やるべき事
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ぼんやりと、二人のやり取りを見ていると、
コンコンと何かを叩く音が耳についた。
ふと、気配を辿れば先程まで一緒にいた白い鳩だった。
*はふらっと立ち上がり入り口の方へ向かう。
「珀、どうしたの?もうじきご飯だよ?」
「すぐに戻る…から」
「日が落ちたから、出ると危ないよ」
「友達に伝言を頼む…だけ……だから。大丈夫」
「でも…」
「大丈夫。頼んだら…すぐに……戻るよ」
ぺこりと頭を下げ、*は外に出た。
日が落ち、辺りが漆黒に塗り替えられていく。
パサパサッと羽音が聞こえ、腕を出すと、白い鳩は*の腕に止まる。
「伝えて欲しいことがあるの…お願い…できるかな…」
鳩に話しかけるとクルクルと、鳴き頭を*に摺り寄せる。
「ありがとう…。じゃあ、お願いね」
鳩に目を合わせ
「今日は帰れなくてごめんなさい。町に出掛けた時、友達ができました。その子が、家に泊めてくれることになり、明日の朝に帰ります。ごめんなさい…」
いいかな?と呟くと鳩は頷き闇夜に消えていった。
「気をつけて…」
鳩が飛び去った後*はじっと見つめていた。
「いつまでそうしているつもりだ」
振り返ると、戸の所に腕組をした錆兎が立っていた。
「友達を見送って…いたん…です」
「送ったのなら、早く中に入れ。二人が待っている」
「ごめんな……さい……」
「謝って欲しい訳じゃない」
「…………………」
「早く来い。そんな薄手では、風邪を引くぞ」
「……はい」
*は少しぎくしゃくしながら、家の中に入った。*が入るのを見て、錆兎も中に入る。
「もう出来てるよ。食べよう」
「ああ」
「珀、こっちへ来なさい」
「はい」
鱗滝に呼ばれ、*はそっと隣に座った。しかし、鱗滝に隠れるように座った為、鍋に手が届かない。
「それでは、飯が食べれない。もう少し前へ」
優しく背中を押され、おずおずと前に出る。
「いっただきまーす」
「いただきます」
「いただこう」
「いた…だき…ます…」
温かな湯気が立つお椀の中には様々な山菜やキノコが入った具沢山の鍋だった。
「ん~!美味しい」
「今日は天気が良く、キノコ採りには良い日だったからな。まだ、沢山あるから、しっかりと食べなさい」
「うん!」
「食べすぎて腹を壊すなよ」
「そんなに食べないよ」
「以前食い過ぎて、腹痛起こしたのは誰だったか」
「それをいうなら、錆兎だって…!」
そんな二人のやり取りを*はぼんやりとみていた。
そういえば…バレットとナナキも食べ物で取り合いをしていたなぁ。
今ではぼんやりとしか思い出せなくなっているけど……。
バ「テメェ!それは俺のだろうが!食い過ぎだろう」
ナ「いや、これはオイラのだよ!*がくれたんだから!いくらバレットでも譲れないよ!」
テ「そんなにしなくても、まだあるわよ、もう」
エ「はい。出来上がったよ。あれ?クラウド、*食べてないじゃない」
ク「いや、食べてはいる」
「食べてるよ?エアリスはやっぱり料理が上手いね。いつでもお嫁にいけるね」
エ「*は上手ね」
「珀…………」
ポタ………ポタ………。
「えっ………」
瞳からいくつものの涙が溢れ、頬を濡らす。
「!珀、どこか痛いの?大丈夫?」
ワタワタと慌て出す真菰に、ピシリと固まる錆兎。
「珀……」
傍に居た鱗滝がそっと*を抱き締める。ポンポンと背中を軽く叩くと、ますます涙は溢れ………。
「っ、ふぅ………うぁ………」
言葉にならない切なさが胸を締め付ける。溢れ出す涙は鱗滝の袖を濡らす。
「泣きなさい。大丈夫だ。誰もお前を責めたりしない。よく、頑張ったな………」
ギュッと鱗滝の袖にすがり付き、*は泣いた。声を出して泣く方法か分からず嗚咽をもらしながら……。
暫く泣いたと思っていると、徐々に身体の重みがのし掛かって来るのを感じた鱗滝。そおっと顔を覗くと寝息をたてて眠っていた。
「寝かせてやろう…」
「先生、こちらへ」
「ああ。すまない、錆兎」
「いえ。しかし、一体何が……」
「分からん。しかし、珀なりに思うことがあったのだろう……。あれだけ泣いたのだから疲れたようだ」
「明日になれば、 大丈夫だよね」
「珀次第だが、大丈夫だろうと、ワシも思う」
ズキリと鈍い痛みに目を覚ました*。辺りは暗く、目が慣れるには少しの時間を要した。
自分の左隣には真菰が眠っており、右には錆兎が*に背を向ける形で眠っていた。
戸の隙間から溢れる明かりを頼りに、*は戸をそっと開けた。
囲炉裏の火は消えており、明かり取りの明かりだけが辺りを照らしていた。
「目が覚めたのか?」
こくりと頷く。
「まだ、夜中だ。休みなさい」
「どこかへ……行くの……ですか?」
「ちと、胸騒ぎがしてな……」
「…………」
「すぐに戻る」
「でも……」
「心配要らない。大丈夫だ」
ゴツゴツとして、皺が掘りこまれた温かな手が*の頭を撫でた。
「持っていって……欲しいものが………あります」
「ん?」
*は、部屋のすみに合った己の鞄を引き寄せると、中にあったガラス玉を取り出した。
ガラス玉を握りこむと、幾重もの声が耳を打つ。
パチリとまばたきをし、鱗滝に目をやる。
ライブラ
念じると鱗滝がぼやけて見えだす。
ぼんやりと水色の膜のようなものが見えた。
水属性と相性が良いんだ………。お願い……力を貸して………。
【懐かしい声色だな……我が主よ………】
声がして、目を開ければ鋭いくちばしに、長い髭。五本の爪に瑠璃色の瞳。ふよふよと浮かぶ水滴。
ウータイの守護神、リヴァイアサンが*の前に姿を見せた。
コンコンと何かを叩く音が耳についた。
ふと、気配を辿れば先程まで一緒にいた白い鳩だった。
*はふらっと立ち上がり入り口の方へ向かう。
「珀、どうしたの?もうじきご飯だよ?」
「すぐに戻る…から」
「日が落ちたから、出ると危ないよ」
「友達に伝言を頼む…だけ……だから。大丈夫」
「でも…」
「大丈夫。頼んだら…すぐに……戻るよ」
ぺこりと頭を下げ、*は外に出た。
日が落ち、辺りが漆黒に塗り替えられていく。
パサパサッと羽音が聞こえ、腕を出すと、白い鳩は*の腕に止まる。
「伝えて欲しいことがあるの…お願い…できるかな…」
鳩に話しかけるとクルクルと、鳴き頭を*に摺り寄せる。
「ありがとう…。じゃあ、お願いね」
鳩に目を合わせ
「今日は帰れなくてごめんなさい。町に出掛けた時、友達ができました。その子が、家に泊めてくれることになり、明日の朝に帰ります。ごめんなさい…」
いいかな?と呟くと鳩は頷き闇夜に消えていった。
「気をつけて…」
鳩が飛び去った後*はじっと見つめていた。
「いつまでそうしているつもりだ」
振り返ると、戸の所に腕組をした錆兎が立っていた。
「友達を見送って…いたん…です」
「送ったのなら、早く中に入れ。二人が待っている」
「ごめんな……さい……」
「謝って欲しい訳じゃない」
「…………………」
「早く来い。そんな薄手では、風邪を引くぞ」
「……はい」
*は少しぎくしゃくしながら、家の中に入った。*が入るのを見て、錆兎も中に入る。
「もう出来てるよ。食べよう」
「ああ」
「珀、こっちへ来なさい」
「はい」
鱗滝に呼ばれ、*はそっと隣に座った。しかし、鱗滝に隠れるように座った為、鍋に手が届かない。
「それでは、飯が食べれない。もう少し前へ」
優しく背中を押され、おずおずと前に出る。
「いっただきまーす」
「いただきます」
「いただこう」
「いた…だき…ます…」
温かな湯気が立つお椀の中には様々な山菜やキノコが入った具沢山の鍋だった。
「ん~!美味しい」
「今日は天気が良く、キノコ採りには良い日だったからな。まだ、沢山あるから、しっかりと食べなさい」
「うん!」
「食べすぎて腹を壊すなよ」
「そんなに食べないよ」
「以前食い過ぎて、腹痛起こしたのは誰だったか」
「それをいうなら、錆兎だって…!」
そんな二人のやり取りを*はぼんやりとみていた。
そういえば…バレットとナナキも食べ物で取り合いをしていたなぁ。
今ではぼんやりとしか思い出せなくなっているけど……。
バ「テメェ!それは俺のだろうが!食い過ぎだろう」
ナ「いや、これはオイラのだよ!*がくれたんだから!いくらバレットでも譲れないよ!」
テ「そんなにしなくても、まだあるわよ、もう」
エ「はい。出来上がったよ。あれ?クラウド、*食べてないじゃない」
ク「いや、食べてはいる」
「食べてるよ?エアリスはやっぱり料理が上手いね。いつでもお嫁にいけるね」
エ「*は上手ね」
「珀…………」
ポタ………ポタ………。
「えっ………」
瞳からいくつものの涙が溢れ、頬を濡らす。
「!珀、どこか痛いの?大丈夫?」
ワタワタと慌て出す真菰に、ピシリと固まる錆兎。
「珀……」
傍に居た鱗滝がそっと*を抱き締める。ポンポンと背中を軽く叩くと、ますます涙は溢れ………。
「っ、ふぅ………うぁ………」
言葉にならない切なさが胸を締め付ける。溢れ出す涙は鱗滝の袖を濡らす。
「泣きなさい。大丈夫だ。誰もお前を責めたりしない。よく、頑張ったな………」
ギュッと鱗滝の袖にすがり付き、*は泣いた。声を出して泣く方法か分からず嗚咽をもらしながら……。
暫く泣いたと思っていると、徐々に身体の重みがのし掛かって来るのを感じた鱗滝。そおっと顔を覗くと寝息をたてて眠っていた。
「寝かせてやろう…」
「先生、こちらへ」
「ああ。すまない、錆兎」
「いえ。しかし、一体何が……」
「分からん。しかし、珀なりに思うことがあったのだろう……。あれだけ泣いたのだから疲れたようだ」
「明日になれば、 大丈夫だよね」
「珀次第だが、大丈夫だろうと、ワシも思う」
ズキリと鈍い痛みに目を覚ました*。辺りは暗く、目が慣れるには少しの時間を要した。
自分の左隣には真菰が眠っており、右には錆兎が*に背を向ける形で眠っていた。
戸の隙間から溢れる明かりを頼りに、*は戸をそっと開けた。
囲炉裏の火は消えており、明かり取りの明かりだけが辺りを照らしていた。
「目が覚めたのか?」
こくりと頷く。
「まだ、夜中だ。休みなさい」
「どこかへ……行くの……ですか?」
「ちと、胸騒ぎがしてな……」
「…………」
「すぐに戻る」
「でも……」
「心配要らない。大丈夫だ」
ゴツゴツとして、皺が掘りこまれた温かな手が*の頭を撫でた。
「持っていって……欲しいものが………あります」
「ん?」
*は、部屋のすみに合った己の鞄を引き寄せると、中にあったガラス玉を取り出した。
ガラス玉を握りこむと、幾重もの声が耳を打つ。
パチリとまばたきをし、鱗滝に目をやる。
ライブラ
念じると鱗滝がぼやけて見えだす。
ぼんやりと水色の膜のようなものが見えた。
水属性と相性が良いんだ………。お願い……力を貸して………。
【懐かしい声色だな……我が主よ………】
声がして、目を開ければ鋭いくちばしに、長い髭。五本の爪に瑠璃色の瞳。ふよふよと浮かぶ水滴。
ウータイの守護神、リヴァイアサンが*の前に姿を見せた。