2月14日♡
夢小説設定
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「次はこれよ」「あら、これも似合いそう」フィッティングルームにいる白蓮へ次々と洋服を持ってくる
「柳娟、こんなに持ってこられても私、買えないから」
「だから私が払うから問題ないんだってば」
「で、でも」
「普段は強気で文句ばっかり言う割には、変な所で遠慮するんだから…」
腕を組み白蓮を睨みつける柳娟
「何よりあんなダサい格好でこの私の横を歩いてほしくないわ」
「う゛…確かにあの格好で歩く勇気はもうないけど…」
「でしょ?アンタはねぇ、少しは可愛げってものを覚えた方がいいわ」
「『ありがとう、さすが美人でお淑やかで慈愛に溢れる柳娟様だわ』って素直に感謝すればいいのよ」
わざとらしい程の身振り手振りで大袈裟に言う柳娟
「はぁ?どの口がそんな事言ってんの?お淑やかって誰のことよ!この前だって柳娟、学校の机を壊してたじゃない」
白蓮が言い返すと「いつもの調子が戻ってきたじゃない」と白蓮のおでこを弾く柳娟
「とりあえず、その服にしましょ、1番似合ってるわ」
柳娟は白蓮の手を取り、そのままキャッシャーへと向かった
ーーー
ーー
「服はなんとかなったわね」
「あとはそのヘンテコなメイクよ」
「そ、そんなに変なの?」
「なに?鏡も見ずに来たワケ?」
「うん、最後の仕上げに特製ツバキをって言われたから、そのまま走って逃げてきちゃった」
「あー」と苦笑いを浮かべる柳娟。「それは確かに走って逃げるわね」と頬を掻いた
「とにかくその変なメイクは丸ごとごっそり落としてきちゃいなさい」
近場のドラッグストアでクレンジングを買い、トイレで落とすことになった白蓮。その間に柳娟は簡単な化粧品を購入した
「うん、これでいいわ♡」
手際よくメイクを直した柳娟が「ほい」と鏡を白蓮へ向けた
「あ、ありがとう」
「あら、えらく素直に言うじゃない」
肩肘で頬杖をついた柳娟が「アンタは性格はともかく顔はいいんだからさ、ごちゃごちゃしなくってもいいのよ」と笑った
「何よその『性格はともかく』って」
膨れっ面で「柳娟には言われたくない」と怒る白蓮
「そのままの意味よ。いい年してお兄ちゃん、お兄ちゃんって」
「柳娟だってストーカー並みに康琳のこと気にかけてるじゃない」
「私はねぇ、あんなに可愛い康琳が変な男に騙されないか心配なだけよ!」
「そういうとこ!康琳だって、心の中ではウザがってるかもよ?」
「そらいうならアンタの方でしょう?天文も妹のお守りはもう嫌だって思ってるんじゃない?」
「お兄ちゃんはそんな人じゃないもん!」
「康琳もよ、あの子は兄思いの優しい子だもの」
「「・・・」」
一時睨み合ったあと、どちらからともなく笑い出した
「確かに天文も康琳もいい子だものね」
「そうそう、二人とも優しくって自慢の兄妹だね」
「さ!そろそろ暗くなる時間だわ、2人にお土産買って帰りましょうか」
「2人って、お兄ちゃんと康琳?」
「そ、あそこのお店のスイーツとかどうかしら?」
「うん、喜ぶと思う、、、けど、呂候さんにも買って帰らなきゃきっと泣いちゃうわよ」
「あ、忘れてた」とペロっと舌を出す柳娟。その表情にちっとも悪びれた様子はない
「もう!柳娟のお兄ちゃんなんだからね、もっと大切にしてあげて」
「はいはい」と気の無い返事を返す柳娟。「珠玉にも買って帰らないと後が怖いわね」
「うん、珠玉には2個くらい買っておく?」
「アンタ、あんな変な格好させられてよくそんなこと言えるわね」
「でも、服選びもメイクもすごく一生懸命考えてくれてたんだもん」
「ふーん」
それでいてあの格好なのかと納得がいかない柳娟だったが、それぞれお土産を購入して帰ることにした
「そう言えばさ、結局なんの用事だったの?」
「へ?」
「あんな所に呼び出して」
「あっ!」と小さく声をあげ、もじもじとする白蓮
「何よ、言いたいことあるならはっきり言いなさいよ」
「いや、えーとね、ほら、この前勉強教えてもらったじゃない?それとほら、お裾分けって夕飯のお惣菜もらったし、あと、あれだ!昨日は服についたゴミをとってもらったし──…」
「はあ?」何訳わかんないこと言ってンのと白蓮を覗き込む柳娟。すると「コレ!!!」と勢いよく小さな箱を押し付けられた
「諸々のお礼だからッ」
その場で開け始めた柳娟に「ちょっと今開けないでよ」と抵抗する白蓮。「いーじゃない」と柳娟は強引に開け進めた
「マフィン…?」
「そ、そう」
「作ったの?」
「ま、まあね。お兄ちゃんに作ったのの余りだから」
パクっ
「うん、美味しいじゃない」
顔を真っ赤にして下を向く白蓮
「ふふ、こんなに美味しく作れるなんて、大人になったわねぇ」
半分からかい気味に白蓮の頭を撫でた
「バカにしてるの?」
俯いてた白蓮が上目遣いに柳娟を睨む
「褒めてんのよ」
マフィンを食べている柳娟の顔が少し赤らんで見えた
(夕日のせいかな?)
残りのマフィンを食べる柳娟を、白蓮は見つめ続けていた
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