第二部~明日の私を信じたい~
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「お料理を運ばせていただきますね」と仲居さんが料理を運んでくる。
「豪華だね」「美味しいね」なんて声をかけたような気がする
彼も「そうでしょ」「中々予約の取れない宿なんだけどコネがあったのよ」なんて返事を返してきた気がする
でも、実感がない
(私は今、誰と、、、どこに、、、いるんだっけ)
「嫉妬」とか「やきもち」なんてものを通り越した感覚に支配されている
この気持ちを表す言葉を私は知らない
ただただ、自分が小さく、小さくなっていくような
奥歯がきゅうっと締め付けられるような気がして、誤魔化そうと強く噛み締めた
「お風呂はどうする?」「一緒に入っちゃう?」なんて聞かれた気がする
「やだな」「先に入ってきていいよ」って答えた気がする
(私は何でここにいるんだっけ、、、いつからいるの、、、?)
泣きたいような気もする。でも泣き方が分からない
こんな想いの表し方なんて分からない
「名前」
肩に手を置かれ、顔を覗き込まれる
体がビクッと震え、反射的に彼から離れようと後ずさった
「彼」が見たこともないような悲しい顔をしている
ーー
ー
「名前、ごめん」
「何が、、、?」
「・・・」
「何が」と聞かれると何て答えてよいのか分からない
目の前の彼女が悲しんでいることだけが分かる
そして、、、
悲しませているのは「あたし」ということも分かっている
懐かしい気配を感じたの
強く強く幸せを願った二人
ただただ嬉しかった
自分は、、、自分の使命を果たせたんだと
「達成感」とも「安堵感」とも少し違う
この感覚を表す言葉を私は知らない
でも自分に怯えて離れていく「彼女」の顔を見て思った
こんなことなら前世の記憶なんていらない
わたしは痛む左胸を、無意識に押さえていた
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