変わり種のお話
それは唐突に言われた
「あなたの本丸はもう、私の物。」
私の目の前にいる彼女は見習い審神者。
つい2日前に研修という名目でこの本丸に来た娘。
「…悔しいのでしょう?」
彼女は愉しそうに問いかけてくる。
「…ねぇ?なにか言ったらどうかしら?」
何も言わず、ただ黙って俯いている私に向かって、少し苛立たしげに声をかけてくる。
私は無言で立ち上がり、彼女を見つめた。
「なによ!?」
そして手を伸ばした所で、邪魔が入った。
「審神者様、そこまでです!!止まってください!!」
政府職員を連れてきたこんのすけによって、止められてしまった。
「は?政府職員が来たくらいでどうにかなるとでも?」
彼女は鼻で笑ったけど、こんのすけに一蹴された。
「貴女に言っているのではありません!!」
「…え?」
こんのすけの言葉に彼女は理解できていない顔をする。
こんのすけが止めたのは、私の方
「…わかった、ヤラないよ。…間に合ってしまったから。」
私の言葉を聞いて、警戒を少し解いたこんのすけは職員に指示を出して彼女を拘束した。
「話だけなら良いでしょう?」
こんのすけに問うと、悩んだ末に許可がでた。
「話すだけ…それだけでお願いします。」
「…わかったよ。」
こんのすけの言葉に了承を返し、彼女に近づく。
彼女はまだ余裕そうに私を見ている。
そんな彼女の顎を持つ
「ねぇ、私はね。私のモノを獲られるコトが我慢できないの。」
彼女は鼻で笑おうとした。
「何のためにこんのすけが慌てて止めたと思う?…貴女の保護の為なんだよ?…わからないか。ウチを狙ったんだもんね。知らないか。」
真顔で淡々と教えてあげると、彼女は意味がわからなそうな顔をする。
「私はね、私のモノを奪うモノを許せないの。…だって、私のモノなのに、他者に奪われる?ありえないよね?私だけのモノなのだから。私のモノは私の手元から離れてはイケないのだから。…私のモノを奪うものは、いなくなっても仕方ないよね?だって、先に奪おうとしたのは貴女なのだから。貴女のモノを奪っても許されると思うの。」
淡々と言い続けると、彼女は顔を少し青ざめさせつつ、気丈に振る舞う。
「私のモノを奪うなら、貴女の大切なモノも奪われる覚悟でいなければ…ね?例えば、ココの中の物とか」
顎を掴んで顔を固定していた指を外し、その指先で心臓の上をわかりやすく突いた。
彼女は少し考え、顔を白く染めた。
ああ、血の気が引いたのだろう。
政府職員がいなければ、奪われるモノが心臓だと理解してしまったのだろう。
「だって、貴女がはじめたのよ?私のモノを奪うという事を。」
私のモノを奪おうとするなら、奪われる覚悟は必要でしょう?
彼女は目に涙をためて、何かを懇願しはじめた。
今更気づいても遅いのだけれど…
こんのすけに止められてしまったから、言葉でわからせているだけなのに、なんと覚悟の薄いことか…。
「主…そのへんでやめたらどうだ?」
肩に手を置き、声をかけてきたのは、いつの間にかやってきていた鶴丸国永だった。
「そうそう、時間の無駄だよ。その程度のムスメでは、俺達を操るなんて不可能だよ。」
その隣には小竜景光。
「…鶴丸。小竜。」
2振りの方へ向き直ると、顔を覗き込まれる。
「あのムスメが勝手に言っているだけで、誰一人操られていないよ。別のこんのすけが調べたから間違いない。」
「…そっか。」
2振りがそう言うということは、間違い無いのだろうと納得する。
あぁ、これだけは彼女に言わなければ
「貴女、残念な子なのね。よりによって私の本丸でコトを起こしたのだから。…ウチが1番乗っ取り等に厳しいのよ?私が奪われる事に我慢ならないから。貴女が最初じゃないのよ?奪おうとした子は。…だから、止められたでしょ?最初に。」
本当に残念。
私の言葉を聞いた彼女は血の気が引いたまま、職員に連れて行かれた。
私の気が変わって害されたら困るから。
「さぁ、光坊の特製ずんだ餅でも食べようぜ」
2振りに促され、部屋を後にする。
この、特別な客間から連れ出される。
「楽しみだね。」
私の様子を見て、2振りは安堵したようだ。
私が彼女から大事なものを貰いに行くことを辞めたから。
私は私のモノを奪われる事が嫌いで、我慢がならない。
この本丸にあるモノは私のモノ。
そう政府が定めて、私が決めた。
だから、私のモノを奪うモノには…。
あぁ、あの部屋を使わなくてよい日はいつ来るのだろうか。…政府が見習いを送ってこなければ使わなくて済むのに…ね?
〆
「あなたの本丸はもう、私の物。」
私の目の前にいる彼女は見習い審神者。
つい2日前に研修という名目でこの本丸に来た娘。
「…悔しいのでしょう?」
彼女は愉しそうに問いかけてくる。
「…ねぇ?なにか言ったらどうかしら?」
何も言わず、ただ黙って俯いている私に向かって、少し苛立たしげに声をかけてくる。
私は無言で立ち上がり、彼女を見つめた。
「なによ!?」
そして手を伸ばした所で、邪魔が入った。
「審神者様、そこまでです!!止まってください!!」
政府職員を連れてきたこんのすけによって、止められてしまった。
「は?政府職員が来たくらいでどうにかなるとでも?」
彼女は鼻で笑ったけど、こんのすけに一蹴された。
「貴女に言っているのではありません!!」
「…え?」
こんのすけの言葉に彼女は理解できていない顔をする。
こんのすけが止めたのは、私の方
「…わかった、ヤラないよ。…間に合ってしまったから。」
私の言葉を聞いて、警戒を少し解いたこんのすけは職員に指示を出して彼女を拘束した。
「話だけなら良いでしょう?」
こんのすけに問うと、悩んだ末に許可がでた。
「話すだけ…それだけでお願いします。」
「…わかったよ。」
こんのすけの言葉に了承を返し、彼女に近づく。
彼女はまだ余裕そうに私を見ている。
そんな彼女の顎を持つ
「ねぇ、私はね。私のモノを獲られるコトが我慢できないの。」
彼女は鼻で笑おうとした。
「何のためにこんのすけが慌てて止めたと思う?…貴女の保護の為なんだよ?…わからないか。ウチを狙ったんだもんね。知らないか。」
真顔で淡々と教えてあげると、彼女は意味がわからなそうな顔をする。
「私はね、私のモノを奪うモノを許せないの。…だって、私のモノなのに、他者に奪われる?ありえないよね?私だけのモノなのだから。私のモノは私の手元から離れてはイケないのだから。…私のモノを奪うものは、いなくなっても仕方ないよね?だって、先に奪おうとしたのは貴女なのだから。貴女のモノを奪っても許されると思うの。」
淡々と言い続けると、彼女は顔を少し青ざめさせつつ、気丈に振る舞う。
「私のモノを奪うなら、貴女の大切なモノも奪われる覚悟でいなければ…ね?例えば、ココの中の物とか」
顎を掴んで顔を固定していた指を外し、その指先で心臓の上をわかりやすく突いた。
彼女は少し考え、顔を白く染めた。
ああ、血の気が引いたのだろう。
政府職員がいなければ、奪われるモノが心臓だと理解してしまったのだろう。
「だって、貴女がはじめたのよ?私のモノを奪うという事を。」
私のモノを奪おうとするなら、奪われる覚悟は必要でしょう?
彼女は目に涙をためて、何かを懇願しはじめた。
今更気づいても遅いのだけれど…
こんのすけに止められてしまったから、言葉でわからせているだけなのに、なんと覚悟の薄いことか…。
「主…そのへんでやめたらどうだ?」
肩に手を置き、声をかけてきたのは、いつの間にかやってきていた鶴丸国永だった。
「そうそう、時間の無駄だよ。その程度のムスメでは、俺達を操るなんて不可能だよ。」
その隣には小竜景光。
「…鶴丸。小竜。」
2振りの方へ向き直ると、顔を覗き込まれる。
「あのムスメが勝手に言っているだけで、誰一人操られていないよ。別のこんのすけが調べたから間違いない。」
「…そっか。」
2振りがそう言うということは、間違い無いのだろうと納得する。
あぁ、これだけは彼女に言わなければ
「貴女、残念な子なのね。よりによって私の本丸でコトを起こしたのだから。…ウチが1番乗っ取り等に厳しいのよ?私が奪われる事に我慢ならないから。貴女が最初じゃないのよ?奪おうとした子は。…だから、止められたでしょ?最初に。」
本当に残念。
私の言葉を聞いた彼女は血の気が引いたまま、職員に連れて行かれた。
私の気が変わって害されたら困るから。
「さぁ、光坊の特製ずんだ餅でも食べようぜ」
2振りに促され、部屋を後にする。
この、特別な客間から連れ出される。
「楽しみだね。」
私の様子を見て、2振りは安堵したようだ。
私が彼女から大事なものを貰いに行くことを辞めたから。
私は私のモノを奪われる事が嫌いで、我慢がならない。
この本丸にあるモノは私のモノ。
そう政府が定めて、私が決めた。
だから、私のモノを奪うモノには…。
あぁ、あの部屋を使わなくてよい日はいつ来るのだろうか。…政府が見習いを送ってこなければ使わなくて済むのに…ね?
〆
1/1ページ