女性審神者の名前です。
梅「審神者として出来ることは全てやらなきゃ」
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~審神者side~
夕餉前に紫ちゃんからお香と原材料が届き、まずは繋ぎとして送ってくれた分を焚く。メモには薬草を少し多めに配合したものだと書かれていて、これから作る分も私が持っていないハーブもいくつかあった。普段手入部屋で使っている分も合わせて多めに作ることにする。
「あーるじ、夕餉持って来たよ~」
「ありがとう」
私の分を運んで来てくれた長谷部にも礼を伝え、一緒に文机に茶わんや小鉢などを置いて向かい合った。
「いただきます」
「いただきまーす」
この日の汁物はお吸い物だった。優しい風味が食欲をそそる。私が大変なのを知って、皆とは別の献立にしてくれたらしい。私の大好きな煮物で、和え物も美味しい。この味付けはきっと歌仙だろう。
「何かさ、懐かしくない?」
「そうだね」
ふふっと笑い合った。
清光はこの本丸の始まりの一振り。次に薬研が顕現するまで時間が空いていたから、2人で探り探りで進んで、2人でご飯も作って、こうやって過ごしていたっけ。
「本丸も広いから掃除が大変だったよね」
「そうそう。最初の頃は1日掛かりだったし」
そうして少しずつ刀剣たちが増えていき、皆と協力し合って今がある。賑やかで楽しい毎日だ。
「ね、食べ終わったらお香作り手伝わせてよ。あの時みたいにさ」
「もちろんそのつもりだよ。よろしくね」
「へへっ。愛されてるって感じがするぜ」
嬉しそうに笑う清光。清光に限らず、皆がこうやって喜んでくれているのを見ると、審神者になって本当に良かったと思う。時には出陣で辛い思いもするけれど、それでも笑顔で満ち溢れているこの場所は私の自慢の本丸。
「清光」
「何?」
「頼りにしてるよ」
「うん、任せてよ」
「ありがとう」
それから、あの子が元気になったら歓迎会をしようとか、どうすれば本丸に馴染んでくれるかとか、2人でたくさん話した。「歓迎会なんてもう何回やっただろうね」「あの子は飲めるのかな」なんて笑い合った。こうして過ごせているのだから、きっと私たちは大丈夫。
「さて、始めよっか」
まずは配合レシピをチェック。2人で初めて見る原材料の香りを嗅ぎつつ、早速取り掛かった。
「あのね主、肩に力入りすぎ」
「初めて作るお香だもん、そりゃ緊張するよ…」
私が慎重に計量する姿が面白かったらしい。あの子がすぐ傍で眠っているから、なるべく声を出さないように笑っている。
「じゃ、俺いつもの分の計量終わったから、作る前にこの人の手拭い替えてくる」
「ありがとう、お願い」
そう答えながらも私の肩は固まったまま。後はいつも使っているものなので少しだけ楽だけれど。
…にしても、勉強になるなぁ。
さすが紫ちゃんだ。歴防から一目置かれているだけある。私は先輩だけど彼女から学ぶことは多い。性格が違うからこそこういうこともあるのだ。
全ての計量が終わる頃には清光は手拭いを替えて体温も測ってくれていた。38.3℃。堀川が測ってくれた時より下がっているし、呼吸も落ち着きつつある。ただ、風邪やインフルエンザに罹った時のように、夜になったらまた上がる可能性もあるので油断は出来ない。
時折彼女を見ながら作業を続け、何とか出来上がった頃だった。
「主様、時の政府から連絡が来ております」
「この子のことかな?」
「はい。主様の予想通り、他の本丸にこの方が顕現した情報はないとのことです。それで、調査をしたいとのことで…」
「やっぱりそうなるよね…」
端末で内容を見てみると、歴防の資料にも彼女の情報は一切なく、政府関係者である白山吉光を派遣して調査をしたい旨が書かれていた。これだけでは本丸に来るのが白山吉光だけなのか、他にも政府関係者が来るのかが分からない。ここは少し交渉が必要だろう。
「主様、どうされますか?」
「白山様だけの派遣ならOK出す」
「俺もさんせーい。余計な奴が来たら面倒そうだし」
清光もこんのすけも同じ意見で、その旨の返事を送る。歴防が創立されてから初めての“刀剣女士”ならば、こちらも慎重に動くべきだろう。審神者としてだけではなく、1人の女として彼女を守る義務もあると思う。
「白山吉光なら大丈夫だと思われます。もっとも、万が一のことが起こったことより、それを知った遊玄 」様がお怒りになる方が怖いでしょうね」
「うん、目に浮かぶよ…」
遊玄様は私の師匠。全審神者の中で1番歴が長く最高位の立場にあると言って良い。一部の政府関係者は頭が上がらないと聞いたこともあるし、それも納得がいく。…というより、そのような場面を見たことがある。何が起こったのかは言わないでおくけれど…。
「この件は私がちゃんと動くから安心して。清光は今日はここまででいいよ。ありがとね」
「りょーかい。この人のことが心配なのは分かるけどさ、ちゃんと主も休んでよね」
「この方のことは僕が看ていますので、主様は今夜はゆっくりお風呂に入って来て下さい」
「そうしよう、かな」
彼女が目を覚ますのは私がいる時であってほしい。湯舟にはちゃんと浸かるけど、早めに済ませておこう。
「お願いね」と準備をしてパタパタと内湯へと向かった。
夕餉前に紫ちゃんからお香と原材料が届き、まずは繋ぎとして送ってくれた分を焚く。メモには薬草を少し多めに配合したものだと書かれていて、これから作る分も私が持っていないハーブもいくつかあった。普段手入部屋で使っている分も合わせて多めに作ることにする。
「あーるじ、夕餉持って来たよ~」
「ありがとう」
私の分を運んで来てくれた長谷部にも礼を伝え、一緒に文机に茶わんや小鉢などを置いて向かい合った。
「いただきます」
「いただきまーす」
この日の汁物はお吸い物だった。優しい風味が食欲をそそる。私が大変なのを知って、皆とは別の献立にしてくれたらしい。私の大好きな煮物で、和え物も美味しい。この味付けはきっと歌仙だろう。
「何かさ、懐かしくない?」
「そうだね」
ふふっと笑い合った。
清光はこの本丸の始まりの一振り。次に薬研が顕現するまで時間が空いていたから、2人で探り探りで進んで、2人でご飯も作って、こうやって過ごしていたっけ。
「本丸も広いから掃除が大変だったよね」
「そうそう。最初の頃は1日掛かりだったし」
そうして少しずつ刀剣たちが増えていき、皆と協力し合って今がある。賑やかで楽しい毎日だ。
「ね、食べ終わったらお香作り手伝わせてよ。あの時みたいにさ」
「もちろんそのつもりだよ。よろしくね」
「へへっ。愛されてるって感じがするぜ」
嬉しそうに笑う清光。清光に限らず、皆がこうやって喜んでくれているのを見ると、審神者になって本当に良かったと思う。時には出陣で辛い思いもするけれど、それでも笑顔で満ち溢れているこの場所は私の自慢の本丸。
「清光」
「何?」
「頼りにしてるよ」
「うん、任せてよ」
「ありがとう」
それから、あの子が元気になったら歓迎会をしようとか、どうすれば本丸に馴染んでくれるかとか、2人でたくさん話した。「歓迎会なんてもう何回やっただろうね」「あの子は飲めるのかな」なんて笑い合った。こうして過ごせているのだから、きっと私たちは大丈夫。
「さて、始めよっか」
まずは配合レシピをチェック。2人で初めて見る原材料の香りを嗅ぎつつ、早速取り掛かった。
「あのね主、肩に力入りすぎ」
「初めて作るお香だもん、そりゃ緊張するよ…」
私が慎重に計量する姿が面白かったらしい。あの子がすぐ傍で眠っているから、なるべく声を出さないように笑っている。
「じゃ、俺いつもの分の計量終わったから、作る前にこの人の手拭い替えてくる」
「ありがとう、お願い」
そう答えながらも私の肩は固まったまま。後はいつも使っているものなので少しだけ楽だけれど。
…にしても、勉強になるなぁ。
さすが紫ちゃんだ。歴防から一目置かれているだけある。私は先輩だけど彼女から学ぶことは多い。性格が違うからこそこういうこともあるのだ。
全ての計量が終わる頃には清光は手拭いを替えて体温も測ってくれていた。38.3℃。堀川が測ってくれた時より下がっているし、呼吸も落ち着きつつある。ただ、風邪やインフルエンザに罹った時のように、夜になったらまた上がる可能性もあるので油断は出来ない。
時折彼女を見ながら作業を続け、何とか出来上がった頃だった。
「主様、時の政府から連絡が来ております」
「この子のことかな?」
「はい。主様の予想通り、他の本丸にこの方が顕現した情報はないとのことです。それで、調査をしたいとのことで…」
「やっぱりそうなるよね…」
端末で内容を見てみると、歴防の資料にも彼女の情報は一切なく、政府関係者である白山吉光を派遣して調査をしたい旨が書かれていた。これだけでは本丸に来るのが白山吉光だけなのか、他にも政府関係者が来るのかが分からない。ここは少し交渉が必要だろう。
「主様、どうされますか?」
「白山様だけの派遣ならOK出す」
「俺もさんせーい。余計な奴が来たら面倒そうだし」
清光もこんのすけも同じ意見で、その旨の返事を送る。歴防が創立されてから初めての“刀剣女士”ならば、こちらも慎重に動くべきだろう。審神者としてだけではなく、1人の女として彼女を守る義務もあると思う。
「白山吉光なら大丈夫だと思われます。もっとも、万が一のことが起こったことより、それを知った
「うん、目に浮かぶよ…」
遊玄様は私の師匠。全審神者の中で1番歴が長く最高位の立場にあると言って良い。一部の政府関係者は頭が上がらないと聞いたこともあるし、それも納得がいく。…というより、そのような場面を見たことがある。何が起こったのかは言わないでおくけれど…。
「この件は私がちゃんと動くから安心して。清光は今日はここまででいいよ。ありがとね」
「りょーかい。この人のことが心配なのは分かるけどさ、ちゃんと主も休んでよね」
「この方のことは僕が看ていますので、主様は今夜はゆっくりお風呂に入って来て下さい」
「そうしよう、かな」
彼女が目を覚ますのは私がいる時であってほしい。湯舟にはちゃんと浸かるけど、早めに済ませておこう。
「お願いね」と準備をしてパタパタと内湯へと向かった。