aot短編
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夕刻、訓練場から古城に戻る脚を後ろから掛けられた声によって制止させる。
「オリヴィアさんっ」
元気な声で私の名前を呼び子犬のような笑顔で私の元に駆け寄ってくるこのかわいい少年の名はエレン・イェーガー。巨人化の能力を持つ人類の希望と呼ばれる少年だ。
「エレン君、どうしたの?」
「あ、いえ…特に用があった訳ではないんですけど、その、オリヴィアさんの姿が見えたのでつい…」
赤く染めた頬を照れたようにポリポリとかきながらそう呟くエレン君に、キュンと胸が高鳴るのを感じる。ああ、なんて可愛いんだろう。母性本能をこれでもかというほどくすぐるその言動に、ついエレン君の私よりも高い位置にある頭に手を乗せてよしよしと撫でる。
「もう、可愛いなあエレン君は…。」
そう言ってくすくす笑うと、子供扱いしないでください!と怒ったように頬を膨らませるエレン君。だから、そういうところが可愛いんだってば。と余計に笑いが止まらなくなる。
私達調査兵団にとって希望であるエレン君の存在は、しかし全ての人にそう思われている訳ではない。エレン君を脅威とみなし、処分をという声も少なくない。
しかしそうされないのはひとえに我々調査兵団が彼を監視、そしていざという時に対処するという盟約の元である。その監視任務につく内の一人がオリヴィアだ。物腰柔らかで話しやすいオリヴィアにエレン君は非常に懐いた。…というよりもこの少年がオリヴィアに恋をしていることは旧調査兵団本部にいて監視任務につく者ならば誰もが気が付いている事だった。
ただし、そのストレートな求愛に満更でもないとオリヴィアが思っている事には誰も気が付いていないだろう。
「今日も随分絞られたみたいね。」
訓練で流した汗と、服についた砂を見てオリヴィアがそういう。
「そうなんです、もうヘトヘトで…。でも調査兵団の、それも精鋭の人たちとの訓練は訓練兵時代よりもずっと学ぶことが多くてとても充実しています。」
そう言って笑うエレン君は、中央の者たちに見せてやりたいくらいかわいく笑った。こんな純粋な笑顔を見てもまだエレン君を脅威と思えるのだろうか。少なくともオリヴィアには可愛い可愛い15歳の少年に見えた。
「…そう、頑張ってね。」
「はいっ!…あ、オリヴィアさん、ちょっと目、閉じてください。目の上にゴミが。」
「え、あ、うん。」
そう言ってほんの少し身を屈めて手を伸ばしてくるエレン君。きゅっと目を瞑るとその閉じた瞼を優しく触れられる。ドキドキと心臓が高鳴るのが分かった。しばらくしてエレン君がもういいですよ、と言うのでゆっくりと目を開くと鼻と鼻がくっつくんじゃないかという程の至近距離にエレン君の整った顔があって、かあっと顔が熱くなり咄嗟に顔を俯かせてエレン君から表情が見えないようにした。
「ありがと…。」
「、オリヴィアさん?どうしました?あ、もしかして痛かったですか?ごめんなさい、見せてください。」
「ち、違うの、大丈夫っ。大丈夫だからっ!」
「いや、見せてくださ………っ、」
「っ…!」
そんな私の仕種に違和感を感じたエレン君が無理矢理に私の顔を両手で包み込む。年下だけど、やっぱり男の人特有のゴツゴツとした大きな手に頬を包まれて余計に顔が熱くなり何故か目も潤んでしまった。
駄目だこんな顔見られたらエレン君に惹かれている事がばれてしまう。駄目よそんな事、私のこの気持ちは絶対に隠し通していつかこの想いが風化するのを待つしかないのだから。決して叶ってはいけない恋なのだから。
だけどエレン君の大きな手がぐいと私の顔を上に向かせてエレン君の瞳と視線がかち合った。その大きな瞳をこぼれそうな程に見開き、エレン君が息を呑むのが分かる。
「や、あ、あの、エレン君っ、は、離して…」
恥ずかしさから視線を泳がせていると、頬に添えられていたエレン君の手が離れ今度はガシッとオリヴィアの肩を強く掴んだ。すぐそばにあったエレン君の整った顔はほんのすこし離れてしまったが、エレン君の瞳は相変わらずオリヴィアの顔を凝視していた。しかしその瞳は先程までのキラキラとした仔犬のようなものとは一変して、ギラギラと猛獣のようなそれになっていた。
「エ、レンく…」
「っ、んだよ、オリヴィアさんっ、そんな顔されたらオレ…っ!」
見たことのないエレン君の表情は、紛れもなく情欲に塗れた男のそれだった。そんな熱い視線にオリヴィアも胸が熱くなるのを感じた。ああ、どうしよう。ダメなのに。エレン君を好きになっちゃいけない。好きだってばれたらいけない。どんなに通じ合っていてもその思いに応えてはいけないのに。本能が目の前の少年を欲しがってしまう。
「オリヴィアさん…っ」
「エレン君………っ!」
どんどんと近づくエレン君の顔に瞼を下ろしかけた時、私はエレン君の肩をぐっと押し返した。
「、オリヴィア、さん…」
エレン君と距離を取り、金色の瞳が悲しげに光った直後オリヴィアの名前を呼ぶオルオの声が辺りに響いた。
「オリヴィアさーん!」
「ここよ、オルオ」
「あぁ、オリヴィアさん、リヴァイ兵長が呼んでいます。今すぐ兵長の自室に来るように、と。エレン、お前は今日晩飯当番だろ何サボってんだ。オリヴィアさんに必要以上に絡むな!」
「ええ、分かったわ、ありがとうオルオ。それと、エレンは私が引きとめていたのよ、ごめんなさいね。」
いえ、と口を濁らせるオルオと未だ悲しそうな瞳のエレンに背を向けて歩きだしてオリヴィアはパシンと自分の頬を叩いて戒めた。
今私は何をしようとした?オルオが来なかったら、どうしていた?いけない。いけない。いけないんだ。たとえエレンが私の事を好きで、私がエレンの事を好きだとしても、それはいけない。というか私はエレンの事を好きじゃない。好きじゃない。好きじゃない。ただの可愛い後輩。そう言い聞かせなくちゃいけない。
「オリヴィアさんっ!オレ、諦めませんっ!例え、」
だって、
「例え、リヴァイ兵長が相手だとしてもっ!!」
だって私にはリヴァイという恋人がいるのだから。
嫌に冷めた古城の廊下を歩き、とある扉の前に立つ。ふー、と一度深呼吸をしてコンコンと扉をノックする。数秒置いて中から入れ、と低い声が聞こえて私は扉を開いた。
「リヴァイ、どうかし、きゃ!!」
ゆっくり開けたはずの扉は内側からの力でグンと勢いよく開かれ、ドアノブを掴んでいたオリヴィアもそれにつられてバランスを崩しかけた。それを支える腰にまわされた逞しい腕はオリヴィアのよく知る、人類最強とよばれる恋人リヴァイのものだった。
「び、っくりしたあ…」
「遅い。」
「ええ、超急いで来たよ?」
リヴァイはうるせえなと唸るような声を出して扉を閉めるとさらに鍵を掛けた。そしてオリヴィアの身体をひょいと軽々と姫抱きし、ずかずかと部屋の奥へと進んだ。そして状況についていけないオリヴィアをベッドに投げるように降ろすとその上に覆いかぶさってきた。
「え、ちょ、なに?リヴァ…んぅっ」
困惑の声を上げるオリヴィアの口はリヴァイのそれで塞がれた。ちゅ、ちゅ、と啄ばむような口づけの後、ベロリと下唇を舐められる。それに応えるように薄らと唇を開くとそこにリヴァイの舌が挿入された。私の口内を犯すように暴れまわるリヴァイの舌に熱い吐息が零れる。
些か早急で強引なのはいつもの事。業務時間も終わり恋人であるリヴァイの要求を拒む理由はない…が、先ほどまでのエレンとのやり取りが頭にちらつき罪悪感が私を襲う。
「は、ん、リ、ヴァイ…っも、すぐ…夕飯」
「黙れ」
「あっ、やあっ」
やんわりと行為を戒めると更に激しく口づけて荒々しくオリヴィアの衣服をはぎ取るリヴァイ。慣れた手つきであっという間に全裸に剥かれてしまうオリヴィアは、罪悪感を胸に残しながらもリヴァイの手に触れられるだけだというのに身体が興奮していくのを感じていた。それは長年リヴァイに仕込まれて熟れた身体に刻み込まれたどうしようもない反応だった。
案の定ソコに触れられるとくちゅ、といやらしい粘着質な水音が室内に響きかあ、と顔が熱くなる。それと同時にガラガラと理性や羞恥心、罪悪感なんてものはどこか遠くに消えていった。残ったのは本能のままに荒々しく抱かれたいという欲望のみ。その期待にまた身体の中心から蜜が溢れだすのが分かった。
「ん、ぁ…っ」
「おい、まだキスしかしてねえのにこりゃどういうことだ。」
「だっ…てっ、き、もち…」
触れるか触れないかという絶妙な力加減でぬちぬちと入口を指で撫でまわされて腰がゆらゆらと揺れる。早くその指を中に入れて掻き回して、と強請るように。しかし入口の周りを撫でたり、時たま軽く触れるだけで肝心の刺激を与えてくれないリヴァイに我慢できずにオリヴィアが強請る。
「リヴァイ、早く、指、ちょうだいっ」
そんな私の卑しい要求にククっと喉の奥で笑いリヴァイは勢いよく指を2本オリヴィアの中に挿入した。ズボズボと抜き差ししたり奥で指を曲げたりとオリヴィアのことを知りつくしているリヴァイの手によってオリヴィアの身体は快感に溺れていく。
「―――あぁっ!!リ、ヴァ…あっ」
「すっげー音だな、オリヴィア。」
「ひあっ…き、きもちっリヴァイっきもちいっ―――あっ、や、だめ、そこ、したらすぐ、イっちゃう。っ、ん、や、やだって、ばあ―――っあ、あぁ、だ、め…、イく―――っ!!!」
リヴァイによって一番気持ちいい場所を執拗に攻められて、私はあっけなく達した。はあはあ、と荒い息をするオリヴィアの上でリヴァイが身につけている衣服を荒々しく脱ぎ散らかした。鍛え抜かれた逞しい身体と、雄々しいリヴァイの男根にごくりと生唾をのんだ。早く、早く欲しい。そんな私の望みが聞こえたかのようにリヴァイは性急に亀頭を膣口に数回擦り付けると、私の両足をぐっと持ち上げ彼の肩に掛けて一気に奥まで突き刺した。
「きゃあっ!!」
「っ、く」
そしてオリヴィアの細い腰をがっしりと肉刺のある固く大きな手で掴むと一切の加減もなく激しく腰を打ち付けてきた。激しすぎるその行為にも私の身体は悦び跳ねる。リヴァイの手によってこんなに卑しい身体にされてしまった。
快感によって次々とこぼれ落ちる涙。それを誤魔化すようにぎゅうっと目を閉じた。視界にあったリヴァイの端整な顔は見えなくなり、変わりに瞼の裏に映ったのは15歳の幼く可愛い少年のギラギラとした表情だった。途端に身体が今まで以上に発熱し激しい快感が襲ってきた。
「ひっ、―――あああぁっ…!!」
「っ、く、なん、で急にイッてんだ。」
「あ、あぁ、や、う、」
ビクン、ビクンと身体が痙攣する。私、今、イッた?さっきのエレン君の表情を思い出して?リヴァイに抱かれながら…?
目を開けるとそこには当然リヴァイの顔がある。彼はその端整な顔を歪めてオリヴィアの絶頂の締め付けに堪えていた。しかしその表情はまるでオリヴィアを訝しんでいてすべてを見透かしているように見えて、ばつの悪い気持ちになった私はついその視線から目をそらした。それを見たリヴァイは眉間に深く皺を刻んだ。
「…おいオリヴィア。テメェ今、なに考えていやがる。」
「…ぇ?」
「俺に抱かれてイキながら、何を…誰の事を考えていやがった…?」
ビクン、と身体が跳ねた。
「畜生、あの糞餓鬼…っ」
そのリヴァイの低く小さなうなり声に熱くなっていた身体がサーっと冷えるのを感じた。“糞餓鬼”と、リヴァイは言った。リヴァイがそう呼ぶのはこの古城にはたった一人しかいない。リヴァイは気付いていたのか、私の心の揺らぎに。一度そう思えばそれは当然の事のように思えた。いつだって私の心のうちはリヴァイには筒抜けで彼に隠し事なんて出来たことがないのだから。だけど、だとしたら、だとしたら―――。
「り、リヴァイ…っ、」
「黙れっ!」
リヴァイに向けて伸ばした手はそのままリヴァイの手に掴まれて絡めるように繋がれた。そして腰の動きが再開し私に快感が押し付けられる。
「ひぁっ、待っ、リヴァイっあぁっ」
「クソッ、」
「あぁっ、や、き、きもち、やだっいっちゃう、また、いっちゃっ―――あああぁっ!!」
リヴァイはわざとオリヴィアの一番感じるところを突き半ば強制的ににイカせる。その締め付けをものともせず腰を降り続けるリヴァイの動きに休むことが許されない。
「、随分簡単にイくようになったな、オリヴィア。誰かに開発でもされたか?」
「ち、がっ!あぁっ、やあぁあっ、あっ、全部、リ、ぁっ…ヴァイ、なのっ!」
「はっ、どうだか。俺に隠れて、この膣内に他の男のチンコ突っ込んで喘ぎまくってんじゃねえのか。」
「ひうぅっ!そ、そんなこと、あっ…して、っ、ないよおっ…!わ、たし、っ、リヴァイしか…っ知らな、!」
「っ、はっ、く…そ!」
「ひあっ!やあっ、う、きも、ち…っあっあぁ…や、また、きちゃうぅ…つ」
「目ぇ、瞑るな。よく見ておけよ、お前を抱いているのが、誰なのかを。お前をこんな淫乱な身体にしたのは誰なのかを。お前をよがらせてるのが誰なのかを。」
「あっ、リヴァイっ!あ、あぁああっ、」
「あんな、餓鬼に、渡して、たまるかっ!」
リヴァイはガツガツと腰の動きを速めた。リヴァイの肉棒はやはりオリヴィアのイイ所を逃さず突きまくり、何度目か分からない絶頂が近付く。そのオリヴィアの締め付けに今度はリヴァイも苦悶の表情を浮かべた。
「っ、く…膣内に出すぞ。」
「ぇ、で、もっ、あっあぁんっ!待っ、リヴァ、あぁっ、んやあっ!」
「孕、め!」
「ひ、あ、やあぁあっ、あっイ――――っ!!!」
ビクン、と弾けたリヴァイの白濁を逃すまいとでも言うように収縮するオリヴィアの膣内。ひうひうと情けない息を溢し肩で息をする私にリヴァイの手がそっと伸びてくる。
「…オリヴィア。」
先程までの荒々しい行為とは対称的に、まるで壊れかけの硝子細工を触るように優しく私の頬や額に貼り付く髪をそっと整えて頬を優しく撫でるリヴァイ。その表情は、哀しみに歪んでいた。それは本当に僅かな変化で普通の者ならば気が付かないであろう。しかしその表情を私は知っている。ぎゅうと胸が締め付けられるのを感じてリヴァイの背に手を回しその逞しい身体に抱き着く。
「っリヴァイ!!」
リヴァイの背中は、小柄な割に大きい。鍛え上げられた肉体で筋肉もしっかりと付いていてとても逞しい。しかし、人類最強と呼ばれ兵団や一般人から向けられる大きすぎる期待、リヴァイを残して次々に散りゆく仲間の命、彼らから託される想い、それらを一身に引き受けるにはそれはあまりに小さかった。
それでもそれを周囲には微塵も感じさせない。その悲痛な声にならない叫びを拾い、解消する。それが私がリヴァイに出来ること。リヴァイにとってオリヴィアの存在は必要不可欠。オリヴィアがリヴァイを支える、それだけでリヴァイは無心で戦いに身を投じる事ができる。
しかしそれは裏を返せばオリヴィアの存在がなければ、リヴァイはどうなってしまうか分からないということ。人類の為、いやなによりも彼の為に、オリヴィアはリヴァイの傍を離れる訳にはいかないのだ。
「リヴァイ、リヴァイっ!」
「オリヴィア…」
「…ね、リヴァイ、キス、して、ほしい。」
そんな私の要求に応えてくれるリヴァイ。先程の性急な口付けとは違いゆっくりと舌を絡め合う。
「っ、は、んっ、」
普段粗暴な彼が、実は繊細で脆い事を私は知っている。縋るように私を見据える三白眼を、愛しく想う。人類の為なんかじゃない、私が、私自身が、リヴァイという人間を支えたいと思っているのだ。私は、リヴァイを、愛している。
「っ、リ、ヴァイ…っ、おっき…」
絡めとるようなキスをしていると私の中に入ったままだったリヴァイの分身が再び硬く大きく変貌を遂げで私の膣中を圧迫する。そして口付けを交わしながらゆるゆるとリヴァイの腰が再び動き出す。その刺激に私の口からは吐息が溢れ出す。
「はっ、んんっ、リヴァイっ、」
「は、オリヴィア…愛してる。」
「わ、たしも、っリヴァイを、愛してるっ…あなただけよ…ん、あぁっ!!」
私の口から愛を囁く言葉が紡がれるとリヴァイの動きが突然激しいものに変化する。そして一度最奥にぐぐっと肉棒を押し付けると繋がったまま私の身体を抱き抱えてぐるんと回転させ、体勢はバックに変化する。ぐちゅぐちゅと卑猥な音をたててリヴァイの腰が獣のように私を蹂躙する。
「オリヴィア、オリヴィア…っ、」
「ひ、やあぁらっ、きもち、い、よっ!リヴァイっあっあぁああっ!」
「愛してる、オリヴィア、愛してるっ。」
リヴァイの甘い愛の囁きを耳にしながら枕に顔を押し付ける私は、瞼を落とした。そこにはやはり金色の大きな瞳の彼がいた。
「ああっ、リヴァイ、愛してるっあっ、リ、ヴァイっ!あ、やぁっ、イク、イクっ!あ、あああぁああっっ!!!」
そして私はリヴァイの腕の中でリヴァイの名を呼び愛を囁きながらも、エレン君に抱かれる自分を頭のなかで想像して絶頂に達した。
尚も続く激しい行為は私が意識を手放すまで続いた。
意識を失いぐったりとベッドで眠るオリヴィアの頭をリヴァイが優しく撫でた。
「…すまない。」
彼女の心が離れかけているということに気が付いていても自ら手放すことが出来ずに己の欲が勝りこうして無理をさせてしまう。眠る彼女の目尻にキスを落として、食べ損ねた夕飯を持ち込むために部屋を出た。
「っ、」
リヴァイが去った室内で私は今しがたリヴァイに口付けられた目尻を涙で濡らした。
愛してる、それはきっと間違いない。だけど、エレン君に惹かれているのもきっと間違いない。それは、私が言うべき言葉だ。
「っ、ごめんなさい、」
あなたを誰よりも愛しているのに、揺らぐ私を、どうか許して
「オリヴィアさんっ」
元気な声で私の名前を呼び子犬のような笑顔で私の元に駆け寄ってくるこのかわいい少年の名はエレン・イェーガー。巨人化の能力を持つ人類の希望と呼ばれる少年だ。
「エレン君、どうしたの?」
「あ、いえ…特に用があった訳ではないんですけど、その、オリヴィアさんの姿が見えたのでつい…」
赤く染めた頬を照れたようにポリポリとかきながらそう呟くエレン君に、キュンと胸が高鳴るのを感じる。ああ、なんて可愛いんだろう。母性本能をこれでもかというほどくすぐるその言動に、ついエレン君の私よりも高い位置にある頭に手を乗せてよしよしと撫でる。
「もう、可愛いなあエレン君は…。」
そう言ってくすくす笑うと、子供扱いしないでください!と怒ったように頬を膨らませるエレン君。だから、そういうところが可愛いんだってば。と余計に笑いが止まらなくなる。
私達調査兵団にとって希望であるエレン君の存在は、しかし全ての人にそう思われている訳ではない。エレン君を脅威とみなし、処分をという声も少なくない。
しかしそうされないのはひとえに我々調査兵団が彼を監視、そしていざという時に対処するという盟約の元である。その監視任務につく内の一人がオリヴィアだ。物腰柔らかで話しやすいオリヴィアにエレン君は非常に懐いた。…というよりもこの少年がオリヴィアに恋をしていることは旧調査兵団本部にいて監視任務につく者ならば誰もが気が付いている事だった。
ただし、そのストレートな求愛に満更でもないとオリヴィアが思っている事には誰も気が付いていないだろう。
「今日も随分絞られたみたいね。」
訓練で流した汗と、服についた砂を見てオリヴィアがそういう。
「そうなんです、もうヘトヘトで…。でも調査兵団の、それも精鋭の人たちとの訓練は訓練兵時代よりもずっと学ぶことが多くてとても充実しています。」
そう言って笑うエレン君は、中央の者たちに見せてやりたいくらいかわいく笑った。こんな純粋な笑顔を見てもまだエレン君を脅威と思えるのだろうか。少なくともオリヴィアには可愛い可愛い15歳の少年に見えた。
「…そう、頑張ってね。」
「はいっ!…あ、オリヴィアさん、ちょっと目、閉じてください。目の上にゴミが。」
「え、あ、うん。」
そう言ってほんの少し身を屈めて手を伸ばしてくるエレン君。きゅっと目を瞑るとその閉じた瞼を優しく触れられる。ドキドキと心臓が高鳴るのが分かった。しばらくしてエレン君がもういいですよ、と言うのでゆっくりと目を開くと鼻と鼻がくっつくんじゃないかという程の至近距離にエレン君の整った顔があって、かあっと顔が熱くなり咄嗟に顔を俯かせてエレン君から表情が見えないようにした。
「ありがと…。」
「、オリヴィアさん?どうしました?あ、もしかして痛かったですか?ごめんなさい、見せてください。」
「ち、違うの、大丈夫っ。大丈夫だからっ!」
「いや、見せてくださ………っ、」
「っ…!」
そんな私の仕種に違和感を感じたエレン君が無理矢理に私の顔を両手で包み込む。年下だけど、やっぱり男の人特有のゴツゴツとした大きな手に頬を包まれて余計に顔が熱くなり何故か目も潤んでしまった。
駄目だこんな顔見られたらエレン君に惹かれている事がばれてしまう。駄目よそんな事、私のこの気持ちは絶対に隠し通していつかこの想いが風化するのを待つしかないのだから。決して叶ってはいけない恋なのだから。
だけどエレン君の大きな手がぐいと私の顔を上に向かせてエレン君の瞳と視線がかち合った。その大きな瞳をこぼれそうな程に見開き、エレン君が息を呑むのが分かる。
「や、あ、あの、エレン君っ、は、離して…」
恥ずかしさから視線を泳がせていると、頬に添えられていたエレン君の手が離れ今度はガシッとオリヴィアの肩を強く掴んだ。すぐそばにあったエレン君の整った顔はほんのすこし離れてしまったが、エレン君の瞳は相変わらずオリヴィアの顔を凝視していた。しかしその瞳は先程までのキラキラとした仔犬のようなものとは一変して、ギラギラと猛獣のようなそれになっていた。
「エ、レンく…」
「っ、んだよ、オリヴィアさんっ、そんな顔されたらオレ…っ!」
見たことのないエレン君の表情は、紛れもなく情欲に塗れた男のそれだった。そんな熱い視線にオリヴィアも胸が熱くなるのを感じた。ああ、どうしよう。ダメなのに。エレン君を好きになっちゃいけない。好きだってばれたらいけない。どんなに通じ合っていてもその思いに応えてはいけないのに。本能が目の前の少年を欲しがってしまう。
「オリヴィアさん…っ」
「エレン君………っ!」
どんどんと近づくエレン君の顔に瞼を下ろしかけた時、私はエレン君の肩をぐっと押し返した。
「、オリヴィア、さん…」
エレン君と距離を取り、金色の瞳が悲しげに光った直後オリヴィアの名前を呼ぶオルオの声が辺りに響いた。
「オリヴィアさーん!」
「ここよ、オルオ」
「あぁ、オリヴィアさん、リヴァイ兵長が呼んでいます。今すぐ兵長の自室に来るように、と。エレン、お前は今日晩飯当番だろ何サボってんだ。オリヴィアさんに必要以上に絡むな!」
「ええ、分かったわ、ありがとうオルオ。それと、エレンは私が引きとめていたのよ、ごめんなさいね。」
いえ、と口を濁らせるオルオと未だ悲しそうな瞳のエレンに背を向けて歩きだしてオリヴィアはパシンと自分の頬を叩いて戒めた。
今私は何をしようとした?オルオが来なかったら、どうしていた?いけない。いけない。いけないんだ。たとえエレンが私の事を好きで、私がエレンの事を好きだとしても、それはいけない。というか私はエレンの事を好きじゃない。好きじゃない。好きじゃない。ただの可愛い後輩。そう言い聞かせなくちゃいけない。
「オリヴィアさんっ!オレ、諦めませんっ!例え、」
だって、
「例え、リヴァイ兵長が相手だとしてもっ!!」
だって私にはリヴァイという恋人がいるのだから。
嫌に冷めた古城の廊下を歩き、とある扉の前に立つ。ふー、と一度深呼吸をしてコンコンと扉をノックする。数秒置いて中から入れ、と低い声が聞こえて私は扉を開いた。
「リヴァイ、どうかし、きゃ!!」
ゆっくり開けたはずの扉は内側からの力でグンと勢いよく開かれ、ドアノブを掴んでいたオリヴィアもそれにつられてバランスを崩しかけた。それを支える腰にまわされた逞しい腕はオリヴィアのよく知る、人類最強とよばれる恋人リヴァイのものだった。
「び、っくりしたあ…」
「遅い。」
「ええ、超急いで来たよ?」
リヴァイはうるせえなと唸るような声を出して扉を閉めるとさらに鍵を掛けた。そしてオリヴィアの身体をひょいと軽々と姫抱きし、ずかずかと部屋の奥へと進んだ。そして状況についていけないオリヴィアをベッドに投げるように降ろすとその上に覆いかぶさってきた。
「え、ちょ、なに?リヴァ…んぅっ」
困惑の声を上げるオリヴィアの口はリヴァイのそれで塞がれた。ちゅ、ちゅ、と啄ばむような口づけの後、ベロリと下唇を舐められる。それに応えるように薄らと唇を開くとそこにリヴァイの舌が挿入された。私の口内を犯すように暴れまわるリヴァイの舌に熱い吐息が零れる。
些か早急で強引なのはいつもの事。業務時間も終わり恋人であるリヴァイの要求を拒む理由はない…が、先ほどまでのエレンとのやり取りが頭にちらつき罪悪感が私を襲う。
「は、ん、リ、ヴァイ…っも、すぐ…夕飯」
「黙れ」
「あっ、やあっ」
やんわりと行為を戒めると更に激しく口づけて荒々しくオリヴィアの衣服をはぎ取るリヴァイ。慣れた手つきであっという間に全裸に剥かれてしまうオリヴィアは、罪悪感を胸に残しながらもリヴァイの手に触れられるだけだというのに身体が興奮していくのを感じていた。それは長年リヴァイに仕込まれて熟れた身体に刻み込まれたどうしようもない反応だった。
案の定ソコに触れられるとくちゅ、といやらしい粘着質な水音が室内に響きかあ、と顔が熱くなる。それと同時にガラガラと理性や羞恥心、罪悪感なんてものはどこか遠くに消えていった。残ったのは本能のままに荒々しく抱かれたいという欲望のみ。その期待にまた身体の中心から蜜が溢れだすのが分かった。
「ん、ぁ…っ」
「おい、まだキスしかしてねえのにこりゃどういうことだ。」
「だっ…てっ、き、もち…」
触れるか触れないかという絶妙な力加減でぬちぬちと入口を指で撫でまわされて腰がゆらゆらと揺れる。早くその指を中に入れて掻き回して、と強請るように。しかし入口の周りを撫でたり、時たま軽く触れるだけで肝心の刺激を与えてくれないリヴァイに我慢できずにオリヴィアが強請る。
「リヴァイ、早く、指、ちょうだいっ」
そんな私の卑しい要求にククっと喉の奥で笑いリヴァイは勢いよく指を2本オリヴィアの中に挿入した。ズボズボと抜き差ししたり奥で指を曲げたりとオリヴィアのことを知りつくしているリヴァイの手によってオリヴィアの身体は快感に溺れていく。
「―――あぁっ!!リ、ヴァ…あっ」
「すっげー音だな、オリヴィア。」
「ひあっ…き、きもちっリヴァイっきもちいっ―――あっ、や、だめ、そこ、したらすぐ、イっちゃう。っ、ん、や、やだって、ばあ―――っあ、あぁ、だ、め…、イく―――っ!!!」
リヴァイによって一番気持ちいい場所を執拗に攻められて、私はあっけなく達した。はあはあ、と荒い息をするオリヴィアの上でリヴァイが身につけている衣服を荒々しく脱ぎ散らかした。鍛え抜かれた逞しい身体と、雄々しいリヴァイの男根にごくりと生唾をのんだ。早く、早く欲しい。そんな私の望みが聞こえたかのようにリヴァイは性急に亀頭を膣口に数回擦り付けると、私の両足をぐっと持ち上げ彼の肩に掛けて一気に奥まで突き刺した。
「きゃあっ!!」
「っ、く」
そしてオリヴィアの細い腰をがっしりと肉刺のある固く大きな手で掴むと一切の加減もなく激しく腰を打ち付けてきた。激しすぎるその行為にも私の身体は悦び跳ねる。リヴァイの手によってこんなに卑しい身体にされてしまった。
快感によって次々とこぼれ落ちる涙。それを誤魔化すようにぎゅうっと目を閉じた。視界にあったリヴァイの端整な顔は見えなくなり、変わりに瞼の裏に映ったのは15歳の幼く可愛い少年のギラギラとした表情だった。途端に身体が今まで以上に発熱し激しい快感が襲ってきた。
「ひっ、―――あああぁっ…!!」
「っ、く、なん、で急にイッてんだ。」
「あ、あぁ、や、う、」
ビクン、ビクンと身体が痙攣する。私、今、イッた?さっきのエレン君の表情を思い出して?リヴァイに抱かれながら…?
目を開けるとそこには当然リヴァイの顔がある。彼はその端整な顔を歪めてオリヴィアの絶頂の締め付けに堪えていた。しかしその表情はまるでオリヴィアを訝しんでいてすべてを見透かしているように見えて、ばつの悪い気持ちになった私はついその視線から目をそらした。それを見たリヴァイは眉間に深く皺を刻んだ。
「…おいオリヴィア。テメェ今、なに考えていやがる。」
「…ぇ?」
「俺に抱かれてイキながら、何を…誰の事を考えていやがった…?」
ビクン、と身体が跳ねた。
「畜生、あの糞餓鬼…っ」
そのリヴァイの低く小さなうなり声に熱くなっていた身体がサーっと冷えるのを感じた。“糞餓鬼”と、リヴァイは言った。リヴァイがそう呼ぶのはこの古城にはたった一人しかいない。リヴァイは気付いていたのか、私の心の揺らぎに。一度そう思えばそれは当然の事のように思えた。いつだって私の心のうちはリヴァイには筒抜けで彼に隠し事なんて出来たことがないのだから。だけど、だとしたら、だとしたら―――。
「り、リヴァイ…っ、」
「黙れっ!」
リヴァイに向けて伸ばした手はそのままリヴァイの手に掴まれて絡めるように繋がれた。そして腰の動きが再開し私に快感が押し付けられる。
「ひぁっ、待っ、リヴァイっあぁっ」
「クソッ、」
「あぁっ、や、き、きもち、やだっいっちゃう、また、いっちゃっ―――あああぁっ!!」
リヴァイはわざとオリヴィアの一番感じるところを突き半ば強制的ににイカせる。その締め付けをものともせず腰を降り続けるリヴァイの動きに休むことが許されない。
「、随分簡単にイくようになったな、オリヴィア。誰かに開発でもされたか?」
「ち、がっ!あぁっ、やあぁあっ、あっ、全部、リ、ぁっ…ヴァイ、なのっ!」
「はっ、どうだか。俺に隠れて、この膣内に他の男のチンコ突っ込んで喘ぎまくってんじゃねえのか。」
「ひうぅっ!そ、そんなこと、あっ…して、っ、ないよおっ…!わ、たし、っ、リヴァイしか…っ知らな、!」
「っ、はっ、く…そ!」
「ひあっ!やあっ、う、きも、ち…っあっあぁ…や、また、きちゃうぅ…つ」
「目ぇ、瞑るな。よく見ておけよ、お前を抱いているのが、誰なのかを。お前をこんな淫乱な身体にしたのは誰なのかを。お前をよがらせてるのが誰なのかを。」
「あっ、リヴァイっ!あ、あぁああっ、」
「あんな、餓鬼に、渡して、たまるかっ!」
リヴァイはガツガツと腰の動きを速めた。リヴァイの肉棒はやはりオリヴィアのイイ所を逃さず突きまくり、何度目か分からない絶頂が近付く。そのオリヴィアの締め付けに今度はリヴァイも苦悶の表情を浮かべた。
「っ、く…膣内に出すぞ。」
「ぇ、で、もっ、あっあぁんっ!待っ、リヴァ、あぁっ、んやあっ!」
「孕、め!」
「ひ、あ、やあぁあっ、あっイ――――っ!!!」
ビクン、と弾けたリヴァイの白濁を逃すまいとでも言うように収縮するオリヴィアの膣内。ひうひうと情けない息を溢し肩で息をする私にリヴァイの手がそっと伸びてくる。
「…オリヴィア。」
先程までの荒々しい行為とは対称的に、まるで壊れかけの硝子細工を触るように優しく私の頬や額に貼り付く髪をそっと整えて頬を優しく撫でるリヴァイ。その表情は、哀しみに歪んでいた。それは本当に僅かな変化で普通の者ならば気が付かないであろう。しかしその表情を私は知っている。ぎゅうと胸が締め付けられるのを感じてリヴァイの背に手を回しその逞しい身体に抱き着く。
「っリヴァイ!!」
リヴァイの背中は、小柄な割に大きい。鍛え上げられた肉体で筋肉もしっかりと付いていてとても逞しい。しかし、人類最強と呼ばれ兵団や一般人から向けられる大きすぎる期待、リヴァイを残して次々に散りゆく仲間の命、彼らから託される想い、それらを一身に引き受けるにはそれはあまりに小さかった。
それでもそれを周囲には微塵も感じさせない。その悲痛な声にならない叫びを拾い、解消する。それが私がリヴァイに出来ること。リヴァイにとってオリヴィアの存在は必要不可欠。オリヴィアがリヴァイを支える、それだけでリヴァイは無心で戦いに身を投じる事ができる。
しかしそれは裏を返せばオリヴィアの存在がなければ、リヴァイはどうなってしまうか分からないということ。人類の為、いやなによりも彼の為に、オリヴィアはリヴァイの傍を離れる訳にはいかないのだ。
「リヴァイ、リヴァイっ!」
「オリヴィア…」
「…ね、リヴァイ、キス、して、ほしい。」
そんな私の要求に応えてくれるリヴァイ。先程の性急な口付けとは違いゆっくりと舌を絡め合う。
「っ、は、んっ、」
普段粗暴な彼が、実は繊細で脆い事を私は知っている。縋るように私を見据える三白眼を、愛しく想う。人類の為なんかじゃない、私が、私自身が、リヴァイという人間を支えたいと思っているのだ。私は、リヴァイを、愛している。
「っ、リ、ヴァイ…っ、おっき…」
絡めとるようなキスをしていると私の中に入ったままだったリヴァイの分身が再び硬く大きく変貌を遂げで私の膣中を圧迫する。そして口付けを交わしながらゆるゆるとリヴァイの腰が再び動き出す。その刺激に私の口からは吐息が溢れ出す。
「はっ、んんっ、リヴァイっ、」
「は、オリヴィア…愛してる。」
「わ、たしも、っリヴァイを、愛してるっ…あなただけよ…ん、あぁっ!!」
私の口から愛を囁く言葉が紡がれるとリヴァイの動きが突然激しいものに変化する。そして一度最奥にぐぐっと肉棒を押し付けると繋がったまま私の身体を抱き抱えてぐるんと回転させ、体勢はバックに変化する。ぐちゅぐちゅと卑猥な音をたててリヴァイの腰が獣のように私を蹂躙する。
「オリヴィア、オリヴィア…っ、」
「ひ、やあぁらっ、きもち、い、よっ!リヴァイっあっあぁああっ!」
「愛してる、オリヴィア、愛してるっ。」
リヴァイの甘い愛の囁きを耳にしながら枕に顔を押し付ける私は、瞼を落とした。そこにはやはり金色の大きな瞳の彼がいた。
「ああっ、リヴァイ、愛してるっあっ、リ、ヴァイっ!あ、やぁっ、イク、イクっ!あ、あああぁああっっ!!!」
そして私はリヴァイの腕の中でリヴァイの名を呼び愛を囁きながらも、エレン君に抱かれる自分を頭のなかで想像して絶頂に達した。
尚も続く激しい行為は私が意識を手放すまで続いた。
意識を失いぐったりとベッドで眠るオリヴィアの頭をリヴァイが優しく撫でた。
「…すまない。」
彼女の心が離れかけているということに気が付いていても自ら手放すことが出来ずに己の欲が勝りこうして無理をさせてしまう。眠る彼女の目尻にキスを落として、食べ損ねた夕飯を持ち込むために部屋を出た。
「っ、」
リヴァイが去った室内で私は今しがたリヴァイに口付けられた目尻を涙で濡らした。
愛してる、それはきっと間違いない。だけど、エレン君に惹かれているのもきっと間違いない。それは、私が言うべき言葉だ。
「っ、ごめんなさい、」
あなたを誰よりも愛しているのに、揺らぐ私を、どうか許して