女性審神者の名前です。
菜の花「この本丸で俺たちと話すのって違和感ないの?」
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~長谷部side~
この日は薙が厨当番の1振り。朝餉が終わって三条派が食器洗いをする横で既に昼餉の下ごしらえを始めていた。もふ丸は俺たちの邪魔にならないところでちょこんと座っている。
燭台切と歌仙に加えて俺も当番に入り、燭台切とうどん作りに取り掛かった。かしわ天とかき揚げの準備は歌仙と薙。
かき揚げに使う玉ねぎは主が遊玄様の本丸からいただいてきたもので、大きな風呂敷に包まれた大量のそれを背負って帰って来た主のお姿は収穫物を売りに行かされる農家の娘のようだった。遊玄様も彼の男士たちも主に甘いのもあって、あれこれ持たされて帰って来ることは多い。しかも今回持たされた酒は収穫物と物々交換をしたものにも見えてしまって、主をそのような目で見てしまった己を殴りたくなったものだ(加州は腹を抱えて笑っていたが)。
ちなみに過去にはスイカ4玉、向こうの山伏たちが張り切ってつき過ぎた餅で作られた大量の大福、主がご実家に帰省された際は俗に言う“大人買い”をした大量の駄菓子と菓子を背負って帰って来たこともある。この時は金の使い過ぎを咎めたかったが、主があまりにも幸せそうで少女のような顔をしていたものだから、怒るに怒れなかった。
…昼餉作りに話を戻そう。
「この玉ねぎは目が沁みないね。向こうの薬研がそういった薬品を開発したのかな」
「主曰く、様々な薬品を毎日のように研究しているらしい。品種改良も、収穫量を増やすのも朝飯前だろう」
ただ、主から修行時代に向こうにいた頃は、たまに調合室から爆発音がしていたと聞いている。彼ならそういった薬品の開発に留まらず、対時間遡行軍に有効な何かを作り出していても何らおかしくはないように思えてしまう。いや、あの南海太郎朝尊と話が合うと言っていたから、きっと作り出しているに違いない。
…こちらの本丸に話を戻そう。
「それを聞いたこっちの薬研くんに火が付いたみたいだね。負けまいと遅くまで調べものをしているようだよ」
「最近眠そうにしているのはそれが原因か」
薙も応急処置を習ったり、開発の手伝いをしているのもあってか時々夜食を差し入れするようになったと聞いている。
「多分、旅に出ている、一期さんのことも…あると思います」
「そうかもしれないね」
最近の粟田口の者たちはどんどん強くなっている。鳴狐のキツネが持ち前の機動力を活かして自ら敵役を買って出たり(後ろ足負傷)、便乗した獅子王が吹っ飛ばされ(扉破壊)、白熱のあまり庭で実戦的な手合わせに発展したり(瓦の一部を破壊)、それに何故か幕末組が加勢したり(池に落下)と稽古場周辺はいつも賑やかだ。
それに皆も刺激を受けて手合わせが熱いものとなり、全体の戦力の底上げにも繋がっている。
…が、それに比例して皆の食欲も上がっている。昼餉が足りない者が続出して万屋に併設された茶屋でも食べていると聞いている。恐らく今日も誰かしら茶屋に行くだろう。そろそろ金欠だとぼやく者が出てきそうだが、そこは自己責任。
「おやつも、考えた方が…良いでしょうか」
「そうだね。うどんを寝かしている間にちょっと調べてみようか」
苦笑しつつうどんをこねる燭台切。どういったものが皆は喜んでくれるのか、意見を出し合いながら昼餉の準備を進めていく。
「薙さんいますかー?」
かしわ天とかき揚げの下ごしらえもうどんの準備も終えておやつの話をしていた頃、勝手口から今剣が薙を呼ぶ。今日は彼女が厨当番なので遊びの誘いではないだろうが、何だろうか。
「たぬきさんのようすがおかしいんです。みてもらえませんか?」
「薬研のとこに行ったんだけど、寝てて頼めなかったんだよね」
あの一件以来、皆には軽度の怪我であれば薬研に手当てをしてもらうよう周知は出したものの、動物に関しては何も言っていない…というより、タヌキは予想外。薙が早速タヌキの様子を見る。信濃の足元には心配そうにしている親タヌキと兄弟らしき子タヌキが2匹、薙を見上げていた。
「捻挫、かも」
左前足に触れたら痛そうに鳴いたので恐らくそうだろう。その小さな足を手で包んだり優しく撫でたりしているうちに、タヌキの表情が明るくなってゆく。
「治った、かな?」
今剣が降ろすと親タヌキがぺろぺろと怪我をしていたタヌキの顔を舐めた。どうやら治ったらしい。
お礼を伝えるように鳴いて山に戻って行ったのを皆で見送って、今剣と信濃も遊びに戻って行った。
「良かった…」
「それにしても神との系譜がある者が治療能力があるとはね。驚いたよ」
そう話す歌仙も実はうっかり包丁で指を切り、食事の支度に支障が出るからと薙に治してもらった者の1振り(「雅じゃない」と落ち込んでいた)。
今後はどこまで薙に頼るべきかもう少し考えた方が良さそうだ。
「薙…、いる…?」
「主?!どうされました?!」
目に涙を浮かべている主は足を痛めたようで歩き方がぎこちない。
「文机に足の小指ぶつけちゃって…。診てもらえないかな…」
「薙、一大事だ!主のお怪我を治してくれ!」
「長谷部くんは、ホント主に弱いよねぇ…」
「主を優先するのは主お世話係として当然だ!!」
なお、主の怪我は足の小指と薬指の打撲。出来ることなら変わって差し上げたかった。
「ありがと薙~!」
主に抱きつかれた薙が羨ましいと思ってしまった俺を、誰か殴ってくれ。
この日は薙が厨当番の1振り。朝餉が終わって三条派が食器洗いをする横で既に昼餉の下ごしらえを始めていた。もふ丸は俺たちの邪魔にならないところでちょこんと座っている。
燭台切と歌仙に加えて俺も当番に入り、燭台切とうどん作りに取り掛かった。かしわ天とかき揚げの準備は歌仙と薙。
かき揚げに使う玉ねぎは主が遊玄様の本丸からいただいてきたもので、大きな風呂敷に包まれた大量のそれを背負って帰って来た主のお姿は収穫物を売りに行かされる農家の娘のようだった。遊玄様も彼の男士たちも主に甘いのもあって、あれこれ持たされて帰って来ることは多い。しかも今回持たされた酒は収穫物と物々交換をしたものにも見えてしまって、主をそのような目で見てしまった己を殴りたくなったものだ(加州は腹を抱えて笑っていたが)。
ちなみに過去にはスイカ4玉、向こうの山伏たちが張り切ってつき過ぎた餅で作られた大量の大福、主がご実家に帰省された際は俗に言う“大人買い”をした大量の駄菓子と菓子を背負って帰って来たこともある。この時は金の使い過ぎを咎めたかったが、主があまりにも幸せそうで少女のような顔をしていたものだから、怒るに怒れなかった。
…昼餉作りに話を戻そう。
「この玉ねぎは目が沁みないね。向こうの薬研がそういった薬品を開発したのかな」
「主曰く、様々な薬品を毎日のように研究しているらしい。品種改良も、収穫量を増やすのも朝飯前だろう」
ただ、主から修行時代に向こうにいた頃は、たまに調合室から爆発音がしていたと聞いている。彼ならそういった薬品の開発に留まらず、対時間遡行軍に有効な何かを作り出していても何らおかしくはないように思えてしまう。いや、あの南海太郎朝尊と話が合うと言っていたから、きっと作り出しているに違いない。
…こちらの本丸に話を戻そう。
「それを聞いたこっちの薬研くんに火が付いたみたいだね。負けまいと遅くまで調べものをしているようだよ」
「最近眠そうにしているのはそれが原因か」
薙も応急処置を習ったり、開発の手伝いをしているのもあってか時々夜食を差し入れするようになったと聞いている。
「多分、旅に出ている、一期さんのことも…あると思います」
「そうかもしれないね」
最近の粟田口の者たちはどんどん強くなっている。鳴狐のキツネが持ち前の機動力を活かして自ら敵役を買って出たり(後ろ足負傷)、便乗した獅子王が吹っ飛ばされ(扉破壊)、白熱のあまり庭で実戦的な手合わせに発展したり(瓦の一部を破壊)、それに何故か幕末組が加勢したり(池に落下)と稽古場周辺はいつも賑やかだ。
それに皆も刺激を受けて手合わせが熱いものとなり、全体の戦力の底上げにも繋がっている。
…が、それに比例して皆の食欲も上がっている。昼餉が足りない者が続出して万屋に併設された茶屋でも食べていると聞いている。恐らく今日も誰かしら茶屋に行くだろう。そろそろ金欠だとぼやく者が出てきそうだが、そこは自己責任。
「おやつも、考えた方が…良いでしょうか」
「そうだね。うどんを寝かしている間にちょっと調べてみようか」
苦笑しつつうどんをこねる燭台切。どういったものが皆は喜んでくれるのか、意見を出し合いながら昼餉の準備を進めていく。
「薙さんいますかー?」
かしわ天とかき揚げの下ごしらえもうどんの準備も終えておやつの話をしていた頃、勝手口から今剣が薙を呼ぶ。今日は彼女が厨当番なので遊びの誘いではないだろうが、何だろうか。
「たぬきさんのようすがおかしいんです。みてもらえませんか?」
「薬研のとこに行ったんだけど、寝てて頼めなかったんだよね」
あの一件以来、皆には軽度の怪我であれば薬研に手当てをしてもらうよう周知は出したものの、動物に関しては何も言っていない…というより、タヌキは予想外。薙が早速タヌキの様子を見る。信濃の足元には心配そうにしている親タヌキと兄弟らしき子タヌキが2匹、薙を見上げていた。
「捻挫、かも」
左前足に触れたら痛そうに鳴いたので恐らくそうだろう。その小さな足を手で包んだり優しく撫でたりしているうちに、タヌキの表情が明るくなってゆく。
「治った、かな?」
今剣が降ろすと親タヌキがぺろぺろと怪我をしていたタヌキの顔を舐めた。どうやら治ったらしい。
お礼を伝えるように鳴いて山に戻って行ったのを皆で見送って、今剣と信濃も遊びに戻って行った。
「良かった…」
「それにしても神との系譜がある者が治療能力があるとはね。驚いたよ」
そう話す歌仙も実はうっかり包丁で指を切り、食事の支度に支障が出るからと薙に治してもらった者の1振り(「雅じゃない」と落ち込んでいた)。
今後はどこまで薙に頼るべきかもう少し考えた方が良さそうだ。
「薙…、いる…?」
「主?!どうされました?!」
目に涙を浮かべている主は足を痛めたようで歩き方がぎこちない。
「文机に足の小指ぶつけちゃって…。診てもらえないかな…」
「薙、一大事だ!主のお怪我を治してくれ!」
「長谷部くんは、ホント主に弱いよねぇ…」
「主を優先するのは主お世話係として当然だ!!」
なお、主の怪我は足の小指と薬指の打撲。出来ることなら変わって差し上げたかった。
「ありがと薙~!」
主に抱きつかれた薙が羨ましいと思ってしまった俺を、誰か殴ってくれ。
