女性審神者の名前です。
撫子 太陽の当たる場所
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~宗三side~
「に、兄様…」
“小夜”は僕たちを見るなりぽろぽろと涙を零しました。やはり“江雪左文字”と“宗三左文字”が顕現していないことに寂しさを感じていたようです。その寂しさに気を紛らわす為に、矛先のない復讐を胸に日々を過ごしていたのだと思うと心が痛みます。
主は紫さんが力不足で情けなさを感じていることを知っています。紫さんとはかつての自分と、そして“小夜”がかつてのお小夜と同じと聞いて2振りを重ねたのでしょう。そうして“小夜”に戦いという潤いを与えることを建前としてこの本丸へ連れて来させ、僕たちに会わせることで闇の隣には光が差し、温もりがあることを伝えたかったのです。
主から打診を受けた時はすぐにそれを察しました。“小夜”が他の“小夜左文字”より強い復讐心を抱いていること、そして紫さんの本丸に僕たちが顕現していないこと。出来る限り“小夜左文字”に手を差し伸べたいのだと。
僕たちに会っても変わらない可能性も考えました。ですが違う本丸といえど、僕たちにとって“弟”は“弟”。兄弟として出来ることは全てやろうと快諾して今に至ります。
「…お腹空いたよね。歌仙たちがみんなの分の昼餉を作ってくれてるんだ。一緒に食べよう?」
「…うん」
「さぁ“小夜”、大広間へ向かいましょう」
ようやく会えたとはいえ、“小夜”が僕たちとどう接したら良いのか戸惑うのも無理はありません。ですからここは、一期一振のように“兄”として江雪兄様と共に“小夜”に手を差し出しました。
「えっと、僕なんかがいいのかな…」
「…良いのですよ」
おずおずと手を握り返してくれた“小夜”の手からは、復讐の色は感じられません。幸いにも上手くいっているようです。
大広間に向かう途中、蜂須賀と共にそちらへ向かう長曽祢と会いました。
「いい太刀筋だったな」
長曽祢がにかっと笑って“小夜”の頭を撫でると、“小夜”は申し訳なさそうに見上げました。
「…ごめんなさい」
「どうして謝る?その必要はないぞ」
紫さんの本丸に“長曽祢虎徹”は顕現していないと教えてくれました。紫さんの本丸は刀剣男士が少なく、短刀はそれなりにいるけど薙刀はいない、とも教えてくれました。
そうして大広間に行って席に着くと、“小夜”はそわそわと辺りを見回します。自分の本丸にはいて、この本丸にいない男士はいるのか探しているようです。来派と“亀甲貞宗”がいないと呟き、「亀甲と村正が揃うと大変だよ」と話してくれました。僕たちと顔を合わせてから“小夜”の口数が増えていて嬉しく感じます。普段はあまり表情を変えない江雪兄様も微笑み、お小夜もお小夜なりに話し掛け、本当の“兄弟”のように時間を過ごす中、少食のお小夜がおかわりをするちょっとした驚きもありました。
「空いた食器はありますか?」
そこに、厨当番を手伝う薙さんがやって来ました。“小夜”が首を傾げます。
「…あなたも、刀剣の付喪神なの?」
「うん、私は紅葉薙。元薙刀の脇差なの」
「私も稽古場にいたよ」と苦笑いを浮かべる薙さんの肩から、もふ丸が身を乗り出します。
「僕はハムスターのもふ丸です。同じく付喪神ですよ」
“小夜”は好奇心が沸いた表情を見せ、それに気付いた薙さんが「そうだ」と笑みました。
「片付けが終わるまでもふ丸を見ててくれないかな。…もふ丸?」
「分かりましたっ」
薙さんが“小夜”に向けた腕から器用にテーブルへと下り、「他の本丸の男士とお話しするのは初めてです」と“小夜”のところへやって来ました。撫でられるのが大好きなもふ丸は“小夜”の手に乗って、「一発芸、笹かま!」とポーズをとりました。それに微笑んだ“小夜”はもふ丸の背中を撫で、小動物特有の柔らかさと温かさを楽しんでいます。
「この本丸には、茶々丸っていうミニウサギがいるんだ。見に行く?」
「…僕が行ってもいいの?」
「大丈夫、茶々丸は人懐こいから君にもすぐ寄って来るよ」
お小夜が様々な覚悟の上で本丸に迎え入れると決めた茶々丸が、このような形で交流のきっかけになる日が来るとは、私も江雪兄様も思ってもいませんでした。その意味も込めてお小夜の頭を撫でると、とっても嬉しそうに微笑みました。お小夜もあまり感情を表に出さない男士ではありますが、どんな形であれ、それを見せてくれたことに兄として安心します。他の短刀たちと遊ぶようになった時は嬉しさと安心と、皆への感謝の気持ちが止まりませんでした。
「あと、兄様たちと花を育てているんだ。それも見に行こう?」
「…うん」
「ここは僕たちに任せておくれ。せっかくこの本丸に来たのだから、たくさん楽しんでほしい」
歌仙の言葉に甘えて、早速茶々丸が過ごす部屋へと向かいました。
「わぁ…」
今日も茶々丸は元気です。ケージの扉を開ければすぐに出て来ました。暫く撫でた後はお小夜たちがお昼ご飯を与えたり、世話の仕方を教える光景はとても微笑ましいもので、“小夜”に温もりを教えることが出来て本当に良かったと心から思います。
かつてのお小夜は、僕が顕現しても心を開いてくれるまで時間が掛かりました。お小夜は刀剣であった頃の記憶がより強い男士です。お小夜自身が復讐の塊のようなものだったのもあって、その頃のお小夜と“小夜”が重なります。僕と主で根気よく接して心を開き、江雪兄様の顕現を待ち、その間にあった現世遠征も兄弟が揃うまで見送ると決めたお小夜。今こうして過ごせていることに涙が溢れそうになります。
どうにかそれを堪えているところに、紫さんの本丸の短刀と一期一振がそっと顔を出しました。ミニウサギがいると聞いて興味が沸いたようです。
一気に賑やかになる中、“小夜”の体が固まります。それも仕方のないことです。1振りだけで過ごすことが多かった“小夜”がこうして大人数で過ごしているのですから。
「動物って本当に可愛いですね!」
“秋田”が“小夜”に柔らかい笑みを向けます。戸惑いながらも「…うん」と返し、2振りで茶々丸を撫でました。
紫さんの本丸でも時々山からタヌキが下りて来るそうですが、それ以外は動物と触れ合う機会はないそうです。五虎退の虎たちだけだと“愛染”が教えてくれました。それを知ったもふ丸は、その分可愛がってもらおうとそれぞれの短刀たちの肩に乗っては異なる乗り心地を楽しんでいます。
短刀たちが茶々丸をたくさん可愛がってくれた後、みんなで遊ぼうと庭へ向かって行ったのと同時に、僕たちも花壇のある方へと向かいました。
「に、兄様…」
“小夜”は僕たちを見るなりぽろぽろと涙を零しました。やはり“江雪左文字”と“宗三左文字”が顕現していないことに寂しさを感じていたようです。その寂しさに気を紛らわす為に、矛先のない復讐を胸に日々を過ごしていたのだと思うと心が痛みます。
主は紫さんが力不足で情けなさを感じていることを知っています。紫さんとはかつての自分と、そして“小夜”がかつてのお小夜と同じと聞いて2振りを重ねたのでしょう。そうして“小夜”に戦いという潤いを与えることを建前としてこの本丸へ連れて来させ、僕たちに会わせることで闇の隣には光が差し、温もりがあることを伝えたかったのです。
主から打診を受けた時はすぐにそれを察しました。“小夜”が他の“小夜左文字”より強い復讐心を抱いていること、そして紫さんの本丸に僕たちが顕現していないこと。出来る限り“小夜左文字”に手を差し伸べたいのだと。
僕たちに会っても変わらない可能性も考えました。ですが違う本丸といえど、僕たちにとって“弟”は“弟”。兄弟として出来ることは全てやろうと快諾して今に至ります。
「…お腹空いたよね。歌仙たちがみんなの分の昼餉を作ってくれてるんだ。一緒に食べよう?」
「…うん」
「さぁ“小夜”、大広間へ向かいましょう」
ようやく会えたとはいえ、“小夜”が僕たちとどう接したら良いのか戸惑うのも無理はありません。ですからここは、一期一振のように“兄”として江雪兄様と共に“小夜”に手を差し出しました。
「えっと、僕なんかがいいのかな…」
「…良いのですよ」
おずおずと手を握り返してくれた“小夜”の手からは、復讐の色は感じられません。幸いにも上手くいっているようです。
大広間に向かう途中、蜂須賀と共にそちらへ向かう長曽祢と会いました。
「いい太刀筋だったな」
長曽祢がにかっと笑って“小夜”の頭を撫でると、“小夜”は申し訳なさそうに見上げました。
「…ごめんなさい」
「どうして謝る?その必要はないぞ」
紫さんの本丸に“長曽祢虎徹”は顕現していないと教えてくれました。紫さんの本丸は刀剣男士が少なく、短刀はそれなりにいるけど薙刀はいない、とも教えてくれました。
そうして大広間に行って席に着くと、“小夜”はそわそわと辺りを見回します。自分の本丸にはいて、この本丸にいない男士はいるのか探しているようです。来派と“亀甲貞宗”がいないと呟き、「亀甲と村正が揃うと大変だよ」と話してくれました。僕たちと顔を合わせてから“小夜”の口数が増えていて嬉しく感じます。普段はあまり表情を変えない江雪兄様も微笑み、お小夜もお小夜なりに話し掛け、本当の“兄弟”のように時間を過ごす中、少食のお小夜がおかわりをするちょっとした驚きもありました。
「空いた食器はありますか?」
そこに、厨当番を手伝う薙さんがやって来ました。“小夜”が首を傾げます。
「…あなたも、刀剣の付喪神なの?」
「うん、私は紅葉薙。元薙刀の脇差なの」
「私も稽古場にいたよ」と苦笑いを浮かべる薙さんの肩から、もふ丸が身を乗り出します。
「僕はハムスターのもふ丸です。同じく付喪神ですよ」
“小夜”は好奇心が沸いた表情を見せ、それに気付いた薙さんが「そうだ」と笑みました。
「片付けが終わるまでもふ丸を見ててくれないかな。…もふ丸?」
「分かりましたっ」
薙さんが“小夜”に向けた腕から器用にテーブルへと下り、「他の本丸の男士とお話しするのは初めてです」と“小夜”のところへやって来ました。撫でられるのが大好きなもふ丸は“小夜”の手に乗って、「一発芸、笹かま!」とポーズをとりました。それに微笑んだ“小夜”はもふ丸の背中を撫で、小動物特有の柔らかさと温かさを楽しんでいます。
「この本丸には、茶々丸っていうミニウサギがいるんだ。見に行く?」
「…僕が行ってもいいの?」
「大丈夫、茶々丸は人懐こいから君にもすぐ寄って来るよ」
お小夜が様々な覚悟の上で本丸に迎え入れると決めた茶々丸が、このような形で交流のきっかけになる日が来るとは、私も江雪兄様も思ってもいませんでした。その意味も込めてお小夜の頭を撫でると、とっても嬉しそうに微笑みました。お小夜もあまり感情を表に出さない男士ではありますが、どんな形であれ、それを見せてくれたことに兄として安心します。他の短刀たちと遊ぶようになった時は嬉しさと安心と、皆への感謝の気持ちが止まりませんでした。
「あと、兄様たちと花を育てているんだ。それも見に行こう?」
「…うん」
「ここは僕たちに任せておくれ。せっかくこの本丸に来たのだから、たくさん楽しんでほしい」
歌仙の言葉に甘えて、早速茶々丸が過ごす部屋へと向かいました。
「わぁ…」
今日も茶々丸は元気です。ケージの扉を開ければすぐに出て来ました。暫く撫でた後はお小夜たちがお昼ご飯を与えたり、世話の仕方を教える光景はとても微笑ましいもので、“小夜”に温もりを教えることが出来て本当に良かったと心から思います。
かつてのお小夜は、僕が顕現しても心を開いてくれるまで時間が掛かりました。お小夜は刀剣であった頃の記憶がより強い男士です。お小夜自身が復讐の塊のようなものだったのもあって、その頃のお小夜と“小夜”が重なります。僕と主で根気よく接して心を開き、江雪兄様の顕現を待ち、その間にあった現世遠征も兄弟が揃うまで見送ると決めたお小夜。今こうして過ごせていることに涙が溢れそうになります。
どうにかそれを堪えているところに、紫さんの本丸の短刀と一期一振がそっと顔を出しました。ミニウサギがいると聞いて興味が沸いたようです。
一気に賑やかになる中、“小夜”の体が固まります。それも仕方のないことです。1振りだけで過ごすことが多かった“小夜”がこうして大人数で過ごしているのですから。
「動物って本当に可愛いですね!」
“秋田”が“小夜”に柔らかい笑みを向けます。戸惑いながらも「…うん」と返し、2振りで茶々丸を撫でました。
紫さんの本丸でも時々山からタヌキが下りて来るそうですが、それ以外は動物と触れ合う機会はないそうです。五虎退の虎たちだけだと“愛染”が教えてくれました。それを知ったもふ丸は、その分可愛がってもらおうとそれぞれの短刀たちの肩に乗っては異なる乗り心地を楽しんでいます。
短刀たちが茶々丸をたくさん可愛がってくれた後、みんなで遊ぼうと庭へ向かって行ったのと同時に、僕たちも花壇のある方へと向かいました。
