第二部~明日の私を信じたい~
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こんなに長い夜は初めて
そしてこのまま朝が来ることなく闇夜が永遠に続くのではないかと
二人はそれぞれに、そう思った
「なん、、、て言えばいいのかしら」
その静かで長い夜の空気を、大きく吸って柳娟が話し始める
「信じらんないかもしれないんだけど、わたし、前世の記憶みたいなのが残ってて」
「ぼんやりとはしているんだけど、普通はそんなものはないと分かったのも、随分、大きくなってからなのよ」
「その前世で色々あったんだけど、昼間に会った二人を護りたいと思ってたの」
「そんな二人がとても幸せそうで嬉しかった」
「ごめん」
「何で謝るの?」
「・・・」
(・・・柳娟も、こんな顔するんだ)
急に冷静な気持ちになり目の前の柳娟を見る
あんなにおしゃべりな柳娟が黙って何も言えずにいる
困らせているのは私
「前世?」「転生?」「生まれ変わり?」そんなの私だって嫌というほど痛感している
『前回』からのお別れから5年
2度と会えないと思い続けて5年
再会した時はただ嬉しかった
「なぜ」会えたのかを考えなかったことが、ない訳ではなかった
漠然と、、、「三つ目の願いとして私が願ったのかな」と考えたこともあった
でもその考えにはすぐ蓋をした
だってそうなると
『私が願ったから、私を好きでいてくれてる』
ってことだから、、、
(だから私は前の転生のことを言えなかったんだ)
無表情のまま、名前が涙を流した
いつもなら、頬に手をあて涙を拭ってくれる柳娟の手が名前の顔の前で止まって、握り拳になった
困らせてるのは私
(話さなきゃ)
(これでダメになったとしても)
「あの、ね、柳娟」
「私、柳娟に話してない事があって、、、」
「ずっと前に私、あなたに会ってるの」
「『康琳』だった頃のあなたに」
困った顔をしていた柳娟の目が見開いた
「何で、、、知ってるの?」
ゆっくりとゆっくりと話はじめた
きっと夜は長いから
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