召喚魔法
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力を…貸して欲しいの…。
【ふむ…こやつを守ればよいのか?しかし、我が守らなくてもかの者は常人よりは強いと…思うがな…】
それでも…お願いしたいの…。
【………】
鱗滝は何とも不思議な感覚に襲われていた。
*から感じられる気配に言葉が出せないでいた。
嫌な感じはしない、むしろ…神々しい感じがあり、珀に対しては目を瞑り念じているかのようにも感じられる。
珀よ…お主は一体…何者なのだ…
【分かった…主。お主がそこまで願うのだ、引き受けよう。それに…】
ついとリヴァイアサンは鱗滝に視線を移す。
【水の相性が良いようだからな…】
ありがとう…。リヴァイアサン…。
【主よ…忘れろとは言わぬ。だが、己自信を責め過ぎるな…。主は良くやった…】
う…うん…。
【悲しい顔をして欲しいわけではないのだ…。ただ柵 に囚われすぎては見えるものも、見えなくなる。その眼 を曇らせはならない…。よいな…?】
うん…。
【よし…一度かの者に力を貸そう…】
すぅっと目を開け。手にしていたガラス玉を覗くと空色に色変わりしており、丸い形から勾玉へと姿を変えていた。
「これを…持って行って…下さい…」
小さな手に差し出された勾玉。
「これを儂にか?」
「はい。お守りです…」
「しかし、貰う訳にもいかぬよ」
「お願いします…持っていてください…」
お願い…。
消え入るようなか細い声。若干震えている手。
鱗滝はそっと息を吐きだすと、珀の手に己の手を重ねる。
「分かった…。拍がそこまで言うのであれば、貰っていこう」
勾玉が鱗滝の手の中に納まる。
「しかし、紐か何かで結んでおかないと…」
「それなら大丈夫です…。あの、かがんで…下さい」
「こう…か?」
「はい…」
*にお辞儀する形をとると、*は鱗滝の持つ勾玉に指を当てる。次の瞬間、指を円を描く様に動かすと細い糸のような物が現れた。
輪がすっぽりと鱗滝の首にかかると再度勾玉に指を付ける。
カチリと乾いた音が聞こえ、首飾りのような形となった。
「これなら…落とさないと…思います…」
「ああ、これで無くさないな」
*の頭をポンポンと叩き
「ありがとう…」
音もなく、鱗滝は家を出た。
*は鱗滝を見送った後、そっと戸を閉め囲炉裏に小枝や薪をくべ、
ファイアと念じると枝に炎が移り、ゆっくりと燃え始める。
ゆらゆらと燃える炎を*はじっと見つめていた。
こうして、キャンプもやっていたね…。
ころりと横になると再び眠気が押し寄せ、眠りの海に身を委 委ねた。
ギィ…ギィ…。
何かが廊下を歩いている。
誰だろうか…。この家には私と義勇しかいないはず…。もしかして…盗人…?
徐々に覚醒していく。ゆっくり身体を起こし打掛を羽織る。
隣で眠る義勇の頭を静かに撫で、少女からもらったお守りを握りしめ、襖 を開け廊下を歩く。
ポタ…ポタ…。
水が落ちる様な音が聞こえ、音がするほうへ歩みを進める。
「こいつは良い…女か…。女の肉は柔らかいから…喰いごたえがあるなぁ」
「ひっ!」
ぎろりと血走った目が娘をとらえる。
震える足に叱咤 し、来た道を急いで戻る。
足がもつれそうになり、転ぶのを何とかこらえ部屋にたどり着く。
「義勇!義勇!起きて、目を覚まして!」
肩を揺さぶり、声をかけ続ける。
「っ…姉…さん…?」
「義勇、逃げるの、早く!」
「えっ…」
「ここにいたのかぁ…。大丈夫だよ…まとめて…喰ってやるからなぁ」
言葉には優しさを含めているが恐怖が押し寄せてくる。じゅるりとよだれを手の甲で拭い、爪を変化させる。
雲間から差し込む月明りが爪の鋭さを助長させ、人ならざる者を月光の元にさらされる。
皮膚から飛び出た角、人とは思えない肌の色。お伽話にでてくる【鬼】そのものだった。
見開かれる瞳にその姿が焼き付いた。
「大丈夫、痛いのは初めだけ…。おいしく食べてあげるからねぇ…」
じりりとにじり寄る。
娘は手近にあった枕を投げるが、鬼によって払われる。
震える身体でギュッと義勇を抱きしめる。
せめて…この子だけでも…。
「ヒャッヒャッヒャァァァ!!!!」
ぎゅうっと義勇を強く抱きしめる。
しかし、来る筈の痛みが無い。
恐る恐る目を開けると、燃え盛る炎が自分と義勇を包み込んでいた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!」
のたうち回る鬼。
【うるせぇな…。ったく、マスターの頼みでなければ、こんなことしねぇ…。おい、怪我ねぇか…】
ゆっくり顔を上げると、灼熱を彷彿 させる髪に逞しい肉体。とがった耳に口元には少し牙が見えた。
「!」
【聞こえてんなら、返事くらいしろ】
「あっ、はい」
【怪我は…ねぇみたいだな…】
「はい、有難う御座います」
【いや。礼は良い。それにここじゃあ面倒だ。移動するぞ】
炎の化身は娘と義勇を抱えると庭に飛び出す。
【マスターの願いだからな。面倒だが、片付けさせてもらうわ…】
【ふむ…こやつを守ればよいのか?しかし、我が守らなくてもかの者は常人よりは強いと…思うがな…】
それでも…お願いしたいの…。
【………】
鱗滝は何とも不思議な感覚に襲われていた。
*から感じられる気配に言葉が出せないでいた。
嫌な感じはしない、むしろ…神々しい感じがあり、珀に対しては目を瞑り念じているかのようにも感じられる。
珀よ…お主は一体…何者なのだ…
【分かった…主。お主がそこまで願うのだ、引き受けよう。それに…】
ついとリヴァイアサンは鱗滝に視線を移す。
【水の相性が良いようだからな…】
ありがとう…。リヴァイアサン…。
【主よ…忘れろとは言わぬ。だが、己自信を責め過ぎるな…。主は良くやった…】
う…うん…。
【悲しい顔をして欲しいわけではないのだ…。ただ
うん…。
【よし…一度かの者に力を貸そう…】
すぅっと目を開け。手にしていたガラス玉を覗くと空色に色変わりしており、丸い形から勾玉へと姿を変えていた。
「これを…持って行って…下さい…」
小さな手に差し出された勾玉。
「これを儂にか?」
「はい。お守りです…」
「しかし、貰う訳にもいかぬよ」
「お願いします…持っていてください…」
お願い…。
消え入るようなか細い声。若干震えている手。
鱗滝はそっと息を吐きだすと、珀の手に己の手を重ねる。
「分かった…。拍がそこまで言うのであれば、貰っていこう」
勾玉が鱗滝の手の中に納まる。
「しかし、紐か何かで結んでおかないと…」
「それなら大丈夫です…。あの、かがんで…下さい」
「こう…か?」
「はい…」
*にお辞儀する形をとると、*は鱗滝の持つ勾玉に指を当てる。次の瞬間、指を円を描く様に動かすと細い糸のような物が現れた。
輪がすっぽりと鱗滝の首にかかると再度勾玉に指を付ける。
カチリと乾いた音が聞こえ、首飾りのような形となった。
「これなら…落とさないと…思います…」
「ああ、これで無くさないな」
*の頭をポンポンと叩き
「ありがとう…」
音もなく、鱗滝は家を出た。
*は鱗滝を見送った後、そっと戸を閉め囲炉裏に小枝や薪をくべ、
ファイアと念じると枝に炎が移り、ゆっくりと燃え始める。
ゆらゆらと燃える炎を*はじっと見つめていた。
こうして、キャンプもやっていたね…。
ころりと横になると再び眠気が押し寄せ、眠りの海に身を
ギィ…ギィ…。
何かが廊下を歩いている。
誰だろうか…。この家には私と義勇しかいないはず…。もしかして…盗人…?
徐々に覚醒していく。ゆっくり身体を起こし打掛を羽織る。
隣で眠る義勇の頭を静かに撫で、少女からもらったお守りを握りしめ、
ポタ…ポタ…。
水が落ちる様な音が聞こえ、音がするほうへ歩みを進める。
「こいつは良い…女か…。女の肉は柔らかいから…喰いごたえがあるなぁ」
「ひっ!」
ぎろりと血走った目が娘をとらえる。
震える足に
足がもつれそうになり、転ぶのを何とかこらえ部屋にたどり着く。
「義勇!義勇!起きて、目を覚まして!」
肩を揺さぶり、声をかけ続ける。
「っ…姉…さん…?」
「義勇、逃げるの、早く!」
「えっ…」
「ここにいたのかぁ…。大丈夫だよ…まとめて…喰ってやるからなぁ」
言葉には優しさを含めているが恐怖が押し寄せてくる。じゅるりとよだれを手の甲で拭い、爪を変化させる。
雲間から差し込む月明りが爪の鋭さを助長させ、人ならざる者を月光の元にさらされる。
皮膚から飛び出た角、人とは思えない肌の色。お伽話にでてくる【鬼】そのものだった。
見開かれる瞳にその姿が焼き付いた。
「大丈夫、痛いのは初めだけ…。おいしく食べてあげるからねぇ…」
じりりとにじり寄る。
娘は手近にあった枕を投げるが、鬼によって払われる。
震える身体でギュッと義勇を抱きしめる。
せめて…この子だけでも…。
「ヒャッヒャッヒャァァァ!!!!」
ぎゅうっと義勇を強く抱きしめる。
しかし、来る筈の痛みが無い。
恐る恐る目を開けると、燃え盛る炎が自分と義勇を包み込んでいた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!」
のたうち回る鬼。
【うるせぇな…。ったく、マスターの頼みでなければ、こんなことしねぇ…。おい、怪我ねぇか…】
ゆっくり顔を上げると、灼熱を
「!」
【聞こえてんなら、返事くらいしろ】
「あっ、はい」
【怪我は…ねぇみたいだな…】
「はい、有難う御座います」
【いや。礼は良い。それにここじゃあ面倒だ。移動するぞ】
炎の化身は娘と義勇を抱えると庭に飛び出す。
【マスターの願いだからな。面倒だが、片付けさせてもらうわ…】