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あの日からずっと【第2話】完

「さみしい時はさみしいって言うんだよ」

 雅道で穴埋めしたらいけないって言われたみたい。

「う、う、うん。あ、でも、一週間も会えないね……。博道くんもさみしいかな」

 お互いにさみしいかも、って思う。まだ付き合うって決めたばっかりだけど、鍵をもらったりキスは早いとか言ってられないのかなって、気持ちが揺らぐ。

「一年に一度か二度しか会えなかったのにね。急にさみしくなるね」
「私はもっと会いたいなって思ってたよ。でも、博道くんは憧れの人って感じで、付き合えるとか思ってなくて」
「俺も、凪沙は雅道と付き合うと思ってたから」

 だから遠慮してた。
 博道はそう言う。

「私のこと好きでいてくれてるなんて、全然わかんなかった」
「隠してたからだよ。ずっと可愛いなって思ってた」
「私も、博道くんのことカッコいいって思ってた。頭もいいし、しっかりしてて」
「こんな風に話すの、なんか変だな」
「知っててもらいたいから」

 キスより何より、私たちにはどれほど思い合ってるか話し合う時間が大事なんだとも思う。
 でも、博道が欲しいのはきっと、言葉だけじゃなくて。

「凪沙……、帰ってきたらさ、もっとたくさん話そう。話して、それから」
「うん。は、はじめてだから、優しくしてね」
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