BEANS
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
世界が、白く染まった。
全身が光に包まれ、視界が消える。音も、空気も、すべてが遠のいていく。
そして――
引き込まれるように、落下した。
「――えっ!?」
何が起きたのか、分からない。ただ、身体が吸い込まれていくような感覚。重力が消え、浮遊するような瞬間。
それは、ほんの一瞬の出来事だった。
――次の瞬間。
衝撃とともに、冷たさが全身を貫いた。
「っ……!!?」
息を吸う間もなく、身体が沈んでいく。
これは、水……?
思考が追いつくよりも早く、視界がぼやける。
光が、波に揺れるようにゆらめいていて、どこが上で、どこが下か分からない。
水の冷たさが、容赦なく肌にまとわりつき、耳がキーンと痛む。
もがいても、手に触れるものは何もない。
息が……できない――。
その瞬間――
すぐそばで、水を切る音がした。
――どぼんっ!!
強い水流が生まれ、何かが勢いよく迫ってくる。
けれど、それが何かを理解するよりも早く腕が、しっかりと身体を包んだ。
「……っ!」
しっかりとした腕が支え、迷いのない動きで水の中を進んでいく。冷たさに震える身体とは対照的に、その腕は驚くほど温かかった。
ゆるやかに動く水の中で、彼はしっかりと支えたまま岸へと進んでいた。水の抵抗をものともせず、迷いのない動き。
腕の位置。支えられた身体。
ふと、ようやく気づく。
俗に言う、お姫様抱っこと呼ばれるものだった。
心臓が跳ねそうなのを必死にこらえる。
けれど、足がつくまでは何も出来なくて、このまま誘導されるしかなかった。
「……じっとしてろって言ったろ」
彼は、メイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェの動揺を悟ったのか、微かに口角を上げながらもしっかりと腕を回してくる。
迷いのない動きが、ただ、当然のように支えている。
その余裕のある仕草が、ドギマギとくすぐったかった。
しばらくして、彼の足が地面を捉える。
「――よし」
軽く息をつき、そのまま、軽々と水の中からメイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェの身体を持ち上げ、岸へと歩き出す。
やがて、水の感触が消え、冷たい風が肌を撫でた。水に濡れた衣服がまとわりつき、微かに震える。
陸にあがり、ホッとしたのも束の間――。
「っと、ほら」
彼はそのままの流れで、すっとメイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェを岸へ降ろす。
足が地についた瞬間、思わず身体が強張る。
「……大丈夫か?」
翡翠色の髪の青年が、じっとこちらを見下ろしていた。濡れた前髪の隙間からのぞく瞳が、じんわりとした光を帯びている。
水に濡れたせいか、髪の色も深く見える。まるで森の奥深くにある湖のように、吸い込まれそうな色だった。
「ありがとうございます」
「アンタ、どこから来たんだ?」
今度はそれを理解できなくて、思考が停止している。
何か言葉を返そうとした瞬間――
「おい、あんまり質問攻めにするなよ。怯えてるぞ」
低く、落ち着いた声が割り込んだ。
ハッとして視線を向けると、いつの間にか紅い髪の人物が近くに立っていた。
「それより、二人ともびしょ濡れだし、風邪引くぞ」
呆れたように言われると、翡翠色の青年は「そうだよな」と短く同意する。
次の瞬間。彼が軽く手をかざすと、ふわりと温かな風が吹き抜けた。
メイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェの衣服も、彼の衣服も、一瞬にしてカラカラに乾いていく。
思わず目を瞬かせ混乱していると、二人は顔を見合わせた。
「アンタ、記憶がないのか?」
翡翠色の髪の青年が、探るような視線を向ける。
「いや、記憶はあります。何かがおかしい気がして……」
メイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェは、必死に自分の身に起きたことを整理してみる。
違和感を感じ、おばあちゃんの家に行き、呼ばれた気がして森に行ったら、大きな樹木が現れて、そこに触れたら――
眩しい光に包まれて、水の中に落下して、彼らに助けられ、服が一瞬で乾いて……理解が追いつかなかった。
「やはり、今の衝撃で記憶が曖昧なのか?」
落ち着いた様子の赤い髪の人物が、眉をひそめる。
メイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェ自身も、本当に何が起きたのか分からず、動揺していた。
夢なのかもしれない。
そう考えた彼女は、何かこうなった事へのヒントはないのかと考える中、ふと腰の重みに気づいた。
手を伸ばすと、そこにあったのは――
「(……水筒?)」
彼女の指先が、冷たい金属に触れる。間違いなく、祖母の家から持ち出したものだった。
彼女の視界が、ゆっくりと揺れ、思考が停止する――
全身が光に包まれ、視界が消える。音も、空気も、すべてが遠のいていく。
そして――
引き込まれるように、落下した。
「――えっ!?」
何が起きたのか、分からない。ただ、身体が吸い込まれていくような感覚。重力が消え、浮遊するような瞬間。
それは、ほんの一瞬の出来事だった。
――次の瞬間。
衝撃とともに、冷たさが全身を貫いた。
「っ……!!?」
息を吸う間もなく、身体が沈んでいく。
これは、水……?
思考が追いつくよりも早く、視界がぼやける。
光が、波に揺れるようにゆらめいていて、どこが上で、どこが下か分からない。
水の冷たさが、容赦なく肌にまとわりつき、耳がキーンと痛む。
もがいても、手に触れるものは何もない。
息が……できない――。
その瞬間――
すぐそばで、水を切る音がした。
――どぼんっ!!
強い水流が生まれ、何かが勢いよく迫ってくる。
けれど、それが何かを理解するよりも早く腕が、しっかりと身体を包んだ。
「……っ!」
しっかりとした腕が支え、迷いのない動きで水の中を進んでいく。冷たさに震える身体とは対照的に、その腕は驚くほど温かかった。
ゆるやかに動く水の中で、彼はしっかりと支えたまま岸へと進んでいた。水の抵抗をものともせず、迷いのない動き。
腕の位置。支えられた身体。
ふと、ようやく気づく。
俗に言う、お姫様抱っこと呼ばれるものだった。
心臓が跳ねそうなのを必死にこらえる。
けれど、足がつくまでは何も出来なくて、このまま誘導されるしかなかった。
「……じっとしてろって言ったろ」
彼は、メイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェの動揺を悟ったのか、微かに口角を上げながらもしっかりと腕を回してくる。
迷いのない動きが、ただ、当然のように支えている。
その余裕のある仕草が、ドギマギとくすぐったかった。
しばらくして、彼の足が地面を捉える。
「――よし」
軽く息をつき、そのまま、軽々と水の中からメイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェの身体を持ち上げ、岸へと歩き出す。
やがて、水の感触が消え、冷たい風が肌を撫でた。水に濡れた衣服がまとわりつき、微かに震える。
陸にあがり、ホッとしたのも束の間――。
「っと、ほら」
彼はそのままの流れで、すっとメイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェを岸へ降ろす。
足が地についた瞬間、思わず身体が強張る。
「……大丈夫か?」
翡翠色の髪の青年が、じっとこちらを見下ろしていた。濡れた前髪の隙間からのぞく瞳が、じんわりとした光を帯びている。
水に濡れたせいか、髪の色も深く見える。まるで森の奥深くにある湖のように、吸い込まれそうな色だった。
「ありがとうございます」
「アンタ、どこから来たんだ?」
今度はそれを理解できなくて、思考が停止している。
何か言葉を返そうとした瞬間――
「おい、あんまり質問攻めにするなよ。怯えてるぞ」
低く、落ち着いた声が割り込んだ。
ハッとして視線を向けると、いつの間にか紅い髪の人物が近くに立っていた。
「それより、二人ともびしょ濡れだし、風邪引くぞ」
呆れたように言われると、翡翠色の青年は「そうだよな」と短く同意する。
次の瞬間。彼が軽く手をかざすと、ふわりと温かな風が吹き抜けた。
メイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェの衣服も、彼の衣服も、一瞬にしてカラカラに乾いていく。
思わず目を瞬かせ混乱していると、二人は顔を見合わせた。
「アンタ、記憶がないのか?」
翡翠色の髪の青年が、探るような視線を向ける。
「いや、記憶はあります。何かがおかしい気がして……」
メイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェは、必死に自分の身に起きたことを整理してみる。
違和感を感じ、おばあちゃんの家に行き、呼ばれた気がして森に行ったら、大きな樹木が現れて、そこに触れたら――
眩しい光に包まれて、水の中に落下して、彼らに助けられ、服が一瞬で乾いて……理解が追いつかなかった。
「やはり、今の衝撃で記憶が曖昧なのか?」
落ち着いた様子の赤い髪の人物が、眉をひそめる。
メイルシェ・ジュリディアーヌ・ルーシェ自身も、本当に何が起きたのか分からず、動揺していた。
夢なのかもしれない。
そう考えた彼女は、何かこうなった事へのヒントはないのかと考える中、ふと腰の重みに気づいた。
手を伸ばすと、そこにあったのは――
「(……水筒?)」
彼女の指先が、冷たい金属に触れる。間違いなく、祖母の家から持ち出したものだった。
彼女の視界が、ゆっくりと揺れ、思考が停止する――
