あの日からずっと【第1話】完
「ほんと、ごめんね。博道くんがちぃちゃんのこと好きなの、雅道くんに話しちゃって」
「なんでそれ、凪沙が知ってる?」
無表情の博道の心の中はうかがい知れない。それでもその問いは、彼の想いを肯定している。
やっぱり間違い電話だったんだ。
ちぃちゃんにかけてるつもりで、彼はいつも私に電話してきてた。
「博道くん、電話かけてくれるじゃない?」
「電話?」
覚えがないのか、彼はポケットからスマホを取り出して、通話履歴を確認している。
「私は気にしてないの。気にしてないんだけどね、酔っ払って電話してくるよね。それで、ちぃちゃんが好きなのかなって思うようなことずっと話してるの。ちぃちゃんって子に電話してるつもりで、きっと間違えてるんだろうなって思ってて」
博道はスマホのディスプレイを凝視した後、私と目を合わせるなり、パッとほおを赤らめる。右手で口を覆う彼の耳が、みるみるうちに真っ赤になっていく。
らしくない。いつも冷静沈着で、感情表現が乏しい博道の意外な一面に驚いてしまう。
同時に、赤面する彼をかわいいなんて思いながらも、おずおずと頭をさげる。
「ごめんね。さっきね、その話、雅道くんにしちゃって」
「いいんだ。雅道は知ってるから」
「えっ、知ってるの?」
拍子抜けする私を見て、彼は照れくさそうに笑う。
「花火、河川敷で見よう」
「あ、うん。いいよ」
すんなりうなずくと、博道はおかしそうに目を細めた。
「なんでそれ、凪沙が知ってる?」
無表情の博道の心の中はうかがい知れない。それでもその問いは、彼の想いを肯定している。
やっぱり間違い電話だったんだ。
ちぃちゃんにかけてるつもりで、彼はいつも私に電話してきてた。
「博道くん、電話かけてくれるじゃない?」
「電話?」
覚えがないのか、彼はポケットからスマホを取り出して、通話履歴を確認している。
「私は気にしてないの。気にしてないんだけどね、酔っ払って電話してくるよね。それで、ちぃちゃんが好きなのかなって思うようなことずっと話してるの。ちぃちゃんって子に電話してるつもりで、きっと間違えてるんだろうなって思ってて」
博道はスマホのディスプレイを凝視した後、私と目を合わせるなり、パッとほおを赤らめる。右手で口を覆う彼の耳が、みるみるうちに真っ赤になっていく。
らしくない。いつも冷静沈着で、感情表現が乏しい博道の意外な一面に驚いてしまう。
同時に、赤面する彼をかわいいなんて思いながらも、おずおずと頭をさげる。
「ごめんね。さっきね、その話、雅道くんにしちゃって」
「いいんだ。雅道は知ってるから」
「えっ、知ってるの?」
拍子抜けする私を見て、彼は照れくさそうに笑う。
「花火、河川敷で見よう」
「あ、うん。いいよ」
すんなりうなずくと、博道はおかしそうに目を細めた。