女性審神者の名前です。
桜「僕たちって色んな逸話があったりするんだな」
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~薙side~
玄関では私を支えてくれていたみんなが待っていた。「ただいま」と返した私の表情でみんなが安堵の笑みを浮かべる。考えに考えて、これまで私の全てを見て、守ってくれていたみんなに先に話そうと決めていたのもあって、待っていてくれていたのが嬉しかった。
「長谷部が部屋を空けてくれている。まずはそこに向かおう」
「僕は飲み物を持って来ますね」
堀川くんが厨に駆けて行き、それを見送って長曽祢さんに案内されてそこへと向かった。
みんなは歴防本部でプリントアウトしてきた資料と、私と主様を何度も交互に見てそわそわしている。主様がまずは何から知りたいのかと尋ねてみると、みんなは相談し合って「刀工」と答えた。
「埋忠明寿…?」
埋忠明寿が活躍していた時代とみんなが刀剣であった時代が離れているので、予想通りみんなは彼の名は初めて聞くものだった。
そうして三条宗近の子孫と伝えた途端、その場がどよめく。
「三日月がじじいで薙は孫ってこと?!」
「…清光、言い方ね」
清光くんが三日月さんと私の関係をどストレートに述べた。代が離れているとはいえ、合っていると言えば合っている。
「そうか、薙は三条派だったがか」
「分かって良かったぜよ」とにかっと笑った陸奥守。みんなもここまで分かったのだと安堵した…のも束の間。
「その埋忠明寿は豊臣秀吉公に召し抱えられていたの。当時の言葉では“知行 ”っていうんだって」
「は?!」
「えぇっ?!」
「マジかよ?!」
「ということは…?」
「うん、そういうこと」
そうして埋忠妙寿が刀剣界の元締め的存在となったのが本能寺の変の後。この頃には私が打ち出されていたのかまでは分からない。
私は三条派であり、前の主が豊臣秀吉公の側室。みんなからしてみれば衝撃的な事実だろう。私もそうだった。
「けれど、姫様のことはまだ思い出せなくて…」
「ここまで分かったんだ、きっとすぐに思い出せるだろ」
ぽん、と和泉守さんが私の頭を優しく撫でる。その温もりに何だか安心した。
「ほんなら、にっかりと愛染の件はどういうことやろうね」
「あぁ、それはね」と私の代わりに主様が資料を見て答える。
「“愛染国俊”に関しては豊臣秀吉公が所持してたの。それから森蘭丸の弟君に譲られたのよね。“にっかり青江”は織田信長の家臣から秀吉公に伝わってる」
「おれはあまり詳しくないが、豊臣家となれば一期たちもそうじゃないのか?」
「三日月さんもなんだよ」と資料をなぞった。それには豊臣家とゆかりのあった刀剣もリストアップしてある。
「ということは、薙さんと三日月さんたちは大阪城にいた時期があるってことですよね」
「うん、きっとそのはず」
そこでふと思い出した。長谷部さんと夢のことを話していた時にやって来た一期さんと鯰尾くん。もしかしたらこのことなんだと思う。三日月さんや骨喰くんはどう感じているのだろう。特に三日月さんとは繋がりがとても深いことが分かったのに、今までそれを感じられなかったのかが不思議だ。
「もう、何でここまで分かったのに姫様を思い出せないのかな~…」
机に突っ伏した。
本丸に戻る時、無理やり思い出そうとしてもまた熱を出すかもしれないからと、主様とは「今日はみんなに話すだけにしよう」と決めてある。それでも頑張って思い出したい気持ちは強い。
「薙、今日は思い出そうとしちゃダメだからね」
「はい…」
話しているうちに何か浮かんでくれればいいんだけど…。
「それなら、三日月さんたちと交代した方がいいんじゃない?僕たちは充分話を聞けたし」
「うーん…、まずはそうしようか。清光と安定くんでみんなを呼んで来てくれる?」
「りょうかーい」
机に突っ伏したままの私の頬を、もふ丸が桃色の小さい手でぺちぺちと叩いた。
「薙、大丈夫ですか?」
「うん、だいじょうぶ…」
玄関では私を支えてくれていたみんなが待っていた。「ただいま」と返した私の表情でみんなが安堵の笑みを浮かべる。考えに考えて、これまで私の全てを見て、守ってくれていたみんなに先に話そうと決めていたのもあって、待っていてくれていたのが嬉しかった。
「長谷部が部屋を空けてくれている。まずはそこに向かおう」
「僕は飲み物を持って来ますね」
堀川くんが厨に駆けて行き、それを見送って長曽祢さんに案内されてそこへと向かった。
みんなは歴防本部でプリントアウトしてきた資料と、私と主様を何度も交互に見てそわそわしている。主様がまずは何から知りたいのかと尋ねてみると、みんなは相談し合って「刀工」と答えた。
「埋忠明寿…?」
埋忠明寿が活躍していた時代とみんなが刀剣であった時代が離れているので、予想通りみんなは彼の名は初めて聞くものだった。
そうして三条宗近の子孫と伝えた途端、その場がどよめく。
「三日月がじじいで薙は孫ってこと?!」
「…清光、言い方ね」
清光くんが三日月さんと私の関係をどストレートに述べた。代が離れているとはいえ、合っていると言えば合っている。
「そうか、薙は三条派だったがか」
「分かって良かったぜよ」とにかっと笑った陸奥守。みんなもここまで分かったのだと安堵した…のも束の間。
「その埋忠明寿は豊臣秀吉公に召し抱えられていたの。当時の言葉では“
「は?!」
「えぇっ?!」
「マジかよ?!」
「ということは…?」
「うん、そういうこと」
そうして埋忠妙寿が刀剣界の元締め的存在となったのが本能寺の変の後。この頃には私が打ち出されていたのかまでは分からない。
私は三条派であり、前の主が豊臣秀吉公の側室。みんなからしてみれば衝撃的な事実だろう。私もそうだった。
「けれど、姫様のことはまだ思い出せなくて…」
「ここまで分かったんだ、きっとすぐに思い出せるだろ」
ぽん、と和泉守さんが私の頭を優しく撫でる。その温もりに何だか安心した。
「ほんなら、にっかりと愛染の件はどういうことやろうね」
「あぁ、それはね」と私の代わりに主様が資料を見て答える。
「“愛染国俊”に関しては豊臣秀吉公が所持してたの。それから森蘭丸の弟君に譲られたのよね。“にっかり青江”は織田信長の家臣から秀吉公に伝わってる」
「おれはあまり詳しくないが、豊臣家となれば一期たちもそうじゃないのか?」
「三日月さんもなんだよ」と資料をなぞった。それには豊臣家とゆかりのあった刀剣もリストアップしてある。
「ということは、薙さんと三日月さんたちは大阪城にいた時期があるってことですよね」
「うん、きっとそのはず」
そこでふと思い出した。長谷部さんと夢のことを話していた時にやって来た一期さんと鯰尾くん。もしかしたらこのことなんだと思う。三日月さんや骨喰くんはどう感じているのだろう。特に三日月さんとは繋がりがとても深いことが分かったのに、今までそれを感じられなかったのかが不思議だ。
「もう、何でここまで分かったのに姫様を思い出せないのかな~…」
机に突っ伏した。
本丸に戻る時、無理やり思い出そうとしてもまた熱を出すかもしれないからと、主様とは「今日はみんなに話すだけにしよう」と決めてある。それでも頑張って思い出したい気持ちは強い。
「薙、今日は思い出そうとしちゃダメだからね」
「はい…」
話しているうちに何か浮かんでくれればいいんだけど…。
「それなら、三日月さんたちと交代した方がいいんじゃない?僕たちは充分話を聞けたし」
「うーん…、まずはそうしようか。清光と安定くんでみんなを呼んで来てくれる?」
「りょうかーい」
机に突っ伏したままの私の頬を、もふ丸が桃色の小さい手でぺちぺちと叩いた。
「薙、大丈夫ですか?」
「うん、だいじょうぶ…」
