あの日からずっと【第2話】完
私はちょっと迷って、彼の指に触れる。すると、急くように指がからんでくる。
「まだちょっと信じられなくて」
「何が?」
「博道くんと付き合えるなんて、本当じゃないみたい」
「本当だよ」
それはそうなんだけど。
寝起きだからか、いまいち現状をつかみきれないまま、博道に視線を戻す。
「どうして博道くん、ここにいるの?」
「ちょうどご両親が出かけるところで、あげてもらったんだ。そしたら、凪沙、寝てるから」
「そうなの? お母さんも声かけてくれたらよかったのに」
寝顔を見られてしまうなんて迂闊で、恥ずかしい。
うつむくと、博道に頭をなでられた。
「明日から出張だから、夕方には帰らないといけなくてさ。その前に凪沙に会っておきたかったんだ」
「出張? お盆なのに、忙しいね」
「来週には帰るよ。帰ってきたら連絡するから」
「うん。待ってる」
デートはしばらくお預けだ。
友人だった時もなかなか会えなかったのだ。恋人になったからって会える機会が増えるはずもなく。
「すれ違わないように努力するよ」
「少しでも会える時間があるなら、会いに行くね」
「じゃあ、凪沙に鍵、渡しておく」
「鍵?」
博道はポケットからキーケースを取り出すと、一本の鍵を外す。
「マンションの鍵。場所はまたメールしておく」
「まだちょっと信じられなくて」
「何が?」
「博道くんと付き合えるなんて、本当じゃないみたい」
「本当だよ」
それはそうなんだけど。
寝起きだからか、いまいち現状をつかみきれないまま、博道に視線を戻す。
「どうして博道くん、ここにいるの?」
「ちょうどご両親が出かけるところで、あげてもらったんだ。そしたら、凪沙、寝てるから」
「そうなの? お母さんも声かけてくれたらよかったのに」
寝顔を見られてしまうなんて迂闊で、恥ずかしい。
うつむくと、博道に頭をなでられた。
「明日から出張だから、夕方には帰らないといけなくてさ。その前に凪沙に会っておきたかったんだ」
「出張? お盆なのに、忙しいね」
「来週には帰るよ。帰ってきたら連絡するから」
「うん。待ってる」
デートはしばらくお預けだ。
友人だった時もなかなか会えなかったのだ。恋人になったからって会える機会が増えるはずもなく。
「すれ違わないように努力するよ」
「少しでも会える時間があるなら、会いに行くね」
「じゃあ、凪沙に鍵、渡しておく」
「鍵?」
博道はポケットからキーケースを取り出すと、一本の鍵を外す。
「マンションの鍵。場所はまたメールしておく」