女性審神者の名前です。
沈丁花「わしに何が起こったがか教えとーせ…」
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~薙side~
「薙殿はまだ飲めるのですか?」
次郎さんとは真逆に静かに飲んでいた太郎さんが、陸奥守に酒を注ぎながら尋ねてきた。まだ飲めるだけに答えに詰まる。私の代わりに答えてもらおうともふ丸を見たら、「もう食べられないですぅ…」と寝言を言いながら眠っていた。
「もふ、丸…」
「では、とっておきの酒をどうぞ。二日酔いを抑えられる薬草が入ったものです」
「あり…、がと…う、ござ、い…ます…」
新しいお猪口にそれが注がれて一口飲むと、酒の風味を損なわない程度にほんのり薬草の香りがした。
「熱燗がのうなったぜよ」
いつの間にかもう1本を飲み干したらしい。次郎さんが新しく酒を注いで飲ませている様子に、「いつ終わるんだろう」と目が遠くなる。宴とはこういったものなのか。
うん、違う気がする…。
「とはいえ飲みすぎですね。この1本で終わりにしましょう」
「えー、アタシはまだ飲めるもーん」
「駄目です」
その1本が、まさかの瓶。しかも未開封。
それを受け取って陸奥守のコップに注いで飲ませたらばたりと仰向けに寝込んだ。しばらくして寝息が聞こえてきて、主役の1振りはここで舞台から降りた、といったところだろう。
「やだ陸奥守ったら~」
「次郎太刀が強すぎるだけです」
「薙はまだまだ飲めるみたいだけど~?」
どうして私はここまで飲めるのか。そして人の心配が出来るほど冷静でいられるのか。前の主様はお強い方だったのだろうか。
「こら、皆いつまで飲むんだい」
厨での作業が落ち着いたのか、歌仙さんと燭台切さんがようやくこちらに来てくれた。…酒を持って。
言ってることと持ってるものが違うと思うんですけど…。
考えてみれば、ほとんど厨にいたのならば飲んでいないだろう。せっかくの宴で飲まないのはもったいない。
「皆には内緒だよ」
燭台切さんが私たちに新しくおつまみを持って来てくれた。冷蔵庫に中途半端に残ってしまった卵を半熟煮卵にして、さらに豚肉で巻いて焼いたものと、ちくわの穴にチーズを詰めて焼いたものと、たたききゅうりだった。こんなに美味しそうなおつまみを持って来てくれたのなら飲まない手はない。
清光くんと安定くんが座っていたところに歌仙さんと燭台切さんが、主様が座っていたところに鶴丸さんが座った。ぐーすか寝ている陸奥守を置いて、皆で改めて乾杯する。
「歌仙さ、んが…持っ、て…来て、下…さった、お酒は、何…、です、か?」
「御神酒だよ。ほら、ここには神社に奉納されていた刀剣が多いだろう?」
太郎さんに次郎さん、鶴丸さんに私。
確かにそうですが…。
「ましてや薙は鎮守の役割を担っていたんだ、一緒に飲むにはちょうど良いと思ってね。…いや、飲ませていただく、が正しいかな」
「あはは、ごめんね。実は僕たちも厨でちょっと飲んでいたんだ。歌仙くんがこの調子なのもお酒のせいだよ」
「“せい”って何だい“せい”って。…ともかく、召し上がってほしい」
「付け加えると、歌仙くんはお酒が入ると前の主の影響が濃く出るんだ。場は違うけど、ちゃんとおもてなしの心は忘れてないんだよね。もちろん、おもてなしの達人だった伊達政宗公が前の主だった僕もだよ」
「さ、どうぞ」と勧めてくれて、まずはたたききゅうりを食べると美味しくて口がさっぱりした。煮卵の豚肉巻きもお酒が進む一品だ。ちくわも万人受けする味で、まるでこれから飲み始めるかのような気持ちになる。
「お、薙ナイス」
そこに主様を寝かせて来た清光くんと安定くんがひょっこり顔を出す。「薙、お疲れ~」と当たり前のように陸奥守をずるずると引きずって回収して行った。もちろん陸奥守は起きる気配はない。
燭台切さんに何故こうなったのか聞かれて事の成り行きを話すと、苦笑いをして労ってくれた。ただ、今回は酔い潰れるのに時間が掛かった方らしい。
それからしばらく神社にいた頃の話をしながら飲んでいると、改めて今日の礼を述べに一期さんがやって来た。
「一期も1杯飲んでいきなよ~。弟たちと一緒では飲めなかったんじゃな~い?」
「確かにそうですが…」
「毎日弟たちの世話をしているんだ、少し飲んだぐらいでバチは当たらないよ」
「では、失礼して…」
こうして皇室御物…もとい一期さんも加わって、この本丸の思い出話と共に酒を楽しんだ。
「薙殿はまだ飲めるのですか?」
次郎さんとは真逆に静かに飲んでいた太郎さんが、陸奥守に酒を注ぎながら尋ねてきた。まだ飲めるだけに答えに詰まる。私の代わりに答えてもらおうともふ丸を見たら、「もう食べられないですぅ…」と寝言を言いながら眠っていた。
「もふ、丸…」
「では、とっておきの酒をどうぞ。二日酔いを抑えられる薬草が入ったものです」
「あり…、がと…う、ござ、い…ます…」
新しいお猪口にそれが注がれて一口飲むと、酒の風味を損なわない程度にほんのり薬草の香りがした。
「熱燗がのうなったぜよ」
いつの間にかもう1本を飲み干したらしい。次郎さんが新しく酒を注いで飲ませている様子に、「いつ終わるんだろう」と目が遠くなる。宴とはこういったものなのか。
うん、違う気がする…。
「とはいえ飲みすぎですね。この1本で終わりにしましょう」
「えー、アタシはまだ飲めるもーん」
「駄目です」
その1本が、まさかの瓶。しかも未開封。
それを受け取って陸奥守のコップに注いで飲ませたらばたりと仰向けに寝込んだ。しばらくして寝息が聞こえてきて、主役の1振りはここで舞台から降りた、といったところだろう。
「やだ陸奥守ったら~」
「次郎太刀が強すぎるだけです」
「薙はまだまだ飲めるみたいだけど~?」
どうして私はここまで飲めるのか。そして人の心配が出来るほど冷静でいられるのか。前の主様はお強い方だったのだろうか。
「こら、皆いつまで飲むんだい」
厨での作業が落ち着いたのか、歌仙さんと燭台切さんがようやくこちらに来てくれた。…酒を持って。
言ってることと持ってるものが違うと思うんですけど…。
考えてみれば、ほとんど厨にいたのならば飲んでいないだろう。せっかくの宴で飲まないのはもったいない。
「皆には内緒だよ」
燭台切さんが私たちに新しくおつまみを持って来てくれた。冷蔵庫に中途半端に残ってしまった卵を半熟煮卵にして、さらに豚肉で巻いて焼いたものと、ちくわの穴にチーズを詰めて焼いたものと、たたききゅうりだった。こんなに美味しそうなおつまみを持って来てくれたのなら飲まない手はない。
清光くんと安定くんが座っていたところに歌仙さんと燭台切さんが、主様が座っていたところに鶴丸さんが座った。ぐーすか寝ている陸奥守を置いて、皆で改めて乾杯する。
「歌仙さ、んが…持っ、て…来て、下…さった、お酒は、何…、です、か?」
「御神酒だよ。ほら、ここには神社に奉納されていた刀剣が多いだろう?」
太郎さんに次郎さん、鶴丸さんに私。
確かにそうですが…。
「ましてや薙は鎮守の役割を担っていたんだ、一緒に飲むにはちょうど良いと思ってね。…いや、飲ませていただく、が正しいかな」
「あはは、ごめんね。実は僕たちも厨でちょっと飲んでいたんだ。歌仙くんがこの調子なのもお酒のせいだよ」
「“せい”って何だい“せい”って。…ともかく、召し上がってほしい」
「付け加えると、歌仙くんはお酒が入ると前の主の影響が濃く出るんだ。場は違うけど、ちゃんとおもてなしの心は忘れてないんだよね。もちろん、おもてなしの達人だった伊達政宗公が前の主だった僕もだよ」
「さ、どうぞ」と勧めてくれて、まずはたたききゅうりを食べると美味しくて口がさっぱりした。煮卵の豚肉巻きもお酒が進む一品だ。ちくわも万人受けする味で、まるでこれから飲み始めるかのような気持ちになる。
「お、薙ナイス」
そこに主様を寝かせて来た清光くんと安定くんがひょっこり顔を出す。「薙、お疲れ~」と当たり前のように陸奥守をずるずると引きずって回収して行った。もちろん陸奥守は起きる気配はない。
燭台切さんに何故こうなったのか聞かれて事の成り行きを話すと、苦笑いをして労ってくれた。ただ、今回は酔い潰れるのに時間が掛かった方らしい。
それからしばらく神社にいた頃の話をしながら飲んでいると、改めて今日の礼を述べに一期さんがやって来た。
「一期も1杯飲んでいきなよ~。弟たちと一緒では飲めなかったんじゃな~い?」
「確かにそうですが…」
「毎日弟たちの世話をしているんだ、少し飲んだぐらいでバチは当たらないよ」
「では、失礼して…」
こうして皇室御物…もとい一期さんも加わって、この本丸の思い出話と共に酒を楽しんだ。
