女性審神者の名前です。
梅「審神者として出来ることは全てやらなきゃ」
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~審神者side~
「うーん…」
私は式札をじっと眺め、新たに刀剣を顕現させるべきか悩んでいた。
この本丸は刀剣男士は比較的多い。…が、それに比べて脇差が少ない。打刀や槍との連携がとりやすいし、短刀と同じく夜戦だろうが屋内戦だろうが状況に関係なく動ける刀種。ただ、多い方が良いと言えど、こればかりは“縁”なわけで。
「うーん」と小さく唸っていると襖の向こうから階段を上がってくる足音が聞こえてきた。
「主、入っても宜しいでしょうか」
「どうぞ」
「失礼します」と入って来たのは今週の近侍であり、自称“主お世話係”のへし切長谷部。
「来週の近侍と内番の確認に参りました」
「あ、ごめん、まだ決めてない」
手にしていた式札をそっと文机の端に置いて端末に向かった私の前で「またですか…」と零す。縁に恵まれて刀剣男士が多いのはありがたいけれど、その分内番を考えるのも一苦労。皆がコミュニケーションをとりやすいように、打ち解けられるようにそれぞれの性格などで組み合わせも重要になってくる。
過去には贋作だの何だのといちいち反発していた蜂須賀虎徹と長曽祢虎徹を何度も組み合わせる荒治療も行ったこともあるけれど、皆(特に次郎太刀)が上手いことフォローしてくれたおかげもあって、現在はましな方だろう。
近侍も審神者の仕事を知ってほしいし、執務中もお互いのことをもっと知れるように毎週変えさせてもらっている。
「夕方までに決めておくから、それまで待っててもらえる?」
「はぁ…。分かりました。ですが、せめて近侍だけは早めに決めておいて下さい」
「了解」と画面を見ながら返事をすると、いつもならすぐに執務室を出て行くはずの長谷部がじっと文机の端に置いた札を見つめていた。
「新しい刀の収集ですか」
「うん。脇差が少ないでしょ?だから縁があればいいなーって思って」
「そうでしたか。俺も脇差を増やし、戦力を拡充出来ればと思っておりました。顕現させる日が決まりましたらお呼び下さい。加州と燭台切にその旨を伝えておきます」
「ありがとう、よろしくね」
静かに執務室を去った長谷部を見送って画面へと視線を戻した。
もし本当に脇差が顕現したら…?
男士たちの中で脇差は面倒見が良く、特に堀川と鯰尾がそうだ。堀川は見掛ける度に何かしら家事をこなしたり皆の世話を焼いていることが多いし、鯰尾も口数の少ない骨喰の面倒を見ている。兄弟も多いからどのような性格でも慣れているようだし、話しやすい性格だし、他の兄弟たちとも打ち解けられる機会を作ってくれるはず。どちらも頼もしくて心強い。手合わせにも付き合ってくれるだろう。
よし、じゃあこうしよう。
次にこの部屋に来たのが粟田口なら鯰尾、他の刀派だったら堀川。
粟田口の短刀たちは良く遊びに誘いに来てくれるし、薬研も調合の相談に来る。他の刀派も万屋へのお誘いや買って来るものはないか聞きに来てくれるし、燭台切も夕飯のリクエストはないか聞きに来てくれる。確率は半々。一応言っておくけど、ふざけてはいない。断じて。
内番を決めている間に誰かしら来るだろうと、まずは馬当番の枠を埋めていった。
「あるじさま~!」
「入るぜ大将!」
内番を決め終えるまであと少し、のところで元気な2振りの声が聞こえ、それと同時に襖が開く。
「そうきたか~」
「へ?何の話だよ?」
やって来たのは今剣と厚だった。これでは近侍を決められない。事情を話すと「ずいぶんとおもしろいきめかたをしますね」と予想通り突っ込まれたが、私は至って真面目なので再び悩む。2振りとも万屋への買い物のお誘いで、下の小さなキッチンを見に行ったら紅茶がなくなりそうだったので、一緒に行くことにした。
ちなみに執務室と作業部屋、寝室が2階で、その下には飲み物を淹れたりお菓子用の食器があったりと、必要最低限のことが出来る小さなキッチンとトイレがある。出不精気味な私にとって最高な間取りだ。
「それじゃあ、いきましょう!」
ご機嫌に歩く今剣と手を繋ぎ、厚も前田と仲良く話しながら万屋へと向かった。前田は三日月と鶯丸に頼まれた茶菓子を手に、他に何か良いお菓子がないか色々と見ている。自分のものではなく、周りの為に選ぼうとする辺り彼らしいと思う。一方の今剣と厚はハズレのないくじをどれにしようか楽しそうに選んでいる。
「主君は何か良いものは見つかりましたか?」
「うん、気になってた紅茶があったよ。あとはちょっとしたお菓子も買おうかな」
「それでしたら、チョコレートはいかがでしょうか。最近買った本に、紅茶にはチョコレートも合うと載っていましたので。あと、和菓子も合うようですよ」
「いがいです。わがしといったらりょくちゃだとおもっていました」
「それなら」と、甘さ控えめのチョコレートと、日持ちのするどら焼きを選んでみる。食べるのが楽しみだ。
それから今剣と厚はハズレなしのくじで欲しいお菓子が当たって屈託のない笑みを浮かべて喜び合っている。
こんな日々がずっと続けばいいのに。
あいにく私たちはそのような立場にない。出陣となれば私はその命を下し、皆は死と隣り合わせの戦場に行かなければならないのだから。
「大将、どーした?」
「何でもないよ」
そう微笑んで3振りの頭を撫でた。
「さ、帰ろうか。みんながいる本丸に」
「はい!」
帰りは今剣だけでなく、前田とも手を繋いで帰った。厚も恥ずかしがりながらも前田と手を繋いでくれて、温かい気持ちを胸に本丸に戻ったら…
「主!」
長谷部に見つかった。
「お出掛けになられたということは、本日の執務は終えられたのですね?」
「あー、えーっとね。あとちょっと」
「主、あなたというお方は…!」
「…長谷部、これあげる」
万屋で買ったどら焼きを差し出してみる。個装タイプなので私の分はまだあるから問題はない。
「主が!俺に!どら焼きを…!ありがたき幸せ…!」
厚が「長谷部ってチョロいとこあるよな」と小さく呟いたが、本人には聞こえていないようだ。大袈裟すぎるぐらいに感激している。他の本丸の長谷部もそうなのだろうか。
「どらやきでここまでよろこぶかたなははじめてみました」
「多分長谷部ぐらいだろ」
「じゃ、私は執務に戻るね」とこっそりと中へ入って行く。階段を上っているところで正気に戻ったらしい長谷部が「主?!」と私を探す声が聞こえてきたけど、一刻も早く執務に取り掛からなくては。
さて、近侍はどうしようか。
最大の問題を片付けていない私も私だが、本当にどちらにすれば良いのか本当に悩む。…それならば。
くじで決めよう!
この本丸は一般的な内番として馬の世話や畑仕事、料理当番や本丸内の掃除以外にも、庭掃除や雪かきなど季節に合わせて決めている。手合わせや稽古は自主的に行ってもらっていて、誰が何時から手合わせするのか、それ用に作った予定表に書き込んで刀剣男士たちの間で決めているのだ。その記録は長谷部が管理していて、暫く手合わせをしていない男士たちには強制的に参加、という仕組みになっている。もっとも、積極的に道場に集まる男士が多いので強制参加は今まであまりしたことがない(一部を除く)。
畑仕事に関しては収穫時となるとこちらも自主的に皆が動いてくれる。もちろん私も手伝うこともある。
「主、失礼いたします」
そうこうしている間に長谷部がやって来た。
「内番は決まったよ。確認お願い」
「近侍は決まっていないのですか?」
「それは夕餉の時に決まるから。夕餉の後にここに集まってね」
「はぁ…、分かりました」
何故夕餉の時に決まると言ったのか、意図が分からずに戸惑う様子に、内心「そうなるよね」と1枚だけ残っていたクッキーを頬張った。鳴狐のキツネと五虎退の虎たちと遊んでいたこんのすけも戻って来て、他の執務もこなす。
そして夕餉の時間となって、大広間にやって来た2振りに声を掛けて、割り箸の先端を黒く塗ったくじを差し出した。そうして近侍という名の当たりを引いたのは…
「僕ですね!任せて!」
「来週の近侍は国広か」
一足早く堀川の隣で食事を始めていた和泉守が呟く。どこか寂しそうだ。向かいに座っている大和守に「少しは自分で動きなよ…」と呆れられている。和泉守は堀川と一緒ならば内番などはきちんとこなすが、それ以外は彼に頼っていることが多い。それもあるので、内番を頼む時は必ず2振りも一緒に組んでいる。
「…というわけで、食べ終わったら部屋に来てね。清光もだよー」
「はーい」
「主さん、今日は俺たちと一緒に食べましょう!」
鯰尾に手を引かれた先には既に私の席が用意されていた。粟田口の短刀たちも嬉しそうで、今日も美味しくて楽しい時間を過ごせそうだ。
その数時間後、3振りが部屋に集まった。内容は近侍の仕事の引継ぎ、来週の予定。顕現日は明後日の夜と決まり、皆で脇差のリストを確認した。短刀の可能性も考えてそちらも目を通しておく。
脇差で考えられる刀剣男士は浦島虎徹、篭手切江、治金丸、泛塵。浦島虎徹以外だった場合は同じ刀派やゆかりのある者はいない。新しく部屋を用意しておいた方が良いだろう。
「その準備は長谷部に任せるね。大掃除とまではいかないけど、ちょっと時間が掛かるかも」
「お任せ下さい!!この後早速…」
「明日でいいから…」
早くも“はりきり長谷部”になっている姿に今度は清光が呆れ、堀川も苦笑いを浮かべていた。
どんな刀剣男士がくるのかな。
皆でそんな話をしながら楽しい時を過ごした。
「うーん…」
私は式札をじっと眺め、新たに刀剣を顕現させるべきか悩んでいた。
この本丸は刀剣男士は比較的多い。…が、それに比べて脇差が少ない。打刀や槍との連携がとりやすいし、短刀と同じく夜戦だろうが屋内戦だろうが状況に関係なく動ける刀種。ただ、多い方が良いと言えど、こればかりは“縁”なわけで。
「うーん」と小さく唸っていると襖の向こうから階段を上がってくる足音が聞こえてきた。
「主、入っても宜しいでしょうか」
「どうぞ」
「失礼します」と入って来たのは今週の近侍であり、自称“主お世話係”のへし切長谷部。
「来週の近侍と内番の確認に参りました」
「あ、ごめん、まだ決めてない」
手にしていた式札をそっと文机の端に置いて端末に向かった私の前で「またですか…」と零す。縁に恵まれて刀剣男士が多いのはありがたいけれど、その分内番を考えるのも一苦労。皆がコミュニケーションをとりやすいように、打ち解けられるようにそれぞれの性格などで組み合わせも重要になってくる。
過去には贋作だの何だのといちいち反発していた蜂須賀虎徹と長曽祢虎徹を何度も組み合わせる荒治療も行ったこともあるけれど、皆(特に次郎太刀)が上手いことフォローしてくれたおかげもあって、現在はましな方だろう。
近侍も審神者の仕事を知ってほしいし、執務中もお互いのことをもっと知れるように毎週変えさせてもらっている。
「夕方までに決めておくから、それまで待っててもらえる?」
「はぁ…。分かりました。ですが、せめて近侍だけは早めに決めておいて下さい」
「了解」と画面を見ながら返事をすると、いつもならすぐに執務室を出て行くはずの長谷部がじっと文机の端に置いた札を見つめていた。
「新しい刀の収集ですか」
「うん。脇差が少ないでしょ?だから縁があればいいなーって思って」
「そうでしたか。俺も脇差を増やし、戦力を拡充出来ればと思っておりました。顕現させる日が決まりましたらお呼び下さい。加州と燭台切にその旨を伝えておきます」
「ありがとう、よろしくね」
静かに執務室を去った長谷部を見送って画面へと視線を戻した。
もし本当に脇差が顕現したら…?
男士たちの中で脇差は面倒見が良く、特に堀川と鯰尾がそうだ。堀川は見掛ける度に何かしら家事をこなしたり皆の世話を焼いていることが多いし、鯰尾も口数の少ない骨喰の面倒を見ている。兄弟も多いからどのような性格でも慣れているようだし、話しやすい性格だし、他の兄弟たちとも打ち解けられる機会を作ってくれるはず。どちらも頼もしくて心強い。手合わせにも付き合ってくれるだろう。
よし、じゃあこうしよう。
次にこの部屋に来たのが粟田口なら鯰尾、他の刀派だったら堀川。
粟田口の短刀たちは良く遊びに誘いに来てくれるし、薬研も調合の相談に来る。他の刀派も万屋へのお誘いや買って来るものはないか聞きに来てくれるし、燭台切も夕飯のリクエストはないか聞きに来てくれる。確率は半々。一応言っておくけど、ふざけてはいない。断じて。
内番を決めている間に誰かしら来るだろうと、まずは馬当番の枠を埋めていった。
「あるじさま~!」
「入るぜ大将!」
内番を決め終えるまであと少し、のところで元気な2振りの声が聞こえ、それと同時に襖が開く。
「そうきたか~」
「へ?何の話だよ?」
やって来たのは今剣と厚だった。これでは近侍を決められない。事情を話すと「ずいぶんとおもしろいきめかたをしますね」と予想通り突っ込まれたが、私は至って真面目なので再び悩む。2振りとも万屋への買い物のお誘いで、下の小さなキッチンを見に行ったら紅茶がなくなりそうだったので、一緒に行くことにした。
ちなみに執務室と作業部屋、寝室が2階で、その下には飲み物を淹れたりお菓子用の食器があったりと、必要最低限のことが出来る小さなキッチンとトイレがある。出不精気味な私にとって最高な間取りだ。
「それじゃあ、いきましょう!」
ご機嫌に歩く今剣と手を繋ぎ、厚も前田と仲良く話しながら万屋へと向かった。前田は三日月と鶯丸に頼まれた茶菓子を手に、他に何か良いお菓子がないか色々と見ている。自分のものではなく、周りの為に選ぼうとする辺り彼らしいと思う。一方の今剣と厚はハズレのないくじをどれにしようか楽しそうに選んでいる。
「主君は何か良いものは見つかりましたか?」
「うん、気になってた紅茶があったよ。あとはちょっとしたお菓子も買おうかな」
「それでしたら、チョコレートはいかがでしょうか。最近買った本に、紅茶にはチョコレートも合うと載っていましたので。あと、和菓子も合うようですよ」
「いがいです。わがしといったらりょくちゃだとおもっていました」
「それなら」と、甘さ控えめのチョコレートと、日持ちのするどら焼きを選んでみる。食べるのが楽しみだ。
それから今剣と厚はハズレなしのくじで欲しいお菓子が当たって屈託のない笑みを浮かべて喜び合っている。
こんな日々がずっと続けばいいのに。
あいにく私たちはそのような立場にない。出陣となれば私はその命を下し、皆は死と隣り合わせの戦場に行かなければならないのだから。
「大将、どーした?」
「何でもないよ」
そう微笑んで3振りの頭を撫でた。
「さ、帰ろうか。みんながいる本丸に」
「はい!」
帰りは今剣だけでなく、前田とも手を繋いで帰った。厚も恥ずかしがりながらも前田と手を繋いでくれて、温かい気持ちを胸に本丸に戻ったら…
「主!」
長谷部に見つかった。
「お出掛けになられたということは、本日の執務は終えられたのですね?」
「あー、えーっとね。あとちょっと」
「主、あなたというお方は…!」
「…長谷部、これあげる」
万屋で買ったどら焼きを差し出してみる。個装タイプなので私の分はまだあるから問題はない。
「主が!俺に!どら焼きを…!ありがたき幸せ…!」
厚が「長谷部ってチョロいとこあるよな」と小さく呟いたが、本人には聞こえていないようだ。大袈裟すぎるぐらいに感激している。他の本丸の長谷部もそうなのだろうか。
「どらやきでここまでよろこぶかたなははじめてみました」
「多分長谷部ぐらいだろ」
「じゃ、私は執務に戻るね」とこっそりと中へ入って行く。階段を上っているところで正気に戻ったらしい長谷部が「主?!」と私を探す声が聞こえてきたけど、一刻も早く執務に取り掛からなくては。
さて、近侍はどうしようか。
最大の問題を片付けていない私も私だが、本当にどちらにすれば良いのか本当に悩む。…それならば。
くじで決めよう!
この本丸は一般的な内番として馬の世話や畑仕事、料理当番や本丸内の掃除以外にも、庭掃除や雪かきなど季節に合わせて決めている。手合わせや稽古は自主的に行ってもらっていて、誰が何時から手合わせするのか、それ用に作った予定表に書き込んで刀剣男士たちの間で決めているのだ。その記録は長谷部が管理していて、暫く手合わせをしていない男士たちには強制的に参加、という仕組みになっている。もっとも、積極的に道場に集まる男士が多いので強制参加は今まであまりしたことがない(一部を除く)。
畑仕事に関しては収穫時となるとこちらも自主的に皆が動いてくれる。もちろん私も手伝うこともある。
「主、失礼いたします」
そうこうしている間に長谷部がやって来た。
「内番は決まったよ。確認お願い」
「近侍は決まっていないのですか?」
「それは夕餉の時に決まるから。夕餉の後にここに集まってね」
「はぁ…、分かりました」
何故夕餉の時に決まると言ったのか、意図が分からずに戸惑う様子に、内心「そうなるよね」と1枚だけ残っていたクッキーを頬張った。鳴狐のキツネと五虎退の虎たちと遊んでいたこんのすけも戻って来て、他の執務もこなす。
そして夕餉の時間となって、大広間にやって来た2振りに声を掛けて、割り箸の先端を黒く塗ったくじを差し出した。そうして近侍という名の当たりを引いたのは…
「僕ですね!任せて!」
「来週の近侍は国広か」
一足早く堀川の隣で食事を始めていた和泉守が呟く。どこか寂しそうだ。向かいに座っている大和守に「少しは自分で動きなよ…」と呆れられている。和泉守は堀川と一緒ならば内番などはきちんとこなすが、それ以外は彼に頼っていることが多い。それもあるので、内番を頼む時は必ず2振りも一緒に組んでいる。
「…というわけで、食べ終わったら部屋に来てね。清光もだよー」
「はーい」
「主さん、今日は俺たちと一緒に食べましょう!」
鯰尾に手を引かれた先には既に私の席が用意されていた。粟田口の短刀たちも嬉しそうで、今日も美味しくて楽しい時間を過ごせそうだ。
その数時間後、3振りが部屋に集まった。内容は近侍の仕事の引継ぎ、来週の予定。顕現日は明後日の夜と決まり、皆で脇差のリストを確認した。短刀の可能性も考えてそちらも目を通しておく。
脇差で考えられる刀剣男士は浦島虎徹、篭手切江、治金丸、泛塵。浦島虎徹以外だった場合は同じ刀派やゆかりのある者はいない。新しく部屋を用意しておいた方が良いだろう。
「その準備は長谷部に任せるね。大掃除とまではいかないけど、ちょっと時間が掛かるかも」
「お任せ下さい!!この後早速…」
「明日でいいから…」
早くも“はりきり長谷部”になっている姿に今度は清光が呆れ、堀川も苦笑いを浮かべていた。
どんな刀剣男士がくるのかな。
皆でそんな話をしながら楽しい時を過ごした。
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