女性審神者の名前です。
菜の花「この本丸で俺たちと話すのって違和感ないの?」
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~不動side~
「ホントにいいんですか…?!」
主が今週中に提出するデータの入力を手伝う横で、綾菜 さんと通信をしていた主が申し訳なさそうに胸元で手を合わせている。
“いいよ~、気にしないで。遥ちゃん、連合を組んだ時から現世遠征の予定入れてたじゃない。気分転換は大事だよ”
そう、先週主が大風邪を引いてこの本丸から出陣する予定が狂ってしまったから、その穴埋めをしようと次に出陣を引き受ける予定だった綾菜さんに連絡したらこんなやり取りになった、ってわけだ。
「ホント、すみません…」
“私は年明けに帰省したからね。顔を見せるのも親孝行の1つだし、絶対喜ぶから行って来て”
「ありがとうございます…!」
胸で合わせていた手を画面に寄せる。「何かリクエストがあれば買って来ますから~!」なんて話をして通信が終わった。
「…不動くん」
「分かってる、くじの準備だろ?」
「私はがっつりデータ入力しておくから、希望者を募って来てくれる?」
「任せてくれよ」
ごそごそと押し入れからそれを取り出して、メモ帳とペンを俺に渡す。
現世遠征はいわば主たち審神者の帰省。それに俺たちもついて行って買い物なんかを楽しむものだ。俺は行ったことはないけれど、旅で色んなものを見て来たから今回は見送るつもりだ。後はまだ行ったことのない希望者がメモ帳に名前を書いて公平に決める、というルールがある。ちなみにこれまでの参加者は初期メンバーだった加州や長谷部、一期一振など。旅に出た者は希望は出さないだろうなーと思いきや。
「ボク行きたーい!」
最初に向かった粟田口の部屋で、旅に出たはずの乱が手を挙げた。
「ボク、いわゆる“自分探しの旅”ってやつだったから、主さんの時代とかには行ってないんだよねー」
「あー、お前は旅が短かったからなぁ」
「どーせ可愛いものを買いたい、とかだろ?」
「えへへ、バレた?」
「ま、行きたい奴は名前を書いてこの箱に入れてくれよ。迷ってるなら後でもいいからさ」
「はーい」と返事をする粟田口の連中に数枚メモ帳を切って渡すと、早速数振りが名前を書いた紙を箱に入れた。
とにかく公平に。箱を揺らしながら次は厨に向かった。そこには伊達組と歌仙のいつも通りのメンバーが揃っていた。今日はおやつを作ったのは別の奴だからからか、コーヒーなんかを飲みながら談笑している。
「誰か行きたい奴いる?」
「そうだねぇ。レシピをパソコンで調べるのもいいけど、やっぱり実際に食べて研究するのって大事だよね」
さすが燭台切、料理研究に余念がない。一方の歌仙は苦い顔をしている。
「歌仙は入れないのか?」
「僕はもう行っているよ。現世の神社は悪くなかったけれど、他は雅じゃないからもうこりごりだね。それに、僕がいなかったら厨当番はどうするんだい」
「それもそうか。大倶利伽羅は?」
「…興味はない。慣れ合うつもりもない」
「じゃ、俺も入れるとするか。現世でどんな驚きがあるのか知りたいし、本丸で皆を驚かせる良いネタも手に入るかもしれないしな」
「俺も俺も!ド派手なもん見つけてぇしな!」
続いて、香道の本を読んでいた薙。
「私、顕現してあまり経ってないけど、いいのかな…?」
「安心してくれよ、そういう制限とかないから」
「じゃあ…、入れてみようかな。現世には、“ペットショップ”っていうお店が…あるんだよね。もふ丸が遊べるおもちゃとか見てみたい」
「薙ぃ…!」
もふ丸が感激のあまり泣きそうになっている。薙の肩に飛び乗って頬ずりをした。
…いや、まだ決まったわけじゃないんだけど。
途中で手合わせを終えた陸奥守に会って、奴も俺と同じく旅で色んなものを見て来たってことで辞退。ちょうど多くの男士が揃って手合わせをしていると聞いてそちらへ向かってみる。
「もうそんな時期なんですね」
稽古場にいる全振りに手拭いを渡していた堀川が「うーん」と悩む。こいつも旅には出ている。幕末の時代しか行っていないって言ってたから乱みたいに立候補するかなーと思ってたけど、「僕は辞退します」と苦笑いを浮かべた。視線の先には和泉守。…なるほど。
そして既に現世遠征に行ってる加州と、同じく主の時代にも行った大和守も辞退。
そんなこんなで色んな部屋を回って主の部屋に戻ると、今までにないスピードでタイピングをしていた。
「現世遠征…!」
「なぁ、ちょっと休憩した方がいいんじゃないか?さすがに早すぎるよ」
「今の私なら何でも出来る…!」
あぁダメだ、スイッチ入ってる。
「それで、どうだった?」
「これまで何回か行ってるからか意外と少なかったよ。あとは稽古して出陣に備えたいとか、本丸で過ごしてる方が性に合ってるとか」
「そっかぁ。経験しておいても良いと思うんだけどなぁ」
「それに関しては俺も同意。まぁ、やっぱり行ってみたいってなったら声を掛けてくれって伝えておいたからまだ分かんないかも」
「りょうかーい」
そう話している間でも主のタイピングの手は止まらない。ここは近侍の俺が上手いこと休ませてやらないとな。
「ホントにいいんですか…?!」
主が今週中に提出するデータの入力を手伝う横で、
“いいよ~、気にしないで。遥ちゃん、連合を組んだ時から現世遠征の予定入れてたじゃない。気分転換は大事だよ”
そう、先週主が大風邪を引いてこの本丸から出陣する予定が狂ってしまったから、その穴埋めをしようと次に出陣を引き受ける予定だった綾菜さんに連絡したらこんなやり取りになった、ってわけだ。
「ホント、すみません…」
“私は年明けに帰省したからね。顔を見せるのも親孝行の1つだし、絶対喜ぶから行って来て”
「ありがとうございます…!」
胸で合わせていた手を画面に寄せる。「何かリクエストがあれば買って来ますから~!」なんて話をして通信が終わった。
「…不動くん」
「分かってる、くじの準備だろ?」
「私はがっつりデータ入力しておくから、希望者を募って来てくれる?」
「任せてくれよ」
ごそごそと押し入れからそれを取り出して、メモ帳とペンを俺に渡す。
現世遠征はいわば主たち審神者の帰省。それに俺たちもついて行って買い物なんかを楽しむものだ。俺は行ったことはないけれど、旅で色んなものを見て来たから今回は見送るつもりだ。後はまだ行ったことのない希望者がメモ帳に名前を書いて公平に決める、というルールがある。ちなみにこれまでの参加者は初期メンバーだった加州や長谷部、一期一振など。旅に出た者は希望は出さないだろうなーと思いきや。
「ボク行きたーい!」
最初に向かった粟田口の部屋で、旅に出たはずの乱が手を挙げた。
「ボク、いわゆる“自分探しの旅”ってやつだったから、主さんの時代とかには行ってないんだよねー」
「あー、お前は旅が短かったからなぁ」
「どーせ可愛いものを買いたい、とかだろ?」
「えへへ、バレた?」
「ま、行きたい奴は名前を書いてこの箱に入れてくれよ。迷ってるなら後でもいいからさ」
「はーい」と返事をする粟田口の連中に数枚メモ帳を切って渡すと、早速数振りが名前を書いた紙を箱に入れた。
とにかく公平に。箱を揺らしながら次は厨に向かった。そこには伊達組と歌仙のいつも通りのメンバーが揃っていた。今日はおやつを作ったのは別の奴だからからか、コーヒーなんかを飲みながら談笑している。
「誰か行きたい奴いる?」
「そうだねぇ。レシピをパソコンで調べるのもいいけど、やっぱり実際に食べて研究するのって大事だよね」
さすが燭台切、料理研究に余念がない。一方の歌仙は苦い顔をしている。
「歌仙は入れないのか?」
「僕はもう行っているよ。現世の神社は悪くなかったけれど、他は雅じゃないからもうこりごりだね。それに、僕がいなかったら厨当番はどうするんだい」
「それもそうか。大倶利伽羅は?」
「…興味はない。慣れ合うつもりもない」
「じゃ、俺も入れるとするか。現世でどんな驚きがあるのか知りたいし、本丸で皆を驚かせる良いネタも手に入るかもしれないしな」
「俺も俺も!ド派手なもん見つけてぇしな!」
続いて、香道の本を読んでいた薙。
「私、顕現してあまり経ってないけど、いいのかな…?」
「安心してくれよ、そういう制限とかないから」
「じゃあ…、入れてみようかな。現世には、“ペットショップ”っていうお店が…あるんだよね。もふ丸が遊べるおもちゃとか見てみたい」
「薙ぃ…!」
もふ丸が感激のあまり泣きそうになっている。薙の肩に飛び乗って頬ずりをした。
…いや、まだ決まったわけじゃないんだけど。
途中で手合わせを終えた陸奥守に会って、奴も俺と同じく旅で色んなものを見て来たってことで辞退。ちょうど多くの男士が揃って手合わせをしていると聞いてそちらへ向かってみる。
「もうそんな時期なんですね」
稽古場にいる全振りに手拭いを渡していた堀川が「うーん」と悩む。こいつも旅には出ている。幕末の時代しか行っていないって言ってたから乱みたいに立候補するかなーと思ってたけど、「僕は辞退します」と苦笑いを浮かべた。視線の先には和泉守。…なるほど。
そして既に現世遠征に行ってる加州と、同じく主の時代にも行った大和守も辞退。
そんなこんなで色んな部屋を回って主の部屋に戻ると、今までにないスピードでタイピングをしていた。
「現世遠征…!」
「なぁ、ちょっと休憩した方がいいんじゃないか?さすがに早すぎるよ」
「今の私なら何でも出来る…!」
あぁダメだ、スイッチ入ってる。
「それで、どうだった?」
「これまで何回か行ってるからか意外と少なかったよ。あとは稽古して出陣に備えたいとか、本丸で過ごしてる方が性に合ってるとか」
「そっかぁ。経験しておいても良いと思うんだけどなぁ」
「それに関しては俺も同意。まぁ、やっぱり行ってみたいってなったら声を掛けてくれって伝えておいたからまだ分かんないかも」
「りょうかーい」
そう話している間でも主のタイピングの手は止まらない。ここは近侍の俺が上手いこと休ませてやらないとな。
