身体を、思い切り体重をかけて押し倒してやった。敢えて抵抗しなかったのだろうか、いとも簡単に爆豪の身体は背中をベッドにつけた。
「あ?……んだよコラ」
「も、もぉいいでしょ!入れるから!!う、動かないで!!」
「チッ」
挿入前ならイってもいいというはちゃめちゃ理論なら、挿入しちゃえばコイツも好き勝手動かないはずだ。また主導権を握られてめちゃくちゃされる前に挿入してしまおうと、手早く爆豪のヒーローコスチュームのベルトに手を掛けた。ガチャガチャと外していけば、当然ソコに目が行き、コスチュームを押し上げて主張していることに気が付いた。
「なによ、爆豪だって勃ってるじゃん」
そう揶揄い返してやり、コスチュームと下着を思い切りずり下ろしてやった。その瞬間凄い勢いで飛び出してきたモノに、思わず声を失った。
「は」
なにこれ。デカすぎない?
ブルンと勢いよく出てきたソレは、もう既にガチガチに勃起していて、本人の腹に付くほどに反り返り血管が浮いている。グロテスクさすら感じるソレは、何もついていないはずなのに先端がヌラヌラと濡れていた。
前回はされるがままでまともに見ていなかったそれは、勿論入った感覚で大きいとは思っていたがこうして見るとマジでデカい。いや、これ、は、はいるの???
思わず固まってしまった私を、爆豪がニヤニヤとして見ているのに気付いた。クソっ悔しい。別に怖気付いたわけじゃないし。挿入れてやるし。
爆豪の腰の上に跨り、硬くて熱いソレを支えながら自分の割れ目に宛てがう。触れるだけでヌチュ、と音が立つほどに自分が濡れている事が恥ずかしいが、言ってられない。早く挿入れて、早く終わりにしたい。先っちょがめり、と入り込もうとしたその時、爆豪の手がペチンと私のお尻を叩いた。
「ひゃうっ!」
「オイ痴女、待てや」
その弱い痛みにすら快感が走る。一体何なのかと驚き爆豪の燃えるように真っ赤な目と視線が絡まると、ドキンと心臓が早鐘を打つ。
「まだゴム付けてねェだろ。どけ」
「え?ぁ………うん」
そう言い、ゴムの袋を唇に挟みビッと勢いよく破った。その時も、片手で器用にゴムをつけている時も、燃えるように真っ赤な瞳と視線が絡み合っていて息が止まりそう。あぁ、だめ。ダメだ、この目で見つめられると、私はダメになる。
ゴムがしっかり着いたのを確認した私は、グルリと体勢を変えて再び爆豪の上に跨った。赤い視線から逃れるために、爆豪に背を向ける。
「あ?おい、なんでそっち向いとんだ」
「1時間も爆豪の顔見ながらとか無理だもん」
「……後ろからだと花咲感じすぎてすぐイクだろ」
「ハァ!?そんなことないし!!」
「まぁ、前でもすぐイクから変わんねェか」
「イ、イかないってば!!」
「…………わーったよ、好きにしろヤ」
意外にもあっさりと受け入れた爆豪を不思議に思いながらも、一安心する。もういい、とりあえず入れよう。入れない事には終わらないどころかいつまで経っても始まらないのよ。
さっきと変わらず無駄にデカいそれに手を添えて入り口に宛てがい、何度か擦り付けて一度深呼吸してから腰を下ろした。
「んん…」
丸みを帯びた爆豪の先っちょが、グプ、と入り込みお互いが息を止めたその瞬間、「ピコン」という電子音が鳴り、2人して身体を跳ね上げた。いったい何事かと周囲を見渡せば、壁面の時計がカウントダウンを始めていた。そういやそういう空間なんだった。こんな少しでも挿入と見做されることにホッと胸を撫で下ろす。あ、そうだ。
「ねぇねぇ、いいこと考えた!ずっとこのままでいたらいいじゃん!コレだったら1時間余裕だよ!ね?」
「アホかよ、コレじゃすぐ萎えて抜けちまうわ。ただでさえ萎えそうな対位でヤッてやってんだ、奥まで入れろや」
「えぇー。うーん……じゃあ、もちょっと、こん、くらい……なら、ッん……ッ」
グルリと後ろを振り返りながら笑顔で言った私の言葉は、爆豪に一蹴されてしまった。
萎えそうと言う割には全然萎えていないが、確かに抜けてしまったら元も子もないと、少し腰を下ろした。
ほんの少し押し込むだけで、メリメリと膣内が無理矢理拡げられるような感覚がして息が詰まる。硬いし、太すぎて、物凄い圧迫感だ。押し拡げられるそこにはほんの少しの痛みと、それ以上に快感がビリビリと走る。入っているのは入り口の方だけなのに、ジンジンと、奥の方が今か今かと刺激を待ち侘びて疼きだした。
「は、ふう……」
「痛く、ねェか」
「………ッ、よ、よゆう、だし」
「ならもっと入れろや」
「無理」
もう少し入れられるかなって思ってたけど、多分コレが限界。見てみると半分も入っていないが、これ以上は身体の力が抜けて自分じゃ体勢を保ってられない。だからって爆豪が上になったら絶対なにかと仕掛けてくるに違いないから対位は変えられないし。だからこれ以上は絶対無理だ。パシャリと言えば、爆豪は大きな舌打ちをした。
「あー…………くそ、ぶっ込みてェ」
「もうまじだまって」
「っ、」
ソレから、2人とも会話もせずにジッと動かず耐えている。もう、半分くらい経っただろうかと思いタイマーを見れば48:23と指していて絶望した。無理だ。どうしよう。無理だ。まだ10分そこそこしか経ってない、あと48分もあるなんて、絶対に無理だ。
やっぱり爆豪のせいだ。さっき散々虐められて登り詰めてしまったせいで、指では届かなかった奥の方がジンジンと疼いてぐちゃぐちゃに突いて欲しくて堪らない。ずっとこのままだなんて、耐えられない。どうしよう。
残り時間を見て絶望しかけると同時にプルプルと震え出した私に、爆豪が手を伸ばした。
「おい花咲、キツイんならお前が寝とけ」
「ひゃあっ♡」
「は?」
その手が触れた瞬間、ビクリと身体が跳ねて甘い声が出てしまった。きっと単純に体勢がキツくないかと心配したのであろう爆豪は、私の反応に驚いた様な声を出した。間抜けな声だし、きっと驚いた表情をしているのだろうが、後ろ向きなので見える事はない。少し見たかった気もするが、私はきっと爆豪以上に情け無い顔をしているだろうから、後ろを向いていて本当に助かった。
「は、ぅっ……きゅ、きゅうに、触んないでよっ」
「…………お前、エロすぎ」
「え、えろいとか、言うなし」
「何言ってんだ。俺ら今セックスしてんだぞ」
爆豪の明け透けな言葉にカアッと顔が熱くなる。確かに、めちゃくちゃな状況だが、キスして胸とアソコを触られてイッて、挿入までしてしまえば、これは立派なセックスだった。
「お前から言い出したんだぜ?」と言われれば確かにそうなんだけど、こんなつもりじゃ無かった。もっとあっさり終わるはずだったのに。
だけどこれは確かにセックスだし、私からと言われればそれもそうだしで、羞恥心が募っていく。爆豪とこんなこと、2度としないと思っていたのに。恥ずかしいし、気持ちいいし、何してんだろって感じだし、もう駄目だ、頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。
「ッ、オイ、締めてんじゃねェよ」
「し、しらないっもう喋んないで」
「こんなエロいくせに、よく何もない顔で色気なく飲めてたもんだな」
「ば、爆豪のせいじゃん!」
「あ?」
「だって、こんなん、なったことないのに。あたしだって、わけわかんないもん」
「は」
頭の中がぐちゃぐちゃのまま泣き言を言えば、グン、とナカにある爆豪のソレが質量を増してゾクゾクと背筋が震える。
「ッッッや、やだ、ちょっ」
「テンメェ、煽ってんじゃねぇぞ」
「あお…?え、なに?」
「ヂィッ……ッソが……覚えとけよ」
「なにいってるかわかんない」
「もういいわ。テメェ次煽りやがったらイかせ殺したるからな」
唸るような低い声の後に、ギリギリと歯ぎしりのような音が聞こえてきた。必死すぎて引くけど、こちらもこちらで必死なので、もう無視してやることにした。
残り時間はあと40分を切っていた。私は一度深呼吸をして心を無にして、ただ時間が経つのを待った。