女性審神者の名前です。
梅「審神者として出来ることは全てやらなきゃ」
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~薬研side~
朝餉を終えてしばらくした後、薙のリハビリで部屋の前の階段を上り下りすることになった。今回の近侍は大将の執務の手伝いというより、薙の体調管理がメインだ。もふ丸も薙の肩に乗る練習も兼ねて、怪我をしないように見守る。この本丸には階段があまりないから、ここがうってつけの場所ってわけだ。大将の部屋の下に続く階段もあるが、そこはサポート出来るほどの広さではない。薙はそこの上り下りは何とか出来るようだが、やはりこうやって誰かが付いて見ていた方が本人も安心するだろう。…と思っていたわけだが。
「おおお思ってたより高いですぅ…!」
「大丈夫だ、すぐに慣れる」
「ですがっ、な、薙っ、もっとゆっくり歩いて下さっ…」
「薙は充分ゆっくり歩いてるさ。こりゃもふ丸の方が深刻だな」
「えぇ~…」
これは想定外だった。薙は順調にいけば俺たちと同じように動けるようになるのに対して、もふ丸には思っていた以上に力がない。流石小動物というか、何と言うか。
ここは俺が何とかするしかねぇな。
一方の薙も、もふ丸を意識しながら階段を上り下りしている。これも万が一のことを考えるとその癖も直した方が良さそうだ。
結果、この日は薙はもふ丸を意識したまま、もふ丸も感覚が掴めないままで終わってしまった。階段の上り下りは関節を軋ませるような動きではなくなったし、上々と考えるべきだろう。香を焚いた部屋からもう少し離れられるかとも考えたが、無理は禁物だ。階段の上り下りがスムーズに出来るようになってからでも遅くはないはずだ。そうして皆とゆっくり過ごしたり本丸内を歩いてみたり、少しずつ下での生活に慣れていけばいい。
「今日のリハビリはここまでだ。後は好きに過ごしていいぞ」
「ありがと、薬研」
薙も「ありがとう」と口を動かした。
「…で、顕現させたばかりで悪いんだが、ちょいとばかしもふ丸を借りてもいいか?」
「ぼっ、僕ですか?!」
事情を話すとふたりからすんなりとOKが出た。
「よーし、それじゃあ行くぞー」
「な~ぎぃ~」
そんなもふ丸を肩に乗せて下へと向かう。階段を下りた時は体を強張らせていたが、普通に廊下を歩いている分には問題はなさそうだ。
「ついでだ、皆と会ってみるか。それでもふ丸が何を見て何を感じたのか、薙への土産話にしてみるのはどうだ?」
「わ、分かりましたっ」
「そう肩に力を入れなくていい」
ハムスターの肩がどの辺りなのかは置いておいて、ひとまず適当に本丸を歩いてみる。皆に会わせるとはいえ、馬小屋だとか畑なんかはお預けにした方がいいだろう。そこは薙と一緒に楽しんでもらいたいところだ。
「やげーん」
最初に会うのは誰かと思いきや、その相手はすぐにやって来た。内番を終えた大和守と加州だった。加州はもふ丸を見るなり「もふ丸じゃーん」と指で優しく撫でている。
「もふ丸って、この毛玉のこと?」
「毛玉って、あのね…。話せない薙の代わりにコミュニケーションをとるのに主が顕現させたの」
「へぇ~。ヨロシクね、もふ丸」
「よろしくお願いします!」
「もふ丸って僕たちが見たことのない動物だけど、ネズミ?」
…まぁ間違っちゃあいないが。
「ハ・ム・ス・ター・で・す!」
もふ丸は同じネズミ科なのに一緒にされるのが嫌らしい。まぁ、付喪神だから本当のハムスターと比べて習性は異なるし、分からんでもない。
「安定、触ってみ?めっちゃふわふわしてて温かいよ」
頬をプクーッと膨らませても、触られるのは好きらしい。ぴょんっと大和守の手に乗ると、「ほら、ネズミとは違うでしょうっ」と証明してみせた。
「わー、ホントだぁ~!ずっと手に乗せてたいぐらい可愛い~!」
「でしょう?主様と薙の思いが込められて生まれたんです、可愛くて当然ですよっ」
もふ丸、正確には霊力な。
そんなことを思いつつ、可愛さを全力でアピールするもふ丸と大和守たちのところに何事かと和泉守と堀川、長曽祢がやって来た。これは賑やかになりそうだ。
朝餉を終えてしばらくした後、薙のリハビリで部屋の前の階段を上り下りすることになった。今回の近侍は大将の執務の手伝いというより、薙の体調管理がメインだ。もふ丸も薙の肩に乗る練習も兼ねて、怪我をしないように見守る。この本丸には階段があまりないから、ここがうってつけの場所ってわけだ。大将の部屋の下に続く階段もあるが、そこはサポート出来るほどの広さではない。薙はそこの上り下りは何とか出来るようだが、やはりこうやって誰かが付いて見ていた方が本人も安心するだろう。…と思っていたわけだが。
「おおお思ってたより高いですぅ…!」
「大丈夫だ、すぐに慣れる」
「ですがっ、な、薙っ、もっとゆっくり歩いて下さっ…」
「薙は充分ゆっくり歩いてるさ。こりゃもふ丸の方が深刻だな」
「えぇ~…」
これは想定外だった。薙は順調にいけば俺たちと同じように動けるようになるのに対して、もふ丸には思っていた以上に力がない。流石小動物というか、何と言うか。
ここは俺が何とかするしかねぇな。
一方の薙も、もふ丸を意識しながら階段を上り下りしている。これも万が一のことを考えるとその癖も直した方が良さそうだ。
結果、この日は薙はもふ丸を意識したまま、もふ丸も感覚が掴めないままで終わってしまった。階段の上り下りは関節を軋ませるような動きではなくなったし、上々と考えるべきだろう。香を焚いた部屋からもう少し離れられるかとも考えたが、無理は禁物だ。階段の上り下りがスムーズに出来るようになってからでも遅くはないはずだ。そうして皆とゆっくり過ごしたり本丸内を歩いてみたり、少しずつ下での生活に慣れていけばいい。
「今日のリハビリはここまでだ。後は好きに過ごしていいぞ」
「ありがと、薬研」
薙も「ありがとう」と口を動かした。
「…で、顕現させたばかりで悪いんだが、ちょいとばかしもふ丸を借りてもいいか?」
「ぼっ、僕ですか?!」
事情を話すとふたりからすんなりとOKが出た。
「よーし、それじゃあ行くぞー」
「な~ぎぃ~」
そんなもふ丸を肩に乗せて下へと向かう。階段を下りた時は体を強張らせていたが、普通に廊下を歩いている分には問題はなさそうだ。
「ついでだ、皆と会ってみるか。それでもふ丸が何を見て何を感じたのか、薙への土産話にしてみるのはどうだ?」
「わ、分かりましたっ」
「そう肩に力を入れなくていい」
ハムスターの肩がどの辺りなのかは置いておいて、ひとまず適当に本丸を歩いてみる。皆に会わせるとはいえ、馬小屋だとか畑なんかはお預けにした方がいいだろう。そこは薙と一緒に楽しんでもらいたいところだ。
「やげーん」
最初に会うのは誰かと思いきや、その相手はすぐにやって来た。内番を終えた大和守と加州だった。加州はもふ丸を見るなり「もふ丸じゃーん」と指で優しく撫でている。
「もふ丸って、この毛玉のこと?」
「毛玉って、あのね…。話せない薙の代わりにコミュニケーションをとるのに主が顕現させたの」
「へぇ~。ヨロシクね、もふ丸」
「よろしくお願いします!」
「もふ丸って僕たちが見たことのない動物だけど、ネズミ?」
…まぁ間違っちゃあいないが。
「ハ・ム・ス・ター・で・す!」
もふ丸は同じネズミ科なのに一緒にされるのが嫌らしい。まぁ、付喪神だから本当のハムスターと比べて習性は異なるし、分からんでもない。
「安定、触ってみ?めっちゃふわふわしてて温かいよ」
頬をプクーッと膨らませても、触られるのは好きらしい。ぴょんっと大和守の手に乗ると、「ほら、ネズミとは違うでしょうっ」と証明してみせた。
「わー、ホントだぁ~!ずっと手に乗せてたいぐらい可愛い~!」
「でしょう?主様と薙の思いが込められて生まれたんです、可愛くて当然ですよっ」
もふ丸、正確には霊力な。
そんなことを思いつつ、可愛さを全力でアピールするもふ丸と大和守たちのところに何事かと和泉守と堀川、長曽祢がやって来た。これは賑やかになりそうだ。