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――ピコン。
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瀬名 眞白
…、

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再び鳴る通知音に、スマホの画面をタップする。
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武藤 勝生【ちょっと、原作本を借りに行きたいんだよね。】
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瀬名 眞白
【「原作本」?】

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武藤 勝生【うん。ラッキーなことに、借りられることになってさ。】
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瀬名 眞白
【ふーん?】

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武藤 勝生【眞白もバイトばっかりしてないで、たまには気分転換しようよ。】
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瀬名 眞白
【図書館とか行く感じ?】

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武藤 勝生【ううん。違う。】
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瀬名 眞白
【原作本借りるんだろ?】

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瀬名 眞白
【どこよ?図書館じゃねーの?】

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武藤 勝生【鷹野先生の家。】
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瀬名 眞白
っ、え――?!

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追加で飲んだ水を吹き出しそうになるのをかろうじて堪えて、一気に喉奥に流し込む。
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瀬名 眞白
(え、なんだよ…鷹野の家って、いきなりなんで?!)

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瀬名 眞白
(どういう話の流れでそうなった?!)

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スマホ画面の向こう側で混乱している俺の姿なんて、勝生は気づきもしないだろう。
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武藤 勝生【眞白が都合つかないようなら、】
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武藤 勝生【僕一人で行くからいいんだけどさ。】
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瀬名 眞白
【行く】

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今までにない速さでメッセージを返す。
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瀬名 眞白
……

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けど、さすがにあまりにも不自然な気がしたから、
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瀬名 眞白
【気分転換も必要だしな】

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瀬名 眞白
【休みの日に寝てばっかなのも、あれだし】

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瀬名 眞白
【やっぱほら、夏休みだし】

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誤魔化すように慌てて追送。
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瀬名 眞白
……、

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瀬名 眞白
(いや待て、余計に不自然になったか?)

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武藤 勝生【お。行くか!】
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武藤 勝生【じゃ、決まりな!】
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どうやら俺の焦りに気付かないままの勝生は即レス。
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嬉しそうな様子が、文末の「!」から伝わった。
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瀬名 眞白
…はあー…マジか…。

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瀬名 眞白
いやもう、俺が嬉しいって…。

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その後、数回やり取りをしてから、スマホをリュックのサイドポケットに入れて一息つく。
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瀬名 眞白
やべー…鷹野の家とか…、

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テンション爆上がりだろうが!
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瀬名 眞白
っしゃ、残りの時間も頑張るか。

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今からもうワクワクしまくっている。
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休憩時間が終わるまでにまだあと20分も残っているのに、足取り軽く店内に戻った俺は、商品整理のタスクをこなし始めた。
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