女性審神者の名前です。
桜「僕たちって色んな逸話があったりするんだな」
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~薙side~
「遥ちゃん、いらっしゃーい!」
「お邪魔します」
体調が回復した私は、主様と共に綾菜 様の本丸を訪れた(もふ丸は留守番)。
主様曰く、お師匠様…遊玄 様の本丸は審神者歴が長いだけあって男士はかなり多く、そちらにお邪魔するのが1番だと連絡したものの、遊玄様の代わりに応対したのは“始まりの一振り”である山姥切さんで、遊玄様は最近は体調が優れない日が度々あって安静にしているとのことで、流石にその状態でお邪魔するのは申し訳ないと見送ったようだ。
他にもお菊様も審神者歴は長いので連絡したという。そちらも二代目こと紬 様が新学期を迎えて環境が少し変わって、新しいクラスにまだ慣れていなかったり、難しくなってきた勉強に審神者としての執務は控えていると聞き、負担を掛けるわけにはいかないのでこちらも見送ったという(現世の学校のことはあまり分からないけど、主様から話を聞く限り大変なのは分かった)。
そして、紫 様は現世遠征を控えている。楽しみにしているであろうところにお邪魔するわけにもいかないので、こうして綾菜様に協力してもらうことになった、という流れだ。
「君が薙ちゃんか~」
「ほんまに“刀剣女士”がおったがか~」
この本丸の始まりの一振りは陸奥守。…違う、せめて“さん”を付けた方がいいんだろうか。私が良く知る陸奥守とは良く似ているけど何かが違う。
「わしらもおまんの力になるき、安心しとーせ」
ばしばしと肩を叩かれた。どうやら性別に関係なくスキンシップが多いらしい。こちらの陸奥守はそうでもないんだけども。
「こら、女の子に気安く触るんじゃないよ」
更に綾菜様がばしん、と陸奥守さんの背中を叩いた。
「……」
私、大丈夫かな…。
まずはお茶をいただくことになった。同じようで違う本丸に、辺りをきょろきょろと見回す。他の本丸に伺うのは私が頼んだこととはいえ、戸惑いが隠せない。
「この本丸の皆様はフレンドリーで優しい方ばかりだから安心して」
「は、はぁ…」
普段は“くん”付けしている男士も、ここでは“さん”付けで呼ぶことにしておくとして、問題は接し方。顕現させた審神者が異なれば霊力も異なるとのことで、確かに陸奥守…さんは何となく違う雰囲気だ。彼といると何だか調子が狂う。1秒でも早く慣れなければと、今週の近侍らしい岩融さんが豪快に淹れたお茶をすすった。
「おっ、おしたらだめなんだぞっ…」
そこにひそひそと話し声がした。一部は聞き慣れた声。影でばればれなのに、短刀さんたちが私を一目見ようと押し掛けている。
「謙信ー、毛利ー、乱ー、その他数振りー?」
「大変失礼致しました」
「邪魔をしては駄目だよ」と一期さんが彼らの襟を引っ張って去って行く影が見えた。この本丸の一期さんはなかなか強引らしい。
「…薙、頑張って」
口元を引きつらせた私の心境を察した主様が私の肩をぽん、と叩いた。何だか自信がなくなってきた。主様と綾菜様には申し訳ないけれど、今の私の癒しは歌仙さんが持って来てくれた和菓子だ。美味しい。
「わしが案内するきね。遥の本丸に顕現しちょらん男士も、散歩しちょったら会えるはずや」
「お願いします…」
暫し談笑した後、陸奥守さん(一向に慣れない)の案内で庭を歩く。するとダンスの練習をしている男士が2振りいた。
「あなたが主が言っていた薙さんですね」
「噂には聞いてはいたが思ってた以上に背が高いな」
初めて見る顔に小さく首を傾げた。
爽やかに声を掛けてくれたのは篭手切江さんと豊前江さん。事前に聞いていた“江派”だ。
「薙さんも脇差なんですね。私もなんです。宜しくお願いします」
「俺は打刀だ。速さには自信あるんだぜ。ヨロシクな」
「よろしくお願いいたします」
江派はもう2振りいて、彼らは畑にいるだろうと教えてくれた。
集中して2振りをじっくり見させてもらう。
「……」
「悪いが、俺も何も感じねぇな」
「私もです」
肩を落とした私に、陸奥守さんが「しゃあないぜよ」と頭をぽん、と撫でた。
続いて畑に向かう。言っていた通り江派のもう2振りはそこにいた。
「あぁ、早く浴びたい…」
もう少しで収穫出来そうなトマトを眺め、独特な笑みを浮かべる松井江さん。
「うん、やっぱりここの土はいいね」
ぺろりと土を舐めたのは桑名江さん。
それぞれの衝撃的な振る舞いと行動に固まった。
個性の塊というか何と言うか…。
「ま、悪い奴らではないき、見てみるとえい」
「失礼しますね…」
色んな意味で動揺を抑えられない。ちゃんと感じられるかどうか震える手でそれぞれの頭に手を置いたり肩を撫でさせてもらった。
「もしかして桑名江さんは、蜻蛉切さんと繋がりがありますか?」
「うん。僕の前の主は本多忠政様。蜻蛉切様の前の主だった本多忠勝様のご子息だよ」
「やっぱりそうでしたか」
「君は凄いね。そこまで分かるとは」
私でも驚いている。私たちの本丸でみんなを見て回ったおかげか、そういったことまで感じられた。
「松井江さんは、先ほど見させていただいた篭手切江さんと…歌仙さん?とゆかりがあるように見えますが」
「あぁ、細川家だね」
…ということは、小夜くんもだ。
歌仙さんを見た時、細川家とゆかりはないと感じたし、今も繋がりを感じられないから違うらしい。
結局、私は江派でなければ彼らとの繋がりもなし。
次は誰に会えるのかな、と見回す。
この本丸は、私たちの本丸にある桜の木の辺りは茶畑。そして花を育てているのは、花壇ではなくてプランターが多い印象だ。今はチューリップが見頃を迎えている。
「紫色のチューリップは初めて見ました」
「そうやろう?何でかは分からんけんど、主が毎年探し回っちゅうがじゃ」
そうして新鮮な光景にあれこれ見ていたら…
ブシャァッ!
ホースの水が直撃した。
「遥ちゃん、いらっしゃーい!」
「お邪魔します」
体調が回復した私は、主様と共に
主様曰く、お師匠様…
他にもお菊様も審神者歴は長いので連絡したという。そちらも二代目こと
そして、
「君が薙ちゃんか~」
「ほんまに“刀剣女士”がおったがか~」
この本丸の始まりの一振りは陸奥守。…違う、せめて“さん”を付けた方がいいんだろうか。私が良く知る陸奥守とは良く似ているけど何かが違う。
「わしらもおまんの力になるき、安心しとーせ」
ばしばしと肩を叩かれた。どうやら性別に関係なくスキンシップが多いらしい。こちらの陸奥守はそうでもないんだけども。
「こら、女の子に気安く触るんじゃないよ」
更に綾菜様がばしん、と陸奥守さんの背中を叩いた。
「……」
私、大丈夫かな…。
まずはお茶をいただくことになった。同じようで違う本丸に、辺りをきょろきょろと見回す。他の本丸に伺うのは私が頼んだこととはいえ、戸惑いが隠せない。
「この本丸の皆様はフレンドリーで優しい方ばかりだから安心して」
「は、はぁ…」
普段は“くん”付けしている男士も、ここでは“さん”付けで呼ぶことにしておくとして、問題は接し方。顕現させた審神者が異なれば霊力も異なるとのことで、確かに陸奥守…さんは何となく違う雰囲気だ。彼といると何だか調子が狂う。1秒でも早く慣れなければと、今週の近侍らしい岩融さんが豪快に淹れたお茶をすすった。
「おっ、おしたらだめなんだぞっ…」
そこにひそひそと話し声がした。一部は聞き慣れた声。影でばればれなのに、短刀さんたちが私を一目見ようと押し掛けている。
「謙信ー、毛利ー、乱ー、その他数振りー?」
「大変失礼致しました」
「邪魔をしては駄目だよ」と一期さんが彼らの襟を引っ張って去って行く影が見えた。この本丸の一期さんはなかなか強引らしい。
「…薙、頑張って」
口元を引きつらせた私の心境を察した主様が私の肩をぽん、と叩いた。何だか自信がなくなってきた。主様と綾菜様には申し訳ないけれど、今の私の癒しは歌仙さんが持って来てくれた和菓子だ。美味しい。
「わしが案内するきね。遥の本丸に顕現しちょらん男士も、散歩しちょったら会えるはずや」
「お願いします…」
暫し談笑した後、陸奥守さん(一向に慣れない)の案内で庭を歩く。するとダンスの練習をしている男士が2振りいた。
「あなたが主が言っていた薙さんですね」
「噂には聞いてはいたが思ってた以上に背が高いな」
初めて見る顔に小さく首を傾げた。
爽やかに声を掛けてくれたのは篭手切江さんと豊前江さん。事前に聞いていた“江派”だ。
「薙さんも脇差なんですね。私もなんです。宜しくお願いします」
「俺は打刀だ。速さには自信あるんだぜ。ヨロシクな」
「よろしくお願いいたします」
江派はもう2振りいて、彼らは畑にいるだろうと教えてくれた。
集中して2振りをじっくり見させてもらう。
「……」
「悪いが、俺も何も感じねぇな」
「私もです」
肩を落とした私に、陸奥守さんが「しゃあないぜよ」と頭をぽん、と撫でた。
続いて畑に向かう。言っていた通り江派のもう2振りはそこにいた。
「あぁ、早く浴びたい…」
もう少しで収穫出来そうなトマトを眺め、独特な笑みを浮かべる松井江さん。
「うん、やっぱりここの土はいいね」
ぺろりと土を舐めたのは桑名江さん。
それぞれの衝撃的な振る舞いと行動に固まった。
個性の塊というか何と言うか…。
「ま、悪い奴らではないき、見てみるとえい」
「失礼しますね…」
色んな意味で動揺を抑えられない。ちゃんと感じられるかどうか震える手でそれぞれの頭に手を置いたり肩を撫でさせてもらった。
「もしかして桑名江さんは、蜻蛉切さんと繋がりがありますか?」
「うん。僕の前の主は本多忠政様。蜻蛉切様の前の主だった本多忠勝様のご子息だよ」
「やっぱりそうでしたか」
「君は凄いね。そこまで分かるとは」
私でも驚いている。私たちの本丸でみんなを見て回ったおかげか、そういったことまで感じられた。
「松井江さんは、先ほど見させていただいた篭手切江さんと…歌仙さん?とゆかりがあるように見えますが」
「あぁ、細川家だね」
…ということは、小夜くんもだ。
歌仙さんを見た時、細川家とゆかりはないと感じたし、今も繋がりを感じられないから違うらしい。
結局、私は江派でなければ彼らとの繋がりもなし。
次は誰に会えるのかな、と見回す。
この本丸は、私たちの本丸にある桜の木の辺りは茶畑。そして花を育てているのは、花壇ではなくてプランターが多い印象だ。今はチューリップが見頃を迎えている。
「紫色のチューリップは初めて見ました」
「そうやろう?何でかは分からんけんど、主が毎年探し回っちゅうがじゃ」
そうして新鮮な光景にあれこれ見ていたら…
ブシャァッ!
ホースの水が直撃した。
