mha短編
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重い瞼を持ち上げて目を開いた瞬間、自分の部屋ではないことに気付き、はて?と思案した。
見慣れない黒いシーツの掛かったベッドと、シンプルで整理整頓されたインテリアには、見覚えがなかった。しかし、似たような空間なら知っている。
爆豪勝己の家のリビングと雰囲気がよく似ている。
爆豪勝己と花咲さくらは、雄英高校ヒーロー科で共に学びプロになったヒーロー仲間だ。とは言え、学生時代はこれと言って特別な接点はなくただのクラスメイトであった。特別に仲がいいわけでも仲が悪いわけでもない…まぁ、すぐキレるから、ぶっちゃけ性格は苦手な方だったけど…とはいえ3年も同じクラスしてたら、粗暴な態度の奥にヒーローの志をしっかり持っていることは分かっているし、実力は当時から今に至るまでずっとトップクラスなので、同じヒーローとして一目置いている。
その関係が、他とは少し違うものに変化したのは、卒業から2年が経った頃。お酒が解禁されてから初めて開かれた同窓会でのことだった。
どうやら二人は互いにかなりお酒に強い質だったようで、クラスメイト達に囃され飲み比べ対決をすることになり、それに1杯差でさくらが勝ったことから始まった。爆豪勝己は在学時からそうであったように、日本一の負けず嫌いだ。私なんぞに負けた事が悔しかったのだろう、それから何度も飲み比べ勝負を挑まれた。勝ったら負けたりを繰り返しているうちに数年が経ち、なんだかまぁ、いつのまにか飲み友達として普通に飲みに行く仲になっていた。
飲み比べはここ最近はしていないが、やはり2人で飲むとどうしても量は進むので毎回へべれけだ。職業柄プライベートでは極力目立たないよう気をつけてはいるのだが、潰れてしまうとそんな事も忘れてしまい、何度かパパラッチされた事もある。しかし全くその気は無いのでお互い「無いわ」と笑い飛ばしているし、余りに色気のない呑み姿ばかりパパラッチされるので、ここ最近は行った店や飲んだ酒の種類とか、帰り道でだるまさんがころんだをしていたとか、肩を組んで雄英の校歌を大声で歌っていたとか、そんな色気のない報道しかされておらずパパラッチ達にもしっかり飲み友として認識されている。
そう、そうだ。
翌日のオフが重なったので、昨日も数ヶ月ぶりに2人で飲みに行ったんだ。お店でしこたま飲んで、それから帰ってる途中でお互い千鳥足な事を笑い飛ばしあって、宅飲みで久しぶりに飲み比べするぞって話になって。
コンビニで適当なおつまみを買って、爆豪ん家にある無駄に高そうなお酒を開けた。それは覚えてる。けど、その先が全く思い出せない。
「あーーー、宅飲みしたんだっけ??覚えてない……。んん゛……やばぁ、さすがに飲みすぎたかな。ん??」
一人ぽつぽつと呟きながらベッドから身体を起こそうとしたが、背後からぐるりと太く硬い何かが巻き付いていて身動きが取れない。何だコレ、暖かい。離れようとしていたけれど、何だか心地よくて離れたくない。暖かなお布団の中、まるで大好きな恋人の腕に閉じ込められている時のような安心感が…………
いや、まるでじゃないわ。腕だわ、コレ。ゴツゴツと筋肉だらけのソレは、さくらのそれの2倍はありそうな太さだった。バリバリ戦闘タイプじゃないけど私だって鍛えてるのに。流石脳筋ゴリラ。伊達に飲みが進むと突然腕立てや柱に掴まって懸垂したりという奇行をしてるわけじゃない。
って違う違う違う。なんで爆豪の腕が私の身体に巻き付いてんだって話。
「んぐぐっ、力つよ……ちょっと爆豪!!起きろ!!離して!!」
「んあ?」
「起ーきーろーーー!!!」
思いっきり引き剥がそうとしても筋肉ダルマの男の腕はビクともしない。仕方がないので大声を出せば、ようやく背後でピタリとくっつく体温が蠢いた。
「あー、花咲?んでテメェが俺のベッドにいんだ。出ろや」
「あんったがぎゅーぎゅー抱きついてるから出れないんだけど!?離して!キモい!!」
「あー、何も覚えてねぇ」と言いながら爆豪の手がようやくさくらの身体から離れた。どうやら記憶がないのは自分だけでは無いようだ。あたしも全然覚えてないわ、と言うと舌打ちが返ってきた。お互い様だろ、とイラッとしたので後ろを振り向きながら言い返してやる。
「つーか爆豪、女抱きしめて寝るタイプなんだ?可愛いとこあんじゃ……ひゃあ!」
「ッッッ、ァア゛!?!?」
身体をひねったその瞬間、ビリビリと全身に電気が走り、思わず声が上がった。いや、全身っていうか、下腹部に。下腹部っていうか、その、ね?アソコに。中に。なんかあるんだわ、存在感強めのブツが。
同じ瞬間、爆豪も同じ衝撃に襲われたのだろう。驚きと怒りの入り混じった声を上げた。そりゃそうだ。わたしの中に入ってるのは、そりゃあ、彼のナニだろうから。同じくらいの衝撃だよね?いや、違くて。
「や、は!?!?なんで!?!?いやいやいや!!ちょっと!!!爆豪!!!何してんのよ!!!挿入ってんじゃん!!!はぁ!?!?!?」
「知るか!!!ちょ、待て、お前馬鹿か、動くなや!!!」
「抜いて抜いて抜いて!!!ちょ、ま、これ勃ってるよねぇ!?!?なんで!?!?変態なの!?!?」
意識すればするほど、鮮明に感じるソレは間違いなく硬くなっているし、奥の奥までズッポリ挿入りこんでいて存在感がすごい。つーか、デカくね?
「朝勃ちだわ!!生理現象!!!!テメェこそ締めすぎだし、なんでこんな濡れとんだ!!!」
「は!?!?濡れてないし!!!もーやだなにこれ!!!何でこんなことなってんの!?!?」
「俺が聞きてぇわ!!!!………つーか、まじで、抜くから動くなよ」
横寝バックの対位のまま、腰をがっしりと掴まれて爆豪の硬いモノが引き抜かれていく。気を遣っているのかなんなのかゆっくりゆっくり動くソレに、さくらの身体が快感を拾い上げて疼き出す。ヤバい変な気分になりそう、早く抜いてほしい。
「はよ、して………っぁ、ん」
「エロい声出してんじゃねーわ!!!!犯されてーんか!!!!」
「だって…ぁ、ちょ、もちょっと、小さくして……あっ、ふといぃ」
「ッッッざけんなボケ!!!ブッ殺すぞ!!!」
「ひああっ♡♡♡」
引き抜いていた筈のソレが、ドチュン!と奥深くに勢いよく挿入り込んできてパチパチと頭の中に稲妻が走る。硬くて太い爆豪のが、さくらの膣内の一番奥、子宮の入り口にまで届いている。爆豪は腰を更にグリグリと押しつけ奥に擦り付けるように刺激してから、ヌチュリと卑猥な音を立ててソレを引き抜いた。
2人して肩で息をしている、荒い呼吸音だけが響いている。ヤバかった。一発でイキそうになってしまった。落ち着け、落ち着け、私たちはただの飲み友。まだ戻れる。落ち着け、あたし。まだセーフだ。セーフ。いや、セーフか?アウトじゃないか?コレは
「ハーッハーッ、クソ、最悪だ…………。チッ風呂入ってくる」
「………終わったら私も」
「おー」
爆豪が風呂と言いながら布団から出て身体を起こすとバサっと被っていた布団が捲れ上がった。当然のように2人とも何の衣服も身につけていなくて、お互いの全裸が目に入る。
いやー、まじ、ないわー。アウトだわ、コレ。これ絶対やっちゃってるわぁ。いや、疑いようが無いんだけどさぁ。だって、そもそも入ってたしね。
はぁー、とため息を吐いたさくらは、爆豪が膝立ちのまま身動きを取らないことに気が付いた。はよ風呂入れや、と睨むと珍しい表情でこちらをじっと見下ろしていた。なんというか、やっちまった、とでもいう様な、罰が悪そうな顔だ。
「……………お前の彼氏、噛み癖あんのか?」
「はぁ?彼氏いたらさすがにあんたとサシ飲みしないけど」
「………………………じゃあセフレか」
「はぁ!?どんだけビッチだと思ってるから知らないけど、彼氏と別れてからここ数ヶ月はシてないっつーの!!!」
「………………………………」
そう言えば、爆豪は一層顔を青くした。こいつこんな顔すんのか。
一体何なんだというのかと、自らの身体を見ると何とも酷い惨状だった。身体中に鬱血痕、いわゆるキスマークが付きまくっていて、所々は噛まれた様な歯型の跡まである。1箇所や2箇所などではない。至る所に数えきれないほどついている。
ついでに言うと、布団も酷い有様だった。足元の方はビシャビシャだし、なんかカピカピしている箇所もある。これは、アレがアレしている。
「は???なにこれ????」
「………………………………」
「いや、引くわ」
「………………………………」
「引くわ、爆豪」
「ッッッせーな!!!覚えてネんだからしゃあネェだろ!!!普段はこんなんシネェわ!!!」
ならば、酔って普段は潜めていた欲望をぶつけたのだろうか。どっちにしろヤバイ。こいつの性癖コワ。
ちょっと距離を取りたくなって、寝ていた身体を起こしてベッドボードに背中を預けて座った。腰が凄く痛くてイライラする。ヤリまくってんじゃねぇか。
すると、ドロリと嫌な感覚がした。
まるで生理の経血が纏まって出た様な感覚だが、それはまだ先のはずだ。じゃあ何が出てくる?こんな所から出てくるものなんて他に…………いや、これ、ちょっと待って。
「は………ちょ、っと、待って」
「んだよ…まだ何かあんのか…」
これは、アレじゃないか?さっき出ちゃってたんじゃないか??ねぇねぇねぇ
「あんたさっき中にだした!?」
「出すか!!ンな早漏じゃねェわ!!!まだガチガチだろうが!!!」
「いやいや、出してる!!出てるってコレ!!!ほら!ほら見て!!!めっちゃ出てくるもん!!!」
ほら!と言いながらソコを指で開くと、明らかに自分の身体から分泌される事はない白濁色のドロリとした液体が溢れ出てきた。ほら、やっぱこれ精液じゃん。中で出てるじゃん。
「ッッッなんつーカッコしてんだボケェ!!!」
「カッコとか気にしてる場合ちゃうわ!!どうすんのコレ!!」
自分の股をしげしげと見つめるさくらの手を爆豪がグッとつかんだ。何すんのよ、と文句を言おうとしたのにその表情を見たら何も言葉が出なくなった。
それは、主に戦闘時に見られる様な、瞳孔が開き切ったガンギマリな表情。しかし真っ赤に燃えるその瞳には、情欲の炎が燈っていた。
「お前マジ。クッソ。気ィ使って風呂で抜こうと思っとったのに。ざけんな。クソ」
「な、なに」
「…さっきのはまじで出てねェ。出てるんだったら、昨日の夜だろ。………覚えてねェが………」
「マジで何してくれてんの」
手首をグッと引かれて、唇と唇が触れ合った。それから、間髪入れずに熱い舌が入り込んできた。柔らかなソレがさくらの口内を我が物顔で蹂躙していくと、先程突かれた奥の奥がゾクゾクと疼いた。
唇が離れた頃には、自分の体温が2度ほど上がっているかのように頭がふわふわしていた。
「は、ふ……」
「責任取ったる」
「は?」
「から、ヤらせろ」
「は……ば、かじゃないの?っあっ!」
たった一度のキスで、抵抗する声からは力がなくなっていた。なぁ、と吐息混じりの低い声が耳元で響くと、身体の奥が震えた。
「さっき、イキそうだったろ。奥まで犯してイカせまくってやるよ」
そう、普段よりも低く甘い声で耳元で囁かれてしまえば、さくらにはもう、ソレを受け入れる他無くなってしまった。悔し紛れに、自分から彼の唇に噛みつけば、ニヤリと笑われた後さらに深く絡み合った。
獣のように貪りあい、ぐちゃぐちゃのドロドロに蕩けてしまいそうなセックスだった。爆豪が2回イく間に、数えきれないくらいイカされて。頭が馬鹿になって戻ってこれなくなるかと思った。セックスってこんなに気持ちいいものだったのかと、初めて知った。
お互いシャワーを浴びて。爆豪がグチャグチャのシーツの処理をして、その間に私はコーヒーを淹れようとしたけれど、腰と膝がガクガクで結局爆豪が淹れてくれた。その、爆豪が淹れたコーヒーを飲みながらイチャイチャ
……しない!!
えぇ、身体は重なり合いましたが、私たち心まで重なり合った訳じゃありませんよね。
ソファに座りコーヒーを飲みながら、私たちは顰めっ面で向き合っていた。
「責任取るって言ってたけど、どう責任とるつもり?」
「…………付き合おう」
真剣に、ジッとさくらの目を見つめながらそう言う爆豪を、彼女は一蹴した。
「ハッ軽」
「なら結婚したるわ!!クソ女!!!」
バン、とマグカップをテーブルに置きながら大声を上げる爆豪に、ため息を吐いた。
「え、ヤダ。あたし爆豪と付き合う気も結婚する気もないから。つーか、自分との結婚が絶対喜ばれると思ってるって、ヤバいよその思考回路」
「クッソ可愛くねぇ…………なら、何したらいんだよ」
我ながら可愛くない事を言ったなと思えば、まさにそのままの感想が返ってきた。しかし、その後出てきた言葉に、さくらは一口コーヒーを啜ってから答えた。
「病院、付き添って」
「ア゛?」
「あ?じゃないわよ。妊娠に関してアンタに取れる責任なんて一つもないから。自惚れないでよね。私だってまだ仕事したいから今妊娠する訳にはいかないんだから、病院一択!!」
「…………金なら出すから行ってこいや」
「はぁ!?こちとら産まれたての子鹿のようにしか歩けないんだけど!?」
どう見ても行きたくないが全面に出ている表情に、ムカムカと怒りが募る。
「クッ…………なら明日……」
「緊急避妊薬は、早く飲まないとなの」
「…………ソレって婦人科だろ?行ったことねぇけど、男が行くとこなんかよ」
「アタシだって!!!」
「あ?」
「あたしだって……行くの怖いもん……」
「…………」
ギュウ、と白いマグカップを握りながら言った言葉は尻すぼみに小さくなり掠れて、沈黙が訪れた。偉そうな口調だったくせに、怖いもん、とか…子供かよと我ながら恥ずかしくなった頃、カップに残っていたコーヒーをグッと仰ぎ爆豪が立ち上がった。
スマホをタップしながら、クローゼットからパーカーや帽子、サングラスなどを出して身につけていく。そして、同じようなものをさくらにも着ろと言ってポイポイと手渡してきた。
「保険証は」
「え?」
「保険証、持ってんのか」
「あ、たぶん」
「確認しろや」
さくらの鞄を手渡されたので、財布の中を確認する。やはりカード入れの中に入れたままだった。
「ある」
「じゃあ行くぞ」
そう言って、爆豪はさくらに背中を向けてしゃがみ込んだ。ソコに掴まるべきなのかと迷っていると、「5秒以内に乗らねェとオヒメサマダッコだ」と恐ろしい脅迫をされたので、渋々掴まった。
それから爆豪の車で、爆豪が素早くスマホで調べ上げた婦人科に行き無事に緊急避妊薬を処方してもらえた。
おんぶで婦人科は待合での視線が非常に痛く、診察室で彼氏扱いされて少し諭された挙句最終的に何故かいい彼氏だねと肩を叩かれたりと、普通の病院の数倍疲労した。つかれた。
爆豪も、何もしていないのに、車に戻った時には大きなため息を吐き「敵退治より疲れたわ」と言った。それな、と同意すると、運転席の爆豪が助手席に座るさくらの顔を覗き込んできた。
「病院付き添ったんだ、俺と付き合えや」
「………………やだ」
さくらの髪をぐしゃぐしゃに撫で回しながら、バァカ、と笑った爆豪のその表情に、思わず頬が熱くなった。それに目敏く気付いた爆豪は、彼女の首の後ろに手を回して顔を寄せると、チュッ触れるだけのキスをした。
触れ合った唇を押さえて、顔を茹で蛸のように真っ赤に染めあげたさくらを見て満足そうにした爆豪が、ようやく車を走らせた。
それから数日後、宅飲みお泊まりどころか、婦人科に一緒に行き駐車場でキスをしていた写真がデカデカと報道されることを、2人はまだ知らない。
スクープ!!
ダイナマイト、同級生ヒーロー〇〇と、お泊り直後に婦人科付き添い通院!!飲み友達を一歩踏み出し、車内で熱いキス!!