あの日からずっと【第2話】完
手のひらに鍵を乗せられて、戸惑う。
「は、はやくない?」
「凪沙なら早くないよ」
「でもなんか、ちょっと。ドキドキしちゃうね」
幼馴染なんだから、付き合いは長い。そうは言っても、鍵を握っていいのかもわからない。戸惑っていると、博道はそっと笑って、私の指を優しく折っていく。
「帰ってくるの、部屋で待ってて」
「何時ぐらいに帰るの? 私も来週はお仕事あるし」
「夜かな。だから大丈夫だよ」
「夜なら、仕事帰りに寄ろうかな」
「そうだね。そのぐらいでちょうどいいよ」
昨日、付き合うことになったのに、展開の早さに戸惑ってしまう。
「雅道は俺のマンション、来たことないから」
「そうなの? 意外」
「でも、もしかしたら来る日があるかもしれないから間違えたらダメだよ」
意味がわからなくて首をかしげる。
「間違う?」
「雅道と俺、間違えたらダメだよ」
カッとほおが赤くなる。
さっきは博道を雅道と間違えて抱きついたけど、逆だったらって心配してるのだ。
「雅道くんの前で寝たりしないから」
「あたりまえだよ」
「それに、間違えない。間違えたことないから」
博道と雅道は全然似てない。だけど、ちょっとしたしぐさが似てて、シルエットを見間違えることがないわけでもなくて。きっとそういうことも見透かしてて。
「は、はやくない?」
「凪沙なら早くないよ」
「でもなんか、ちょっと。ドキドキしちゃうね」
幼馴染なんだから、付き合いは長い。そうは言っても、鍵を握っていいのかもわからない。戸惑っていると、博道はそっと笑って、私の指を優しく折っていく。
「帰ってくるの、部屋で待ってて」
「何時ぐらいに帰るの? 私も来週はお仕事あるし」
「夜かな。だから大丈夫だよ」
「夜なら、仕事帰りに寄ろうかな」
「そうだね。そのぐらいでちょうどいいよ」
昨日、付き合うことになったのに、展開の早さに戸惑ってしまう。
「雅道は俺のマンション、来たことないから」
「そうなの? 意外」
「でも、もしかしたら来る日があるかもしれないから間違えたらダメだよ」
意味がわからなくて首をかしげる。
「間違う?」
「雅道と俺、間違えたらダメだよ」
カッとほおが赤くなる。
さっきは博道を雅道と間違えて抱きついたけど、逆だったらって心配してるのだ。
「雅道くんの前で寝たりしないから」
「あたりまえだよ」
「それに、間違えない。間違えたことないから」
博道と雅道は全然似てない。だけど、ちょっとしたしぐさが似てて、シルエットを見間違えることがないわけでもなくて。きっとそういうことも見透かしてて。