女性審神者の名前です。
梅「審神者として出来ることは全てやらなきゃ」
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~薙side~
「起きた?」
あの悪夢を見て、主様と堀川くんと話してからどれぐらい経ったんだろう。ふと目を覚ますと、私の額に手をかざす主様とそれを見守っていたらしいこんのすけがいた。ゆっくりと布団から手を出してこんのすけを撫でると、すりすりと頬を寄せてくれて、その温かさに微笑んだ。
「薙は動物が好きなの?」
コクリと頷く。いつだったか、他の動物を撫でていたように思う。それが過去の記憶なのか、温かい気持ちになったのは覚えている。仮に本当の記憶だったとしたら、私が愛でていたのは何の動物だったんだろう。
「起きられそう?」
ゆっくりと体を起こす。主様が熱を測ってくれたけど、あまり下がっていないらしい。今の私にとってこの熱さは当たり前のようなもので自覚はない。
ひとまず解熱剤を飲んで、体を拭いてもらうことになった。その間、こんのすけは襖の向こう側で待機してくれるらしい。
「今日はシャンプーもしようね」
何のことなのか分からず首を傾げると、髪を洗うことらしい。本来は水を使うらしいけれど、ここでは使えないからそれがいらないシャンプーを使って洗ってくれるようだ。これで1つ、人としての知識が増えた。
ゆっくりと丁寧にシャンプーをして、体を拭いてもらって新しい寝間着に着替える。少しスッキリした気がした。
「元気がある時でいいから、これ読んでみて」
そう言って見せてくれたのは本だった。表紙には“動物図鑑”と書かれている。パラリと捲ってみると様々な動物の写真が載っていた。
「薙はまだ話せないから、薙の代わりに話せる付喪神を顕現させようと思っててね。せっかくなら薙が気に入った動物にするのはどうだ、って師匠からアドバイスをもらったの。気に入った動物があったらその子を顕現して、相棒にしよう。そうしたら皆と交流出来るようになるよ」
嬉しかった。ここまで自分を思ってくれる主様で良かった。堀川くんが話していた通り、主様だからこそここが素敵な場所なんだと思う。
「気に入ってくれたみたいで良かった。でも、その前に夕餉にしようね。…こんのすけ、燭台切さんに夕餉をお願いします、って伝えてくれる?」
「分かりました!持って行くのは誰にしましょうか?」
「手が空いている人でいいよ。良い機会だし、他の人と顔合わせをしても良いと思うから」
「はい!」と元気良く部屋を出て行ったこんのすけ。聞いてみるとこんのすけと同じ狐をお供にしている刀剣がいると教えてくれた。交流…コミュニケーションが苦手で口数の少ない刀剣らしい。何となく、狐以外の動物を選んだ方が良い気がする。
しばらくして、階段を上る音が聞こえてきた。すぐに襖越しに入ってもいいかと声を掛けられ、主様が「いいよー」と返す。そうして食事を持って来てくれたのは、2振りの男性だった。
「ありがとう」
私も「ありがとうございます」と口を動かす。2振りは優しい笑みで出来立ての食事を出してくれた。
「僕は燭台切光忠。前の主は自ら客人に料理をもてなしていた人でね。それで僕も厨当番をすることが多いんだ。あ、熱いから気を付けてね」
「僕は歌仙兼定。風流を愛する刀剣さ。米が炊ける香り、優しい出汁の香りに風流を感じるのが好きでね。僕も厨当番を引き受けることが多いんだ。さ、今日の主菜は野菜のうま煮だよ。冷めないうちにお食べ」
こういった料理を知っている気がした。少なくとも使われている野菜は分かる。大根に人参にこんにゃく。この緑色のものはインゲン、だろうか。
…あ、これ…。
「どうかしたのかい?」
丁寧に剥かれた里芋。これは特に良く知っている気がする。手を合わせて頬張ってみるとすごく美味しかった。私の様子に「気に入ってくれたんだね」と柔らかく笑ってくれた。
ノートにすごく美味しいこと、里芋を良く知っているような気がすること、そして感謝の気持ちを書く。記憶がなくてもそういったことがあるのも嬉しかった。
“いつか私も、お2人のお手伝いをさせて下さい”
続けてそう書くと、燭台切さんは「助かるよ」と、歌仙さんは「君が作る料理を楽しみにしているよ」と返してくれた。
「やっぱり脇差だからか、お手伝いが好きな子なのかな」
「そうかもしれないね。…でも、どうか無理はしないでおくれよ。手伝おうとしてくれる気持ちだけで嬉しいからね」
コクリと頷く。何だか元気が出てきた気がする。「気がする」ばかり言っているけれど、いつか皆と楽しく過ごせる日が来るんだと思うと、早くこの体に慣れたい気持ちが強くなった。
「起きた?」
あの悪夢を見て、主様と堀川くんと話してからどれぐらい経ったんだろう。ふと目を覚ますと、私の額に手をかざす主様とそれを見守っていたらしいこんのすけがいた。ゆっくりと布団から手を出してこんのすけを撫でると、すりすりと頬を寄せてくれて、その温かさに微笑んだ。
「薙は動物が好きなの?」
コクリと頷く。いつだったか、他の動物を撫でていたように思う。それが過去の記憶なのか、温かい気持ちになったのは覚えている。仮に本当の記憶だったとしたら、私が愛でていたのは何の動物だったんだろう。
「起きられそう?」
ゆっくりと体を起こす。主様が熱を測ってくれたけど、あまり下がっていないらしい。今の私にとってこの熱さは当たり前のようなもので自覚はない。
ひとまず解熱剤を飲んで、体を拭いてもらうことになった。その間、こんのすけは襖の向こう側で待機してくれるらしい。
「今日はシャンプーもしようね」
何のことなのか分からず首を傾げると、髪を洗うことらしい。本来は水を使うらしいけれど、ここでは使えないからそれがいらないシャンプーを使って洗ってくれるようだ。これで1つ、人としての知識が増えた。
ゆっくりと丁寧にシャンプーをして、体を拭いてもらって新しい寝間着に着替える。少しスッキリした気がした。
「元気がある時でいいから、これ読んでみて」
そう言って見せてくれたのは本だった。表紙には“動物図鑑”と書かれている。パラリと捲ってみると様々な動物の写真が載っていた。
「薙はまだ話せないから、薙の代わりに話せる付喪神を顕現させようと思っててね。せっかくなら薙が気に入った動物にするのはどうだ、って師匠からアドバイスをもらったの。気に入った動物があったらその子を顕現して、相棒にしよう。そうしたら皆と交流出来るようになるよ」
嬉しかった。ここまで自分を思ってくれる主様で良かった。堀川くんが話していた通り、主様だからこそここが素敵な場所なんだと思う。
「気に入ってくれたみたいで良かった。でも、その前に夕餉にしようね。…こんのすけ、燭台切さんに夕餉をお願いします、って伝えてくれる?」
「分かりました!持って行くのは誰にしましょうか?」
「手が空いている人でいいよ。良い機会だし、他の人と顔合わせをしても良いと思うから」
「はい!」と元気良く部屋を出て行ったこんのすけ。聞いてみるとこんのすけと同じ狐をお供にしている刀剣がいると教えてくれた。交流…コミュニケーションが苦手で口数の少ない刀剣らしい。何となく、狐以外の動物を選んだ方が良い気がする。
しばらくして、階段を上る音が聞こえてきた。すぐに襖越しに入ってもいいかと声を掛けられ、主様が「いいよー」と返す。そうして食事を持って来てくれたのは、2振りの男性だった。
「ありがとう」
私も「ありがとうございます」と口を動かす。2振りは優しい笑みで出来立ての食事を出してくれた。
「僕は燭台切光忠。前の主は自ら客人に料理をもてなしていた人でね。それで僕も厨当番をすることが多いんだ。あ、熱いから気を付けてね」
「僕は歌仙兼定。風流を愛する刀剣さ。米が炊ける香り、優しい出汁の香りに風流を感じるのが好きでね。僕も厨当番を引き受けることが多いんだ。さ、今日の主菜は野菜のうま煮だよ。冷めないうちにお食べ」
こういった料理を知っている気がした。少なくとも使われている野菜は分かる。大根に人参にこんにゃく。この緑色のものはインゲン、だろうか。
…あ、これ…。
「どうかしたのかい?」
丁寧に剥かれた里芋。これは特に良く知っている気がする。手を合わせて頬張ってみるとすごく美味しかった。私の様子に「気に入ってくれたんだね」と柔らかく笑ってくれた。
ノートにすごく美味しいこと、里芋を良く知っているような気がすること、そして感謝の気持ちを書く。記憶がなくてもそういったことがあるのも嬉しかった。
“いつか私も、お2人のお手伝いをさせて下さい”
続けてそう書くと、燭台切さんは「助かるよ」と、歌仙さんは「君が作る料理を楽しみにしているよ」と返してくれた。
「やっぱり脇差だからか、お手伝いが好きな子なのかな」
「そうかもしれないね。…でも、どうか無理はしないでおくれよ。手伝おうとしてくれる気持ちだけで嬉しいからね」
コクリと頷く。何だか元気が出てきた気がする。「気がする」ばかり言っているけれど、いつか皆と楽しく過ごせる日が来るんだと思うと、早くこの体に慣れたい気持ちが強くなった。