女性審神者の名前です。
撫子 太陽の当たる場所
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~“加州清光”side~
「こんにちは~!」
明るい挨拶と共に、前に自身と繋がりのある男士を探しに来た薙が、遥さんの遣いでこの本丸にやって来た。…大量の菓子と野菜を持って。
「いや多すぎでしょ」
挨拶もそこそこに薙が持っていた菓子を持つ。主も「お礼ならこの間もらったのに」と籠いっぱいに入っている野菜を見やった。
「きゅうり、すっごいぐねぐねしてるね」
「古来種で…」とあれこれ説明する薙の表情は活き活きとしていた。
あれから薙は、刀派と刀工が分かってから手紙の返事をくれた。まさかの三条派だと読んだ時の衝撃は未だに覚えてる。…というか、ずっと忘れないと思う。きっと刀派が分かったからこの顔なのかもしれない。
そこに、庭掃除を終えた安定がばたばたと走って来た。
「遅れてごめん!」
「初めまして、大和守さん」
「君が紅葉薙だね。よろしく」
「清光から聞いてるよ」と安定がにっこりと笑った。
「おかえりなさい、とも言った方がいいかな?」
「あはは、やっぱりそこも聞いてた?」
「随分長い旅だったみたいだね」とか「興味深いものがたくさんあって思ってたより時間掛かっちゃった」とか、2振りが笑い合う。俺は安定が帰って来てからすぐ話は聞いてたけど、何だか置いていかれた気がして「早く行くよー」と安定の背中を押した。
「転送装置ですぐに来れても、準備やら大荷物で疲れたでしょ。お茶用意するよ。…陸奥守ー?!」
主が大声で陸奥守を呼べば、「ここにおるぜよ」と近くからひょっこり顔を出した。
「冷茶と麦茶、どれがえい?あ、アイスコーヒーも用意出来るけんど」
「えっと、お構いなく」
「そがなわけにもいかんぜよ。この本丸の為に舞うてもらうがやき」
「じゃあ、アイスコーヒーを」
「ほんなら、ちっくと待っちょれ」
そう、薙がこの本丸を訪れたのは、先日の礼も兼ねた五穀豊穣の舞を行う為だった。前に来た時に薙が神様だった頃の話をしていて、「お声掛けいただければ、いつでも」と申し出てくれていた。刀派が分かって一段落ついたってことで、今日になったってわけだ。
「薙ちゃんに部屋用意してあるから、そこ行こっか」
「すみません、ありがとうございます」
「薙が持って来てくれたやつはとりあえず全部厨に持ってくからねー」
「よろしく~」
俺と安定、陸奥守で菓子と野菜を運ぶ。祭事の準備を手伝っていた日本号が「最高じゃねぇか!」ときゅうりに味噌をつけてかじった。歌仙も漬物も作ろうとその分を取り分ける。他にも人参なんかもあった。これも古来種らしい。
「小豆、コーヒーを淹れてくれんか」
「わかった、こころをこめていれよう」
「すいーつもよういしてあるんだぞ。すいーつはまいのあとでいいんだよね?」
「あぁ。準備万端じゃな」
小豆の作業を見る安定が「紅葉薙ってコーヒー飲めるんだ~、大人だなぁ」と菓子をつまみ食いした。
…まぁ確かに。
全部の野菜を取り出して、籠を逆さまにして汚れを払いながらふと思う。
「小豆、俺にもアイスコーヒー淹れてくれない?」
「加州くんはこーひーはのめないんじゃなかったかな?」
「もっかいチャレンジしたい気分。もしかしたら飲めるようになってるかもしれないし?」
「わかった」と豆を挽く小豆。厨にコーヒー豆の良い香りが漂い始めた。香りは好きなんだけど、緑茶とは違う苦みがちょっと苦手。苦いのは同じなのに不思議だと思う。
「ふうみがうしなわれないうちにもっていってあげるといい」
「ありがと、俺持ってくね」
そうして部屋に行くと、主と薙が談笑している声が聞こえてきた。
「まさか坂本龍馬とも繋がりがあったとはね~」
…え、何それ。聞いてないんですけど。
ちょっと複雑な気分になりつつも「持って来たよー」と障子を開けた。
「あ、清光ありがと」
蜂須賀が買ったコースターの上にアイスコーヒーを置いて「どういうこと?」と視線を薙に向けた。
「加州さん、どうしたの?」
早速ストローをさして淹れたてを一口飲んだ薙がそれに気付く。
“加州さん ”かぁ…。
せめて“くん”付けがいいんだけど。
薙は他の本丸の男士には基本的に“さん”付けで呼んでいる。もちろん外見的に年上の人には元々そうしてるみたいだけど、例外として陸奥守を呼び捨てにしてるのが何かもやもやする。
「ホントにどしたの、清光」
「えっと、坂本龍馬と繋がりがあったってどういうことなのかなーって」
自分の分のアイスコーヒーにストローをさして、色々とごまかすように一口飲んだ。
「にっが!」
「背伸びするからそうなるのよ…」
「すまん、これを忘れちょった」
俺は絶対に可愛くない顔をしてる。陸奥守が持って来たガムシロップとミルクを受け取った主が俺にそれを差し出した。ふたりとも無糖で飲んでいる。
…やっぱ俺って子ども?
ちょっとへこむ俺に「それはね」と薙が教えてくれた。それに陸奥守が「ほんまか!」と目を輝かせた。刀派といい、まさかの内容に何だか頭がついていけない。
…何でアイスコーヒー飲もうって思ったんだろ、俺。
ガムシロップとミルクを2個ずつ入れてようやく飲める味になったアイスコーヒーを飲む俺の横で、坂本龍馬が“才谷梅太郎 ”と名乗っていた頃を知る陸奥守が「そういえば買っちょったのぅ」と天井を見上げた。
「ほんならわしとも繋がりがあるってことやね」
「まぁ、全部の本丸の陸奥守ともそういうことにもなるけれども」
何か疎外感がある。
つまらなさそうにしてる俺に気付いた主が小さくため息をついた。俺の心情に気付いてる顔だ。ぽんぽんと俺の頭を撫でた。
「?」
それに首を傾げる薙。あの時は俺の心情をずばりと当ててみせたのに、何で今回は気付かないんだろう。
「そろそろわしゃみんなあを呼んで来るぜよ。飲み終える頃には集まるろうね」
「うん、お願い」
「あ、俺も行く!」
居心地が悪くなった俺もアイスコーヒーを一気に飲んで立ち上がった。
…やっぱコーヒーって、苦い。
「こんにちは~!」
明るい挨拶と共に、前に自身と繋がりのある男士を探しに来た薙が、遥さんの遣いでこの本丸にやって来た。…大量の菓子と野菜を持って。
「いや多すぎでしょ」
挨拶もそこそこに薙が持っていた菓子を持つ。主も「お礼ならこの間もらったのに」と籠いっぱいに入っている野菜を見やった。
「きゅうり、すっごいぐねぐねしてるね」
「古来種で…」とあれこれ説明する薙の表情は活き活きとしていた。
あれから薙は、刀派と刀工が分かってから手紙の返事をくれた。まさかの三条派だと読んだ時の衝撃は未だに覚えてる。…というか、ずっと忘れないと思う。きっと刀派が分かったからこの顔なのかもしれない。
そこに、庭掃除を終えた安定がばたばたと走って来た。
「遅れてごめん!」
「初めまして、大和守さん」
「君が紅葉薙だね。よろしく」
「清光から聞いてるよ」と安定がにっこりと笑った。
「おかえりなさい、とも言った方がいいかな?」
「あはは、やっぱりそこも聞いてた?」
「随分長い旅だったみたいだね」とか「興味深いものがたくさんあって思ってたより時間掛かっちゃった」とか、2振りが笑い合う。俺は安定が帰って来てからすぐ話は聞いてたけど、何だか置いていかれた気がして「早く行くよー」と安定の背中を押した。
「転送装置ですぐに来れても、準備やら大荷物で疲れたでしょ。お茶用意するよ。…陸奥守ー?!」
主が大声で陸奥守を呼べば、「ここにおるぜよ」と近くからひょっこり顔を出した。
「冷茶と麦茶、どれがえい?あ、アイスコーヒーも用意出来るけんど」
「えっと、お構いなく」
「そがなわけにもいかんぜよ。この本丸の為に舞うてもらうがやき」
「じゃあ、アイスコーヒーを」
「ほんなら、ちっくと待っちょれ」
そう、薙がこの本丸を訪れたのは、先日の礼も兼ねた五穀豊穣の舞を行う為だった。前に来た時に薙が神様だった頃の話をしていて、「お声掛けいただければ、いつでも」と申し出てくれていた。刀派が分かって一段落ついたってことで、今日になったってわけだ。
「薙ちゃんに部屋用意してあるから、そこ行こっか」
「すみません、ありがとうございます」
「薙が持って来てくれたやつはとりあえず全部厨に持ってくからねー」
「よろしく~」
俺と安定、陸奥守で菓子と野菜を運ぶ。祭事の準備を手伝っていた日本号が「最高じゃねぇか!」ときゅうりに味噌をつけてかじった。歌仙も漬物も作ろうとその分を取り分ける。他にも人参なんかもあった。これも古来種らしい。
「小豆、コーヒーを淹れてくれんか」
「わかった、こころをこめていれよう」
「すいーつもよういしてあるんだぞ。すいーつはまいのあとでいいんだよね?」
「あぁ。準備万端じゃな」
小豆の作業を見る安定が「紅葉薙ってコーヒー飲めるんだ~、大人だなぁ」と菓子をつまみ食いした。
…まぁ確かに。
全部の野菜を取り出して、籠を逆さまにして汚れを払いながらふと思う。
「小豆、俺にもアイスコーヒー淹れてくれない?」
「加州くんはこーひーはのめないんじゃなかったかな?」
「もっかいチャレンジしたい気分。もしかしたら飲めるようになってるかもしれないし?」
「わかった」と豆を挽く小豆。厨にコーヒー豆の良い香りが漂い始めた。香りは好きなんだけど、緑茶とは違う苦みがちょっと苦手。苦いのは同じなのに不思議だと思う。
「ふうみがうしなわれないうちにもっていってあげるといい」
「ありがと、俺持ってくね」
そうして部屋に行くと、主と薙が談笑している声が聞こえてきた。
「まさか坂本龍馬とも繋がりがあったとはね~」
…え、何それ。聞いてないんですけど。
ちょっと複雑な気分になりつつも「持って来たよー」と障子を開けた。
「あ、清光ありがと」
蜂須賀が買ったコースターの上にアイスコーヒーを置いて「どういうこと?」と視線を薙に向けた。
「加州さん、どうしたの?」
早速ストローをさして淹れたてを一口飲んだ薙がそれに気付く。
“加州
せめて“くん”付けがいいんだけど。
薙は他の本丸の男士には基本的に“さん”付けで呼んでいる。もちろん外見的に年上の人には元々そうしてるみたいだけど、例外として陸奥守を呼び捨てにしてるのが何かもやもやする。
「ホントにどしたの、清光」
「えっと、坂本龍馬と繋がりがあったってどういうことなのかなーって」
自分の分のアイスコーヒーにストローをさして、色々とごまかすように一口飲んだ。
「にっが!」
「背伸びするからそうなるのよ…」
「すまん、これを忘れちょった」
俺は絶対に可愛くない顔をしてる。陸奥守が持って来たガムシロップとミルクを受け取った主が俺にそれを差し出した。ふたりとも無糖で飲んでいる。
…やっぱ俺って子ども?
ちょっとへこむ俺に「それはね」と薙が教えてくれた。それに陸奥守が「ほんまか!」と目を輝かせた。刀派といい、まさかの内容に何だか頭がついていけない。
…何でアイスコーヒー飲もうって思ったんだろ、俺。
ガムシロップとミルクを2個ずつ入れてようやく飲める味になったアイスコーヒーを飲む俺の横で、坂本龍馬が“
「ほんならわしとも繋がりがあるってことやね」
「まぁ、全部の本丸の陸奥守ともそういうことにもなるけれども」
何か疎外感がある。
つまらなさそうにしてる俺に気付いた主が小さくため息をついた。俺の心情に気付いてる顔だ。ぽんぽんと俺の頭を撫でた。
「?」
それに首を傾げる薙。あの時は俺の心情をずばりと当ててみせたのに、何で今回は気付かないんだろう。
「そろそろわしゃみんなあを呼んで来るぜよ。飲み終える頃には集まるろうね」
「うん、お願い」
「あ、俺も行く!」
居心地が悪くなった俺もアイスコーヒーを一気に飲んで立ち上がった。
…やっぱコーヒーって、苦い。
