女性審神者の名前です。
梅「審神者として出来ることは全てやらなきゃ」
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~薙side~
昼餉は部屋で食べることになって、様子を見に来てくれた主様、清光くんと安定くんで豚汁と漬物をお供におにぎりを頬張る。
この具、美味しい…!
主様が梅おかかだと教えてくれて、自分の好きな食べ物を知れて笑顔が零れる。
そっか、おにぎりってこんな味だったんだ…。
思い出した。私がいた社に参拝客の人がおにぎりをお供えしてくれていたっけ。姿が姿だったから実際には食べられなかったけれど、お米に艶があってとても美味しそうだった。
どうやって作っているのか知りたくてその人を追っても、私は境内から出られなくて分からずじまいだったのも思い出した。
もふ丸経由でそれを伝えると、主様も2人も自分のことのように喜んでくれた。
「あ、そうそう。来週に連合の件で歴防に行くことになりそう」
「遊玄様に声を掛けられたってやつ?」
「うん。まだ誰と一緒に組むのか分からないから、顔合わせも兼ねて説明を聞きに行かないとならないのよね」
「そういうのって近侍と一緒に行くって清光から聞いたけど、もう決めたの?」
ポリポリとたくあんを食べながら「うーん」と唸る主様。誰にするか決めかねているようだ。大事な件なようなので始まりの一振りの清光くんになるのかと思っていたら、「私がいない間は清光に本丸を任せたい」とのことだった。そして、清光くんがいるなら安定くんも、と。
「へへっ、愛されてるぜ」
「決まったら教えるね」
「りょうか~い」
それから昼餉を食べ終わって、まだ体調も落ち着いていたから主様と厨に行って空いた食器を持って行った。
「ご馳走様~」
「ご馳走様でした!」
この日の厨当番は燭台切さんと鶴丸さんだった。鶴丸さんは私を見るなり唸っている。
「鶴さん、どうかした?」
「いやぁ、薙は本当に女人なんだなと…」
「鶴丸さん、あんまり見るとセクハラになるよ?」
「あぁ、すまんすまん」
「食器はそこに置いておいてくれ」と言ってくれたけれど、他の人たちの分が残っている。主様と一緒に洗うことになった。
「ジャージって楽よね。動きやすいし、食器洗うのも腕まくりしちゃえば濡れることもないし」
「そうですね。ジャージにして良かったです。…と、薙、どうかしましたか?」
私はこういった場所を見たことがある。鶴丸さんのように着物を着た女性がたすきを掛けて料理を作っていた…気がする。ただ、それで何を作っていたのかまでは思い出せない。
「少しずつ記憶が戻ってるね。この調子だよ、薙」
はにかんで頷く。
そして鶴丸さんも神社にいた頃があると教えてくれて、もしかしたら記憶を取り戻すヒントがあるかもしれないと、作業が落ち着いたら少し話をすることになった。
「よぉ、待たせたな」
夕餉の仕込みは同じく厨当番の蜻蛉切さんにお願いしてきたらしい。お茶と茶請けを持って来てくれたけど、清光くんと安定くんは怪訝な顔を見せた。
「これ、実はワサビ入りとかじゃないよね?」
「やれやれ、驚かせすぎなのも良くないな。せっかく真面目な話をしに来たんだ、驚きはないぜ。…少なくとも今はな」
「せっかく光坊が作った茶請けに驚きを仕込むわけにはいかないだろう」とお盆を置く。
「ま、俺は薙ともふ丸に充分驚かせられたわけだが」
私の傍でちょこんと座るもふ丸を突く。
「鶴丸は今日は神社にいた頃の話を聞かせてくれるんだよね。どうだった?」
「暇だったな」
「違う、そうじゃない」
「事実といえば事実さ。俺は奉納されたとはいえ、特に祭事なんかで使われてたわけじゃないからな」
「そうだったんだ」
「そこは薙も同じか?」
首を傾げる。祭事が執り行われている様子をうっすら思い出してはいるけれど、どんな内容だったのかまではまだ分からない。
それから何処の神社にいたのか一緒に考えてくれて、人々に訛りはあったかなどを聞かれたけれど、多分訛りはなかったはず。
「…となると、現世でいう関東かな」
「だと思う」
聞けば清光くんも安定くんも修行の旅に出たことがあって、色んな時代、色んな地域に足を運んでいたという。そこで見聞きしてきたものがたくさんあったから、こうして色々と話が出来るようだった。
「で、鶴丸は神社で何してたの?」
「境内を散歩してた以外には…そうだな。神社は子どもの遊び場でもあったから、その様子を見守ってたな。あと、稀に俺が見える子どもがいて、摘んだ花とか持って来てくれたりもしてたぞ」
「薙はなかったか?」と聞いてくれたものの、いまいち分からない。話を聞いて鶴丸さんと異なるのは、鶴丸さんは境内から出れたこと。奉納された以上出来るだけ神社にいたようだけれど、時々散歩をして近所に住む人々の暮らしを見ていたようだ。それでもあまり神社から離れないようにしていた、とのことだった。
「俺の経験談を話しただけになっちまったが、大丈夫か?」
「薙は聞いていて懐かしい気持ちになったようです。お話を聞かせて下さってありがとうございました」
「…じゃ、俺は厨に戻るぜ。何かあったらまた声を掛けてくれ」
薙もたくさん話して疲れただろうと気遣ってくれて、皆がそれぞれ部屋に戻って行った。
もふ丸とふたりきりになって一気に静かになった部屋で、尽きそうだったお香を焚き直して、もふ丸を愛でながら物思いに耽った。
昼餉は部屋で食べることになって、様子を見に来てくれた主様、清光くんと安定くんで豚汁と漬物をお供におにぎりを頬張る。
この具、美味しい…!
主様が梅おかかだと教えてくれて、自分の好きな食べ物を知れて笑顔が零れる。
そっか、おにぎりってこんな味だったんだ…。
思い出した。私がいた社に参拝客の人がおにぎりをお供えしてくれていたっけ。姿が姿だったから実際には食べられなかったけれど、お米に艶があってとても美味しそうだった。
どうやって作っているのか知りたくてその人を追っても、私は境内から出られなくて分からずじまいだったのも思い出した。
もふ丸経由でそれを伝えると、主様も2人も自分のことのように喜んでくれた。
「あ、そうそう。来週に連合の件で歴防に行くことになりそう」
「遊玄様に声を掛けられたってやつ?」
「うん。まだ誰と一緒に組むのか分からないから、顔合わせも兼ねて説明を聞きに行かないとならないのよね」
「そういうのって近侍と一緒に行くって清光から聞いたけど、もう決めたの?」
ポリポリとたくあんを食べながら「うーん」と唸る主様。誰にするか決めかねているようだ。大事な件なようなので始まりの一振りの清光くんになるのかと思っていたら、「私がいない間は清光に本丸を任せたい」とのことだった。そして、清光くんがいるなら安定くんも、と。
「へへっ、愛されてるぜ」
「決まったら教えるね」
「りょうか~い」
それから昼餉を食べ終わって、まだ体調も落ち着いていたから主様と厨に行って空いた食器を持って行った。
「ご馳走様~」
「ご馳走様でした!」
この日の厨当番は燭台切さんと鶴丸さんだった。鶴丸さんは私を見るなり唸っている。
「鶴さん、どうかした?」
「いやぁ、薙は本当に女人なんだなと…」
「鶴丸さん、あんまり見るとセクハラになるよ?」
「あぁ、すまんすまん」
「食器はそこに置いておいてくれ」と言ってくれたけれど、他の人たちの分が残っている。主様と一緒に洗うことになった。
「ジャージって楽よね。動きやすいし、食器洗うのも腕まくりしちゃえば濡れることもないし」
「そうですね。ジャージにして良かったです。…と、薙、どうかしましたか?」
私はこういった場所を見たことがある。鶴丸さんのように着物を着た女性がたすきを掛けて料理を作っていた…気がする。ただ、それで何を作っていたのかまでは思い出せない。
「少しずつ記憶が戻ってるね。この調子だよ、薙」
はにかんで頷く。
そして鶴丸さんも神社にいた頃があると教えてくれて、もしかしたら記憶を取り戻すヒントがあるかもしれないと、作業が落ち着いたら少し話をすることになった。
「よぉ、待たせたな」
夕餉の仕込みは同じく厨当番の蜻蛉切さんにお願いしてきたらしい。お茶と茶請けを持って来てくれたけど、清光くんと安定くんは怪訝な顔を見せた。
「これ、実はワサビ入りとかじゃないよね?」
「やれやれ、驚かせすぎなのも良くないな。せっかく真面目な話をしに来たんだ、驚きはないぜ。…少なくとも今はな」
「せっかく光坊が作った茶請けに驚きを仕込むわけにはいかないだろう」とお盆を置く。
「ま、俺は薙ともふ丸に充分驚かせられたわけだが」
私の傍でちょこんと座るもふ丸を突く。
「鶴丸は今日は神社にいた頃の話を聞かせてくれるんだよね。どうだった?」
「暇だったな」
「違う、そうじゃない」
「事実といえば事実さ。俺は奉納されたとはいえ、特に祭事なんかで使われてたわけじゃないからな」
「そうだったんだ」
「そこは薙も同じか?」
首を傾げる。祭事が執り行われている様子をうっすら思い出してはいるけれど、どんな内容だったのかまではまだ分からない。
それから何処の神社にいたのか一緒に考えてくれて、人々に訛りはあったかなどを聞かれたけれど、多分訛りはなかったはず。
「…となると、現世でいう関東かな」
「だと思う」
聞けば清光くんも安定くんも修行の旅に出たことがあって、色んな時代、色んな地域に足を運んでいたという。そこで見聞きしてきたものがたくさんあったから、こうして色々と話が出来るようだった。
「で、鶴丸は神社で何してたの?」
「境内を散歩してた以外には…そうだな。神社は子どもの遊び場でもあったから、その様子を見守ってたな。あと、稀に俺が見える子どもがいて、摘んだ花とか持って来てくれたりもしてたぞ」
「薙はなかったか?」と聞いてくれたものの、いまいち分からない。話を聞いて鶴丸さんと異なるのは、鶴丸さんは境内から出れたこと。奉納された以上出来るだけ神社にいたようだけれど、時々散歩をして近所に住む人々の暮らしを見ていたようだ。それでもあまり神社から離れないようにしていた、とのことだった。
「俺の経験談を話しただけになっちまったが、大丈夫か?」
「薙は聞いていて懐かしい気持ちになったようです。お話を聞かせて下さってありがとうございました」
「…じゃ、俺は厨に戻るぜ。何かあったらまた声を掛けてくれ」
薙もたくさん話して疲れただろうと気遣ってくれて、皆がそれぞれ部屋に戻って行った。
もふ丸とふたりきりになって一気に静かになった部屋で、尽きそうだったお香を焚き直して、もふ丸を愛でながら物思いに耽った。