第二部~明日の私を信じたい~
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(頭が痛い)
前のことを話せば話すほど頭が痛くなっていく
(あれ?なんかクラクラしてきた)
そのまま意識がなくなり、自分の名前を呼ぶ柳娟の声を遠くに感じた
ーー
ー
『名前』
・・・朱雀の神様?
「どうしてここに?」
『そなたが以前の記憶を人に話してしまったから』
「話したから?」
『そなたとの約束はそなたの中にある記憶だけを残すというものであった』
「あ・・・」
『約束が破られた以上、その願いはなかったことにさせてもらう』
「『康琳』との記憶が消えちゃうの?」
『それは分からない、ただ今のように強く覚えていられることはないであろう』
「そう、、、なんですね。どうしても話す事ができなかったのは、それもあったんだ」
『・・・』
「私が喋ってしまったんだししょうがないです。それに、、、もともと二つ目は無理矢理お願いしちゃったし」
『そうだな』
『ただ、我が叶えたそなたの願いは
「・・・」
「神様って意外に親切なんですね」
『以前は我の「ミス」であるからな』
(そこは気にしていたんだ)
何だかおかしくなって笑ってしまった
神様に対して失礼極まりなく、叱られるのかと思ったら
朱雀の神様は少し微笑んで消えていった
『我のこともそのうち忘れるであろう』
と言い残して、、、
ーーー
ーー
倒れた名前の呼吸を確認する
「息はしている」
そっと布団に寝かせ名前の顔を見つめる
(そういうことだったのね)
今までの名前の言動に辻褄が合う
「どうしよう・・・」
名前があんなに苦しそうに話していたのに嬉しく思ってしまっている
たった数ヶ月一緒にいただけの私のことを、ずっと思っていてくれた
忘れたくないと朱雀に願いをかけてまで
そっと名前の頬に手をあて涙の跡を撫でる
すると、ふと忘れたくても忘れられない気配がした
心なしか名前が朱く光っている
ひととき様子を見ていると、その気配と共に朱い光が消えた
そう感じた瞬間、目の前にかつて自分に宿命を与えた存在が立っている
「あら、私には顔出さないで行ってしまうのかと思ったわ」
朱雀は何も言わずに微笑んだ
「すこーしくらい、私の記憶も残しておいてくれてても良かったじゃない」
『そのようには願われなかったのでな』
『ただ、、、そなたが願った場所へ生まれ変わったのではないか?』
「・・・」
「意外にお節介なのね、朱雀星君って」
そう言われた朱雀が、一瞬クスリと笑った気がした
そして次の瞬間、その姿は消えていた
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