女性審神者の名前です。
梅「審神者として出来ることは全てやらなきゃ」
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~長谷部side~
「博多ーーーーー!!」
主が乾燥機付き洗濯機をご所望と聞いて向かったのは粟田口の部屋。俺のその勢いに、双六で遊ぶ一期一振と短刀たちがギョッと俺を見ている。
「博多は何処にいるか分かるか?!」
「博多でしたら、庭掃除当番ですが」
「そうだった…」
毎日内番を確認し、朝礼で皆に伝えているというのに失念していた。俺としたことが。
「そのように慌てられるとは珍しいですな。ですが私も博多がどの辺りを掃除しているのかは分からんのです。必要ならば私も探しましょう」
「頼めるか。いつもの部屋に来るよう伝えてくれ」
「承知しました。…みんなは遊んでいて構わないからね」
「はーい」と元気良く返事をする短刀たちの部屋を後にし、今度は帳簿を管理している部屋へと向かう。そこには先週の食費を計算している燭台切光忠の姿があった。チラリと見えた数字で固まる。
どう考えても赤字だ…!
正月の新年会が大きく響いている。しかも主は乾燥機付き洗濯機の他にあの者の為に色々と揃える気満々だ。それもいくらかかるのか分からない。
大きなため息と共に座布団に座り、雑費の帳簿を開く。俺の言いたいことが分かったのだろう。燭台切が苦笑いでこちらを見た。
「いやぁ、僕たちも節約してるんだけどね…」
「気にしないでくれ。燭台切と歌仙の努力は充分知っているからな…」
「って言っても、やっぱり今月の食費が少し心許なくてね。どうするべきか悩んでいるところなんだ」
兵糧、もとい食料が少ないとはあってはならないこと。この本丸は人数が多い分、いかに自給自足で過ごせるかが鍵になってくる。これを機に栽培する作物を調べた上で種類と数を増やすことを主に進言した方がいいだろう。
致し方ない、合わせて主には乾燥機付き洗濯機は来月にしようと説得するしかない。何をどう言われようが構わない。汚れ役は主お世話係の俺の仕事でもある。…もっとも、主は汚れるようなことを言うお方ではないが。
「それと、陸奥守くんが修行の旅に出ているし、戻って来たらお祝いしたいよね。新しく顕現した人の歓迎会も開きたいし。ただ、今月と被ったら流石にキツイかな」
「…!!」
何故よりによってこういう時に出費がかさむことばかり起こるのか。間が悪すぎる。
「だが、その陸奥守がいつ戻って来るのかは分からんぞ?」
「鶴さん」
「冬といえばコタツにみかん、お茶だろう」とお盆に乗せたそれを運んで来てくれた。気持ちはありがたいがこの部屋にコタツはない。
「言われてみれば長いね。旅に出て2週間は経ったかな?」
「年末年始はしっかりと本丸で楽しんでから修行に出た奴のことだ、色んな時代を渡り歩いているんだろう」
「違いないな」
とにかく、この本丸始まって以来の最大の金銭的危機になりかねない…いや、なりつつある今回は博多に頼むしかない。そういう意味では前の主の影響を大きく受けている博多がこの本丸に顕現していて良かったと思う。こうなることが読めれば早めに大阪城への遠征申請を出すよう進言するべきだった。仮に今出したとしても、早くて春…3月辺りだろう。
「長谷部、大変そうたいね」
「博多、おまえを待っていた…!」
「俺ば呼とやんってことは、なんか必要なものば買うと?それか食費が厳しかと?」
「両方だ。そして主は乾燥機付き洗濯機を5台ご所望だ」
「主は随分と急に大きな買い物をしようと考えたな。驚きだぜ」
「で、いくら必要になると?」
無言で机に数字を指でなぞる。普段は冷静さを欠かない燭台切も若干引くような金額だ。
隣に座った博多が算盤を取り出す。
「長谷部、その金額に工事費用も入ってると?」
「!!!」
気を失いそうになった。これも失念していた。
「…となると、これぐらいは必要になるたい。流石ん俺でも今月は一度にここまで投資ば成功しゃしぇるとは難しかばい」
「主は室内干しの部屋に全部置くつもりなのかい?」
そこも確認するのを失念していた。今日の俺は失念も何回すれば良いのだろうか。
「恐らく1台は主の部屋の1階に置くはずだ。致し方ない、博多、まずはその分を増やせるか?」
「えーと、それやとこん金額になるけんね。これやったらすぐに増やしぇるし、今月ん食費も問題なかばい」
「すまない博多、それで頼む」
「僕からも頼むよ」
「任せときんしゃい!」
意気揚々と部屋に戻る博多の後ろ姿が何とも頼もしいことか。博多に頼ってばかりなのは情けないが、背に腹は代えられない。主お世話係の身として、この本丸全体を管理するのは俺の仕事だ。
燭台切も厨に戻り、1人業務に取り掛かった。時々主も出費を把握する為に一緒にやってくれるものの、今はあの者に付きっきりなのでそれは出来ない。…が今回は何故か鶴丸国永がまだここにいる。ここに留まっているのならば何かしら手伝って欲しいところだ。無理に追い払って他の者たちに悪戯をしそうなのでそれはそれで困るので、ひとまず黙々とこなすことにする。
「なぁ長谷部。乾燥機付き洗濯機ってのは、新しく顕現した奴の為か?」
「それもある」と頭を抱えて返した。俺は今日、何度頭を抱えれば済むのだろうか。
「なるほどねぇ」
「この時期や梅雨は洗濯物が乾きにくいと主がお困りなのだ。それで俺たちの分も配慮しての購入だ」
「ふぅん」
適当な中に、意味があり気な返答に眉を寄せる。
俺はもちろん、加州も堀川も石切丸もあの者が女だと匂わせるような発言はしていないはずだ。
「それって、俺も入れる大きさか?」
「…は?」
「俺が入れるなら皆を驚かせることも出来るだろう?格好の隠れ場所じゃないか」
拍子抜けした。何を言っているんだこいつは。
「…よし、もし中から白い着物が見えた時は即電源を押してやろう。折れても知らんぞ」
実は俺の中に緊張が走っていた。勘ぐられているのではないか、と。鶴丸にはそういった節を度々見受けるが、どうやら考えすぎだったらしい。
「冗談さ、真に受けるな。先に言ったら驚きじゃなくなるだろう?…ま、長谷部に差し入れも出来たことだし、俺は馬の様子でも見に行くとするか」
「程々にな~」と部屋を出て行く彼の後ろ姿を見て思い出す。
「…お前は今日馬当番だろうが!!」
「気付くのが遅すぎだろう。これはこれで驚きだぜっ!」
ドタドタと廊下を走る鶴丸に頭を抱えた。こんな悪戯(?)をするならば、同じ当番の鯰尾に馬糞を投げられてしまえばいい。
そして誰かに聞きたい。本当に俺は何回頭を抱えれば済むんだ?
「博多ーーーーー!!」
主が乾燥機付き洗濯機をご所望と聞いて向かったのは粟田口の部屋。俺のその勢いに、双六で遊ぶ一期一振と短刀たちがギョッと俺を見ている。
「博多は何処にいるか分かるか?!」
「博多でしたら、庭掃除当番ですが」
「そうだった…」
毎日内番を確認し、朝礼で皆に伝えているというのに失念していた。俺としたことが。
「そのように慌てられるとは珍しいですな。ですが私も博多がどの辺りを掃除しているのかは分からんのです。必要ならば私も探しましょう」
「頼めるか。いつもの部屋に来るよう伝えてくれ」
「承知しました。…みんなは遊んでいて構わないからね」
「はーい」と元気良く返事をする短刀たちの部屋を後にし、今度は帳簿を管理している部屋へと向かう。そこには先週の食費を計算している燭台切光忠の姿があった。チラリと見えた数字で固まる。
どう考えても赤字だ…!
正月の新年会が大きく響いている。しかも主は乾燥機付き洗濯機の他にあの者の為に色々と揃える気満々だ。それもいくらかかるのか分からない。
大きなため息と共に座布団に座り、雑費の帳簿を開く。俺の言いたいことが分かったのだろう。燭台切が苦笑いでこちらを見た。
「いやぁ、僕たちも節約してるんだけどね…」
「気にしないでくれ。燭台切と歌仙の努力は充分知っているからな…」
「って言っても、やっぱり今月の食費が少し心許なくてね。どうするべきか悩んでいるところなんだ」
兵糧、もとい食料が少ないとはあってはならないこと。この本丸は人数が多い分、いかに自給自足で過ごせるかが鍵になってくる。これを機に栽培する作物を調べた上で種類と数を増やすことを主に進言した方がいいだろう。
致し方ない、合わせて主には乾燥機付き洗濯機は来月にしようと説得するしかない。何をどう言われようが構わない。汚れ役は主お世話係の俺の仕事でもある。…もっとも、主は汚れるようなことを言うお方ではないが。
「それと、陸奥守くんが修行の旅に出ているし、戻って来たらお祝いしたいよね。新しく顕現した人の歓迎会も開きたいし。ただ、今月と被ったら流石にキツイかな」
「…!!」
何故よりによってこういう時に出費がかさむことばかり起こるのか。間が悪すぎる。
「だが、その陸奥守がいつ戻って来るのかは分からんぞ?」
「鶴さん」
「冬といえばコタツにみかん、お茶だろう」とお盆に乗せたそれを運んで来てくれた。気持ちはありがたいがこの部屋にコタツはない。
「言われてみれば長いね。旅に出て2週間は経ったかな?」
「年末年始はしっかりと本丸で楽しんでから修行に出た奴のことだ、色んな時代を渡り歩いているんだろう」
「違いないな」
とにかく、この本丸始まって以来の最大の金銭的危機になりかねない…いや、なりつつある今回は博多に頼むしかない。そういう意味では前の主の影響を大きく受けている博多がこの本丸に顕現していて良かったと思う。こうなることが読めれば早めに大阪城への遠征申請を出すよう進言するべきだった。仮に今出したとしても、早くて春…3月辺りだろう。
「長谷部、大変そうたいね」
「博多、おまえを待っていた…!」
「俺ば呼とやんってことは、なんか必要なものば買うと?それか食費が厳しかと?」
「両方だ。そして主は乾燥機付き洗濯機を5台ご所望だ」
「主は随分と急に大きな買い物をしようと考えたな。驚きだぜ」
「で、いくら必要になると?」
無言で机に数字を指でなぞる。普段は冷静さを欠かない燭台切も若干引くような金額だ。
隣に座った博多が算盤を取り出す。
「長谷部、その金額に工事費用も入ってると?」
「!!!」
気を失いそうになった。これも失念していた。
「…となると、これぐらいは必要になるたい。流石ん俺でも今月は一度にここまで投資ば成功しゃしぇるとは難しかばい」
「主は室内干しの部屋に全部置くつもりなのかい?」
そこも確認するのを失念していた。今日の俺は失念も何回すれば良いのだろうか。
「恐らく1台は主の部屋の1階に置くはずだ。致し方ない、博多、まずはその分を増やせるか?」
「えーと、それやとこん金額になるけんね。これやったらすぐに増やしぇるし、今月ん食費も問題なかばい」
「すまない博多、それで頼む」
「僕からも頼むよ」
「任せときんしゃい!」
意気揚々と部屋に戻る博多の後ろ姿が何とも頼もしいことか。博多に頼ってばかりなのは情けないが、背に腹は代えられない。主お世話係の身として、この本丸全体を管理するのは俺の仕事だ。
燭台切も厨に戻り、1人業務に取り掛かった。時々主も出費を把握する為に一緒にやってくれるものの、今はあの者に付きっきりなのでそれは出来ない。…が今回は何故か鶴丸国永がまだここにいる。ここに留まっているのならば何かしら手伝って欲しいところだ。無理に追い払って他の者たちに悪戯をしそうなのでそれはそれで困るので、ひとまず黙々とこなすことにする。
「なぁ長谷部。乾燥機付き洗濯機ってのは、新しく顕現した奴の為か?」
「それもある」と頭を抱えて返した。俺は今日、何度頭を抱えれば済むのだろうか。
「なるほどねぇ」
「この時期や梅雨は洗濯物が乾きにくいと主がお困りなのだ。それで俺たちの分も配慮しての購入だ」
「ふぅん」
適当な中に、意味があり気な返答に眉を寄せる。
俺はもちろん、加州も堀川も石切丸もあの者が女だと匂わせるような発言はしていないはずだ。
「それって、俺も入れる大きさか?」
「…は?」
「俺が入れるなら皆を驚かせることも出来るだろう?格好の隠れ場所じゃないか」
拍子抜けした。何を言っているんだこいつは。
「…よし、もし中から白い着物が見えた時は即電源を押してやろう。折れても知らんぞ」
実は俺の中に緊張が走っていた。勘ぐられているのではないか、と。鶴丸にはそういった節を度々見受けるが、どうやら考えすぎだったらしい。
「冗談さ、真に受けるな。先に言ったら驚きじゃなくなるだろう?…ま、長谷部に差し入れも出来たことだし、俺は馬の様子でも見に行くとするか」
「程々にな~」と部屋を出て行く彼の後ろ姿を見て思い出す。
「…お前は今日馬当番だろうが!!」
「気付くのが遅すぎだろう。これはこれで驚きだぜっ!」
ドタドタと廊下を走る鶴丸に頭を抱えた。こんな悪戯(?)をするならば、同じ当番の鯰尾に馬糞を投げられてしまえばいい。
そして誰かに聞きたい。本当に俺は何回頭を抱えれば済むんだ?