女性審神者の名前です。
菜の花「この本丸で俺たちと話すのって違和感ないの?」
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~審神者side~
「裕、いっぱい食べるねぇ」
「今日はお寿司いっぱい食べられるよって言ったらおやつ食わなかったんだよ」
「そりゃ食べるわけだ」
そう話す傍で石切丸が裕にたまごを食べさせている。
…やっぱり様になってる。
その隣では博多が裕の口元を拭いていて、まるで年の離れた弟の面倒を見ているようだった。更にその近くでは乱と小夜がどれが1番好きか話していた。これが本丸だったらどうなっているんだろうと思うと、少し本丸も恋しくなってきた。
「薙ちゃん、こっちにまだサーモンがあるよ。食べる?」
「食べます」
小夜の口に細巻きを運んだ薙が皿を持ってこちらにやって来る。全ては思い出せなくても、前の主様のことが少しだけ分かって心が軽くなったのもあるんだろう。すっきりとした様子で燭台切から向こうのテーブルで食べそうな蒸し海老なども何貫か分けてもらってみんなで分け合いっこを始める。
「薙もちゃんと食べるんだよ~」
「はーい」
…うん、これが薙なんだ。
前の主様が活発そうだと話していたし、それを受け継いで本来は明るい性格。陸奥守を張り倒していたといい、手合わせで和泉守や堀川から習っている実戦剣術が性に合ってると話していたことといい、前の主様とそっくりなのかもしれない。面倒見の良さも恐らくそう。息女か妹君がいたならばそれも納得出来る。
「もうお腹いっぱ~い」
「もう食えんばい…」
「たくさん食べたね」
母さんと一緒に空いた桶を下げて洗い物に取り掛かった一方で、父さんと兄さんはみんなとあれこれ話している。父さんは日本史が好きで学生時代は成績が学年でかなり上だった。特に戦国時代が好きなので、いつの間にか持って来た歴史書を見せながら燭台切からあれこれ話を聞いている。母さんが細川家のことを覚えたのも父さんの影響だろう。
蜻蛉切さんとか来てたらもっとテンション上がってただろうなぁ。
刀剣は歴史上の人物を間近で見てきた存在。ここでしか聞けない話もあったのか、学生時代に戻ったかのような姿にくすりと笑ってしまうのは毎回のこと。
「しょっきー、あげる」
「ありがとう」
ふたりの話の盛り上がりように裕と燭台切の距離も縮まったようだ。小夜が買ってくれたチョコを彼に渡して一緒に食べている。
乱のことも“みだちゃん”と呼んだり何だかんだ楽しそうだ。石切丸を“いしきりまりゅ”と呼んでいるのも可愛い。
うちの甥っ子、最強。
自慢の甥っ子の将来が楽しみだ。
そう思っていたら、裕の中に何かが過った。
…え?
「母さんごめん、ちょっと離れる」
急いで手を拭いて裕のところに行き、何かと私を見た裕の目からは私と同じものを感じた。
「主様、どうされましたか?」
突然真剣な顔つきに変わった私に薙が声を掛ける。どこか怪我をしているのかと心配しているけれど、そうではない。
「遥?」
トイレから戻った兄さんがその様子に何事かと寄って来た。
「裕、ちょっと目を閉じてくれる?」
「こう?」
「ちょっとそのままでいてね」と裕の頭に手を置く。
…間違いない。
「兄さん、この子、審神者の素質があるよ」
みんなから驚きの声が上がった。
審神者の素質がある者はそういない。それ故に現世では審神者の立場は高いのだ。遺伝ではないと歴防の研究で分かってはいたけれど…。
「おねーちゃ、もういい?ねむくなってきちゃった」
「あぁごめん、開けてもいいよ」
そんな裕の目はとろんとしている。お腹いっぱい食べたし、本当に眠いようだ。
「そうか…」
「裕はまだ審神者が何なのか良く分かっていないから、話すタイミングは兄さんたちに任せる。必要だったら私からも教えるよ」
「分かった、明美が帰って来たら伝えるよ」
「うん」と頷いて目を擦る裕を抱きしめた。
裕は将来、どんな道を選ぶんだろう。
人から後ろ指を指されることさえしなければ、どんな道でもいい。叔母として、必要ならば審神者として、出来ることは何でもやろうと誓った瞬間だった。
「裕、いっぱい食べるねぇ」
「今日はお寿司いっぱい食べられるよって言ったらおやつ食わなかったんだよ」
「そりゃ食べるわけだ」
そう話す傍で石切丸が裕にたまごを食べさせている。
…やっぱり様になってる。
その隣では博多が裕の口元を拭いていて、まるで年の離れた弟の面倒を見ているようだった。更にその近くでは乱と小夜がどれが1番好きか話していた。これが本丸だったらどうなっているんだろうと思うと、少し本丸も恋しくなってきた。
「薙ちゃん、こっちにまだサーモンがあるよ。食べる?」
「食べます」
小夜の口に細巻きを運んだ薙が皿を持ってこちらにやって来る。全ては思い出せなくても、前の主様のことが少しだけ分かって心が軽くなったのもあるんだろう。すっきりとした様子で燭台切から向こうのテーブルで食べそうな蒸し海老なども何貫か分けてもらってみんなで分け合いっこを始める。
「薙もちゃんと食べるんだよ~」
「はーい」
…うん、これが薙なんだ。
前の主様が活発そうだと話していたし、それを受け継いで本来は明るい性格。陸奥守を張り倒していたといい、手合わせで和泉守や堀川から習っている実戦剣術が性に合ってると話していたことといい、前の主様とそっくりなのかもしれない。面倒見の良さも恐らくそう。息女か妹君がいたならばそれも納得出来る。
「もうお腹いっぱ~い」
「もう食えんばい…」
「たくさん食べたね」
母さんと一緒に空いた桶を下げて洗い物に取り掛かった一方で、父さんと兄さんはみんなとあれこれ話している。父さんは日本史が好きで学生時代は成績が学年でかなり上だった。特に戦国時代が好きなので、いつの間にか持って来た歴史書を見せながら燭台切からあれこれ話を聞いている。母さんが細川家のことを覚えたのも父さんの影響だろう。
蜻蛉切さんとか来てたらもっとテンション上がってただろうなぁ。
刀剣は歴史上の人物を間近で見てきた存在。ここでしか聞けない話もあったのか、学生時代に戻ったかのような姿にくすりと笑ってしまうのは毎回のこと。
「しょっきー、あげる」
「ありがとう」
ふたりの話の盛り上がりように裕と燭台切の距離も縮まったようだ。小夜が買ってくれたチョコを彼に渡して一緒に食べている。
乱のことも“みだちゃん”と呼んだり何だかんだ楽しそうだ。石切丸を“いしきりまりゅ”と呼んでいるのも可愛い。
うちの甥っ子、最強。
自慢の甥っ子の将来が楽しみだ。
そう思っていたら、裕の中に何かが過った。
…え?
「母さんごめん、ちょっと離れる」
急いで手を拭いて裕のところに行き、何かと私を見た裕の目からは私と同じものを感じた。
「主様、どうされましたか?」
突然真剣な顔つきに変わった私に薙が声を掛ける。どこか怪我をしているのかと心配しているけれど、そうではない。
「遥?」
トイレから戻った兄さんがその様子に何事かと寄って来た。
「裕、ちょっと目を閉じてくれる?」
「こう?」
「ちょっとそのままでいてね」と裕の頭に手を置く。
…間違いない。
「兄さん、この子、審神者の素質があるよ」
みんなから驚きの声が上がった。
審神者の素質がある者はそういない。それ故に現世では審神者の立場は高いのだ。遺伝ではないと歴防の研究で分かってはいたけれど…。
「おねーちゃ、もういい?ねむくなってきちゃった」
「あぁごめん、開けてもいいよ」
そんな裕の目はとろんとしている。お腹いっぱい食べたし、本当に眠いようだ。
「そうか…」
「裕はまだ審神者が何なのか良く分かっていないから、話すタイミングは兄さんたちに任せる。必要だったら私からも教えるよ」
「分かった、明美が帰って来たら伝えるよ」
「うん」と頷いて目を擦る裕を抱きしめた。
裕は将来、どんな道を選ぶんだろう。
人から後ろ指を指されることさえしなければ、どんな道でもいい。叔母として、必要ならば審神者として、出来ることは何でもやろうと誓った瞬間だった。
