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青い鳥の終焉





 深夜3時を過ぎた頃……──。

 久しぶりの休暇だから、とたくさん寝たせいか就寝時間になっても睡魔は訪れず、しかたなく暇つぶしにテレビゲームに手を出した。

 眠れない、というのもあるが心の片隅にはずっと彼の姿がある。

────デイダラ……今日も帰って来なかったな……。

 そうは思っても、いい加減睡眠を取らなければ早朝の任務に支障をきたしてしまう。ゲームの電源を落とし、寝支度を整えに寝室へと向かった。

 デイダラが家へ来なくなってどれくらい経つだろう。今までは夜になると時々現れては、明け方まで2人で過ごしていたのに。
 いつか一緒に住もうと語ったり、暁の大きな計画が落ち着けば、2人で旅に出ようと計画を練ってみたり。それなのに最近はぱたり、と姿を見せなくなってしまった。

 ……寂しいな。

 布団に潜り込んだ途端、目頭に熱が集まる。想い人が傍らにいない日々が、こんなにも色褪せて見えるなんて。
 胸が締め付けられる感覚を覚え、声を押し殺して涙を流した。




「……悪ぃな」




 突如、沈黙が支配するこの部屋にあの人の声が聞こえた気がした。慌てて飛び起き、暗闇の中に愛しい人の姿を探すものの、私の瞳に彼を映すことはできない。

────そりゃ…そっか。いないんだもんね……。

 幻聴に過ぎない。
 そう思った瞬間、引き始めていた感情が再び押し寄せる。不安の波に呑まれそうになった、その時……──。




「傍にいてやれなくて、悪ぃな……うん」




 後ろから回された見覚えのある手が、しっかりとわたしを抱き締めた。そしてふわりと懐かしい香りが体を包み込む。




「デっ、デイダラ……!?」

「ごめん……しばらく、このままで……」





 力なく言うとデイダラは首筋に顔をうずめ、だんだんと抱き締める力を強めていった。
 デイダラが今まで姿を見せなかった訳がひしひしと肌を通じて伝わってくるような気がする。つらく、苦しい……きっと、計り知れない重荷を背負っているのかもしれない。
 その重荷を少しでも軽くできるように、自分がその人の癒しでいられるように……そっとデイダラの手に自らの手を重ねて寄り添った────。




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