女性審神者の名前です。
桜「僕たちって色んな逸話があったりするんだな」
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~薙side~
「流石にちゃんと休んだ方がいい」と、半ば強制的に粟田口のみんなで先に昼餉を食べることになった。
炒飯とわかめスープの美味しさが体…というより、脳に染み渡る。人間で言えば食べ盛りの年頃であろう厚くんや後藤くんがおかわりをしている姿に、「同じ刀派の男士がいたらどんな気持ちになるんだろう」と思う。
「薙様はこちらも食べて下さい。疲れた時には甘いものが1番です」
どうやら私は相当酷い顔をしていたようで、平野くんが自分用に買ってきたであろうチョコレートを2個くれた。平野くんには気を遣わせてしまったけれど、頭を撫でれば控えめに、でも嬉しそうにする姿を見るとやっぱり粟田口のみんなはきょうだいのように思えてしまう。
けれど…。
私は粟田口ではない。これは確かだ。
もし刀派が分かったら、この関係性が崩れてしまうんじゃないかと不安になった。
「薙さん、今日はもう休んだ方がいいんじゃないですか?」
鯰尾くんに声を掛けられ、「大丈夫だよ」と小さく笑んだ。その言葉にみんなも食事の手を止めて心配そうに私を見る。“姉”の私がこんな情けない姿を見せるわけにはいかないと気を引き締めて、再び炒飯を食べ始める。
「薙、午後も頑張りましょう」
「うん」
まずは馬を愛でていた物吉くんのところへ。
物吉くんは徳川家康を始めとした徳川家とゆかりのある刀剣。徳川家康も“誰もが知る歴史上の人物”なので、じっくり見させてもらったけれど、何も感じるものはなかった。
「……」
「ほっ、他にもまだ男士がいますから!」
もふ丸に励まされつつ、次は三条派の岩融さんと今剣ちゃんのところへ。2振りも私がすぐに会えるようにと一緒に過ごしてくれていた。
2振りの前の主に逸話はあると言えど素性が不明。架空の人物だったり物語上に描かれた刀剣という説もあって、詳細は未だに分かっていない。更に現世では消失扱いになっているからか、逆に不思議な雰囲気だ。繋がりは感じられなかったけれど、そういったものを感じ分けられる力は戻っていると言ってもいいかもしれない。
「かなり苦労されているようですね」
「大丈夫かい?」
最後に向かった先は縁側でお茶をする三日月さん、小狐丸さん、石切丸さん、鶯丸さんのところ。三条派が揃い、古備前もいる。彼らが打ち出されたのは平安時代、姫様が過ごされていた時代と離れているのはほぼ確実と言ってもいいけれど、それでも何か分かるんじゃないかと藁にも縋る思いで色々と見させてもらった。
「うぅ…」
その場に突っ伏した。
「薙よ、そこまで気落ちする必要はないぞ」
小狐丸さんからはお茶を、三日月さんからは最中を差し出されて、石切丸さんの隣に座る。
「薙はやれることは全てやっている。そこは自信を持っていい」
「先程主が来てな。話を少々聞いたが、前の主を思う気持ちも充分俺たちに伝わっているぞ」
「ありがとうございます…」
もそもそと最中を食べる私の頭をそっと撫でてくれた石切丸さん。同じ神社出身なだけあってか、その温かさに安心した。…そこに。
「薙、今日はここまで!」
しょげている私のところに主様が小走りでやって来た。
「霊力が少し乱れてる。今日はもう休もう?」
「三日月さんたちで最後でしたし、大丈夫ですよ…?」
「だいじょばないから来たの!」
主様が私の額に手を当てる。
「ほら、熱まで出てる」
「それはお茶を飲んでるからでは…?」
「普通はお茶を飲んでもここまで顔は赤くならないからね?」
言われてみれば、火照ってきているような…。
これを見越していた主様が持って来ていた「薙は見ないように」と体温計で熱を測った。数字を見ると余計に体調が悪くなるから、とのことらしい。
「うん、部屋に戻ろうね」
「私の最中が…」
「重症だわ」と主様に部屋に連れて行かれ、てきぱきと布団の準備をして、着替えもさせてくれてここでは強制的に布団に入らされた。
「手拭いよりこっちの方がいいから」
現世遠征で買っておいたという熱を下げるシートのようなものを額に貼ってもらい、その冷たさに目を閉じた。先程まで賑やかに過ごしていたのが嘘みたいだ。
「…主様」
「ん?」
「私を他の本丸に連れて行っていただけませんか」
「…分かった」
連合を組んでいる他の本丸に連絡してもらうことになり、そのまま私の1日は終わった。
「流石にちゃんと休んだ方がいい」と、半ば強制的に粟田口のみんなで先に昼餉を食べることになった。
炒飯とわかめスープの美味しさが体…というより、脳に染み渡る。人間で言えば食べ盛りの年頃であろう厚くんや後藤くんがおかわりをしている姿に、「同じ刀派の男士がいたらどんな気持ちになるんだろう」と思う。
「薙様はこちらも食べて下さい。疲れた時には甘いものが1番です」
どうやら私は相当酷い顔をしていたようで、平野くんが自分用に買ってきたであろうチョコレートを2個くれた。平野くんには気を遣わせてしまったけれど、頭を撫でれば控えめに、でも嬉しそうにする姿を見るとやっぱり粟田口のみんなはきょうだいのように思えてしまう。
けれど…。
私は粟田口ではない。これは確かだ。
もし刀派が分かったら、この関係性が崩れてしまうんじゃないかと不安になった。
「薙さん、今日はもう休んだ方がいいんじゃないですか?」
鯰尾くんに声を掛けられ、「大丈夫だよ」と小さく笑んだ。その言葉にみんなも食事の手を止めて心配そうに私を見る。“姉”の私がこんな情けない姿を見せるわけにはいかないと気を引き締めて、再び炒飯を食べ始める。
「薙、午後も頑張りましょう」
「うん」
まずは馬を愛でていた物吉くんのところへ。
物吉くんは徳川家康を始めとした徳川家とゆかりのある刀剣。徳川家康も“誰もが知る歴史上の人物”なので、じっくり見させてもらったけれど、何も感じるものはなかった。
「……」
「ほっ、他にもまだ男士がいますから!」
もふ丸に励まされつつ、次は三条派の岩融さんと今剣ちゃんのところへ。2振りも私がすぐに会えるようにと一緒に過ごしてくれていた。
2振りの前の主に逸話はあると言えど素性が不明。架空の人物だったり物語上に描かれた刀剣という説もあって、詳細は未だに分かっていない。更に現世では消失扱いになっているからか、逆に不思議な雰囲気だ。繋がりは感じられなかったけれど、そういったものを感じ分けられる力は戻っていると言ってもいいかもしれない。
「かなり苦労されているようですね」
「大丈夫かい?」
最後に向かった先は縁側でお茶をする三日月さん、小狐丸さん、石切丸さん、鶯丸さんのところ。三条派が揃い、古備前もいる。彼らが打ち出されたのは平安時代、姫様が過ごされていた時代と離れているのはほぼ確実と言ってもいいけれど、それでも何か分かるんじゃないかと藁にも縋る思いで色々と見させてもらった。
「うぅ…」
その場に突っ伏した。
「薙よ、そこまで気落ちする必要はないぞ」
小狐丸さんからはお茶を、三日月さんからは最中を差し出されて、石切丸さんの隣に座る。
「薙はやれることは全てやっている。そこは自信を持っていい」
「先程主が来てな。話を少々聞いたが、前の主を思う気持ちも充分俺たちに伝わっているぞ」
「ありがとうございます…」
もそもそと最中を食べる私の頭をそっと撫でてくれた石切丸さん。同じ神社出身なだけあってか、その温かさに安心した。…そこに。
「薙、今日はここまで!」
しょげている私のところに主様が小走りでやって来た。
「霊力が少し乱れてる。今日はもう休もう?」
「三日月さんたちで最後でしたし、大丈夫ですよ…?」
「だいじょばないから来たの!」
主様が私の額に手を当てる。
「ほら、熱まで出てる」
「それはお茶を飲んでるからでは…?」
「普通はお茶を飲んでもここまで顔は赤くならないからね?」
言われてみれば、火照ってきているような…。
これを見越していた主様が持って来ていた「薙は見ないように」と体温計で熱を測った。数字を見ると余計に体調が悪くなるから、とのことらしい。
「うん、部屋に戻ろうね」
「私の最中が…」
「重症だわ」と主様に部屋に連れて行かれ、てきぱきと布団の準備をして、着替えもさせてくれてここでは強制的に布団に入らされた。
「手拭いよりこっちの方がいいから」
現世遠征で買っておいたという熱を下げるシートのようなものを額に貼ってもらい、その冷たさに目を閉じた。先程まで賑やかに過ごしていたのが嘘みたいだ。
「…主様」
「ん?」
「私を他の本丸に連れて行っていただけませんか」
「…分かった」
連合を組んでいる他の本丸に連絡してもらうことになり、そのまま私の1日は終わった。
