女性審神者の名前です。
撫子 太陽の当たる場所
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~“加州清光”side~
俺たちは薙が舞う姿に息を吞んだ。瞬きしたくないぐらい美しくて、神々しさも感じた。「神様だったから」と言われればそれまでだけど、きっと毎日見ても新鮮に映るだろう。
空に掲げていた薙刀を下ろし、舞を終えた薙が振り返った。逆光ではっきりと表情は見れなかったけど、微笑んでいたように見える。神様だった頃もこんな表情を周りに見せていたのかな、とふと思った。
「薙ちゃんありがとう」
「これでこじゃんと採れるきね。ありがとう」
「お役に立てて良かったです」と微笑む薙は、顔に髪が張りつくぐらい汗をかいていて、用意していた手拭いをそっと当てた。
「ありがとう」
「どーいたしまして」
「若鳥よ、こちらだ」
三鳥毛が裸足の薙の手を取って洗い場へと案内して行った。さすが三鳥毛、完璧な所作だ。それを見送って急いで厨に行って、小豆たちが作ったパウンドケーキとアイスコーヒーを用意して、扇風機をつけて待つ。しばらくして、洗い場からここまで三鳥毛にエスコートされて戻って来た薙を迎えた。
「わぁ、美味しそう」
「小豆さんたちが作ったんだから美味しいに決まってるか」とにこにことアイスコーヒーで喉を潤しつつ、扇風機で汗を乾かす姿を頬杖をついて眺めていた。主とはまた違った雰囲気のせいか、特に会話はなくても居心地がいい。主は活発で、ちょっと雑で、たまーに口が悪い時もあるせいか、落ち着く感じもする(言っとくけど悪口じゃないからね、主)。
「いただきます」
パウンドケーキを口にしたのと同時に、ぱぁっと明るい表情になった。
「美味しい?」
満面の笑みで何度も頷いた。これを食べたのは初めてらしい。
「小豆さんにレシピ聞けないかな。上手く作れるか分からないけど、私の本丸でも作ってみんなに食べてほしいんだ」
「教えてくれると思うよ」
美味しいものだったり楽しいことだったり、誰かと共有したいっていうのは何だか薙らしい気がした。俺たちはあの時、俺たちなりの苦しみや悩みを打ち明けた仲。この本丸で薙を1番理解してるのは俺かな、と思っちゃったりもする。
「それならさ、小豆にレシピを聞きに行くがてら一緒に色々見て回ろうよ。この間はあんまり見れなかったでしょ。俺、案内する」
「そうだね、いい機会だしそうさせてもらおうかな」
にっこりと笑った薙に頬が緩む。いつも安定に頼ることの多い俺が頼られてる気がしたから尚更だ。…一方的に感じてるだけだろうけど。
「んじゃ、本丸ツアーの始まり~!」
食べ終わった薙に手を差し出したらちゃんと取ってくれて、その手からは主とは違う女性ならではの温かさと、手合わせを重ねてきた努力の証が伝わってきた。
「まずは厨かな」
手を引いてそこへ連れて行く途中、安定とすれ違った。繋いでいる手と俺の顔を見て、「僕は部屋にいるからね」とにこにこと部屋へと戻って行った。
「大和守さんも一緒に来るのかと思ってた」
「何か今日はその気分じゃないみたい」
「そういうこともあるんだね」
「たまにだけど、あるよ」と返した。安定がそうする理由に俺は気付いてる。「僕にばかり頼らないで清光は清光で過ごしてみなよ」ってことだ。
薙の本丸の“俺”と“安定”は大体は一緒に過ごしているとは聞いていた。でもそれは俺みたいに頼っているわけではなくて、同じ時間を共有して、困った時はお互い様、協力し合ってる過ごし方みたいだ。
俺もいつかそうやって過ごせるようになるのかな。
「加州さん?」
そんなことを考えていた俺の顔を覗き込んだ薙はやっぱり気付いてない(何で?)。
気を取り直して厨に向かうと、薙が持って来てくれた野菜を漬けている歌仙、夕餉の下ごしらえをしている本日の厨当番、同田貫と来派の3振りがいた。薙は目を丸くしている。元々薙の本丸には来派がいないし、“同田貫”は厨に立つことはほぼほぼないらしい。料理が下…合わないみたいだ。
「あれ?小豆は何処?」
「謙信と部屋に戻って行ったよ」
「んじゃ、途中に寄ろっか」
「うん、お願いします」
薙から見て新鮮な光景を楽しんだ後は、本丸をぐるっと見て回った。粟田口の奴らの頭や頬を撫でたり(良くこうしているらしい)、この間のお礼も兼ねてみんなと談笑する薙は普段からこう過ごしてるのが伝わってきた。
薙は唯一の“刀剣女士”。主や遥さんとは違う、女性ならではの柔らかい雰囲気で周りを優しく包む温かい存在なのかもと考えたら、遥さんの本丸がちょっと羨ましくなった。そしてそっちの“俺”のことも。
「薬研さんも薬を作ったんだね」
「やっぱそっちもそうなんだ」
改めて作物の育ち具合を確かめに畑に来た。嫌いな奴(主に短刀)が多いピーマンと人参、あの男士が愛してやまないトマト、実は大倶利伽羅の大好物の茄子、歌仙がいつも豪快に切っているカボチャなど。春先に植えた野菜も順調に育っている。
「いつも思うんだけど、採れたての野菜で作るご飯って本当に贅沢だよね」
「同感。特に朝は食べたら今日も1日頑張るかーってなれるんだよね」
「薙が舞ってくれたから豊作間違いなし」とか「美味しいご飯でみなさんが元気に過ごせますように」とか、お互いの好きな料理は何か和気あいあいと話していたところに、厨にいるはずの愛染に、畑の入り口辺りから大声で呼ばれた。
「ネギがちょっと足りなくてさー!3~4本引っこ抜いて来てくんねぇかー?!」
「分かったー!」
「俺は蔵に行って他のを取って来るからー!」
「今日の夕餉は何なんだろうね」とそこへ行ってとりあえず4本抜いて、厨に戻るがてら植えたばかりのトウモロコシを見ていると、本丸から桑名江が飛び出して来た。
「2振りとも、畑から離れて!」
「えっ、何?!」
「へ?」
その声も空しく、勢いよく吹き出したスクリンプラーが盛大に俺たちを濡らした。
「うわっ!」
「わっ、何これ?!」
そうだった。愛染と蛍丸がホースで水を撒く時にあまりにも被害者を出すもんだから、主が最新のスクリンプラーを買ったんだった。
「薙、大丈…夫?!」
今日は舞を行うからと、薙は巫女服で来ている。なので着替えはなし。しっかりと濡れた白衣の下から、うっすらの下着のラインが見えてばっと薙を視界から外した。薙もそれに気付いて「あら」とそこを見やった。
「あ、ネギについてた泥、落ちたよ」
…薙、もうちょっと恥じらって。
俺たちは薙が舞う姿に息を吞んだ。瞬きしたくないぐらい美しくて、神々しさも感じた。「神様だったから」と言われればそれまでだけど、きっと毎日見ても新鮮に映るだろう。
空に掲げていた薙刀を下ろし、舞を終えた薙が振り返った。逆光ではっきりと表情は見れなかったけど、微笑んでいたように見える。神様だった頃もこんな表情を周りに見せていたのかな、とふと思った。
「薙ちゃんありがとう」
「これでこじゃんと採れるきね。ありがとう」
「お役に立てて良かったです」と微笑む薙は、顔に髪が張りつくぐらい汗をかいていて、用意していた手拭いをそっと当てた。
「ありがとう」
「どーいたしまして」
「若鳥よ、こちらだ」
三鳥毛が裸足の薙の手を取って洗い場へと案内して行った。さすが三鳥毛、完璧な所作だ。それを見送って急いで厨に行って、小豆たちが作ったパウンドケーキとアイスコーヒーを用意して、扇風機をつけて待つ。しばらくして、洗い場からここまで三鳥毛にエスコートされて戻って来た薙を迎えた。
「わぁ、美味しそう」
「小豆さんたちが作ったんだから美味しいに決まってるか」とにこにことアイスコーヒーで喉を潤しつつ、扇風機で汗を乾かす姿を頬杖をついて眺めていた。主とはまた違った雰囲気のせいか、特に会話はなくても居心地がいい。主は活発で、ちょっと雑で、たまーに口が悪い時もあるせいか、落ち着く感じもする(言っとくけど悪口じゃないからね、主)。
「いただきます」
パウンドケーキを口にしたのと同時に、ぱぁっと明るい表情になった。
「美味しい?」
満面の笑みで何度も頷いた。これを食べたのは初めてらしい。
「小豆さんにレシピ聞けないかな。上手く作れるか分からないけど、私の本丸でも作ってみんなに食べてほしいんだ」
「教えてくれると思うよ」
美味しいものだったり楽しいことだったり、誰かと共有したいっていうのは何だか薙らしい気がした。俺たちはあの時、俺たちなりの苦しみや悩みを打ち明けた仲。この本丸で薙を1番理解してるのは俺かな、と思っちゃったりもする。
「それならさ、小豆にレシピを聞きに行くがてら一緒に色々見て回ろうよ。この間はあんまり見れなかったでしょ。俺、案内する」
「そうだね、いい機会だしそうさせてもらおうかな」
にっこりと笑った薙に頬が緩む。いつも安定に頼ることの多い俺が頼られてる気がしたから尚更だ。…一方的に感じてるだけだろうけど。
「んじゃ、本丸ツアーの始まり~!」
食べ終わった薙に手を差し出したらちゃんと取ってくれて、その手からは主とは違う女性ならではの温かさと、手合わせを重ねてきた努力の証が伝わってきた。
「まずは厨かな」
手を引いてそこへ連れて行く途中、安定とすれ違った。繋いでいる手と俺の顔を見て、「僕は部屋にいるからね」とにこにこと部屋へと戻って行った。
「大和守さんも一緒に来るのかと思ってた」
「何か今日はその気分じゃないみたい」
「そういうこともあるんだね」
「たまにだけど、あるよ」と返した。安定がそうする理由に俺は気付いてる。「僕にばかり頼らないで清光は清光で過ごしてみなよ」ってことだ。
薙の本丸の“俺”と“安定”は大体は一緒に過ごしているとは聞いていた。でもそれは俺みたいに頼っているわけではなくて、同じ時間を共有して、困った時はお互い様、協力し合ってる過ごし方みたいだ。
俺もいつかそうやって過ごせるようになるのかな。
「加州さん?」
そんなことを考えていた俺の顔を覗き込んだ薙はやっぱり気付いてない(何で?)。
気を取り直して厨に向かうと、薙が持って来てくれた野菜を漬けている歌仙、夕餉の下ごしらえをしている本日の厨当番、同田貫と来派の3振りがいた。薙は目を丸くしている。元々薙の本丸には来派がいないし、“同田貫”は厨に立つことはほぼほぼないらしい。料理が下…合わないみたいだ。
「あれ?小豆は何処?」
「謙信と部屋に戻って行ったよ」
「んじゃ、途中に寄ろっか」
「うん、お願いします」
薙から見て新鮮な光景を楽しんだ後は、本丸をぐるっと見て回った。粟田口の奴らの頭や頬を撫でたり(良くこうしているらしい)、この間のお礼も兼ねてみんなと談笑する薙は普段からこう過ごしてるのが伝わってきた。
薙は唯一の“刀剣女士”。主や遥さんとは違う、女性ならではの柔らかい雰囲気で周りを優しく包む温かい存在なのかもと考えたら、遥さんの本丸がちょっと羨ましくなった。そしてそっちの“俺”のことも。
「薬研さんも薬を作ったんだね」
「やっぱそっちもそうなんだ」
改めて作物の育ち具合を確かめに畑に来た。嫌いな奴(主に短刀)が多いピーマンと人参、あの男士が愛してやまないトマト、実は大倶利伽羅の大好物の茄子、歌仙がいつも豪快に切っているカボチャなど。春先に植えた野菜も順調に育っている。
「いつも思うんだけど、採れたての野菜で作るご飯って本当に贅沢だよね」
「同感。特に朝は食べたら今日も1日頑張るかーってなれるんだよね」
「薙が舞ってくれたから豊作間違いなし」とか「美味しいご飯でみなさんが元気に過ごせますように」とか、お互いの好きな料理は何か和気あいあいと話していたところに、厨にいるはずの愛染に、畑の入り口辺りから大声で呼ばれた。
「ネギがちょっと足りなくてさー!3~4本引っこ抜いて来てくんねぇかー?!」
「分かったー!」
「俺は蔵に行って他のを取って来るからー!」
「今日の夕餉は何なんだろうね」とそこへ行ってとりあえず4本抜いて、厨に戻るがてら植えたばかりのトウモロコシを見ていると、本丸から桑名江が飛び出して来た。
「2振りとも、畑から離れて!」
「えっ、何?!」
「へ?」
その声も空しく、勢いよく吹き出したスクリンプラーが盛大に俺たちを濡らした。
「うわっ!」
「わっ、何これ?!」
そうだった。愛染と蛍丸がホースで水を撒く時にあまりにも被害者を出すもんだから、主が最新のスクリンプラーを買ったんだった。
「薙、大丈…夫?!」
今日は舞を行うからと、薙は巫女服で来ている。なので着替えはなし。しっかりと濡れた白衣の下から、うっすらの下着のラインが見えてばっと薙を視界から外した。薙もそれに気付いて「あら」とそこを見やった。
「あ、ネギについてた泥、落ちたよ」
…薙、もうちょっと恥じらって。
