-
きっと、鷹野にとっても、性別云々に関してはそれほど問題じゃない。
-
踏み止まるのは、『生徒』である俺の立場と、男である俺の心を考えてのこと。
-
だからずっと彷徨ってたんだな、想いを押し殺して、今まで。
-
俺も同じだったから、すごく分かるよ。
-
瀬名 眞白
…鷹野。

-
だから、せめて少しでも、そこから抜け出そうぜ…一緒に。
-
瀬名 眞白
これからは、できるだけ無茶しねーようにするし、

-
瀬名 眞白
なんかあったら俺、一番に鷹野を頼るから。

-
鷹野 光星瀬名…、
-
瀬名 眞白
鷹野は俺の『副担』だから、大いに頼らせてもらう。

-
瀬名 眞白
担任よりも他の先生よりもずっと、『副担』の鷹野に甘えさせてもらう。

-
瀬名 眞白
つまりは…俺が独占したいんだよ、『副担』の鷹野のこと。

-
これでもかというくらい、『副担』という形容詞を隠れ蓑にして鷹野への想いを声にしていく。
-
恋しさと緊張が入り乱れて心が不器用に震えて、気を抜けば声も途切れてしまいそうになる。
-
でも、言葉を紡ぐことを止めない。
-
今言わなければ…そう強く思ったから。
-
瀬名 眞白
…で、もしも『副担』の鷹野に万が一なんかあったら…、

-
瀬名 眞白
俺、全力で鷹野のこと守るから。

-
鷹野 光星―――…
-
瀬名 眞白
大袈裟なんて言うなよ?マジだから。

-
鷹野 光星…瀬名、まさか…、
-
瀬名 眞白
…ん?

-
鷹野 光星もしかして…
-
瀬名 眞白
その「もしかして」の中身は大正解。

-
鷹野 光星まさか…、ほんとに…?
-
瀬名 眞白
…ほんと。

-
鷹野 光星―――
-
みるみるうちに嬉しそうに目元を緩めた鷹野の相貌は、お互いの『好き』が通じ合ったことを明らかに表していた。
-
瀬名 眞白
俺はまだガキだけど、大切にしたいって思うよ。

-
瀬名 眞白
誰よりも、クラスの『副担』のこと。

-
俺にとっての『副担』なのだから、俺が鷹野のことを他よりも特別扱いしたところでなにもおかしいことはない。
-
お互いの立場ってものが足枷になるなら、卒業するまでこれで切り抜けてやる。
-
『好き』を真正面から伝えるのは、しばらくお預けだ。
-
瀬名 眞白
…平気そうに見える?

-
鷹野 光星えっ、
-
瀬名 眞白
心臓バクバクしたわ、マジで…。

-
小さく息を吐き出して苦笑いする。
-
我ながら『世紀の大告白』だと豪語できるほど、ほんとはものすごく緊張して、実は額や背中も汗びっしょりで。
-
瀬名 眞白
でも俺、マジで鷹野しか見てねーから。

-
鷹野 光星……瀬名…、本当にありがとう、
-
鷹野 光星またおまえの優しさや強さに、俺は救われた。
-
そう静かに告げて感慨深げに笑みを深めた鷹野は、一息の間の後、
-
ブレることのない凛々しい眼差しで俺を見つめた。
-
NEXT
タップで続きを読む