女性審神者の名前です。
梅「審神者として出来ることは全てやらなきゃ」
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~薬研side~
薙の問診、香を追加で作ったところでひとまず近侍の仕事は落ち着いた。兄弟たちの様子を見に部屋へ戻る途中、「間違えたー!」やら「書き順が分かりません~」など、普段とは異なる賑やかな声が聞こえてくる。
「あっ、薬研兄さん!近侍のお仕事は落ち着いたんですか?」
「あぁ、次に大将のところに行くのは夕餉の頃だな」
「それなら薬研も書いてくれよ!」
「何をだ?」
「こ、これですっ…」と五虎退が見せてくれたのは短冊だった。
“薙さんが早く元気になりますように”
「五虎退、良く薙の名前を漢字で書けたな」
「は、はいっ。いち兄に習ったんです…」
「良くやったな」五虎退の柔らかい髪を撫でる。
見渡すと俺たち粟田口以外の奴らも短冊を書いていた。もちろん薙と話したことのない奴もいる。
“筋トレメニューなら俺に任せろ”
これは同田貫か。
“薙殿ならいつかこの困難を笑い飛ばせる程の強さを得られると信じているぞ!”
これは山伏だな。
“薙刀に由縁のある者同士、いつか手合わせをしようぞ!”
“ぼくもてあわせしたいでーす!”
これは…岩融と今剣か。
この場にいない奴らの短冊が机に並べられていた。
何を書こうか悩んでいる和泉守に、アドバイスを送る堀川、もっと書きたいとはしゃぐ奴らを見守る石切丸といち兄。そんな奴らに短冊を配る大和守に、書き終えた分を並べて乾かす加州。
「なるほど、薙へのメッセージを短冊に書いてるのか」
「そう!この間、粟田口の短刀たちが薙に寄せ書きしたんだよね。それで思いついたんだ。僕たちも書こう!って」
提案したのは大和守。寄せ書きを書けなかった兄弟はもちろん、書けた弟たちももっと薙に思いを伝えたかったらしい。けれどたくさん手紙を送ったら薙が読むのが大変かもしれないと、どうすれば良いのか悩んでいたようだ。
「で、短冊の色は何が良いか歌仙に相談して緑と白と桃色にしたってわけ」
「どうしてその色なんだ?」
「葉牡丹だよ。この時期に咲くし、花言葉が“祝福”なんだって」
「大和守さん、加州さん、出来ました!」
そう言って白い短冊を見せる物吉。押し花にした四葉のクローバーが貼り付けてあった。
「あ、それいいですね!」
目を輝かせる平野に、「ボクも可愛くデコろうかなっ」と折り紙を取り出す乱。弟たちもそれに続いた。
「こらこら、それでは雅ではなくなってしまうじゃないか」
「まぁまぁ、僕たちらしくて良いんじゃないかな」
厨当番の歌仙と燭台切、大倶利伽羅と鶴丸がやって来る。
「ほら、伽羅坊も書くぞ」
「…慣れ合うつもりはない」
「そんなこと言わずに、ほら」
「……」
半強制的に座らされた大倶利伽羅の隣では、鳴狐がおもむろに筆にたくさんの墨をつけ始めた。
「…キツネ」
「鳴狐?!もしやわたくしの手形をつけるつもりですか?!…くすぐったい、くすぐったいですぞ~!」
「…キツネ、うるさい」
…手じゃなくて足じゃねぇか?
まぁいいか、と近くの席に座ると、小夜が何を書くべきか悩んでいて、兄たちは優しく見守っている。小夜に書くことがなくならないように、後から書くようだ。
「小夜すけ、そこまで考えなくていいと思うぜ」
「ですが…。僕なんかが書いても良いんでしょうか」
「良いのですよ。僕たちが育てた水仙を喜んでくれたのですから、短冊もきっと喜んでくれますよ」
宗三に背中を押されてたどたどしい字で書き始める。分からない漢字は江雪に聞いていた。
“薙さんと一緒に花を育てたいです”
「良く出来ましたね、小夜」
「…はい」
小夜がちゃんと書けたことに少し安心した。
左文字兄弟が花壇の様子を見に行ったのと入れ替わりにやって来たのは…
「はいっはーい、次郎さんも書いちゃうよ~っ!」
大太刀兄弟だった。弟たちに「次郎さんお酒臭~い!」などと言われながらもどっかりと座り、短冊の色の意味を聞いて「なるほどねぇ~」と感心している。近くにいる大倶利伽羅もそれに溜息をついたが、何を書けば良いのか分からないらしい。短冊を眺めたままだ。
「薬研兄さんは何て書くんですか?」
髪色と同じ桃色の短冊を手にした秋田がやって来る。
「んー、そうだな」
薙とは接する機会が多いから、何を書けばいいのか分からないのは俺も同じか。しばらく唸った後、筆を取ってこう書いた。
“一緒に出陣する時は頼りにしてるぜ”
薙の問診、香を追加で作ったところでひとまず近侍の仕事は落ち着いた。兄弟たちの様子を見に部屋へ戻る途中、「間違えたー!」やら「書き順が分かりません~」など、普段とは異なる賑やかな声が聞こえてくる。
「あっ、薬研兄さん!近侍のお仕事は落ち着いたんですか?」
「あぁ、次に大将のところに行くのは夕餉の頃だな」
「それなら薬研も書いてくれよ!」
「何をだ?」
「こ、これですっ…」と五虎退が見せてくれたのは短冊だった。
“薙さんが早く元気になりますように”
「五虎退、良く薙の名前を漢字で書けたな」
「は、はいっ。いち兄に習ったんです…」
「良くやったな」五虎退の柔らかい髪を撫でる。
見渡すと俺たち粟田口以外の奴らも短冊を書いていた。もちろん薙と話したことのない奴もいる。
“筋トレメニューなら俺に任せろ”
これは同田貫か。
“薙殿ならいつかこの困難を笑い飛ばせる程の強さを得られると信じているぞ!”
これは山伏だな。
“薙刀に由縁のある者同士、いつか手合わせをしようぞ!”
“ぼくもてあわせしたいでーす!”
これは…岩融と今剣か。
この場にいない奴らの短冊が机に並べられていた。
何を書こうか悩んでいる和泉守に、アドバイスを送る堀川、もっと書きたいとはしゃぐ奴らを見守る石切丸といち兄。そんな奴らに短冊を配る大和守に、書き終えた分を並べて乾かす加州。
「なるほど、薙へのメッセージを短冊に書いてるのか」
「そう!この間、粟田口の短刀たちが薙に寄せ書きしたんだよね。それで思いついたんだ。僕たちも書こう!って」
提案したのは大和守。寄せ書きを書けなかった兄弟はもちろん、書けた弟たちももっと薙に思いを伝えたかったらしい。けれどたくさん手紙を送ったら薙が読むのが大変かもしれないと、どうすれば良いのか悩んでいたようだ。
「で、短冊の色は何が良いか歌仙に相談して緑と白と桃色にしたってわけ」
「どうしてその色なんだ?」
「葉牡丹だよ。この時期に咲くし、花言葉が“祝福”なんだって」
「大和守さん、加州さん、出来ました!」
そう言って白い短冊を見せる物吉。押し花にした四葉のクローバーが貼り付けてあった。
「あ、それいいですね!」
目を輝かせる平野に、「ボクも可愛くデコろうかなっ」と折り紙を取り出す乱。弟たちもそれに続いた。
「こらこら、それでは雅ではなくなってしまうじゃないか」
「まぁまぁ、僕たちらしくて良いんじゃないかな」
厨当番の歌仙と燭台切、大倶利伽羅と鶴丸がやって来る。
「ほら、伽羅坊も書くぞ」
「…慣れ合うつもりはない」
「そんなこと言わずに、ほら」
「……」
半強制的に座らされた大倶利伽羅の隣では、鳴狐がおもむろに筆にたくさんの墨をつけ始めた。
「…キツネ」
「鳴狐?!もしやわたくしの手形をつけるつもりですか?!…くすぐったい、くすぐったいですぞ~!」
「…キツネ、うるさい」
…手じゃなくて足じゃねぇか?
まぁいいか、と近くの席に座ると、小夜が何を書くべきか悩んでいて、兄たちは優しく見守っている。小夜に書くことがなくならないように、後から書くようだ。
「小夜すけ、そこまで考えなくていいと思うぜ」
「ですが…。僕なんかが書いても良いんでしょうか」
「良いのですよ。僕たちが育てた水仙を喜んでくれたのですから、短冊もきっと喜んでくれますよ」
宗三に背中を押されてたどたどしい字で書き始める。分からない漢字は江雪に聞いていた。
“薙さんと一緒に花を育てたいです”
「良く出来ましたね、小夜」
「…はい」
小夜がちゃんと書けたことに少し安心した。
左文字兄弟が花壇の様子を見に行ったのと入れ替わりにやって来たのは…
「はいっはーい、次郎さんも書いちゃうよ~っ!」
大太刀兄弟だった。弟たちに「次郎さんお酒臭~い!」などと言われながらもどっかりと座り、短冊の色の意味を聞いて「なるほどねぇ~」と感心している。近くにいる大倶利伽羅もそれに溜息をついたが、何を書けば良いのか分からないらしい。短冊を眺めたままだ。
「薬研兄さんは何て書くんですか?」
髪色と同じ桃色の短冊を手にした秋田がやって来る。
「んー、そうだな」
薙とは接する機会が多いから、何を書けばいいのか分からないのは俺も同じか。しばらく唸った後、筆を取ってこう書いた。
“一緒に出陣する時は頼りにしてるぜ”