女性審神者の名前です。
菜の花「この本丸で俺たちと話すのって違和感ないの?」
空欄の場合はデフォルト名になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
~三日月side~
「いち兄、おかえりなさい!」
前日に主から一期一振が戻って来ると伝えられた粟田口の者たちが賑やかに待つ中、新しい戦装束に身を纏った一期一振が旅から戻って来た。粟田口の兄弟仲は微笑ましいものだ。この日は茶を飲むのはそれが見られる場所にして、駆け寄っていく光景を眺めていた。一期一振が不在の間に顕現した信濃藤四郎が早速兄の懐に飛び込んでその温もりを堪能している。
「これがいち兄の懐~!」
「良く来てくれました。私がいない間に他の誰かに懐に入ろうとしていなかったかな?」
「はいろうとしてないよ…?」
分かりやすい反応に皆がにやにやする一方で、一期一振ははぁ、と溜息をつく。少なくとも薙の懐を狙っていたのを見ていたが、そこは伏せておこう。
「三日月さん、お茶菓子を…お持ちしました」
「おぉ、すまんな」
普段は俺の世話をしてくれるのは前田や平野。一期一振を出迎えているので、この日は薙が行ってくれるのだろう。持って来てくれた金平糖を隣に置き、茶のおかわりを淹れる。
「あやつらのところに行かないのも、薙らしいな」
目を閉じて微笑みを見せ、「何のことでしょうか」とやんわりとはぐらかす彼女の所作は無駄がなく美しささえ感じる。やはり未だに全容を掴めていない前の主の影響だろう。
「おぉ薙、わしにも茶を淹れてくれんか?」
陸奥守がやって来た。奴に関しては仕方ない、といった様子で茶を淹れている。陸奥守が旅から戻って来た際、部屋を間違えて薙の部屋へ入ってしまったと聞く。宴でも随分と飲ませていたし、この2振りは他の男士の中では気取る必要のない間柄と見えて、俺からしてみればこの2振りも微笑ましいものを感じる。
「薙は茶を淹れるのが上手じゃのぉ。美味いぜよ」
「おだてても、何も出ないよ」
自分の分も淹れて金平糖を1つ口に放り込んだ。それを味わいつつ茶をすすり、存分に再会の喜びを分かち合った一期一振がようやく主の元へ向かうのを見送る。
「あぁ、ここにいたか。いつもの場所にいないから探したぞ」
そこに栗饅頭を手にした鶯丸も加わった。薙は数振り来るのを見越して湯呑を多めに用意している。湯を湯呑に入れて温めた後、それを急須に入れて茶を淹れる。やはり無駄な動きはない。
「ところで薙、練習は上手くいっているか?」
陸奥守が胡坐をかいて栗饅頭を食べる横で、鶯丸が問う。それに「はい」と微笑みを見せた。
練習とは、豊作祈願の舞。全ての記憶を思い出せていないことも相まってか舞も覚えているわけではないようで、時々躓くところがあるようだ。集中出来るように、そして無事に役目を果たす為に夜に稽古場で行っている。その舞を知るのは偶然見掛けた不動行光のみ。他の者たちは邪魔をしないように稽古場に近付くことはしていない。
その祭事は明後日。既に石切丸と太郎太刀が祈祷室で必要なものの用意は済ませているようだ。主を含めて話も進み、段取りも決まったようだ。
「薙がどのように舞うのか楽しみだな」
「俺も楽しみだ。本当は茶を飲みながら眺めたいところだが、祭事だからな」
「ご期待に、添えられるよう、頑張ります」
「ま、プレッシャーをかけるがも悪いき、楽しんで舞うたらえいぜよ」
こくりと頷いた。不動に見られた時に動いた時は楽しかったと話していたし、練習も重ねている薙ならきっと大丈夫だろう。
「薙、僕も栗饅頭食べたいです」
薙が差し出す前に「美味いぞ」と小さく割ったものを渡す鶯丸。口いっぱいに頬張って頬袋に詰め、更に金平糖も詰め込めば頬がまん丸になった。この姿も愛くるしく、もっとあげたくなってしまう。
「俺の分も食べるといい」
「いいんですか?!」
「はっはっは、今を存分に楽しむのも大切だ。俺ももふ丸が美味そうに食べているのも楽しいぞ」
「三日月さん、ありがとう…ございます」
「薙の分も俺から分けよう。祭事の為にも少しでも英気を養ってくれ」
それをぱくりと食べる姿はまるで純粋無垢な少女のようだ。その姿に目を細めて茶をすすった。
「わしの分は?」
「陸奥守の分はない。自分で買って来ることだな」
「何でじゃ?!」
ここでも仕方ない、といった様子で分けてもらった分を半分にして奴に渡す。「ありがとう、分かっちゅうのぉ!」と犬のように喜んで頬張った。
いつもは静かに茶を楽しんでいるが、こういう日も悪くない。
前の主よ、薙は己のやるべきことを精一杯やっているぞ。どうか見守ってやってくれ。
「いち兄、おかえりなさい!」
前日に主から一期一振が戻って来ると伝えられた粟田口の者たちが賑やかに待つ中、新しい戦装束に身を纏った一期一振が旅から戻って来た。粟田口の兄弟仲は微笑ましいものだ。この日は茶を飲むのはそれが見られる場所にして、駆け寄っていく光景を眺めていた。一期一振が不在の間に顕現した信濃藤四郎が早速兄の懐に飛び込んでその温もりを堪能している。
「これがいち兄の懐~!」
「良く来てくれました。私がいない間に他の誰かに懐に入ろうとしていなかったかな?」
「はいろうとしてないよ…?」
分かりやすい反応に皆がにやにやする一方で、一期一振ははぁ、と溜息をつく。少なくとも薙の懐を狙っていたのを見ていたが、そこは伏せておこう。
「三日月さん、お茶菓子を…お持ちしました」
「おぉ、すまんな」
普段は俺の世話をしてくれるのは前田や平野。一期一振を出迎えているので、この日は薙が行ってくれるのだろう。持って来てくれた金平糖を隣に置き、茶のおかわりを淹れる。
「あやつらのところに行かないのも、薙らしいな」
目を閉じて微笑みを見せ、「何のことでしょうか」とやんわりとはぐらかす彼女の所作は無駄がなく美しささえ感じる。やはり未だに全容を掴めていない前の主の影響だろう。
「おぉ薙、わしにも茶を淹れてくれんか?」
陸奥守がやって来た。奴に関しては仕方ない、といった様子で茶を淹れている。陸奥守が旅から戻って来た際、部屋を間違えて薙の部屋へ入ってしまったと聞く。宴でも随分と飲ませていたし、この2振りは他の男士の中では気取る必要のない間柄と見えて、俺からしてみればこの2振りも微笑ましいものを感じる。
「薙は茶を淹れるのが上手じゃのぉ。美味いぜよ」
「おだてても、何も出ないよ」
自分の分も淹れて金平糖を1つ口に放り込んだ。それを味わいつつ茶をすすり、存分に再会の喜びを分かち合った一期一振がようやく主の元へ向かうのを見送る。
「あぁ、ここにいたか。いつもの場所にいないから探したぞ」
そこに栗饅頭を手にした鶯丸も加わった。薙は数振り来るのを見越して湯呑を多めに用意している。湯を湯呑に入れて温めた後、それを急須に入れて茶を淹れる。やはり無駄な動きはない。
「ところで薙、練習は上手くいっているか?」
陸奥守が胡坐をかいて栗饅頭を食べる横で、鶯丸が問う。それに「はい」と微笑みを見せた。
練習とは、豊作祈願の舞。全ての記憶を思い出せていないことも相まってか舞も覚えているわけではないようで、時々躓くところがあるようだ。集中出来るように、そして無事に役目を果たす為に夜に稽古場で行っている。その舞を知るのは偶然見掛けた不動行光のみ。他の者たちは邪魔をしないように稽古場に近付くことはしていない。
その祭事は明後日。既に石切丸と太郎太刀が祈祷室で必要なものの用意は済ませているようだ。主を含めて話も進み、段取りも決まったようだ。
「薙がどのように舞うのか楽しみだな」
「俺も楽しみだ。本当は茶を飲みながら眺めたいところだが、祭事だからな」
「ご期待に、添えられるよう、頑張ります」
「ま、プレッシャーをかけるがも悪いき、楽しんで舞うたらえいぜよ」
こくりと頷いた。不動に見られた時に動いた時は楽しかったと話していたし、練習も重ねている薙ならきっと大丈夫だろう。
「薙、僕も栗饅頭食べたいです」
薙が差し出す前に「美味いぞ」と小さく割ったものを渡す鶯丸。口いっぱいに頬張って頬袋に詰め、更に金平糖も詰め込めば頬がまん丸になった。この姿も愛くるしく、もっとあげたくなってしまう。
「俺の分も食べるといい」
「いいんですか?!」
「はっはっは、今を存分に楽しむのも大切だ。俺ももふ丸が美味そうに食べているのも楽しいぞ」
「三日月さん、ありがとう…ございます」
「薙の分も俺から分けよう。祭事の為にも少しでも英気を養ってくれ」
それをぱくりと食べる姿はまるで純粋無垢な少女のようだ。その姿に目を細めて茶をすすった。
「わしの分は?」
「陸奥守の分はない。自分で買って来ることだな」
「何でじゃ?!」
ここでも仕方ない、といった様子で分けてもらった分を半分にして奴に渡す。「ありがとう、分かっちゅうのぉ!」と犬のように喜んで頬張った。
いつもは静かに茶を楽しんでいるが、こういう日も悪くない。
前の主よ、薙は己のやるべきことを精一杯やっているぞ。どうか見守ってやってくれ。
