ネリネ
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影癒操はプロヒーローリカバリーガールの孫である。
幼少期は祖母から受け継いだ治癒の個性で沢山の人を助けると言っていた操だが、色々とあり今では立派な引きこもりと化してしまった。
そんな操を見て、周りの大人はせっかく素敵な個性があるのにとよく嘆くが、操からしたら「何故に赤の他人のあなた達が嘆くの?」甚だ疑問だった。嘆くのだったら女手一つでここまで育ててくれた母だ。
操だって、大好きな母に要らぬ心配事や負担をかけたくないし、自身の性格や現状を変えたいと思っている。思ってはいるのだがあと一歩が踏み出せない。
踏み出すだけの勇気が今の操には無いのだ。
─だがそんな彼女に転機が訪れる。
それは祖母のリカバリーガール本名 修善寺治与が家にやってきた日の事だった。
「操。アンタを雄英高校の校長に推薦したからね」
「………はい?」
今何か軽いノリで物凄いことを言われた気がした。部屋を掃除したからね的なノリで言われた。
「ゆ、雄英に推薦したの?何で?」
「アンタだってヒーローになりたいって言ってたじゃないか」
「……言ってましたけど」
子供の時だ。あと時と今では、なりたいものも違うし第一操は、自身がヒーローに向いているとは思えない。
根暗だし、友達いないし、何か色々とヒーローに向いていない。
「おばあちゃん!私マジでヒーローに向いてないから!!レベル上げくらいしか出来ないから!!……って聞けよ!!」
改めて考えると本当に向いてないな。
操は珍しく大声をだして祖母に反論した。いつもの彼女なら考えられないことだ。逆に言えばそれだけヒーローにはなれないと心の底から思ってもいる。だが、当の本人は優雅にお茶を飲んでいた。思わず突っ込んてしまった。
「いい機会じゃないか。自分を変えたいんだろう?」
「そう、だけど」
変えたい。あの日から逃げ続けている自分自身を。
「取り敢えず面接だけでも行ってみな」
修善寺はカバンから一枚の紙を出し、それを操に渡した。
A4サイズの紙には可愛らしい字で、面接会場と日時を書いていた。下の方には何らかの動物の絵もあった。
「は?面接日って明日じゃん!!」
今度こそ操の心は音を立てて壊れた。
明日なんて心の準備が出来てない!!ムリムリムリ!と呪文のようにムリを連呼している孫を横目に、修善寺はどうしたものかと考える。
操は自覚していないようだが、彼女にはヒーローになるだけの力がある。治癒の個性はもちろんのことだが、父から受け継いでいる影の個性がある。その2つを使いこなせる様にならばプロヒーローの自分なんてこの孫は軽く超えるだろう。と修善寺は考える。
だが問題はこの性格だ。
やる前から無理だの、出来ないなどと決めつけてしまう。
「どうしたものかねぇ」
「あら?お母さん来てたのね」
陽気なそれでいて優しい声がして、修善寺は顔を上げた。
「チセ。邪魔してるよ」
「いいのよ〜。それよりも操と何のお話をしていたの?」
影癒チセ。操の母である。
「い、いや!母さんは気にしないで!!」
妙によそよそしくなった操。それもそのはず、母がこの話を知られたら絶対に賛成するに決まっている。操は最悪事態を避けようとしていた。
だがこんなチャンスをプロヒーローが逃す訳もなく。
「チセ。あんたも操にヒーローになってもらいたいだろ?」
目にも止まらぬ速さで操の手から、例の紙をとった修善寺はチセに見せた。
「……まぁまぁ。操!!凄いじゃない!」
目を爛々と輝かせるチセ。あまりの輝きっぷりに操は目を抑えてその場に蹲った。
「め、目がァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!」
さながら某ジブリアニメのキャラクターの様である。そんな彼女なんてはお構い無しにチセは操の手を掴んで鼻息を荒くしていた。
「操!!頑張ってね!母さん応援してるからね」
「…………ウン、ガンバルネ」
はは、と笑う操。だがその目は一切笑っていなかった。むしろ死んでいた。テンションが上がりきっている母は気づいていない。
「……ジーザス」
小さく呟いた言葉を聞いた人物はいない。因みにジーザスとは『おお神よ』と言う意味である。
ただ一人リカバリーガールだけが不敵に笑っていた。
幼少期は祖母から受け継いだ治癒の個性で沢山の人を助けると言っていた操だが、色々とあり今では立派な引きこもりと化してしまった。
そんな操を見て、周りの大人はせっかく素敵な個性があるのにとよく嘆くが、操からしたら「何故に赤の他人のあなた達が嘆くの?」甚だ疑問だった。嘆くのだったら女手一つでここまで育ててくれた母だ。
操だって、大好きな母に要らぬ心配事や負担をかけたくないし、自身の性格や現状を変えたいと思っている。思ってはいるのだがあと一歩が踏み出せない。
踏み出すだけの勇気が今の操には無いのだ。
─だがそんな彼女に転機が訪れる。
それは祖母のリカバリーガール本名 修善寺治与が家にやってきた日の事だった。
「操。アンタを雄英高校の校長に推薦したからね」
「………はい?」
今何か軽いノリで物凄いことを言われた気がした。部屋を掃除したからね的なノリで言われた。
「ゆ、雄英に推薦したの?何で?」
「アンタだってヒーローになりたいって言ってたじゃないか」
「……言ってましたけど」
子供の時だ。あと時と今では、なりたいものも違うし第一操は、自身がヒーローに向いているとは思えない。
根暗だし、友達いないし、何か色々とヒーローに向いていない。
「おばあちゃん!私マジでヒーローに向いてないから!!レベル上げくらいしか出来ないから!!……って聞けよ!!」
改めて考えると本当に向いてないな。
操は珍しく大声をだして祖母に反論した。いつもの彼女なら考えられないことだ。逆に言えばそれだけヒーローにはなれないと心の底から思ってもいる。だが、当の本人は優雅にお茶を飲んでいた。思わず突っ込んてしまった。
「いい機会じゃないか。自分を変えたいんだろう?」
「そう、だけど」
変えたい。あの日から逃げ続けている自分自身を。
「取り敢えず面接だけでも行ってみな」
修善寺はカバンから一枚の紙を出し、それを操に渡した。
A4サイズの紙には可愛らしい字で、面接会場と日時を書いていた。下の方には何らかの動物の絵もあった。
「は?面接日って明日じゃん!!」
今度こそ操の心は音を立てて壊れた。
明日なんて心の準備が出来てない!!ムリムリムリ!と呪文のようにムリを連呼している孫を横目に、修善寺はどうしたものかと考える。
操は自覚していないようだが、彼女にはヒーローになるだけの力がある。治癒の個性はもちろんのことだが、父から受け継いでいる影の個性がある。その2つを使いこなせる様にならばプロヒーローの自分なんてこの孫は軽く超えるだろう。と修善寺は考える。
だが問題はこの性格だ。
やる前から無理だの、出来ないなどと決めつけてしまう。
「どうしたものかねぇ」
「あら?お母さん来てたのね」
陽気なそれでいて優しい声がして、修善寺は顔を上げた。
「チセ。邪魔してるよ」
「いいのよ〜。それよりも操と何のお話をしていたの?」
影癒チセ。操の母である。
「い、いや!母さんは気にしないで!!」
妙によそよそしくなった操。それもそのはず、母がこの話を知られたら絶対に賛成するに決まっている。操は最悪事態を避けようとしていた。
だがこんなチャンスをプロヒーローが逃す訳もなく。
「チセ。あんたも操にヒーローになってもらいたいだろ?」
目にも止まらぬ速さで操の手から、例の紙をとった修善寺はチセに見せた。
「……まぁまぁ。操!!凄いじゃない!」
目を爛々と輝かせるチセ。あまりの輝きっぷりに操は目を抑えてその場に蹲った。
「め、目がァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!」
さながら某ジブリアニメのキャラクターの様である。そんな彼女なんてはお構い無しにチセは操の手を掴んで鼻息を荒くしていた。
「操!!頑張ってね!母さん応援してるからね」
「…………ウン、ガンバルネ」
はは、と笑う操。だがその目は一切笑っていなかった。むしろ死んでいた。テンションが上がりきっている母は気づいていない。
「……ジーザス」
小さく呟いた言葉を聞いた人物はいない。因みにジーザスとは『おお神よ』と言う意味である。
ただ一人リカバリーガールだけが不敵に笑っていた。
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